「文房具」の記事

文具の世界の魅力を伝える「文具ソムリエール」として、TVやWebで活躍する菅未里さん。本連載では、そんな菅さんならではの視点で、文具に反映される現代社会の構図や情勢に思いをはせたコラムを展開します。

「文具ソムリエール」としてメディアで文房具の紹介をしている私のところには、たまに、文房具メーカーさんからサンプル品が送られてくる。根っからの文房具好きの私にとっては、ありがたいお話だ。

ところが、あるとき妙なことに気づいた。送られてくる文房具が、ことごとくピンク色なのだ。今の文房具はカラーバリエーションが豊富で、相当数の色を揃えてある場合が多い。それなのに、メーカーを問わず、ピンポイントでピンク色が送られてくる。なぜだろう?

私は少し考え、思い当たった。私が女だからだ。

女性=ピンク好き?

これらは、筆者が気に入っている「考えられた」ピンク色の文具。しかし、世に出ている文具の中には「美しくない」物もあり…。

女性=ピンク、という発想は根強いらしい。女性とピンクの関係について論じた『女の子は本当にピンクが好きなのか』(ele-king books)という本が出ているくらいだし、書店で女性向けの本の棚に行くと、一面がピンク色だ。

しかし、本当に女性はピンク好きなのか? 

たしかに、ピンク色が好きな女性は少なくない。たとえば、私がそう。だけど、メーカーさんには一言も、自分がピンク好きだとは明かしていなかった。それでもピンク色が送られてくる理由は、女性=ピンク、という発想があるからだろう。

だが、繰り返しになるが、本当に女性たちは皆、ピンクが好きなのだろうか? それは偏見ではないのか?

ピンクへの無理解

ピンクの文房具について、もう一つ気になることがある。それは、ピンクの扱いが雑である点だ。より平たく言うと、“美しくないピンク”の使い方がまま見受けられる。

一般に、無条件に美しい色というものはない。青も、赤も、緑も、美しく見える使い方もあれば、そうではない場合もある。あるペンケースでは、キャンバス地にパステルピンクを配していた。こうした素材選びや配色は、女児向けのピンクの使い方だ。子供向けではないペンケースでこのようなピンクの使い方をするのは、明らかにおかしい。

このペンケースは8色展開だったのだが、ピンク以外のカラーは、ごく普通のデザインだった。ピンクだけ、大人の女性に向けて、女児向きの色を使うという問題があったのだ。

もちろん、ピンクを上手に使った文房具も少なくない。たとえば、スケッチブックで有名なマルマンの大人向けブランド「グランジュテ」の一筆箋と封筒にピンク色のものがあるのだが、やや落ち着いたピンクがアクセントになっている金色のラインと調和し、「上質なピンクの文具」になっている。

マルマン「グランジュテ」の一筆箋と封筒

知られざる「女性」

このようなケースは少なくない。冒頭のように女性=ピンクという思い込みがあり、かつ、先ほどのペンケースの例のように、ピンクへの理解がない。大人の男性に向けて、男児向きのデザインをしてしまった例は聞いたことがないが、大人の女性に、女児向きのデザインを作ってしまうことは起こっている。つまり、女性を年齢・属性問わず同一視しているようなのだ。

だが、実際の女性たちは当然ながら多様だ。全員が全員ピンク好きではないし、仮にピンク好きでも、すべてのピンクを無条件に好むわけではない。女性が歳を重ねれば、好むピンク、似合うピンクは変わる。あるいは、ひとりの女性に限っても、複数の顔を持つのが普通だ。母親、子、ビジネスパーソン、妻、ひとりの女……。

難しい話ではない。男性だって多様ではないか。それなのに、なぜ、女性はそう見られないのだろうか。

ぱっとしないピンク色の文房具を見るたびに、ひとりのピンク好きの女として、残念に思うのだ。

文具の「銀座 伊東屋」が、横浜元町に新店舗をオープンした本当の理由

文具の「銀座 伊東屋」が、横浜元町に新店舗をオープンした本当の理由

2018.09.28

銀座 伊東屋が横浜元町に路面店をオープン

すでに店舗がある横浜エリアに出店した意図は?

伊東屋は9月19日、横浜元町ショッピングストリートに「銀座 伊東屋 横浜元町」をオープンした。

「銀座 伊東屋 横浜元町」

東京・銀座にある銀座 伊東屋 本店のコンセプトを踏襲した同店がテーマにしているのは「過ごす場所」。3フロアからなる1棟の路面店だ。なぜ元町という地に新たな店舗をオープンしたのか。開店当日の店内で出店の背景と同店の見どころを、同社 広報室に聞いた。

「伊東屋が表現したいと思う店を、自分たちで」

伊東屋は現在、旗艦店である銀座 伊東屋 本店と全国の大型支店8店舗、小規模店のtopdrawerや異業種とのコラボレーション店舗などを展開しており、横浜タカシマヤ内にも支店がある。なぜ今回、横浜元町という地に「銀座 伊東屋」を冠した路面店を出店するに至ったのだろうか。

銀座伊東屋のシンボルであるレッドクリップが、横浜元町店にも。銀座以外の店舗でクリップが設置されたのは初めてという。

「元町という場所は、ご縁でした」と語る担当者。2015年に行った銀座店のリニューアル成功を受けて、テナント出店だけではなく、「自分たちが表現したい店を、自分たちの手で作りたい」という思いが社内に芽生えたのだという。そこで、銀座と同じような路面店を設ける場所を探していたところ、今回の元町のビルで、となった。

通りに面したショーウインドウには、フロア毎にデザインされたエンブレムが掲げられている

「店舗の雰囲気が銀座店に似ているという声を、開店当日からいただいています。また、横浜は明治時代より新しいものが入ってきた街という点でも、銀座と同じなんです。『伊東屋に行きたい』と思ってもらえれば、どの街でもお客様は来てくれるはず。この店舗に“わざわざ”来ていただきたいという思いがあります」(担当者)

店舗内でのBGMは銀座の本店と同じものを流し、棚の雰囲気も近づけているという。オープンしたての店舗を1フロアずつ、案内してもらった。

自分オリジナルのノートを作れる1階

1階のテーマは「DESK お仕事道具」だ。ノートと筆記具、その他の文房具をセレクトして販売している。

表紙やリングを自分好みに選べる「ノートクチュール」

目玉は、自分好みのオリジナルノートを作れる「Note Couture(ノートクチュール)」。サイズや表紙、中紙、パーツを選び、専用のブースで製本してもらうサービスで、同店の他には銀座本店と京都店で展開している。表紙に文字をプリントしたり、綴じボタンをつけたりすることも可能だ。

ノートクチュールの作例。アルファベットやイラストを箔押しすることができる

「ノートとしては決して安くありませんが、日記やレシピ、趣味のことなど、大事なものを書き溜めていくログになります。日付や名前も入れられるので、赤ちゃんのお誕生日のお祝いに、お名前と日付、体重を表紙にプリントし、育児日記用のノートとして贈られた方もいます。ある店舗では、とあるプロジェクトリーダーさんが、メンバー1人ひとりの雰囲気に合わせて、名前を入れたノートを作っていたそうです。お客様から、新しい使い道を教えていただくことも多くあります」(担当者)

ノートの製本は店内で行われる

また、伊東屋オリジナル商品の販売にも力を入れているという。直輸入のノート、コクヨとコラボレーションをした測量野帳のオリジナルカバーシリーズや、魚をモチーフにしたオリジナルノートやピンバッジのシリーズ、同社の包装紙の柄をデザインした風呂敷などが並べられていた。

空港店舗向けの商品として開発された、魚の図柄シリーズ。人気が高く、ノートクチュールにも魚のイラストが展開されている

その場で手紙を出せるポストも

「ROOM 世界の美しいもの」がテーマの2階では、レター用品、ラッピング用品、インテリア用品、バッグ、地球儀などを取り扱っている。買い付け商品である海外製のグリーティングカードは、大人っぽくてシャキッとしたデザインが特徴だという。

店内に設置されたポスト

その場で購入したはがきや便箋に手紙を書き、ポストに投函することも可能だ。ポストがあるのは銀座店と同店のみで、銀座店の四角いポストに対し、同店のポストは丸い形にしているのだとか。

オリジナルデザインの切手

手紙を書けるスペースでは万年筆を含めたペンの貸出もしており、「ここで万年筆を好きになってもらえたら」と担当者は語る。同社がデザインした店舗オリジナル切手も販売。2階では伊東屋オリジナルデザインのポスターに名前や日付を入れることができる「My Poster」のサービスも展開している。

手紙のためのカウンターには、万年筆のほか、ポストカードにメッセージを浮かび上がらせるエンボッサーも

11月以降、万年筆の新サービスがスタート 

3階のテーマは「TREAT とびきりのご褒美」。万年筆とインク、それらを収める革小物を扱っている。フロア一面に広がったケースには、バイヤーが選んだ多種多様な万年筆が並べられおり、対面式のカウンターよりも気軽に商品を選べるのが特徴だ。座って試し書きをするスペースでは、店員と相談しながら商品を購入することもできる。

3階は「ご褒美」のためのフロア

「万年筆は書きやすいだけではなくて、持っているだけで気分が良くなったり、勇気が出たりする、お守りのような存在にもなるもの。楽しんでほしいと思っています」(担当者)

腰ほどの高さのカウンターに、万年筆がひしめくように陳列されている

また、3階では今後2つのサービスが始まる予定だ。11月にスタートするのは「Custom Mighty」。好きなパーツを組み合わせて自分オリジナルの万年筆を作ることができる。このサービスで、同社オリジナルの万年筆ブランド「Mighty」が復活する。

同社オリジナルの万年筆ブランド「Mighty」。現在はワンカラーでの展開となっている

2019年1月には「Cocktail Ink」も始まる。2000~2009年まで同社が展開していたインクブレンドのサービスを復活させる格好になる。バーでカクテルを頼むかのように、オーダーしてその場でインクを調合してもらうことができる。インクは同社オリジナルのものだという。

年始に、このカウンターで「Cocktail Ink」が始まる予定

スイーツを買う気分で文房具を

「デジタル化が進み、手書きが少し特別なものになりつつあることは実感している」と語る担当者。だが、文房具の可能性の広がりも感じているという。

例えば、銀座店では、ノートの表紙が見えるように陳列を変えたところ、商品の売れ行きも来店者の反応も良くなった。商品と出会えるようにするためのセレクトが大切なことを実感したそうだ。

かつては棚差しが基本だったノートだが、商品の顔である表紙を向けた陳列で、出会いを創出する狙いに変更した

「文房具は『必需品+楽しむもの』であると思います。少し気持ちを切り替えたい時にスイーツを買って帰ると気分が上がるように、文房具を買っていい気分になることもできるんです。手頃な値段のものもありますし、実用品でもありますので、無駄遣いしている気にもなりません」(担当者)

店内は子どもからお年寄りまで幅広い年齢の来店者で賑わい、穏やかな雰囲気のなかで商品を吟味する姿が見られた。仕事で疲れた帰り道、ふらりと寄って、明日へのモチベーションを上げる一品を探す。そんな使い方もできそうだ。

路面店であれば、テナント先の施設のルールや、既存客層などにとらわれず、「伊東屋がやりたいと思う」店を作ることができるだろう。11月以降の万年筆関連の新サービス含め、今後の展開にも注目していきたい。

約60年、変わらぬ魅力を守るデザイン展開 - コクヨ「測量野帳」

モノのデザイン 第38回

約60年、変わらぬ魅力を守るデザイン展開 - コクヨ「測量野帳」

2018.06.07

ここ数年でじわじわと人気を集め、ちょっとしたブームとなっている「測量野帳」。1959年に文具メーカーのコクヨから発売されて以降、60年近くにわたって愛され続けている超ロングセラー商品だ

コクヨのロングセラー商品「測量野帳」。3種展開で、中の紙の罫が異なる

もとは発売の10年前に「測量法」が改正されたのを受け、測量士さんからのリクエストを受けて開発された測量用のノートで、土木・建築の現場で使われ続けてきた。それがここ10年ほどで一般ユーザーの間でも大人気となり、愛好家たちを称して"ヤチョラー"などとも呼ばれている。その人気の秘密に迫るべく、デザインを中心にコクヨ ステーショナリー事業本部マーケティング本部広報宣伝ユニットの伊藤裕美氏に話を聞いた。

60年近く変わらぬ測量野帳のデザイン

コクヨ ステーショナリー事業本部マーケティング本部広報宣伝ユニットの伊藤裕美氏

伊藤氏によると、測量野帳は品質面での改良は何度か行われているものの、デザインは60年近くにわたり、ほぼそのままだという。緑の硬い表紙に金色の箔押しというデザインは、商品の意匠として守り続けてきたものだそうだ。

「もともと測量士さんの作業向けで発売した商品ですので、デザインというよりも実用的であることが最優先。作業着のポケットに収まるサイズと形状、厚みであることと、立ったまま書きやすいようにハードな表紙が採用されています」

測量野帳は発売当初より上記の3種類が取りそろえられている。ちなみに、現在は販売されていないが、発売当時は縦開きタイプのOFFSETが展開されていた。

LEVEL=高さを測るもの、TRANSIT=角度を測るもの、SKETCH BOOK=イラストや図面用という位置づけで、それぞれの用途に適した罫を印刷。中紙にはコクヨオリジナルの紙で、幅広い筆記具に対応できるような素材が採用されている。

測量野帳は表紙が硬く、立ったままでも記入しやすい。

それ以外に、ウォータープルーフタイプもラインナップしている。樹脂ベースの合成紙を使用しているため、一般的な紙よりも水や汚れに強く、破れにくい。このウオータープルーフタイプに関しては、赤・黄・青の3色の表紙も展開。色を変えた理由は、落とした時に見つけやすく、見分けがつくように分けた意味合いが強いとのこと。実用性を重視した色選びのようだが、どこか懐かしさを覚える色選びに、オリジナルのグリーンと共通の印象を持った。

野帳ブーム、過熱の裏には「限定デザイン」

オリジナルの測量野帳は"質実剛健"とも言えるデザインだが、昨今のブームを巻き起こした理由のひとつに「限定デザイン」がある。同社の業務用名入れサービス「CUSTOM FACTORY」を利用すると、表紙をカスタマイズした測量野帳を作ることができる。そのため、企業のノベルティといったかたちで、多種多様なデザインのものが多く存在する。また、雑誌の付録や文化施設での販売などのために、限定の測量野帳が登場することもある。

2013年から開催されている同社の博覧会「コクヨハク」でも限定デザインの測量野帳が販売され、即完売するほどの人気商品となっている。「そこでしか買えないプレミアム感もあり、限定モノをコレクションしているユーザーさんも多いようです。かわいい柄や珍しい柄が特に人気ですね」と伊藤氏。

伊藤氏によると、昨今のブームの火付け役となったのが2016年に枻出版社から発売された「測量野帳スタイルブック」。それ以前より、同社は測量野帳の”普段使い”文化について把握しており、ユーザーを「ヤチョラー」と呼び、ユーザーインタビュー記事や用途がわかる写真の掲載を行っている。

測量野帳を測量以外に使っている例。こうした用途では、グリッドの罫線を備えた「SKECH BOOK」が人気だとか。

しかし、こうした「ヤチョラー」の存在は、同社が主導してプロモーションなどの活動を行った結果ではないという。「昨今の測量用途以外のご利用について、文具愛好家の間から自然発生的に広がっていきました。弊社からすれば、気づいたら”ヤチョラー”がいらっしゃった、という状況です。ソーシャルネットワークの影響も大きいかもしれません」と分析。メーカーとしてヤチョラーに特化した販促は予定しておらず、限定デザインをイベントなどで展開しつつ、ブームを静観しながら見守っているという状況のようだ。

ブームが巻き起こると、起こりがちなのが商品の"横展開"。測量野帳で言えば、罫線のバリエーションの追加や、定番デザインの増加などがそれにあたる。しかし、それに対してもメーカー側は冷静な姿勢を崩さない。

「まったく検討しないわけではありませんが、なぜ今の時代にもこの商品が受け入れられているかを考えると、"レトロ感"というのがあると思います。すなわち、"変わらない良さ"が愛されているということ。それを思うと、あえてデザインなりを変える必要はないと思っています。むしろ、ブレずにある種の伝統を守っていくことが重要だと考えています」

一方、「コクヨハク」限定の測量野帳については、毎回趣向を凝らしている。その年ごとに博覧会のテーマを設定し、それに合わせてデザインを考えているとのことで、特に測量野帳独自のデザイン上のルールを設けているわけではないそうだ。

「コクヨハク限定の測量野帳は開催年ごとに異なるテーマにあわせて作るため、限定野帳だけを通期で見た時のデザインの一貫性はあえて考えていません。今年は"レストラン"がテーマだったので、お菓子っぽいカラーリングのパステルカラーの商品を発売しました」と伊藤氏。

2018年のコクヨハク限定品として販売された、マカロンをテーマにしたパステルカラーの限定野帳。

また、今年の限定野帳を担当したデザイナーによると、スイーツの味をイメージしたカラー選びを行ったほか、「表紙の紙質もマカロンのような少しマットでザラっとしている質感の紙を選びました」とのこと。さらに「本当はそれに合った香りもつけたかったのですが、諸事情で断念しました」と明かす。

デザイナーから見た、測量野帳の魅力

デザイナーの視点からは、測量野帳のデザインの魅力はどこにあると考えているだろうか。

「カラーリングや素材を変えたり、イラストレーターとコラボレーションしたりするなど、さまざまな方向性を柔軟に取り入れているにもかかわらず、サイズ感やしっかりとした書き心地などから伝わってくる、変わらぬ"測量野帳らしさ"が魅力だと思います」(コクヨハク限定野帳担当デザイナー)

今年のコクヨハクの限定商品では、こんなデザイン検討の一幕があったという。"SKETCH BOOK"という表紙のロゴの代わりに、マカロンの味をイメージした"STRAWBERRY"や"BLUEBERRY"というロゴに変える案もあったそうだ。しかし、検討を経て、"SKETCH BOOK"の金色のロゴが「測量野帳らしさ」を担っていると気づいたことから、その案は採用に至らなかった。用途を示す箔押しのロゴも、野帳らしさを担保する大きな要素であったことが再確認できたという。

最後に、60年近くにわたり今も受け入れられ続けている測量野帳について、コクヨハク限定野帳のデザイン担当者にその理由を分析してもらったところ、次のように答えてくれた。

「約60年経ってもほぼ変わっていないデザインや、罫線・書き味など細部のこだわりから伝わる"安心感"。それでいて、ユーザーが使用シーンに合わせてより使いやすくカスタマイズしたり、好きなように表紙をデコレーションできる"汎用性"の高さが、長く受け入れられる理由のひとつではないかと感じています」

歴代の測量野帳を見せていただいた。素材変更などはありつつ、基本仕様はずっと変わっていない。表紙の角に押された企業ロゴで、何代目か判別できる。

およそ60年にわたり愛される超ロングセラー商品のコクヨ「測量野帳」。インタビューを通じて、普遍的でありながらも汎用性があることがスタンダードになるための条件であると感じた。次々と新しいものが生まれては廃れ消えていく中で、小手先だけの見た目のよさを追求するのではなく、機能美を貫くことこそが、市場で長く生き残る秘訣なのかもしれない。