「小売」の記事

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

2019.01.22

セブン、ローソンに続きファミマも成人誌を販売中止

インバウンドの増加、オリンピックの開催も影響か

コンビニ最大手のセブン-イレブンと業界3位のローソンが成人向け雑誌の販売中止を発表したのに続き、業界2位のファミリーマートも同様の方針を打ち出した。大手3社の足並みがそろい、日本国内のほとんどのコンビニ店頭から成人誌が消える。

国内のセブン-イレブン店舗数は2万店を超え、ローソンとファミマが1万5,000店前後でこれに続く。それぞれ今年の8月末までに取り扱いを原則中止するという。これまで一部店舗で成人誌の販売を中止していた例はあったが、今回は各社全店舗で取り扱いを中止する。業界では昨年1月から、ミニストップが他社に先駆けて全店で取り扱いを中止していた。

もともと諸外国にくらべ、女性や子どもの目につきやすいコンビニ店頭などに成人誌が置かれている日本のゾーニングの現状は特殊であるとの批判があった。また、インバウンドで訪日外国人が増え、この論調に拍車がかかっていたほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、イメージ低下を防ぐ要請が強まっていたという背景がある。

コンビニでの成人誌の購買層は近年、高齢男性に偏るとともに売り上げの減少も顕著であったといい、ゾーニングの問題が取り扱い中止の大義名分になったという見方もある。ある出版関係者は、「一部では電子版などネット展開を強化している流れはあるが、今でもコンビニは重要な販路なので、相当な混乱があるだろう」と話す。どちらにせよ、日本の成人誌は岐路に立たされることになる。

多様化するリユース市場で存在感を強めるあのショップの考え方

多様化するリユース市場で存在感を強めるあのショップの考え方

2018.07.20

リユース市場が盛り上がっている。その原動力になっているのはメルカリやヤフオクだ。ただ、メルカリなどを媒介にした個人売買により、それまでリユース市場を支えてきたショップが打撃を受けているという。

ただ、これは経済の理。新しい販売チャネルが成長すると、それまでの販売スタイルが打撃を被るのはよくあるハナシだ。

ただ、ネットによる個人売買にはいくつか問題がつきまとう。まず、素人による梱包により、運搬中に商品が破損してしまうこと。そして、これがもっとも問題だが、ニセモノが送られてきたり、そもそも商品が送られなかったりする。そうした問題を回避したいのなら、やはりショップの信頼度は心強い。

リユースのメリット・デメリット

そこで、リユース製品をメインに扱うコメ兵にハナシを聞いた。コメ兵 執行役員 マーケティング統括部長 藤原義昭氏は、「リユースの販売チャネルは完全に確立しています。ほしいものが新品より安価で手に入りますが、危険がつきまとうのも確か」と、リユースのメリットとデメリットを話す。

コメ兵 執行役員 マーケティング統括部長 藤原義昭氏。査定の際は、個室で何を持ち込んだか、ほかの客にはみられない

ここでいうデメリットは、ニセモノだ。コメ兵は、腕時計やバッグ、宝石といった高価な商品を売買する。となれば、ニセモノを買い取らないよう、細心の注意を払って査定する。

ところがだ。まれにニセモノを買い取ってしまうことがあるそうだ。全国の店舗で買い取った商品は、名古屋の物流センターで真贋を鑑定される。その際に、ニセモノと判定されることがあるらしい。

ただ、徹底しているのは、買い取ったニセモノを売りに出さないこと。ニセモノの烙印が押された商品は決して店頭には並ばない。

では、買い取ってしまったニセモノはどうなるのか。実は真っ先に破棄ということではなく、研究材料として生かされるそうだ。鑑定をする店舗のスタッフは相当に知識はあるが、真贋を見誤ることがある。それを少しでもなくすために、こうしたニセモノが活用される。いいかえると、ニセモノだからまったくの無価値という考えではないのだ。

ただ、店舗の鑑定でニセモノとわかった際には買い取らない。実はここに大きな憂慮がある。悪意を持ってニセモノを持ち込む客は論外だが、多くの方が「これはホンモノ」と信じ切って売りにくる。それをにべもなく「これはニセモノです」とはハッキリとは言いづらい。「これはお引き取りできません」というニュアンスでお断りするのだそうだ。

確かな“目”で鑑定をするコメ兵 新宿店の山口秀平氏。筆者も手持ちの時計や万年筆を査定してもらった。結構マニアックなコレクションのつもりだったが、一発でメーカーや商品名を当てられ少しくやしい。まあ、当然といえば当然か……(笑)

と、このように店頭での売買は確立しているコメ兵だが、ネット通販も充実している。同社が目指しているのは、実店舗とネット通販によるオムニチャネルだ。藤原氏によると、リセール製品だからこそ、ネットでの販売が生かされるという。

どういうことかというと、持ち込まれた商品は東京、名古屋、大阪など、場所を選ばない。大阪のコメ兵に持ち込まれた商品を、東京の顧客が購入する場合、ネットでの取引が役立つ。一方、実店舗があるというのもネット販売の価値を高める。スマホやPCの画面で商品画像を確認し、実店舗で状態を確認できる。特に、高級腕時計といった場合、ネットの画面だけで購入を決断するのは不安だ。実店舗でチェックできるのに越したことはない。

さて、今後リユース市場はどうなるのか。藤原氏は、現在は鈍化し始めているが伸びていく可能性が高いと話す。それは、リユースの対象が多岐にわたり始めているからだそうだ。数十年前、リユースは土地や家、クルマといった高価値なものが主流だったが、今はどんなものにも値がつきやすい。そう考えると、リユース市場拡大の可能性は、まだまだ広がる可能性が高い。

伊藤園の「お~いお茶 新緑」、ただの派生商品じゃない理由

伊藤園の「お~いお茶 新緑」、ただの派生商品じゃない理由

2018.04.24

伊藤園は新商品「お~いお茶 新緑」を5月1日より発売する。「お~いお茶」ブランドの単なる派生商品のひとつと捉えるべきではなく、市場ニーズの変化を捉えた戦略的商品と考えたほうがよさそうだ。

写真左:女優の久保田紗友さん、写真右:伊藤園の社三雄マーケティング本部長

伊藤園が力を入れる期待のお茶

「お~いお茶 新緑」は国産一番茶を100%使用した緑茶飲料。一番茶とは、その年に初めて摘まれた茶葉のこと。香りや旨み成分が豊富に含まれている。さらに凍結した茶葉を一部使用し、できる限り熱を加えずに低温抽出することで、茶葉の持つ旨みを引き出し、渋みや苦味を抑えている。

5月1日から発売される「お~いお茶 新緑」。希望小売価格は140円(税別)

実際に口にすると、苦味と渋みが感じられず、お茶の味はあるものの水を飲むような感覚を覚え、「お茶フレーバーのミネラルウォーター」ともいえるような不思議なお茶だ。

伊藤園では、5月1日より全国で発売。女優の久保田紗友さんが出演するテレビCM放映のほか、交通広告、ウェブ広告、大規模サンプリングなどを行い、大々的に売り出していく。本来ならば「お~いお茶」ブランドの派生商品のひとつとも考えられるが、その割に気合が入っている印象だ。

その理由は、新たな顧客獲得として期待されている商品だからだ。そもそも緑茶飲料の購買層は男性が65%、女性が35%。女性層への普及には課題を抱えていた。今回の新緑は、若年層ほか、この女性を中核ターゲットとした商品となる。女性からの支持を得るために、伊藤園はニーズを分析、それを新緑に反映させた。

伊藤園が注目したのは社会情勢の変化だ。女性の社会進出がさらに進み、結果として働く女性のうち81%が日常的にストレスを感じているという。こうした女性から求められるニーズを言葉にすると「フレッシュ」「ナチュラル」「リフレッシュ」などとなり、まとめると「さわやかさ」が求めているようだ。

一番茶をもちいて、苦味や渋みをおさえ、ボトルデザインなど持ちやすさにも配慮、女性ファン獲得のために、新緑にそうした価値観を詰め込んだというわけだ。

女性が求めるお茶への価値

社三雄マーケティング本部長は「飲料、小売、そのほかの業界にも大きな影響を与えると思う。これから先、働いている女性から新しい市場が生まれてくる」と分析しており、女性へ広がりが重要になると見ている。新緑はこれまで課題を残してきた女性層への再挑戦であり、今後、ますます重視される女性のニーズを汲み取れるか否かの試金石と言えそうだ。売れ行きが気になるところだ。