「中国」の記事

OPPOが「UQ独占販売」を実現、先行するファーウェイに着々と迫る

OPPOが「UQ独占販売」を実現、先行するファーウェイに着々と迫る

2018.11.01

OPPOのスマホ「R17 Neo」がUQモバイルから独占販売

世界シェア4位のOPPO、日本市場攻略のカギは?

販売実績を伸ばし大手キャリアへの売り込みを図る

10月30日、中国OPPOの日本法人がAndroidスマホ「R17 Neo」を国内向けに発表した。注目は、KDDIグループで知られるUQコミュニケーションズの「UQ mobile」からの独占販売を実現した点だ。

UQモバイルが独占販売する「OPPO R17 Neo」

世界のスマホ市場で4位と急成長を続けるOPPOは、日本のスマホ市場への本格進出を狙う。そのために必須の大手キャリアによる採用に向けて、最初の一歩を踏み出した形になった。果たしてOPPOの目論見は成功するだろうか。

日本市場で伸びるファーウェイを追うOPPO

いま、世界のスマホ市場で勢力を伸ばしているのが中国メーカーだ。世界3位のファーウェイ、そして4位のOPPOは、トップ2社であるサムスンとアップルに迫る存在として注目が集まっている。

その中でも先行するファーウェイは、携帯電話の基地局などインフラ技術を強みとしながら、スマホなどコンシューマー製品にも進出。大手キャリアにルーター製品などを納入してきた実績もあり、最近ではスマホの採用が相次いでいる。

対するOPPOは、2018年2月に日本で最初のスマホを発売。中国を始めとするアジア市場でシェアNo.1を誇る同社の人気の秘密は、カメラだ。どのメーカーもカメラには注力しているが、OPPOはアジアで特有の自撮り(セルフィー)需要を的確にとらえ、若者からの支持を得てきた。

今回の「R17 Neo」を始め、コスパの高いスマホを次々と投入している

だが、OPPOが参入したSIMフリー市場は、国内の1〜2割を占めるに過ぎず、売れ筋は利幅の薄い安価なスマホだ。ハイエンドを含むスマホ市場の大半は大手キャリアが占めており、OPPO自身も高価格帯のスマホをSIMフリーで買う人はほとんどいないことを認めている。

そこで見えてくるのが、SIMフリー市場で実績を出し、大手キャリアへの売り込みを図る作戦だ。大手キャリアに採用されれば、全国に広がるキャリア店舗などの販売網に乗ることになる。多ければ数十万台の契約となり、ビジネスの規模も飛躍的に大きい。

だが大手キャリアはメーカーから仕入れたスマホを自社の商品として販売する以上、日本の消費者が求める品質基準に耐える必要があり、採用は決して容易ではない。そのハードルを超えるための大きな一歩となりそうなのが、UQモバイルによる独占販売というわけだ。

UQモバイルからの独占販売を実現、次の一手は?

UQモバイルは、KDDIグループのUQコミュニケーションズが運営する格安スマホのブランドで、大手キャリア系列の事業者だ。今回の「R17 Neo」は、このUQモバイルが国内で独占販売する。間接的にではあるが、日本の大手キャリアグループがOPPOを認めた格好となった。

国内ではUQモバイルが独占販売する

UQモバイルによるスマホの採用は、かつてはファーウェイも大きくアピールしていた。またファーウェイのhonorシリーズのスマホは、楽天グループのMVNO「楽天モバイル」が独占販売したこともある。その結果、コスパや品質の高さが業界内で評価され、後継モデルは販路を拡大した。こうした評価の積み重ねが、ファーウェイの成功の背景にあることは間違いなさそうだ。

それでは、スマホとしてのR17 Neoはどのような製品なのか。格安スマホとして最も売れ筋といえる一括価格3万円台のモデルでありながら、有機ELディスプレイや4GBのメモリー、128GBの大容量ストレージを搭載しており、他メーカーと比べて基本スペックは高い。

それに加え、国内向けスマホでは初めて、ディスプレイに指紋センサーを埋め込む技術を採用。自撮りに使う前面カメラは背面より大きい2500万画素を搭載し、AIを活用した撮影機能や独自の「ColorOS」などソフト開発にも取り組む。残念ながら防水やおサイフには対応しないものの、コスパの高さは際立っている。

前面カメラは2500万画素。自撮り重視の端末だ
ディスプレイに内蔵した指紋センサーは国内初という

OPPOはすでに世界30カ国において、高価格から低価格まで多数のスマホを展開している。今回のR17 NeoはUQモバイル専売となったが、他のMVNOからの引き合いがあれば、要求に応じた端末を用意する能力は十分にありそうだ。

国内のAndroid市場では、調査の時期によってはファーウェイがシェア1位になるなど、大きなリードを築いている。それを追うOPPOも悲願の大手キャリア採用に向けて、着実な一歩を踏み出したといえる。

「アップル超え」のファーウェイがMate 20に仕掛けた”種”

「アップル超え」のファーウェイがMate 20に仕掛けた”種”

2018.10.24

ファーウェイがスマホ新製品「Mate 20」シリーズを発表

AIやワイヤレス充電などで他社との差別化へ

独自規格のメモリ「NM Card」で、利益の確保を狙う

ファーウェイがスマホ新製品「Mate 20」シリーズを発表した。ロンドンで開かれた発表会では、同社の研究開発の集大成といえる新機能が続々と披露された。一部のモデルは日本での発売も期待される。

2018年第2四半期、アップルを抜き、世界のスマホ市場シェアで2位に浮上(IDC調べ)したファーウェイ。同社はスマホ商戦を勝ち抜くため、最新モデルにどのような仕掛けを入れてきたのか。

ロンドンで「Mate 20」シリーズを披露した、コンシューマー部門のリチャード・ユーCEO

「AI」「充電」で他社の1歩先へ

ついにアップルを抜いたファーウェイであるが、年末商戦が含まれる第4四半期では依然としてアップルが強い。とはいえファーウェイは昨年より早い時点で1億台の出荷を達成するなど、サムスン・アップルを追い上げる勢いは増している。

高価格帯から低価格帯まで、スマホの新製品発表ペースも衰えていない。最上位モデルは年に2回、カメラを中心としたPシリーズと、最新プロセッサーのMateシリーズを出しており、今回のロンドンでは「Mate 20」シリーズ4機種を発表した。

最新機能満載の「Mate 20 Pro」

独自のプロセッサー「Kirin 980」では、同社が得意とする人工知能(AI)分野の演算能力を強化。新たに搭載した動画の特定の色を着色する機能や、食べ物の写真からカロリーを計算する機能でAIを活用しているという。

しかし、今回の発表でファーウェイは、これまでのように「AI」を連呼しなくなったように感じた。多くのスマホメーカーがAIの活用をうたい始めた中で、独自プロセッサーを持つファーウェイは”それらの一歩先を行く”と言いたいのかもしれない。現に同社は、AI (Artificial Intelligence)を上回る「AI(A HIGHER INTELLIGENCE)」というキャッチフレーズを披露した。

「WELCOME TO A HIGHER INTELLIGENCE」というキャッチフレーズを強調

最近、中国メーカー各社のスマホは高機能との評価が定着してきたが、ファーウェイのMate 20 Proはその典型だ。画面内に埋め込まれた指紋センサーや、3Dに対応した顔認証、他のデバイスをワイヤレス充電できる給電機能などは、多くのAndroid端末メーカーより半年から1年先を行く機能といえる。

iPhone XSをワイヤレス充電できる機能を発表。会場を大いに沸かせた

台数シェアUPに加え、高価格帯へのシフトも

スマホ世界シェアで2位を狙うファーウェイだが、出荷台数を大きく左右するのはMate 20シリーズのようなハイエンド機種ではない。たとえば日本国内のSIMフリー市場で、最も売れているのは3万円前後の「P20 lite」や、5万円前後の「nova 3」だ。

だが、ファーウェイは台数を追うだけでなく、利幅の大きい高価格帯へのシフトを同時に狙っている。それを象徴するのが、ポルシェデザインとのコラボモデル「Mate 20 RS」だ。最上位モデルの価格は2095ユーロと、iPhone XS Maxを400ユーロも上回る。

最上位は2000ユーロ超のラグジュアリーモデル「Mate 20 RS」

一方、iPhone対抗の主力機で日本での発売も期待されるMate 20 Proは、欧州価格が1049ユーロとなっている。高価格帯の中でも、iPhone XSに対して100ユーロ、XS Maxに対して200ユーロ安く、戦略的な価格設定がうかがえる。

独自規格のメモリ「NM Card」で利益拡大へ

その中でも、ファーウェイが独自の利益を確保する秘策として繰り出してきたのが新規格のメモリーカード「NM Card(Nano Memory Card)」だ。これまでmicroSDが世界的に普及している中で、サイズを小型化。SIMカードと同じ形状にすることでスロットを共有できるのが特徴だ。

microSDよりも小さい新規格のメモリーカード「NM Card」を採用

実売価格は同容量のmicroSDよりも割高になるとみられ、メモリーカードの買い直しが必要な消費者からは反発がありそうだ。特に新興国では、スマホを買い換えてもmicroSDを使い回せる経済性が支持されており、普及は容易ではない。

だが、アップルはこうした独自規格を得意としており、巨額の利益の源泉となってきた。現段階での対応機種はMate 20シリーズに限られるが、今後は他のモデルにも拡大する可能性が高い。ファーウェイの新たなチャレンジとして注目したい。

中国スマホメーカー・OPPOのハイエンド機「Find X」に見る

中国スマホメーカー・OPPOのハイエンド機「Find X」に見る"変化"と"野心"

2018.10.22

日本では新顔だが、30カ国以上に進出しているスマホメーカー・OPPO

OPPOの日本戦略は「ローカライズ最優先」

既存戦略と異なるアグレッシブな最新機種「Find X」を日本にも投入

“世界一”の全画面スマートフォン、「Find X」の日本発売が決まった。

画面占有率93.8%、正面部のほぼすべてがディスプレイというインパクトあるデザインが印象的だ。処理能力を決めるSoC(システムオンチップ)はクアルコムの最上位モデルであるスナップドラゴン845。8GBのメモリと256GBのストレージを積んだハイエンド機種となる。

Find Xの日本投入、その背後に世界スマートフォン市場の変化と中国大手スマホメーカーOPPOの野心が透けて見える。

世界4位のスマホメーカー・OPPO

OPPOの日本市場参入は今春から。まだ、ニューフェイスだけにご存知の方は少ないかもしれない。だが、中国や東南アジアに旅行経験がある人ならば、一度はOPPOの広告を目にしたことがあるのではないか。空港や繁華街など目立つ場所に大々的な広告を展開している。実はOPPO、アジアのシェアはナンバーワンという大企業だ(2017年出荷台数ベース、Counterpoint調べ)。

OPPOは中国情報家電メーカー大手のBBK(歩歩高電子)のAV部門がスピンアウトし、2004年に誕生した。iPhoneと張り合うようなハイエンドでも、価格勝負のローエンドでもなく、コストパフォーマンスのバランスで勝負のミドルレンジを開拓したこと。「カメラフォン」を名乗りカメラ、特にセルフィー(自撮り)の強化と高速充電という機能面。大物芸能人を大量起用した宣伝戦略。中国の地方、農村部まで抑えた路面店展開などの戦略で着実に成長を続けた。2016年にはOPPO R9、OPPO R9sが大ヒット。中国では「国民携帯」と呼ばれるほどの人気機種となり、一気にトップメーカーの仲間入りを果たした。

鄧宇辰・OPPO Japan株式会社代表取締役

さらに海外展開も強化。アジアや欧州など世界30カ国以上で事業を展開するグローバル企業へと成長している。2017年には世界スマートフォン市場で4位の座を保持している(出荷台数ベース、IDC調べ)。

世界のスマートフォン企業といえば、米国のアップル、韓国のサムスンが知られているが、他の上位メーカーはほぼすべて中国勢だ。ファーウェイ、OPPO、シャオミ、VIVO、ZTEなどの企業がひしめきあう。ただし、通信機器メーカーとして1990年代からグローバル企業として活躍してきたファーウェイをのぞいて、先進国での展開には消極的な企業が多い。市場が成熟した先進国ではなく、大きな伸びが見込める東南アジアや南アジアなどの途上国市場を中心に進出してきた。

この状況に異変が生じている。背景にあるのが世界スマートフォン市場の構造転換だ。

スマートフォンというジャンルを切り開いたiPhoneが登場したのが2007年。それから約10年間の時代は世界にスマートフォンが普及し、また年々革新的な機種が登場しては買い換えが促されるという、勃興期ならではの急成長の時代だった。ところが2017年の世界スマートフォン出荷台数は前年比0.1ポイントの減少となった(IDC調べ)。誕生以来10年間、一貫して成長を続けてきたスマートフォン市場が、ついに天井を打つ頃合いにさしかかったことを意味している。

成熟市場でも成長を続けるためには、今まで手を付けていなかったマーケットに進出し、ライバル企業からシェアを奪うしかない。かくして中国勢も先進国市場でシェアを“奪う”必要性に迫られた。

「あなた色に染まります」 OPPOの日本戦略

こうしてOPPOは2018年、日本市場に乗り込んできた。2月に「OPPO R11s」を発売。8月に「P15 Neo」、9月に「R15 Pro」。そしてこの11月下旬にFind Xと、日本進出から10カ月間で4機種を矢継ぎ早に投入するという積極的な動きを見せている。

筆者はそのすべての発表会に出席しているが、印象的なのは「徹底的にローカリゼーションを進める」(鄧宇辰・OPPO Japan株式会社代表取締役)との姿勢が貫かれている点だ。

最初に投入されたR11sは国民携帯R9の後継機としてヒットした人気機種だが、発表会で鄧氏は「2018年、2019年の2年間をかけて日本市場のニーズを理解していく」と控えめな発言に終始した。

次回発表会ではおサイフケータイと防水機能という日本向け機能を搭載したR15 Pro、2万円代という低価格が目玉のR15 Neoが紹介された。日本市場を研究した結果、「おサイフケータイと防水機能がある携帯」と「3万円以下で購入できる携帯」に訴求力があると分かったため、この2機種を投入したという。それでも「まだ日本のユーザーニーズを集め切れていない。今後も研究して日本の顧客の要望に応えていく」と低姿勢を貫いた。

また現時点ではすべてSIMフリー機としての提供だが、NTTドコモ、au、ソフトバンクの三大携帯キャリアに採用されるよう交渉を続けると明言。そのために「キャリアの要望があれば、それに応えていく」と強調した。消費者ニーズにもキャリアの要望にも全力で答えていくと再三にわたり表明し、「あなた色に染まります」と猛烈にアピールしている。

売れるかは関係ない?技術力誇示のフラッグシップ機投入

そうした中、ついにフラッグシップ機であるFind Xの日本発売が決まったが、「日本市場のニーズをくみとります」とひたすら低姿勢だったOPPOとは姿勢が違うのが面白い。

画面占有比の説明(OPPO Japan プロダクトマネージャー 中川裕也氏)

Find Xは今年6月、フランス・ルーブル美術館で発表会が行われ、その後中国と欧州で同時展開している。ミドルレンジで戦ってきたOPPOがハイエンドに食い込む戦略機だ。画面占有率93.8%の全画面ディスプレイが印象的だが、中国テックメディア・雷科技によると世界一を誇るという。最近ありがちなノッチ(切り欠き)もない。カメラは本体内部に収納されており、カメラ機能が必要な場面になると、本体上部がスライドしてカメラが露出する仕組みだ。

スライド機構の説明 (OPPO Japan プロダクトマネージャー 中川裕也氏)

全画面ディスプレイとスライド機構が印象的だが、冒頭で紹介したとおり基本スペックも充実、アンドロイド携帯ではトップクラスの性能を誇る。カメラと並んでOPPOの売りとなる高速充電システムは新システムの「Super VOOC」が採用され、35分で充電が完了するという。

このスペックだけに値段も相当なものだ。市場想定価格は11万1880円(税別)。消費税込みで12万円を超える。日本ではハイエンド機のほとんどは割引き、分割払いのあるキャリア契約で販売されている。OPPOによると、SIMフリー市場の端末はほとんどが低価格機で、5万円を超える機種は3%程度しかないという。ましてや10万円を超える機種ではユーザーは皆無に近い。

それでも投入した理由は、鄧氏の以下の言葉に集約される。

「OPPOは安いだけのブランドではありません。日本市場でブランドを確立するには、ハイエンドモデルも投入していかなければなりません。日本のお客様にどのくらい手に取っていただけるかはわかりませんが、それでもOPPOが目指す「アートとテクノロジーの融合」をお伝えしたいと考えています」

今までひたすら日本のニーズをくみ上げようとしてきたOPPOだが、Find Xでは「私たちの実力を理解して欲しい」と訴えてきているわけだ。実際、Find XはOPPOの技術水準を示す存在であり、同時に今後のスマートフォン・トレンドをいち早く捉えた先駆的機体でもある。気軽に購入できる価格帯ではないが、興味のある方はぜひ一度店頭で触ってみて欲しい。11月上旬以降、ビッグカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機、ノジマの家電量販店で販売される。