「外食産業」の記事

「中華×イタリアン」競争激しい飲食店市場に生まれる新機軸

「中華×イタリアン」競争激しい飲食店市場に生まれる新機軸

2019.03.29

食の垣根を越えた飲食店が目立ち始めた

7,000万円の資金を集め、ようやく開業に!

「和食」や「中華」「フレンチ」「イタリアン」など、日本では世界中の料理が楽しめる。多国籍な料理が味わえるという点で、日本は世界屈指だという声はよく聞かれる。こうした日本の食文化から派生して、新たなトレンドが生まれつつある。

それは、和食・中華・イタリアンといった垣根を越えた飲食店だ。特に最近のトレンドは中華×イタリアン。例えば、恵比寿で営業しているイタリアン風中華バル「京鼎樓バル」や、新横浜の「チャ“伊”ナバル」、「飯田橋GRATO」など、中華×イタリアンという業態をウリにしているレストランが増えている。

そして、1月に「LOTO BLU」という店が、築地市場至近にオープンした。このレストランも中華×イタリアンというのがコンセプト。では、実際にどういう料理なのか取材してみた。

東京・汐留にあるLOTO BLU
ベビーピュア 代表取締役社長 渡邉敏行氏

まず、LOTO BLUを運営するベビーピュアの渡邉敏行氏の話をうかがってみよう。渡邉氏は、一言でいえば「苦労人」。若い頃は、中華街の料理店で洗い場を担当していたという。そして大学卒業後に大手製薬会社のMR(医薬情報担当者)として活躍した。

真意はうかがっていないが、やはり独立したかったのだろう。一念発起して、飲食店を経営することに決め、「青蓮」という中華料理店を開業した。当時の自己資金は900万円ほど。こぢんまりとした店舗を開くには十分な資金だが、それでは満足できず、資金をかき集めて7,000万円を用意。そして横浜を中心に青蓮を30店舗ほどに広げたそうだ。

少し変わったコンセプトの飲食店を目指した

幸い、青蓮の経営は順調に進んだ。そして新しい取り組みとしてLOTO BLUを開業した。このキッカケは三井ビルディングのお声がけ。「イタリアンのお店を開業してみては?」という話を持ちかけられ、それに乗ったカタチだ。だが「単純にイタリアンでいいのか」という疑問もあり、中華を掛け合わせてみればという発想にたどり着いたという。

さて、実際の料理だが、中華×イタリアンということもあって、多国籍な感じが色濃かった。コース料理が参加した記者に提供されたが、最初は中華、そして徐々にイタリアンになっていくというイメージだった。正直、中華×イタリアンと聞いて、ピザの上に餃子がトッピングしてあるみたいな料理を想像していたが、そんな突拍子もないものではなかった。単品単品がしっかりと中華、イタリアの国籍を主張するメニューだった。

LOTO BLUで提供される料理の一部

近年、日本にワインブームが起こっている。ワインといえばフレンチやイタリアンと合わせるものと思いがちだが、そうした常識はすでに崩れ始めている。餃子にワイン、お刺身にワインといった取り合わせも珍しくなくなった。このLOTO BLUもメインで提供するお酒はワインだ。その意味でも料理、そしてお酒の多国籍といえるだろう。

実はここに渡邉氏の真意が垣間見える。中華は中華店、イタリアンはイタリアンレストランという、これまでの感覚に縛られない飲食店で勝負をかけていきたいのだろう。前述したとおり、苦労人だからこそアイデアを絞っているのかもしれない。

激化する飲食店業界。こうした、特色を打ち出す飲食店は今後も増えていくだろう。どのようなレストランが誕生するのか、楽しみである。

若気の至りとネットが結びつくリスク、「アルバイトの不適切行為」

カレー沢薫の時流漂流 第28回

若気の至りとネットが結びつくリスク、「アルバイトの不適切行為」

2019.02.18

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第28回は、「アルバイトの不適切行為」について

「バカッター」という言葉をご存じだろうか。

アルバイト先で食材を使って遊ぶ、買う前の商品を汚損するなどの悪ふざけを行い、その写真や動画を「こういうの面白いやろ」とツイッター(Twitter)にあげて大炎上する奴を指す言葉であり、主に若者が多い。

まず一番に思い出されるのは、ローソンのアルバイトがアイスケースに入った事例だろう。しかし、実はあれはツイッターではなく、Facebookに投稿されたものなのだ。

ツイッターへの熱い風評被害。ヘビーすぎるツイッターユーザーとして憤りを隠せないが、アイスケース事件以降、ツイッターで類似案件が多発したため、結局「バカをやるのはツイッタラー」ということになってしまったようだ。ツイッタラーはバカの上にインフルエンサーでもないという悲しい事実である。

その後、一旦「バカッター騒動」は落ち着いた。これは、バカがいなくなった、というわけではなく、SNSでは連日連夜、彗星の如くバカが現れ、それが若者やアルバイターだけではなく、良い年した地位のある大人だったりするため、バカをさらなる巨バカが飲みこむ形で徐々に目立たなくなってしまった、という感じがする。

しかし最近、また「おっさんたちは引っ込んでな」と若者アルバイターの「不適切行為」が話題になっているという。だが出火元はまたしてもツイッターではなく、今度はインスタグラム(Instagram)だ。

このように、SNSの中でもツイッタラーは民度が低いと言われがちだが、不祥事ブームの先駆けは意外と、キラキラ側のツールだったりする。柄の悪い雑誌を作っている編集部の人間は意外と逮捕されておらず、逆にインテリ系雑誌の編集部の人間の方が、突然タクシーの運転手を殴って逮捕されるのと同じ現象である。

なぜインスタグラムが火元になったかというと、インスタグラムには「ストーリー」という機能があるからだ。「ストーリー」に投稿した動画や画像は24時間後に自動的に消えるようになっている。よって「1日で消えるならいいべ」というノリで若者が不適切動画を上げてしまったりするのである。

ネットで“バカをやる”、あるいは“特定する”ことのリスク

今回大きな問題になったバカスタグラマー(こう書くと「バカッター」の語呂が如何に優れているかがわかる)は、すき屋とくら寿司のアルバイトが投稿した動画だ。

すき屋の動画は店内で氷を投げ合ったり、おたまを股間に当てたりと「インスタグラマーのセンスも俺たちと大差ない」とある意味ツイッタラーを安心させてくれる内容だったが、くら寿司の方はまな板で切った魚をゴミ箱に入れ、ゴミ箱から出した魚を再びまな板に載せる、という笑うところがない上に、飲食店としては致命的な動画であった。

おそらく、このアルバイターたちも「24時間で消えるし」という軽いノリで投稿したのだろうが、その動画は瞬く間にツイッターに転載され大炎上となった。さすがツイッタラーさん、こういうことは仕事が早い。

結果として、両者ともクビになった。そこでは終わらず、くら寿司はこの一件を受けて全従業員を再教育し、動画に関与したバイトに対しては法的対応をする準備に入ったと発表した。しかし、インターネットの処罰は光の速さで行われるため、それ以前に当人たちは氏名、年齢、学校などを特定され、顔写真なども晒されているという。

これは「最近の若者は」という話ではない。太古の昔からこのような若者による「悪ノリ」は行われており、40歳以上のパイセンが和民で語る武勇伝も、大体似たようなことだったりするのだ。ただ、パイセンの時代はインターネットがなかったため、その悪ノリが全国展開してしまうことがなかっただけなのである。

私の知人も「高校時代、みんなで『そこら辺の木』を燃やして、メチャクチャ怒られた」と言っていたが、インターネットやSNSがある時代だったら、その木の物理的炎上動画を「俺たちおもしろくね?」というノリでSNSにアップし、概念的大炎上をして「メチャクチャ怒られる」程度では済まなかったかもしれない。

私はオタクなので、そのような「ヤンチャ」な過去はないが、その代わり、俺の考えた最強のイケメンキャラなどが記された「黒歴史ノート」などがある。それもインターネットがない時代だったので、見られるとしても家族程度だが、それに関しても今はインターネットがある。SNSに限らずインターネット上に投稿されたものはどこの誰に見られるかわからないし、一度拡散したら半永久的に残り、自分の手で全てを抹消することはできない。

インターネット、SNSが当たり前な今の若者たちは、「若気の至り」や「黒歴史」に対しもっと慎重にならないと、人生が変わりかねないのだ。その点で、若い頃にネットがなかった我々は恵まれている。

しかし前述の通り、ネットでバカをやるのは若者だけではないので我々も気をつけねばならない。この炎上アルバイターたちは一様に、「面白いやろ?」という動機でやっていると思うし、我々もここまでしなくても、「これはウケる」と思って言ったことで周りをドン引きさせた経験があるのではないだろうか。

SNSで注目を集めることに執着しすぎると感覚がマヒし、明かに倫理に反していることを「これはSNSでウケる」と思ってやってしまうのだ。

また、ネット炎上は義憤にかられた「正義の人」による私刑までがワンセットだが、それも度を越し過ぎると、今度は逆に訴えられる側になりかねない。

炎上アルバイターが「特定」されるように、「正義」も匿名で執行できるわけではない。そして悪い事をした人間は罰せられるべきだが、バカがいるからといって、そのバカを罰する権利が自分にあるとは思わない方がいいだろう。

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プラ製ストローの撤去を試験導入中のデニーズ、2月12日から全店で撤去へ

プラ製ストローの撤去を試験導入中のデニーズ、2月12日から全店で撤去へ

2019.01.18

デニーズが全店でプラスチック製ストローの撤去を決定

国内大手飲食でも相次ぐプラ製ストローの廃止の流れ

環境配慮の観点から、世界的にプラスチック製の使い捨てストロー撤廃の動きが加速している。日本国内でもファミリーレストランやコーヒーチェーンを中心に、プラ製ストローの撤去や、代替品への切り替えが検討されているが、セブン&アイ・フードシステムの運営する大手ファミレスチェーン「デニーズ」が、2月12日から全店を対象にプラ製ストローの提供を原則中止することがわかった。

同社はこれまで、昨年11月よりプラ製ストロー提供中止のテストをデニーズ40店舗で実施していた。今回、店内にドリンクバーを設置しているデニーズ全店舗(デニーズ全体の9割に当たる)で、ドリンクバーコーナーのプラ製ストローの設置を中止する。なお、児童などストローを必要とする来店客には、プラスチックを代替し環境に配慮した植物由来素材「PLA」を使ったストローを提供する。

近年、プラスチックごみの廃棄による海洋や生態系への影響が大きくクローズアップされ、外食店のプラ製ストローに批判が集まったことで、環境意識の高い欧米を中心に対策すべきとの流れが盛んになっていた。日本国内では当初、ごみ処理技術への自負から経済性を優先し、対策は遅れるだろうという見方もあったが、行政などパブリックな組織が動く前に、まずは当事者である企業が率先して反応していた。

昨年末にはファミレス最大手のガストがプラ製ストローを廃止し、今月はグループ780店舗のリンガーハットも紙製への切り替えを発表している。一方で検討中や態度保留という企業も多いが、大口の需要家となるチェーンが相次いで具体的な施策に乗り出していることから影響は大きく、今年は国内のプラ製ストロー排除の論調が更に強まると見られる。プラスチック代替素材の開発競争は世界規模だが、日系化学メーカーにとっては国内特需は追い風となる可能性がある。