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ファーウェイが高性能スマホ「Mate 20」発表、自社規格などで独自色高める

ファーウェイが高性能スマホ「Mate 20」発表、自社規格などで独自色高める

2018.10.17

ファーウェイがフラグシップスマホの新製品「Mate 20」発表

AI処理に優れたSoC「Kirin 980」など最高クラスの性能

動画・ゲーム向けや20万円超の高級機など多彩な派生モデル

中国通信機器メーカー大手の華為(Huawei:ファーウェイ)が英国ロンドンでイベントを開催し、フラグシップスマホ「Huawei Mate」の新機種として、「Huawei Mate 20シリーズ」を発表した。

世界最高クラスの性能を特徴とするAndroidスマートフォンだが、Huaweiと関係の深い中国HiSilicon社が独自設計し、AI専用チップも統合した新型SoC「Kirin 980」を搭載するほか、メモリカードにはmicroSDを代替し、nanoSIMサイズまでコンパクト化した独自規格の「NM Card(ナノメモリカード)」を採用するなど、独自色も高めた。

全機種で新型SoCのKirin 980と、ライカ共同開発による背面3眼カメラの搭載は共通。欧州市場では今月から発売し、日本市場に向けた展開は未定だが、前例から主要商品の日本への投入も近いと見られる。

microSD比で45%小型という「NM Card」。独自規格なので汎用性が課題か
アウトカメラはライカ3眼。他社にない機能や性能を"テンコ盛り"した

発表されたMate 20シリーズの主な機種は以下の通り。

Huawei Mate 20

6.52インチの2244×1080ドット液晶を搭載する基本モデル。IP53の防水性能も備える。メモリ(RAM)とストレージ(ROM)の組み合わせで製品をラインアップし、価格は4GB RAM+128GB ROMの製品が799ユーロ、6GB RAM+128GB ROMで849ユーロ。

基本モデルの「Mate 20」

Huawei Mate 20 Pro

6.39インチの3120×1440ドット有機ELを搭載する上位モデル。IP68の防水・防塵性能を備える。指紋センサーが本体背面ではなく、表の画面内にあるというユニーク機能も。価格は6GB RAM+128GB ROMの製品で1049ユーロ。

「Mate 20 Pro」は有機ELを搭載する上位モデル
画面に指を置くだけで解除できるディスプレイ内蔵の指紋センサー

Huawei Mate 20 X

Mate 20シリーズで最も大きな7.2インチ有機ELの画面を持ち、バッテリーも大容量化することで、Mate 20の性能を踏襲しつつ動画・ゲーム体験を高めた、スマホというよりはファブレットと呼ぶべき派生モデル。専用オプションのゲームコントローラーをドッキングすることで携帯ゲーム機のように操作することもできる。価格は6GB RAM+128GB ROMの製品で899ユーロ。

ゲームや動画に適した「Mate 20 X」

Huawei Mate 20 RS

ドイツのPorsche DesignとコラボレーションしたMate 20 Proベースの特別モデル。従来のMateシリーズでも同様の特別モデルが存在していたが、今回も外装にレザーをあしらうなど高級感を高めるデザインを施している。価格は8GB RAM+256GB ROMの製品で1695ユーロ、8GB RAM+512GB ROMでは2095ユーロと、日本円で20万円を軽々と超える強気な設定だ。

Mate 20 Proをベースにポルシェとコラボしたスペシャルモデル「Mate 20 RS」
一見地味な「Pixel 3」に、Google日本攻略の本気度が見えた

一見地味な「Pixel 3」に、Google日本攻略の本気度が見えた

2018.10.17

Googleが満を持して自社製スマホ「Pixel 3」を日本へ投入

見た目も機能も目立たない? どうやって日本で売る?

FeliCa搭載だけじゃない、日本市場攻略へ本気のスペック

Googleが今月、最新スマートフォン「Pixel 3」シリーズを国内向けに発表した。Twitterでの広告や六本木ヒルズへのオブジェの設置などと話題作りを進めてきた中で、発表前日の深夜に米国発表したばかりの端末を日本に持ち込むというタイムリーなイベントとなった。

Googleが「Pixel 3」を国内発表

だが、発表を受けた第一印象として「Pixel 3のスペックには目立ったところがない」との反応が多かった。日本のスマホ市場に再上陸を果たしたGoogleの狙いはどこにあるのだろうか。

「AIがあれば2眼は不要」の説得力

Pixel 3は最新OS「Android 9 Pie」を搭載するとはいえ、本体に特別なスペックを備えているわけではない。プロセッサーの「Snapdragon 845」は多くのメーカーが採用しているし、搭載メモリーも4GBと標準的だ。外装は生活空間に溶け込みやすいデザインだが、iPhone XSのように際立った存在感はない。

本体前面のカメラこそ流行の2眼を搭載するものの、背面のメインカメラは1眼にとどまった。最も安いモデルでも9万5000円(税込)と高価格帯のハイエンドスマホとして、デュアルカメラを採用しなかった点にも不満の声は多い。

Pixel 3の背面カメラは1眼。デュアルカメラは採用しなかった

だが、Googleが見ている世界は他者とは異なっていた。同社が得意とする機械学習を活用し、物理的なカメラはたとえ1つであっても、デュアルカメラに相当する能力を計算で生み出すという。例えば、ポートレート撮影機能では、手前の人物を機械学習で識別することで、背景の色を変えたりぼかすことが可能だ。

通常はデュアルカメラが必要な機能を1つのカメラで実現

Pixelシリーズが搭載してきた画像処理専用のプロセッサー「Pixel Visual Core」も強化した。Pixel 3はこれを利用してシャッターを押してから写真を保存するまでのわずかな時間に、合成やノイズ除去といった大量の処理を施している。

このようにスマホのカメラ競争はセンサーやレンズにとどまらず、画像処理エンジンやソフトウェアの勝負になっている。専用プロセッサーやGoogleのAI技術を駆使するPixel 3は、その先頭に位置するというわけだ。

だが、これまでGoogleのスマホは米国を始めとする英語圏の市場に軸足を置いていた。電話の着信にAIが応対する自動応答機能「Call Screen」も、まずは米国からの提供となっている。

では、果たして日本で売る気があるのか。その本気度をはかる上でポイントとなるのが「FeliCa」の搭載と大手キャリアによる採用だ。

「日本専用モデル」を開発、大手キャリアが全国展開

FeliCaの搭載は、日本版Pixel 3のもっとも大きな特徴と言えるだろう。Google PayはSuicaなど4種類の電子マネーに対応しており、10月9日には「QUICPay」にも対応したことが発表された。おサイフケータイアプリを利用することで「iD」や各種ポイントカードも利用できる。

「おサイフケータイ」アプリを標準で搭載する

もちろん、おサイフケータイ対応は他のAndroidスマホでも実現しており、それ自体は目新しいものではない。注目すべきは、GoogleがFeliCaの搭載にあたって、海外向けとは異なる日本専用モデルを用意した点にある。発売にこぎ着けるまで実に3年を要したという。

さらにドコモとソフトバンクという2つの大手キャリアが採用を決めた点も大きい。日本ではSIMフリーのオープン市場も拡大しているとはいえ、そのシェアは全体の1〜2割にとどまる。しかも売れ筋は3万円前後の端末が占めている。Pixel 3はGoogleストアでも直販するが、手に触れたこともない10万円の端末をネットで注文する人は限られる。

ドコモとソフトバンクが採用を決めた

だが大手キャリアには全国の販売網がある。店舗には実機やモックが展示され、店員の説明を受けられる。価格面でもドコモでは月々サポートがつき、実質価格が下がるため買いやすい。Pixel 3のようなハイエンド端末を本格展開するには、大手キャリアの力は必須といえる。

注目を集めるPixel 3であるが、今後の課題は、Googleのブランドがどこまで受け入れられるかだろう。検索エンジンやYouTube、ChromeブラウザーなどGoogleの製品やサービスは広く普及しているものの、Googleが日本市場にスマホを投入するのは、2015年のNexusシリーズ以来であり、時間が空いてしまった。また、名前もPixelに変わったことで、ユーザーへのアプローチは一から出直す形となる。

ではその中でPixel 3の最大のメリットはなにか。それはGoogleが見ている世界を最前列で体験できる点にある。しかしそれらの機能の一部は、やがて他メーカーのAndroid端末にも展開されていくこととなる。そうなる前にPixelブランドをいかに早く国内で立ち上げられるかがカギになりそうだ。

「Apple vs Google」スマホ戦争を制すのは? 水面下で「AI」中心の覇権争い

「Apple vs Google」スマホ戦争を制すのは? 水面下で「AI」中心の覇権争い

2018.10.15

2018年モデルのスマホが出揃う今、各社動向をまとめる

注目すべきはハイエンド製品の差別化にあり

カメラはGoogle、プラットフォームではAppleが有利か

「iPhone X」ほどの衝撃はなくとも裏では大きな変革が見える

2018年モデルの新型スマートフォンが出揃いつつある。

ここで一度、各社の発表内容をまとめながら、スマートフォン競争の様子を俯瞰して見てみよう。

「5点」に絞られたスマホ競争

Appleは9月12日にiPhone XS・iPhone XRを発表し、5.8インチ・6.5インチの有機ELディスプレイを搭載したiPhone XSシリーズを9月21日に発売した。廉価版となるiPhone XRは10月19日から予約を開始し、10月26日に発売される予定となっている。

iPhone Xs、iPhone Xs Max

Samsungは8月に米国ニューヨークで、フラッグシップとなる6.4インチ有機ELディスプレイを搭載したGalaxy Note9を発表。日本でも10月下旬の発売が決まっている。

Googleは10月9日に米国ニューヨークで、第3世代となる自社ブランドのスマートフォンPixel 3、Pixel 3 XLを発表。こちらも日本で11月に発売される予定だ。10月30日にはニューヨークでOnePlusが新製品を発表する予定となっている。

ここまでの各社の発表から、新モデルのスマートフォン競争でのポイントは、以下の5つに集約されつつある。

1.画面サイズの6.5インチ程度までの拡大
2.有機ELディスプレイを採用した高画質を実現
3.サウンド再生機能
4.カメラ撮影機能
5.スマートウォッチ、ペンなどのアクセサリ

各社の動向を説明する上で、もっとも注目すべきはAppleだ。以下、同社の発表を元に説明を進めていこう。

eSIM対応で欠点をつぶしたApple

まず触れておくべき点は、新たに「eSIM」(中国では2枚のSIM)を活用した2つの回線の同時待ち受け(DSDS)のサポートを実現したこと。また上位モデルとなるiPhone XSでは4×4 MIMOのサポートによる1GbpsクラスのLTE通信を実現した。

これはiPhoneとしては初めての対応となるが、Androidの世界ではすでに実現されてきたことであり、昨年のワイヤレス充電や防水機能などと同様に、通信面での欠点をつぶした対応と見ていいだろう。

機械学習の処理能力を日々のスマホ利用に生かす

次に、AppleとGoogleが同調して仕掛けている「ハイエンドスマートフォンの差別化」要因が顕在化してきた点に注目してみる。

Appleは9月12日、ハイエンドモデルのiPhone XSからエントリーモデルのiPhone XRにまで搭載した「A12 Bionic」に備わっているニューラルエンジンにフォーカスしたプレゼンテーションを展開した。

そこでは、Appleが推進する拡張現実(AR)アプリのデモや、ただカメラで映しているだけで、バスケットボールのシュート練習の分析を行うことができるアプリを紹介。これらのデモは、今までできなかったことを実現する未来の可能性を見せるものであった。

リアルタイムのシュート分析機能が可能に

新しいカメラ機能についてもAppleは、A12 Bionicの性能を根拠とした進化をアピール。上位モデルでカメラが2つ搭載されているiPhone XS以上に、iPhone XRでその真価が発揮されている点も興味深い。

iPhone XRにはiPhone XSと同じ広角レンズを備える1200万画素の新しいセンサーが搭載されたが、望遠レンズのカメラは用意されなかった。

しかしAppleはこの1つのカメラと画像処理プロセッサ、ニューラルエンジンによる機械学習処理を組み合わせることで、2つのカメラと同じようにポートレートモードの写真を撮影することができるようにしている。

ちなみに、人の被写体を認識して背景と切り分けることから人のポートレート撮影に特化される点、そして、望遠レンズではないために近づいて撮影しなければならない点はiPhone XSとの差別要因となる。

その他にもiOS 12では、Siriがユーザーの行動からパターンを見出し、今必要なアプリの機能を提案したり、これに声の命令を割り当てて呼び出せるようにするSiri Shortcutsを用意したが、こちらも機械学習を生かして日々のiPhone利用を便利にする取り組みと位置づけられる。

Googleも、AIでPixel 3を差別化

GoogleのPixel 3の発表もまた、AIによるスマートフォンの差別化を前面に押し出すモノだった点で、Appleとの共通点を見出すことができる。

Pixel 3にも、1220万画素のデュアルピクセルセンサーを備えた1つのカメラが搭載されているが、同時にIntelと共同開発した「Visual Core」が搭載された。これは昨年のPixel 2から用意されていたチップで、いわば2つ目のプロセッサが搭載されているようなものだ。昨年のVisual Coreは8コアで、画像処理を行うことに特化されてきた。

Pixel 3 XL

Pixel 3でGoogleは「2つ目のカメラを搭載する必要はない」との結論に達し、超解像ズームやナイトショットなどのスマートフォンのカメラが苦手とされていたシチュエーションでの撮影品質の向上に加え、やはり機械学習処理によるポートレートモードの搭載、またグループショットで全員が笑顔で揃っているカットをおすすめするTop Shotなどの撮影機能を用意した。

また、Googleレンズは日本語にも対応し、映しているものの文字を自分の言語に翻訳して見せてくれる機能を利用できるようにしている。ほかにも、カメラ機能に関する機械学習処理でも非常に多くの新機能が用意されているが、Pixelの魅力はそれだけではない。

カメラを長押しして「Googleレンズ」を起動させることで、文字を認識し、日本語に翻訳することができる。URLを読み取ることも可能だ

電話機能における進化も注目だ。5月のGoogle I/Oで披露した合成音声を用いて電話でレストランなどの予約を取ることができるGoogle Duplexを11月からニューヨークやサンフランシスコなどの米国の都市で利用可能にするという。

さらに、米国で問題になっているロボットコールと言われる迷惑電話に対して自動的に応答し、端末内で音声認識をして文字でユーザーに対応を選択してもらうCall Screenも備えた。

プラットホーム化ではAppleがリード

スマホ市場を牽引するAppleとGoogleは、スマートフォンのハードウェア、OSの双方をデザインする点で共通している。彼らが、スマートフォンにおいてAIを活用して行くトレンドを作り出そうとしている点でも共通項を見いだせる。

中でも、カメラや画像処理に関するアルゴリズムの実装では、Googleが上回っている。画像認識の精度の高さや、写真・ビデオの補正、人物の認識などは、Googleの方が正確であると評価することができるし、Pixelにこれらのノウハウをしっかりと取り入れてきた。

しかし、AppleはA11 Bionicでニューラルエンジンをプロセッサに組み込み、A12 Bionicではこれを大幅に進化させている。AppleはiPhoneのカメラ機能の向上にニューラルエンジンを用いているが、CoreMLを用いて開発者もその処理性能を生かすことができ、Appleが9月12日に「新しい世代のアプリ」として紹介したツールやゲームの新規性を作り出している。

もちろん、シリコンバレーでも、人工知能や機械学習技術者の不足が叫ばれる現状を考えれば、Appleの機械学習を生かしたアプリの奨励はアグレッシブに映る。しかし、アイディア、デザイン、ユーザビリティなどで差別化するアプリ開発競争に、アルゴリズムが加わっていくことを、Appleは明確に示している。

各社の新製品群は、一見2017年の「iPhone X」から代わり映えしないように見えるが、背後では「AI」を中心として大きな変革が進行しているのだ。