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「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

2019.01.17

「eBASEBALL」で初代王者を決めるe日本シリーズが開催された

頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ

はたして“もう1つのプロ野球”で頂点に輝いたのは?

1月12日、東京ビッグサイトTFT HALL 500にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」のe日本シリーズが開催された。頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ。はたして初代王者に輝いたのは、どちらのチームか。

3カ月間の戦いの末、頂点を争う切符を勝ち取った2チーム

「eBASEBALL」とは、野球ゲーム『実況パワフルプロ野球 2018(パワプロ)』を使用した、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が共同で開催するプロリーグだ。

2018年7月より行われたオンライン予選、西日本、東日本選考会を経て、9月末に実際のプロ野球球団による「eドラフト会議」を実施。ドラフトで指名された選手は、プロゲーマーとして各球団に所属する形になった。

11月からは実際のプロ野球のペナントレースのように、セ・リーグ、パ・リーグに分かれて「eペナントレース」がスタート。そして12月に行われた、eペナントレース上位チームによる「eリーグ代表決定戦」によって、パ・リーグの埼玉西武ライオンズと、セ・リーグの横浜DeNAベイスターズが、e日本シリーズへの切符を手にした。

パ・リーグ代表の埼玉西武ライオンズは、eペナントレースを13勝2敗の圧倒的な強さで勝ち抜き、eリーグ代表決定戦でも危なげなく、代表権を獲得。対するセ・リーグ代表の横浜DeNAベイスターズは、キャプテンであるじゃむ~選手のデータを活かした戦術と強力打線、そして巧みな投球術でeリーグ代表権をもぎ取った。

埼玉西武ライオンズのなたでここ選手(写真左)、BOW川選手(写真中)、ミリオン選手(写真右)
横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手(写真左)、じゃむ~選手(写真中)、AO選手(写真右)
会場は超満員。立ち見席も出るほどの人気ぶりで、まさに日本一を決定するのに相応しい舞台となった

一発勝負の決勝戦! 最後に笑うのは……?

e日本シリーズでは、各チーム3名による3イニング交代制の試合を1戦だけ行う。そこで勝利したチームがeBASEBALL パワプロ・プロリーグの初代チャンピオンになるわけだ。

『パワプロ』でお馴染みの選手の調子発表

選手の調子を見ると、埼玉西武ライオンズは、主力に不調の選手がおらず実力を存分に発揮できそうなラインアップ。横浜DeNAベイスターズは主砲筒香の好調が嬉しいものの、桑原、ソトの不調が厳しい。どちらかというと調子具合は埼玉西武ライオンズが優位に見られた。

さぁ、いよいよプレイボール。まず1人目、埼玉西武ライオンズはミリオン選手、横浜DeNAベイスターズはヒデナガトモ選手がコントローラーを握る。奇しくも、ペナントレースで最多奪三振のタイトルを獲得した2人の対戦となった。

そのため、激しい投手戦が繰り広げられたが、3回裏に均衡が破られる。豪打を誇る埼玉西武ライオンズとしては珍しいスクイズで1点を先制すると、そこから怒濤の連打で計5点をもぎ取り、序盤にして埼玉西武ライオンズが大量リードを得た。

スクイズ、スチールと小技も冴え、一気に5点を奪うミリオン選手
センターフライの捕球ミスやスクイズの打者をアウトにできなかったなど、ミスが出てしまったヒデナガトモ選手

2人目は埼玉西武ライオンズがBOW川選手、横浜DeNAベイスターズがじゃむ~選手と、キャプテン対決。じゃむ~選手が2点を返すも、BOW川選手が1点を追加し、スコア「西武 6-2 DeNA」で最終プレイヤーにバトンが渡された。

埼玉西武ライオンズのキャプテンを務めるBOW川選手
横浜DeNAベイスターズの軍師ことじゃむ~選手

最後は、ペナントレースで急成長した埼玉西武ライオンズのなたでここ選手と、横浜DeNAベイスターズ無敗のエースAO選手の対戦となった。

最優秀防御率のタイトルを獲得し、eペナントレースでの失点はわずか3点と脅威の安定感を持つAO選手は、e日本シリーズでもその実力を発揮。打撃3冠を獲得したなたでここ選手をみごとに完封した。しかしながら、3イニングでは1点を返すのがやっとで、最終スコアは「6対3」。埼玉西武ライオンズが優勝し、e日本シリーズを制した。

今回の大会で急成長したなたでここ選手
横浜DeNAベイスターズのエースとしてチームを牽引したAO選手
ペナントレースから実況を担当した清水久嗣アナはe日本シリーズの実況も担当
解説を務めた元ヤクルトスワローズ監督の真中満氏
同じく解説を務めた元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏
ゲーム解説を務めるぶんた氏
パワプロ・プロリーグ初代チャンピオンの埼玉西武ライオンズ

埼玉西武ライオンズも横浜DeNAベイスターズも、打撃、特に本塁打に期待できる選手が揃っており、その打撃力で勝ち進んでいたなかで、e日本シリーズではホームランが「ゼロ」という、頂上決戦に相応しい緊迫感のある試合だったといえよう。

e日本シリーズでは博多激獅会も応援に駆けつけ、プロ野球さながらの応援が飛び交った

試合終了後は、優勝の表彰とともに、各個人タイトルの表彰も行われたので、その様子も紹介しよう。パ・リーグでは、首位打者、本塁打王、打点王、最優秀防御率の4冠を埼玉西武ライオンズのなたでここ選手が獲得。最多奪三振は埼玉西武ライオンズのミリオン選手が獲得した。

また、セ・リーグでは、首位打者と本塁打王の2冠を広島東洋カープのカイ選手、打点王と最優秀防御率の2冠を横浜DeNAベイスターズのAO選手、最多奪三振を横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手が獲得。そして、MVPには、4冠獲得のなたでここ選手が選出された。

パ・リーグの最多奪三振を獲得したミリオン選手
セ・リーグの首位打者と本塁打王を獲得したカイ選手
セ・リーグの打点王と最優秀防御率の2冠を獲得したAO選手
セ・リーグの最多奪三振を獲得したヒデナガトモ選手
パ・リーグの首位打者、打点王、本塁打王、最優秀防御率の4冠、そしてMVPを獲得したなたでここ選手
e日本シリーズでは12球団のマスコットがそろい踏み。スポンサーであるSMBCのキャラクター「ミドすけ」も登場した

eBASEBALLは試合を重ねるごとに盛り上がりを見せ、決勝の舞台でもあるe日本シリーズでは立ち見が出るほど多くのファンが駆けつけた。プロ野球ファンにとって、オフシーズン時期の楽しみの1つとして、eBASEBALLが定着しそうな気配も感じる。

最後にNPB(日本プロ野球機構)コミッショナーの斎藤惇氏による締めの挨拶にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2019」の開催も発表された。来シーズン、さらなる飛躍と盛り上がりに期待したい。

2018年に転換点を迎えたeスポーツ、2019年はどうなる?

2018年に転換点を迎えたeスポーツ、2019年はどうなる?

2019.01.11

2018年は多くのeスポーツプロリーグが開幕した

JeSUの発足やアジア大会での金メダル獲得など歴史的な出来事も

2019年、eスポーツ発展のカギを握るのは非ゲーム産業や地方自治体か

2018年ユーキャン新語・流行語大賞のトップテン入りを果たした「eスポーツ」。メディアで目にする機会が増えたという人も多いのではないだろうか。

それもそのはず。2018年はeスポーツ界隈にとって、大きなターニングポイントになったと言っても過言ではないほど、激動の1年間だったのだ。では、実際にどのような出来事があったのか。ざっくりと2018年を振り返りつつ、2019年の展望を考えてみたい。

歴史的な出来事が相次いだ2018年のeスポーツ

アメリカのメジャーeスポーツイベント「EVO」の日本版である「EVO Japan」開催から始まった2018年のeスポーツ。最初のビッグニュースと言えば、日本eスポーツ連合(JeSU)の発足ではないだろうか。日本eスポーツ協会(JeSPA)、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟(JeSF)という3団体が統合して生まれたJeSUは、プロライセンスの発行や関係各所との連携など、日本eスポーツの土台部分を固めていくのに欠かせない存在だ。

そして、第18回アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)では、デモンストレーション競技ながらeスポーツが競技に採用されたうえに、『ウイニングイレブン』の日本代表が金メダルを獲得『リーグ・オブ・レジェンド』の世界大会である「Worlds」では、日本チーム(DetonatioN FocusMe)が悲願の初勝利を収めた。

また、『クラッシュ・ロワイヤル』の世界大会「クラロワリーグ 世界一決定戦 2018」と、優勝賞金1億円の『シャドウバース』世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2018」という2つの世界大会が日本で開催されたことも、日本eスポーツ史に残るような出来事だった。

池袋と秋葉原で開催されたEVO Japan
闘会議2018のステージでJeSUについてのトークセッションが行われた
アジア競技大会では、デモンストレーション競技に6タイトルが選出された。そのうち5タイトルで日本代表の選考会を行った
Worldsでは日本チームが初勝利を収め、歴史的快挙を成し遂げた
アジア、ヨーロッパ、北米、ラテンアメリカ、中国、それぞれのリーグの優勝チームが集まった「クラロワリーグ 世界一決定戦」。記念すべき第1回大会の開催地に日本が選ばれた
世界に比べ賞金額が少ないと言われた日本のeスポーツにおいて、初めて1億円を突破した「Shadowverse World Grand Prix 2018」

クラッシュ・ロワイヤル』『モンスターストライク(スタジアム)』『実況パワフルプロ野球(パワプロ)』『ぷよぷよ』など、2018年になってeスポーツリーグ、eスポーツトーナメントを開始したタイトルが多く登場したことも印象的だ。

特に『パワプロ』のリーグで行われた「eドラフト会議」には、プロ野球OBや球団関係者が訪れただけでなく、試合の解説をプロ野球解説者が務めるなど、これまでにはない試みも見られた。リアルスポーツの積極的な参入は、まだeスポーツを見たことないという人に対して、見始めるきっかけを提供してくれるのではないだろうか。

『モンスト』のプロチームによるトーナメントツアー「モンスターストライク プロフェッショナルズ 2018」が初開催
6月より始まった『ぷよぷよ』eスポーツ大会。1年かけてチャンピオンを決定する
日本プロ野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントによる「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」

これだけ見ても、世界規模の大会が日本で開催されたり、新たなリーグがいくつもスタートしたりと、激動の1年だったeスポーツ業界。話題性もあり、さまざまなメディアに取りあげられるようになったが、正直なところ、「一般化された」と言うには、まだまだという印象である。ただし、ひとまずキックオフとしては、十分な成果が出せたのではないだろうか。

官民の後押しでeスポーツはさらなる成長を遂げる

2019年も2018年と同様に、eスポーツには新たな動きがあると見られている。大きなところだと、3月には「全国高校eスポーツ選手権」が行われ、10月には「いきいき茨城ゆめ国体」の文化プログラムにて『ウイニングイレブン 2019』『グランツーリスモ SPORTS』『ぷよぷよeスポーツ』という3タイトルの大会が実施される。また、JeSU(eスポーツ連合)とAESF(アジアeスポーツ連盟)による「eSPORTS国際チャレンジカップ~日本代表vsアジア選抜」の開催も注目すべき動きだ。

毎日新聞とサードウェーブが共催する「全国高校生eスポーツ選手権」。全国80校以上が参加している
国体の文化プログラムにて開催される「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」
「eスポーツ国際チャレンジカップ~日本代表vsアジア選抜」の開催を発表するJeSU副会長浜村弘一氏

さらに東京都は「東京都知事杯 eスポーツ競技大会(仮称)」の開催を年明け早々に発表し、すでに19年度予算案に盛り込んでいる。成長著しいeスポーツ業界は、多くの産業振興に結びつく可能性があるという、ポテンシャルが認められつつあるのではないだろうか。都知事杯の詳細は未定だが、地方自治体によるeスポーツイベントの恒常化に繋がりそうな気配だ。

民間の動きとして気になるのは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの存在。2018年3月にeスポーツプロチーム「よしもとゲーミング」を始動させ、11月には渋谷の「よしもと∞ホール」があるビルの最上階に、eスポーツ施設「よしもと∞ドーム」をオープンした。12月には『リーグ・オブ・レジェンド』の国内プロリーグ「League of Legends Japan League 2019(LJL)」に、運営として参加することも発表している。こういった非ゲーム産業からのeスポーツ参入は、eスポーツの興行的な発展やエンターテインメント化に、大きく力添えしてくれるはずだ。

昨年11月にオープンした「よしもと∞ドーム」。地下にある「よしもと∞ホール」もeスポーツイベントで使用する予定で、LJLの大会はよしもと∞ホールで行われる

おそらく今後は、都や県など地方自治体によるeスポーツイベントの展開、中学校、高校、大学、専門学校など教育機関の参加、イベント会社や芸能事務所によるイベント運営などがますます増えていくことだろう。そうなると、これまでのIPホルダーやファンコミュニティ中心のイベントとは違った側面で、より大きな市場での展開になっていくと考えられる。その結果、2019年は2018年以上にeスポーツが急発展する可能性があるのだ。

ただし、急速な発展にインフラや法の整備が間に合っていないという課題も残されている。風営法や上映権問題など、そのあたりの整備が発展速度に追いついていかないと、すべてが泡と消えかねないだろう。

2019年、eスポーツがさらなる飛躍を遂げることは間違いない。しかし、何かしらの結果を出さないことには、ここ数年耳にする“○○元年”と言われたものと同様に、元年のまま埋もれてしまう可能性もある。今後数年の活動によって、eスポーツの行く末が決まるのだ。

『モンスト』初のプロツアーを終えて、王者が感じた“一強の終焉”

『モンスト』初のプロツアーを終えて、王者が感じた“一強の終焉”

2019.01.09

3カ月にわたって開催されたモンストのプロツアー

2018年12月29日には上位4チームによるファイナルが行われた

大会終了後のインタビュー内容も紹介する

2018年12月29日、東京・秋葉原にあるアキバ・スクエアにて、「モンスターストライク プロフェッショナルズ 2018 トーナメントツアー(モンストプロツアー)」のファイナルが開催された。ツアーは、10月13日の東京を皮切りに、仙台、大阪、福岡、名古屋で行われ、『モンスターストライク(モンスト)』のプロ8チームのなかから、予選のタイムアタックポイントとトーナメントの順位ポイントを合わせたポイントの合計数が多い上位4チームがファイナルに進出する。

大会ではスマホアプリ『モンスターストライク スタジアム』を使用。4人1チーム制で、プレイヤーは順番に自分のモンスターをボスモンスターにぶつけて倒していき、相手とステージクリアの時間を競う。

プロツアー1戦目、東京会場の様子

王者・壁ドンズとツアー後半に追い上げたGVが激突

今回、ファイナルに進出したのは、東京会場、仙台会場で連勝した今池壁ドンズα、名古屋会場で優勝したGV、大阪会場で優勝したアラブルズ、福岡会場で優勝したはなっぷの4チーム。ツアー序盤は、7月に行われた「XFLAG PARK」内のモンストグランプリで優勝した今池壁ドンズαが、その実力を遺憾なく発揮し、圧倒的な強さで連勝を決めた。

だが、ツアーが進むにつれ、ほかのチームが対策と練習を重ね、ポイントの差をジワジワと縮めてくる。特に2位通過となったGVは、最終的に今池壁ドンズαと10pt差の102ptと、高ポイントを獲得(大会ごとに、タイムアタックでは1~8pt、トーナメントの順位では4~30ptが付与される)。会場ごとの順位も2位2回、3位1回と抜群の安定感を見せた。

左からアラブルズ、今池壁ドンズα、GV、はなっぷ
会場は秋葉原UDXにあるアキバ・スクエア。ツアーファイナルはすべて有料シートだったが、オープン前から長蛇の列ができるほどの人気

ファイナルは変則トーナメント方式。まずは1位通過の今池壁ドンズαと、2位通過のGVが対戦し、勝った方が決勝に進出する。その敗者は、3位通過のアラブルズと4位通過のはなっぷの勝者と対戦し、そこで勝利したチームが決勝に進出するというものだ。決勝以外は3戦2先勝ち抜けのBO3方式で、決勝のみ5戦3先勝ち抜けのBO5方式で行われた。

さらに通過順位上位チームは、ステージの選択権(ステージごとにギミックや登場するボスキャラが異なる)か、ピックの(先攻・後攻)選択権(試合では同じキャラクターを使用することができないので順番に取り合う。1、4、5、7枚目を先攻が、2、3、6、8枚目を後攻が選択する)のどちらかが与えられる。変則トーナメント方式と書いてはいるが、これまでのツアーの結果を尊重したうえで、下位チームにも十分なチャンスがあるバランスのとれたルール設定と言えるだろう。

2戦目までは圧倒的なポイント差を付けていた今池壁ドンズαだったが、5戦終了してみれば、2位GVとの差はわずか10pt。力が拮抗しているのがわかる
変則的ながら、ツアーの成績上位チームにアドバンテージが与えられている絶妙なバランスのトーナメント

初戦となった今池壁ドンズαとGVの対戦では、上位通過の今池壁ドンズαがステージ選択権を選び、得意の「冥黒の女王」ステージを指定するも敗北。しかしながら自力を見せつけ、2戦目、3戦目を連取し、決勝へ駒を進めた。

2試合目は3位アラブルズと、4位はなっぷの一戦。この2チームは、モンストグランプリ、モンストプロツアー通じて1度も対戦をしたことのない組み合わせだ。こちらも通過順位通りの結果となり、アラブルズがはなっぷを下した。

今池壁ドンズα対GVの一戦
アラブルズ対はなっぷの一戦

3試合目は、初戦を勝ち上がったアラブルズと敗者復活を狙うGVとの対戦だ。これまでの戦績ではGVがアラブルズに2戦2勝しており、順位的にもGVが優位。実際の対戦も波乱はなく、GVが2連勝し、相性の良さをみせた。

GV対アラブルズの一戦

その結果、決勝は初戦と同じく、今池壁ドンズα対GVというカードとなった。

決勝戦は、BO5になるだけでなく、ステージ選択がなくなり、「翠緑の生命体」「水駆ける天叢雲の皇子」「冥黒の女王」「天地開闢の始神」「妖光の狐少女」というステージの順番で行われる。通過順位上位の今池壁ドンズαには、ピック選択権が与えられた。

1本目は今池壁ドンズα、2本目はGVと初戦と同様に両チーム一歩も引かぬ熱戦となったが、3本目の「冥黒の女王」ステージでリベンジとばかりに今池壁ドンズαが奪取し、リーチをかけると、その勢いのまま4本目も取り、モンストプロツアーの初優勝を決めた。

モンストグランプリに続き、モンストプロツアーの優勝も決めた今池壁ドンズα。左からべーこん選手、pkrn選手、そふぁ。選手、なんとかキララEL選手
ファイナルの内容はYouTubeからもチェックできる

他チームの成長スピードに王者もヒヤリ

表彰式では優勝トロフィーと盾、そして優勝賞金1000万円が授与された。直後には優勝者チームインタビューも行われたので、その様子も合わせてお伝えする。

――優勝おめでとうございます! 圧勝にも見えましたが苦戦したところはありましたか。

なんとかキララEL選手(以下、キララ):今日は本当に熱量の多い大会で、僕らもほかのチームも、いつもやらないようなミスが多かったですね。お互いいつも通りできていなかったので、相手のスキをついてパッと倒してしまおうと思い、それが結果的にうまくいきました。でも、やはり自分たちがやりたいことができていないというのは変わらないので、そこが一番苦戦したところですね。

――モンストプロツアーの初戦に比べて、チームもお客さんもかなり雰囲気が変わってきた感じがしました。自分たちのチームやほかのチームの変化は感じられましたか。

キララ:初戦の東京大会では僕らが勝利したのですが、お客さんの盛り上げ方に関して「プロと呼べるのは自分たちだけじゃん」と内心思ってました。あ、ほかのチームには内緒ですよ(笑)。で、2戦目の仙台大会が終わってから、次の大阪大会まで1カ月の期間が空いたんですね。その間に海外の大会とかもあったのですが、その1カ月間で、ほかのチームもプロ意識が目覚めてきたような感じがして。ピックの選び方だったり、戦い方だったり、お客さんとの接し方だったり。それを見たとき、「おお、なんかプロっぽい」って思いました。自分たちのチームもその間にうまくなっている自覚はあったんですけど、ほかのチームの伸び方がすごくて。正直、決勝直前も不安はありました。

pkrn選手(以下、pkrn):僕も同じ印象ですね。回を追うごとにプロとしての気持ちの持っていき方が変わってきたなと感じました。

開場から試合開始までの間は選手が観客席に訪れ、ファンと一緒に写真を撮影したり、サインをしたりと、ファンサービスにも努めている

そふぁ。選手(以下、そふぁ):モンストグランプリとか、いままでの大会って一発勝負だったじゃないですか。プロツアーでは同じステージを何度も何度もやっていくので、各チームのカラーが出てくるようになりましたね。このチームはこういう勝ち方をする、このチームはこういうピックをするといったように。そのあたりは「刺さると負ける」と脅威に感じました。福岡では実際負けましたし。

べーこん選手(以下、べーこん):そうですね。作戦を決めるときに相手の想定をするんですけど、それを超えてきている感じですね。今回は結果的に僕らが勝ちましたが、この大会は王者としてではなく、挑戦者のつもりでやってきました。

――今日の試合で一番印象に残ったシーンはなんでしょうか。

べーこん:3点バンカーと、ユミルの上に入ったやつとか、pkrnが本当によく決めてくれました。

そふぁ:最後の試合のSS(ストライクショット)とか、翠緑のフィニッシュのショットとか、あれって練習していたショットではなかったんですよね。あの場で判断して、しかも勝敗が決まるところで決めたのはすごいなって思いました。

キララ:本当に今回はやりたいことができてなかったんですけど、イレギュラーからのリカバリーができていたなと思います。

――プロツアーが行われていた3カ月は、どんな時間だったのでしょうか。

べーこん:モチベーションを維持するのが本当に大変でした。

キララ:例えば自分たちが「これが良い!」と戦略を決めたとして。でも、それに対して、「こっちの方が良いんじゃない?」とか「こっちの方が早いよ」ってなってくるわけですよ。で、結局パーティが1転、2転、3転、4転して、酷いときは11転くらいするんです。やっぱり「これじゃない」ってなって、気がついたら「これって2カ月前に通った道じゃん」ってなったりして。まあ、そのこと自体は大変なんですけど、正直楽しくなってきていますね(笑)。

そふぁ:負けたときの反省が辛かったですね。ミスをしたのか、作戦が悪かったのか、それを考えるのが辛かった。

――今回、1位の今池壁ドンズαと2位のGVはどちらも中部地区の代表チームですが、中部地区が『モンスト』に強いというのは何か理由があると思いますか。

キララ:味噌じゃないですかね。赤味噌ですね。
(一同笑い)

――では、来年あたり今池壁ドンズαが赤味噌のCMキャラクターになっているかもしれませんね。

キララ:なるかもしれませんね。味噌メーカーがスポンサーに付いてくれるかもしれません。でも、僕らを見て『モンスト』を始めてくれた人もいるんですよ。アラブルズのKEVIN選手なんかは、僕らをみて大会出るぞってなったみたいです。

――今年はグランプリとプロツアーを優勝して、ほかのチームはより一層「打倒今池壁ドンズα」に燃えるとみられますが、いかがでしょうか。

キララ:2年前からそうなので。でも、べーこんが言った通り、自分たちは挑戦者だという気持ちを持って、来年のプロツアーのファイナルに出場したいです。

ツアーファイナルに出場した4チームによる記念撮影

***

2018年の『モンスト』のeスポーツシーンは今池壁ドンズαで始まり、今池壁ドンズαで終わった1年となった。しかし、ほかの7チームのプロチームも着実に力をつけてきている。

また、元M4(モンストうまい4人組)で解説を担当したS嶋氏が、最後の総括で、明言は避けつつも、新戦力の参入もほのめかしていたことからも、2019年はさらなる混戦、熱戦に期待できそうだ。1月26・27日の「闘会議2019」では、ジュニア大会の開催も予定されているので、そちらも目が離せない。

元M4(モンストうまい4人組)で解説を担当したS嶋氏が、来年に向けてのさらなる展開をほのめかした