「SNS」の記事

“夢追い人”が500万人押し寄せた「ZOZO前澤社長のお年玉」

カレー沢薫の時流漂流 第24回

“夢追い人”が500万人押し寄せた「ZOZO前澤社長のお年玉」

2019.01.21

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第24回は、年始のツイッターを騒がせた「ZOZO前澤社長のお年玉」

100万円もらったか?

もらったというなら帰れ、とっとと夢とやらでも叶えに行け。

誰にもらったかというと、前にも当コラムで取り上げたZOZOTOWNの前澤社長である。

先日、前澤社長がお年玉と称し、自らのツイッターで「このアカウントをフォローし、このつぶやきをリツイート(RT)した人から抽選で100名に100万円、総額1億円を個人的にプレゼントする」という企画を行ったのだ。

私もこのキャンペーンに参加した。普通に100万円が欲しかったからだ。

このように何も考えずに参加した者もいれば、苦言を呈する者、前澤社長の真意を探ろうとする者、そもそもツイッターの規約や法律に違反しているのではと指摘する者など、その反応は様々だった。結局、当該のツイートは500万を超えるRTという世界記録を達成。前澤社長のフォロワーも500万人増えたそうだ、

何故、前澤社長がこんなことをしたかというと、「金でケツを拭き飽きたからこのトイレットペーパーを誰かに恵んでやる気になった」という気まぐれかもしれないし、本人の言う通りだとしたら、「人に夢を与え、夢を叶えるきっかけにしてほしい」ということになる。

しかし、「売名」つまり「宣伝効果」を狙ったものだろう、というのが大方の見解で、もし本当にそれが目的だったとしたら大成功といえる。ツイートは世界で一番RTされたし、企画終了後にフォローを外した人も多いと思うが、フォロワーだって企画前よりは確実に増えたはずだ。

企画に参加していない人でも、「ま、俺は参加しないんですけどね?」と、誰にも聞かれていない「謎の不参加表明」をSNSでして、その理由を語ったりしなかっただろうか。前澤社長の企画をダシにした自己アピールのはずが、それ自体が前澤社長の宣伝になってしまっているのだ。

また、すでにこのような「前澤100万円企画について」の記事も乱立してしまっていると思う。もはや何をしても、前澤社長が「計画通り」と八神月の顔になっている図しか思い浮かばない。

「前澤社長」と「人妻」の共通点

このように、新年早々「お前は何と戦っているんだ状態」に突入してしまった人も多いと思うが、それはツイッターの住民として平常運転なので「今年もよろしくお願いします」という感じだ。

ではこの前澤社長の行為は規約違反に当たらないかというと、ツイッター社はすでに「別にいい」と言ってしまっているらしい。

ただ、前澤社長がこの企画を始めるや否や「偽前澤」が多数現れた。徳川家康だってここまで影武者はいなかっただろう。単なる愉快犯もいれば詐欺目的の者もおり、実際に被害が出たかは確認していないが、間接的にこの企画が新しい犯罪を生み出したと言えなくもない。

しかし、ツイッターの治安の悪さは今に始まったことではなく、「ツイッターランドは常に食うか食われるか」という常時マッドがマックスなので、何を今更、という感じはする。

確かに、「このアカウントをフォロー&RTしたら100万あげます」なんて、よく考えれば「今夜旦那がいない人妻です。3000万円もらってください」というスパムメールと大差ない。

それが、「ZOZOTOWNの社長で、剛力彩芽さんとつきあっている人」の名前で発信されているというだけで信用し、何も考えずフォロー&RTしてしまうというのは、「夢はあるけど騙されやすい人」と思われても仕方がない、と何も考えずに参加した私は分析する。

このような、広告代理店を通さず「消費者に直接現ナマを与える」という宣伝方法は実際効果があり、消費者的にもメリットが大きいが、「危険性もある」ということは覚えておいた方がよいだろう。

ちなみに、今回の100万円企画で実際100万当たったのはどういう人かというと、俳優やYoutuber、放送作家など表舞台に立っている人が散見され、主に100万円でどんな夢を叶えるか具体的に書いている人に当たっているため、「明らかに人を選んでいる」「フォロー&RTだけが応募条件じゃないじゃないか」という怒りの声も上がっているようだ。

だが、そもそも前澤社長が私財でやっているとのことなので、抽選に「前澤ルール」を適用されてもあまり文句は言えない。

このように、まさに賛否両論な企画だったのだが、これで前澤社長がどれだけ儲けようとこちらが損をするわけではない。実際、この企画でZOZOの株が上がり前澤社長の資産が大分増えたらしい。

すでに前澤社長は「第2弾」もほのめかしているので、私も今度は「100万円分ガチャを回す」という夢をしっかり書いて参加してみようと思う。

ただ、次回は「それが本当に前澤社長のアカウントなのか」確認してから参加することをお勧めする。

“好きのキッカケ”を見極めよ! 適切な効果測定で次のコンバージョンを後押し

恋するSNSマーケティング講座 第5回

“好きのキッカケ”を見極めよ! 適切な効果測定で次のコンバージョンを後押し

2018.12.13

Facebook社員に「マーケティングのイロハ」を聞く!

第5回は、広告効果を上げるために必要な「効果測定」について

コンバージョンの“本当の立役者”を理解する方法って?

フェイスブック ジャパンのFacebook/Instagram広告運用コンサルタントに「SNSマーケティング」について聞く連載。初心者~中級者に知ってほしい「マーケティングの考え方」について、全5回にわたって説明します。

キーワードは「恋愛」。とっつきづらいマーケティングも、恋愛に喩えて考えてみると、意外とわかりやすいようです。

本連載ではこれまで、Facebook、Instagramに代表されるデジタルマーケティングの重要性について、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リードの丸山祐子さんに伺ってきた。

前回は「テレビとFacebook、Instagram広告の相乗効果」について一通り説明したが、今回は「効果測定」というテーマで話を聞いた。

前回に引き続き、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リード 丸山祐子さんに話を聞きます。今回もよろしくお願いします!

“好きのキッカケ”を見極めるために

広告における「ゴール」はなんだろうか。広告を見た利用者が商品を購入するなどの購買行動を起こすことだろう。広告用語でこれをコンバージョンと呼ぶ。一方、恋愛におけるコンバージョンは好きな相手と付き合うことになる、または結婚が決まることである。ここに異論はないだろう。

しかし、実はコンバージョンした後にもう1つ、重要なステップがある。それが「効果測定」である。そのコンバージョンを達成できた要因が何だったのかを調査し、次に生かすのだ。(恋愛に“次”はない方がいいのかもしれないが……。)

ではどのように測定すればいいのだろうか。丸山さんは、広告効果を測定する上で重要なのは「どこに評価基準を置くか」だと強調する。

「誰かが、『検索広告』を見て、その商品を購入したとします。この場合、検索広告がコンバージョンにつながったと見えます。しかし、それは本当に検索広告だけの効果なのでしょうか」(丸山さん:以下、丸山)

つまり、こういうことだ。最初に商品のことを知ったキッカケはFacebookやInstagramでの広告だったのかもしれないし、ビルボード広告やテレビCMだったのかもしれない。他媒体である程度認知を上げた段階で、たまたま検索して出てきた広告をクリックした可能性もある。この場合、“最初に接触した媒体”についても、価値がなかったとは言えない。

「恋愛でいうと、“なぜその人を好きになったのか”に似ています。最終的な決め手はタイミングが合ったことだったかもしれませんが、そもそも最初に会ったとき惹かれた理由は“価値観が合う”だったからかもしれないし、“趣味が同じ”だったからかもしれません。1つの指標だけにとらわれていると、自分にとって本当に大事な人に気がつけないかもしれません」(丸山)

マーケティング活動は本来、多岐にわたるものだ。しかし、これまでのデジタル広告ではラストクリックがコンバージョンに貢献していると判断する傾向にあり、広告主は検索連動型広告などの“刈り取り型広告”に予算を割きがちだった。なぜなら、それがもっともわかりやすく目に見える数字だからである。

「顧客になりうる層には『潜在層』と『検討層』の2つの段階があります。検索広告やリターゲティングは“能動的に検索したり情報を集めたりする検討層を刈り取るため”のものです。一方でFacebookやInstagramは“潜在層にもリーチできる”効果的なマーケティングと言えるでしょう」(丸山)

コンバージョンの“本当の立役者”は何か?

では、そんなFacebookやInstagramの効果を測定するためにはどうすればいいのか。

丸山さんの推奨する方法が、利用者を2つのグループに分けて、コンバージョン率を比較する「コンバージョンリフト調査」というもの。Facebook・Instagram広告を配信するグループと配信しないグループを作り、それぞれのコンバージョン率を比較する。そこで出てきた数字の差が、FacebookやInstagramの広告の効果になる、というわけだ。

このやり方を導入し成果を上げているのが、映画やドラマ、電子書籍といった幅広いコンテンツを提供するプラットフォーム事業を展開するU-NEXTだ。

これまでは前述のラストクリックに基づく評価で広告の投資判断を行い、結果としてリスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイトにおけるメディアタイアップなど、需要が顕在化している層に向けた広告に予算を分配しがちだった。しかし、それでは潜在層にはなかなかリーチできない。そこで同社はFacebook広告を導入し、ブランド力や認知度向上に力を入れることにした。

そこで、前述のコンバージョンリフト調査を実施した結果、クリックベースで測定したときとは異なる結果を得た。測定方法を変えたことで、ビジネスに成果を与えている本当の要因が判明したというわけだ。

あるキャンペーンにおいては、クリックベースで測定した場合「広告セット4」の効果が一番高いという結果が見られる一方、コンバージョンリフト調査では「広告セット1」が最もコンバージョンにつながるという結果が出た。これによって、ビジネスに本当に成果を与える広告セットが1であることを特定できたというわけだ

Facebookにはコンバージョンリフト調査をサポートするリフトAPIが用意されており、調査を半自動化することが可能だ。また、サードパーティのツールを活用すれば、より正確な指標を用いた調査も可能だという。

重要なのは「今設定しているKPIだけが正しいのか、それ以外の視点は必要ないのかを疑うこと」だと丸山さんは強調する。広告を運用していると、わかりやすい指標であるラストクリックをベースにした評価に目がいきがちだが、それでは間接効果も含んだ広告効果を完全に測ることができない。利用者を認知から購買まで引っ張った本当の立役者が何なのか、しっかりと効果測定する必要があるのだ。

恋するSNSマーケティング講座は、今回で終了です。

“とっつきづらい”“考え方がわからない”という印象を持たれがちなマーケティングも、本質は「人の感情を動かすこと」。これは確かに、「恋愛」と似たようなものと言えるでしょう。

これを機に、読者の皆様にとって、マーケティングがより身近な存在になれば幸いです。ありがとうございました。

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テレビを見ない、君にも届け! 「デジタル広告とCMの相乗効果」って?

恋するSNSマーケティング講座 第4回

テレビを見ない、君にも届け! 「デジタル広告とCMの相乗効果」って?

2018.12.05

Facebook社員に「マーケティングのイロハ」を聞く!

第4回は、テレビとFacebook/Instagram広告の使い分けについて

ポイントは接触頻度をどれだけ高められるか?

フェイスブック ジャパンのFacebook/Instagram広告運用コンサルタントに「SNSマーケティング」について聞く連載。初心者~中級者に知ってほしい「マーケティングの考え方」について、全5回にわたって説明します。

キーワードは「恋愛」。とっつきづらいマーケティングも、恋愛に喩えて考えてみると、意外とわかりやすいようです。

本連載ではこれまで、Facebook、Instagramに代表されるデジタルマーケティングの重要性について、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リードの丸山祐子さんに伺ってきた。

前回は「クリエイティブ」について一通り説明したが、今回は、SNS広告の効果をもっと上げるための「テレビとFacebook、Instagram広告の相乗効果」というテーマで話を聞いた。

前回に引き続き、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リード 丸山祐子さんに話を聞きます。今回もよろしくお願いします!

多様化するライフスタイルと広告

これまではデジタル広告の話を続けてきたが、広告を語る上で避けては通れないのが「テレビCM」だ。いわゆる“広告”というとまっさきにコレを思い浮かべる人も多いだろう。圧倒的多数の視聴者を抱え社会的影響力も大きいテレビCMは、広告業界の花形であり続けた。しかし、そんなテレビCMにも課題が存在すると丸山さんは言う。

「1つは、若年層のテレビ離れです。若い世代にはそもそもテレビを持っていないという人も少なくありません。持っていたとしても、HDDに録画しておいて、見る時にはCMをスキップする――、という人も多いことでしょう」(丸山)

ライフスタイルの多様化により、決まった曜日の決まった時間にテレビの前に座って見るという行為のハードルは以前よりも上がっている。つまり、テレビCMだけでは、アプローチできない層が徐々に増えてきている、というわけだ。

一方でスマートフォンを始めとするデジタル機器は今やテレビ以上になくてはならない存在になっている。常に身につけており、片時も手放さないという人も多い。テレビのメリットが「圧倒的多くにリーチできる」ことであるならば、スマートフォンはすでにテレビ以上の存在だといえる。

ただし、スマートフォンはテレビの上位互換ではない。チャンネル数が限られているテレビと違ってスマートフォンは人それぞれ使い方が異なり、アプリもサイトもさまざまだ。さらに、パーソナライズ化が進んでおり、同じサービスであっても人によって見ているコンテンツはまったく異なっている。とにかく大勢にリーチするのが目的であれば、未だにテレビは有効な媒体といえる。

テレビで認知、デジタル広告で購買行動へ

同じ「広告を配信できる媒体」でありながら、スマートフォンとテレビはまったく異なる性質を持つ。SNS広告にない良さをテレビCMは持っているし、テレビCMにできないことがSNS広告にはできる。

丸山さんは「Facebook、Instagram広告とテレビCMは共存しうるし、むしろ併用することでシナジーを生み出せます」と強調する。

たとえばテレビで缶コーヒーのテレビCMを見たとする。自宅でテレビを見ている場合、CMを見たからといってその場で購入できるわけではない。

その翌日、同じ缶コーヒーの広告をSNSで見るとしよう。媒体はスマートフォンなので、もしかすると外にいるときに見るかもしれないし、近くに自動販売機やコンビニがあるかもしれない。より購買に近い場所で、より高い頻度でのリマインドが可能になるというわけだ。

圧倒的リーチ力を持つテレビと、よりパーソナライズされ、スマートフォン上でも見られるFacebook、Instagram広告を併用することで、ブランドリフト効果につながることはすでにさまざまな事例が証明している。その1つが化粧品ブランド「メイベリン」である。

メイベリン ジャパンは、新製品のマスカラの発売にあたり、話題作りや購入意向の向上についてテレビとInstagramの効果を検証したいと考えた

メイベリン ジャパンは、新製品であるマスカラ「ビッグショット」の日本発売にあたり、テレビCMだけでなくInstagramを活用した広告を展開した。

その結果、Instagramで200万人のターゲット層にリーチ。ブランド好意度の上昇や購入意欲の上昇につながり、テレビと比較してリーチ単価率を86%削減に成功したという。

ただし、テレビCMが無駄に終わったわけではない。尺に制限があり、セグメントが難しいテレビCMでは、ブランドの認知度アップと新作マスカラの紹介に注力し、Instagramでは若い世代にターゲットを絞って商品を全面に押し出したビジュアルを展開した。つまり、テレビとInstagramでそれぞれの広告の役割を変えたのである。

その結果、テレビCMで認知度が向上し、Instagram広告で購買につながるという理想的な流れが生まれた。役割の異なる2つの媒体を併用することでシナジーを生み出した好例といえるだろう。

広告も恋愛も「一目見ただけ」では好きになれない?

また、テレビCMは周知の通り非常にコストがかかり、中小企業では継続して打ち続けることが難しい。瞬時に注目を集めることはできるかもしれないが、継続しなければすぐに世間の関心は薄れてしまうことだろう。

「恋愛でもそうですが、フリークエンシー(接触頻度)は非常に重要です。いくらいいなと思う人でも1回しか会ったことのない人を好きになるのは難しいですよね。広告も同じで、何度も目にすることで態度変容を起こす機会を作っていくものかと思います」(丸山)

テレビCMを高頻度で出し続けることができればフリークエンシーを高めることもできるが、コストが非常にかかるだけに、それができる企業はそう多くはない。そこで役立つのがリーチ単価が安く、ターゲット層に何度も接触できるFacebook、Instagram広告というわけだ。

メイベリンの事例でもわかるように、Facebook、Instagram広告はコストが安く中小企業でも(その気になれば個人でも!)気軽に始められるという利点がある。紹介した事例では、Facebook・Instagram広告のコストパーリーチ(リーチ1件あたりのコスト)はテレビCMの約7分の1(86%削減)であったそう。

広告効果を上げるためにテレビCMをやめる必要はないが、より効果を上げるためにはFacebook、Instagram広告と併用するのがベストといえるだろう。もちろん、その場合はクリエイティブをプラットフォームの属性に合わせてしっかり制作する必要がある。そのあたりの話については、前回の記事で紹介した通りだ。

さて、ここまででFacebook、Instagramを活用したマーケティングと広告制作の考え方については見えてきたが、これで終わりではない。

広告を出したなら、その効果を測定して最適化する必要があるのだ。

次回はSNS広告における効果測定について解説していただこう。

第5回「恋するSNSマーケティング講座」はコチラ

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