「バーチャルYouTuber」の記事

AIを活用したVTuberアプリ「GooMe」デビュー! スマホ1台で配信可能に

AIを活用したVTuberアプリ「GooMe」デビュー! スマホ1台で配信可能に

2018.11.14

バーチャルタレントのライブ配信アプリ「GooMe」

先行体験版の募集を11月13日に開始した

独自のAIによって、スマホ1台でモーションキャプチャーが可能に

最近、バーチャルYouTuber(VTuber)の動画を目にする機会が増えた。毎日とまではいかないにしても、かなりの高頻度で更新している人もいる。現実的に考えると、モーションキャプチャーセンサーやVRデバイスなどで動きをつける必要があるので、1本の動画を制作するにしても、そこそこの作業負担が発生しそうだ。

え、VTuberはあくまでVTuberであって、“中の人”なんて存在しない?

もちろんそうだ。

だが、その話はいったん置いておいて、今や一般ユーザーがバーチャルタレントとして動画を投稿できる時代。センサーなどが必要だと、個人はなかなか手を出せなくなってしまう。

そんななか、スマートフォンアプリなどの開発を手掛けるトライフォートは、11月13日、バーチャルタレントライブ配信アプリ「GooMe」の先行体験版募集を開始すると発表した。本稿では、GooMeの概要を説明するとともに、記者発表会の様子をお伝えする。

センサーなしでバーチャルアバターを思いのままに操作

GooMeは、バーチャルキャラクターの動画配信と視聴を1つのアプリで楽しめるというサービス。モーションキャプチャーのセンサーやVRデバイスといった大がかりな設備がなくても、「スマホのインカメラで撮った映像をAIがリアルタイムに解析する技術」によって、バーチャルキャラクターの表情や体の動きをiPhone1台で操作することができる。

具体的には、アプリを起動させたスマホの前でポーズを取れば、AIが画像解析を行い、自動でそのポーズのモーションデータを作成してくれるというわけだ。

視聴者は、配信動画を観て楽しむだけでなく、配信者に対してギフティングやコメントをすることができる。サービスのローンチ初期は、スタンプを送るといった簡単なギフトを想定しているが、将来的にはアバターが触れられるようにギフトを3D化する予定。例えば「ボールをバーチャルの空間内で投げ合う」といった新しい体験を提供できるようにするという。なお、ギフティング収益の一部は配信者に還元される。 

GooMeのサービスイメージ

アバターのカスタマイズでは、顔、髪型、コスチュームそれぞれ5種類のなかから選ぶことができるが、今回の先行体験版ではランダムにアバターが生成される。

トライフォート 取締役 スマートフォンアプリ事業本部 本部長の安川昌平氏は「VRMという、ドワンゴさんが提唱している統一フォーマットに対応することで、他社サービスのアバターも使えるようにするつもりです。さらに、我々は凸機能と呼んでいるのですが、同じバーチャル空間にほかの配信者が参加できるような機能も検討しています」と、今後実装予定の機能を紹介した。

トライフォート 取締役 スマートフォンアプリ事業本部 本部長の安川昌平氏

先行体験版アプリは、同社のHPで申し込み可能。配信はまだできないが、AIを活用したリアルタイムのモーションキャプチャーを体感することができる。先行体験版アプリを利用できるのは、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR(iOS 11.2以上)だ。

11月下旬にリリース予定のβ版では、iOS 11.2以上のiPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRで配信機能を利用でき、iOS11以上のiPhone6、iPhone6plus、iPhone6S、iPhone6S plus、iPhone7、iPhone7plus、iPhone8、iPhone8plus、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPad Air2、iPad mini3、iPad mini4、iPad pro、iPad(5th)で視聴機能を利用できる。

安川氏は「現状はiPhoneのフェイストラッキング機能で表情をとらえているため、配信機能の対応端末はiPhone X以降です。ただし、できるだけ早くそれ以外の端末にも対応できるようにしたいと考えています」と、配信機能がiPhone X以降のみに対応している理由を説明した。

先行体験版でモーションキャプチャーを体験

発表会では、先行体験版に触れられるデモ機が用意されていた。実際にカメラの前に立ってポーズを取ったり、ウィンクしてみたりすると、スマホのなかのキャラクターはその通りに動いてくれた。しかも、目の開き具合までしっかりと再現。幅広い表現ができそうだ。

若干動きがカクカクしているように感じたが、安川氏は「現状、キャラクターの動作は30FPS(フレームレート。1秒あたりの表示静止画枚数のこと)ほどですね。ただ、正式版のリリースまでにさらなる性能向上を目指します。また、ネットワークを介さず、スマホのGPUで解析しているので、端末の性能にも大きく依存します」と、説明した。

公式バーチャルタレント「慧桜ココロ」もVTuberデビュー

今回の発表会では、GooMe公式バーチャルタレントに慧桜ココロ(あすかココロ)さんが就任することも発表された。

発表会であいさつしてくれた慧桜ココロさん

「GooMeでは、皆さんと仲良くなれるように、歌ったり踊ったりする、ライブ配信をしていきたいと考えています。また、YouTubeでは自分のことを知ってもらえるような動画を投稿していきたいですね。実はちょうどいま、YouTubeに1回目の動画をアップするところなんです。自己紹介や大好きなゲームをプレイしているのでぜひ観てください」(ココロさん)

慧桜ココロさんのデビュー動画。「よいしょー」が定番のあいさつなのだろうか

「動画をアップしてみたいものの、自分の顔を公開することに抵抗感がある……」という人も、まだまだ多いのではないだろうか。そんな人こそ、スマホだけでバーチャルキャラクターを操作して動画を配信できるGooMeで、一度バーチャルタレント体験をしてみてはいかがだろうか。

VR空間を商業スペースに! クラスターが構築するバーチャル経済圏の軌跡

VR空間を商業スペースに! クラスターが構築するバーチャル経済圏の軌跡

2018.10.19

VR空間でクラスターがカンファレンスを開催

事業の沿革を振り返るとともに、今後の展望を語る

サービスにはアーカイブ、ワールド構築、ロビーの3機能を追加する予定

初めてVR空間に入った。

と言っても、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着していたわけではなく、パソコンの画面で視聴していたので、感覚的には一人称視点のゲームを操作しているようなものである。マウスで視点を調整しつつ、キーボードで空間内を移動するというスタイルだ。それでも、ほかのユーザーと同じ空間に立つことで、意外と仮想世界に“参加している感”を味わえた気がする。

VR空間に入ったときに、筆者の前に広がっていた光景。画面の左下のスペースに文字を入力すると、奥のチャットスペースにコメントを表示させることができ、アイコンをクリックすると「拍手」や「笑う」といったアクションが実行可能だ。また、カメラアイコンではスクリーンショットを保存できるようになっている

1年で実現したVR音楽ライブはトレンドランキング1位に

なぜ、慣れてもいないVR空間に入ったのかというと、企業のカンファレンスが実施されると聞いたためだ。その企業の名前は「クラスター」。バーチャル空間上の商業プラットフォーム「cluster」を提供しているスタートアップだ。

clusterは、会議室やセミナーホールなど「ルーム」と呼ばれるVR空間を作り、人を招待することができるサービス。ルームでは今回のような企業のカンファレンスを行うことができるほか、ライブのようなイベントを開催することもできる。

2018年8月31日には、VTuberの輝夜月がclusterで音楽ライブを開催。当日はclusterのVR会場だけでなく、全国7都市15劇場でライブビューイングを実施した。VR会場のチケットは10分で売り切れるほど人気で、バーチャルとリアル合わせて5000人以上の動員を記録したという。

輝夜月のVRライブの様子。ちなみに、clusterのデフォルトアバターは通常白いロボットのようなものだが、ライブ当日は全員エビフライだった。なぜエビフライかというのは、輝夜月の動画を観ればわかる。
©Kaguya Luna/SACRA MUSIC 2018

輝夜月といえば、VTuber四天王にも数えられる強者だ。チャンネル登録数は84万を超えており、戦闘能力も53万くらいあるだろう。そんな猛者を呼び込めるなんて、clusterとはいったいどれだけ力のあるプラットフォームなのか。

クラスター 代表取締役の加藤直人氏は「2016年2月にα版がローンチされた『cluster.』ですが、最初はサービス名にドットが入っていました。初めて実施したイベントでは海外の方が壇上に登り独演を始めるなど、カオスな状態になってしまいましたね。2017年6月に正式版がリリースされ、ようやく現状のclusterに近い形が出来上がりました」と、サービスを振り返る。

10月17日に行われたVRカンファレンスの様子。真ん中の青い鳥がクラスター 代表取締役の加藤直人氏だ。その左にいる女性アバターは同社で広報を務めるくらすたーちゃん

VR自体、一般的に認知されるようになってから長い歴史があるわけではないが、思っていた以上に若いサービスで驚いた。正式版リリースが2017年6月ということは、clusterはまだ1歳ちょっとのヒヨコのようなものだ。ピヨピヨかわいいヒヨコちゃんである。

にもかかわらず、輝夜月ライブの終了後には、Twitterで約3万件のツイートが寄せられて、トレンドランキング1位を記録。事業の成長はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

もちろん、ライブの成功は輝夜月の人気があってこそだとは思う。しかし、ライブ会場で行われた仮想空間ならではの演出が、現実以上の熱気を生み出したことは間違いない。実際に当日VR会場に足を運んだユーザーが投稿した「伝説を見た日になった」「次世代のライブを見て鳥肌が止まらない」といったツイートからも、clusterとの相乗効果が見て取れる。

バーチャルクリエイターが稼げる“経済圏”を目指す

そんな勢いに乗るクラスターが、次に目指すところはどこだろう。

「3年後までには、バーチャルクリエイターが稼げるようにしたいと考えています。バーチャルな体験を売りたい人と参加したい人がいて、我々はそこにclusterというスペースを提供できるようになりました。ようやく基礎が完成した段階だと言えます。そういう意味で今までは0→1でしたが、これからは1→∞。セカンドステージに突入したと言えるでしょう。それに合わせて、サービス名からはドットを取り、公式ロゴを新たにデザインしました」(加藤氏)

clusterの基礎的な部分が出来上がったことで、次のステージに進んだクラスター。サービス名が若干変わっただけでなく、ロゴが一新され、公式サイトもリニューアルされた。これからは“人類の創造力を加速する”というミッションを掲げ、仮想空間上でさまざまな取引が行われる「バーチャル経済圏」の構築を目指す。

クラスターの旧ロゴと新ロゴ

そのための足掛かりとして、clusterに、過去のVRイベントに参加できる「アーカイブ機能」、Unityに依存しない「ワールド構築機能」、常時開設している「ロビー機能」を追加する予定だという。

また直近では、ギフティング機能である「Vアイテム」を実装。10月26日より開催される視聴者参加型のVRハロウィンイベント「バーチャルハロウィン in cluster」から使えるようになる。今年のハロウィンは、仮想空間での仮装を楽しんでみてはいかがだろうか。

今回、VR空間で発表会を聞くという初めての体験をしたわけだが、あまり違和感はなく、途中で参加者が拍手したり笑い声を出したりするスタイルは、カンファレンス形式のものにも意外とフィットするかもしれないと思えた。

難点としては、リアルのように席がきちんと並んでいるわけではないこと。ほかの参加者が前方に集まってくると、白い頭が視界を遮るため、若干スライドが見えづらくなった。また、どこまで前に出ていいものかイマイチ判断できず、周りを押しのけてずいぶんと前に出てしまったが、このあたりのマナーは慣れればわかってくるのだろうか。

全体を通してみると、個人的には未知の文化に足を踏み入れるようなワクワク感を味わえたので、まだVR体験をしたことのない人は、ぜひ一度トライしてみてほしい。

魅力的なVTuberの世界観とは - シロさん×ばあちゃるさん、VRインタビュー

魅力的なVTuberの世界観とは - シロさん×ばあちゃるさん、VRインタビュー

2018.10.10

TGS2018で電脳少女シロさんとばあちゃるさんのインタビューを実施

念願のE3生中継を達成したシロさんの次なる目標は?

魅力的なVTuberの世界観について、ばあちゃるさんが考えを述べる

日経ビジネス 副編集長の山中浩之氏は、おもむろにヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着し、バーチャルリアリティ(VR)空間へダイブする。

そこで待っていたのは、バーチャルYouTuber(VTuber)の電脳少女シロさんと、ばあちゃるさん。今まさに、VR空間でVTuberに対する公開インタビューが行われようとしているところだった。

山中氏「うわあぁぁぁぁぁぁぁ! すげぇ!」

叫ぶ山中氏。取材が行われた実際の会場には山中氏の目に映っている光景がまだ届いていないため、いったい何が起こっているのか分からなかったが、おそらく初めて足を踏み入れたVR空間に対して感動しているのだろう。

山中氏「これはすごい! 映像はまだつながりませんか? はやくこの様子をみなさんにお届けしたいですね」

とにかく興奮する山中氏。遊園地に来た子どものようなはしゃぎっぷりだ。

映し出された映像がこちら。左下のHMDを装着している男性が山中氏だ。右下が山中氏の視点である。ちなみにVR空間では、山中氏は藍色の髪の女性の姿でインタビューに臨んだ。Vtuber支援サービス「Vカツ」を使って、山中氏が自らアバターを作成したという

なお、インタビューは東京ゲームショウ2018(TGS2018)の「VTuberが切り開く新たな『XR』の可能性とは?」というセッション内で行われた。同テーマについて、直接VTuberに聞いてみようというわけだ。

グローバルなVTuberを目指すシロさん

山中氏「いやぁぁ、かわいいですねぇぇ~~。早速ですがシロさん、普段の活動内容を教えていただけますでしょうか」

まだまだ興奮気味の山中氏ではあるが、VTuber2人へのインタビューが始まった。

シロさん「はい、アイドルを目指すべく、踊ってみた動画やゲーム実況の動画を配信したり、テレビやイベントのMCをしたり、いろんなことに挑戦しています」

ばあちゃるさん「そうなんですよ、ハイハイハイハイ~」

質問に答えるシロさん

ちなみに、「VTuberって何?」という読者のために説明しておくが、VTuberとはさまざまな動画をYouTubeにアップするバーチャル上のキャラクターのことだ。最近は動画制作だけでなく、企業の宣伝を行ったり、テレビ番組に出演したりと、さまざまな取り組みを行っている。「それだけ聞いてもわからん」という人のために、動画のリンクを1つ貼っておこう。

VTuber・輝夜月のゲーム実況動画。ほかにも、声真似や絵描き歌など、さまざまな動画があるのでぜひ観てほしい。何なら、チャンネル登録してみてほしい

山中氏「シロさんは多方面で活躍されているようですね。デビューしてから大変だったことは何でしょうか」

シロさん「そうですねぇ、シロはデビューしてから1年経ったのですが、VTuberブームが来る前はあまりファンの方もいなくて大変でした。『誰か観て!』って感じでしたね」

ばあちゃるさん「ハイハイハイハイ~」

今では5000人を超えるVTuberが活躍しており、ファンの数も1400万人以上いるというが、ここまで市場が拡大したのはつい最近の出来事。2017年末ごろにブームが到来し、そこから多くのVTuberが登場したのだ。その話題性や影響力の高さから、最近では大手企業がプロモーションの一環として活用することもあるほど。弊誌でも、以前ロート製薬に取材を申し込んだ際、対応してくれたのがVTuberの根羽清ココロさんだった

山中氏「これから目指したいことはありますか?」

シロさん「海外のFPSやTPSのシューティングゲームがとっても好きで、先日海外のゲームイベントE3で日本語と英語を使った現地レポートを生配信しました。実はそれがやりたいことでもあったので、今は次の夢を1つずつ増やしていっているところですね。海外方面でも活躍できたらなぁって思ってます」

今回のインタビューが行われたのは2018年9月21日。約2週間後の10月5日には、その宣言通りに「Siro reported from Anime Expo 2018! - World Premiere of SSSS.GRIDMAN」という英語の動画がアップされていた。バーチャルとリアル、そして日本と海外を股にかけ、八面六臂の大活躍といえよう。

海外で行われた「Anime Expo 2018」の紹介動画。すべて英語で紹介されている

山中氏「ばあちゃるさん、さっきから何か言いたそうな様子ですよね」

ばあちゃるさん「そんなことないですよ~。これからたくさん質問くるかなぁ~と思って、準備運動してたんですよハイハイハイハイ~」

山中氏「そういえば、シロさん1歳の生誕祭では、バーチャル空間でカラオケ大会を開催したそうですね」

ばあちゃるさん「よく知ってますねぇ~。イヤイヤイヤ~。業界を盛り上げるべく、ほかのVTuberさんも呼んで定期的に大型のイベントを開いてましてね~ハイ。バーチャルカラオケのときも非常に盛り上がったんですよハイハイハイ」

シロ「ほかのVTuberさんと一緒に、バーチャル空間で人間みたいに遊ぶことができて、新時代の幕開けだ~って思いました」

ばあちゃるさん

リアルイベントでもバーチャル空間から参加できるVTuber

山中氏「確かに、だんだんTGS2018の会場にいることを忘れて、シロさんとばあちゃるさんと3人で話しているような感覚になってきますね。ところで、ビジネスっぽいお話も聞きたいのですが」

ばあちゃるさん「いいですよぉ~、山中さん! 何でも聞いてくださいねぇ~、ハイハイハイ」

山中氏「元々シロさんがゲームのキャラクターだったと聞いたことがあるのですが、事実ですか?」

ばあちゃるさん「えぇ~……。超答えづらいヤツきましたね。……えっと。まぁ、確かにですねぇ、運営会社が作っているゲームの主人公にすごく似ているという噂があるんですけど、なにも明かされないので、これはですねぇ、ご想像にお任せします! 山中さんブッ込んできましたねぇハイハイハイ~」

上記のやり取りについて説明すると、シロさんの運営を行うアップランドが発表したスマホ向けソーシャルゲーム『少女兵器大戦』に登場する主人公「兵姫シロ」が、シロさんの“元ネタ”なのではないかと、一部では噂になっていたのだ。ちなみに、ゲーム自体、発表はあったもののリリースされているわけではなく、開発がどこまで進んでいるのかはわからない状況である。

山中氏「ゲームを作ろうと考えていたとすると、シロさんが人気者になったところでゲームが出るのではないかと思えるのですが、そのあたりはいかがでしょう。いずれシロさんが登場するゲームが出ることもありそうですね」

ばあちゃるさん「ばあちゃるくん的に、もしそのようなゲームが出たらやってみたいと思うのですが、運営会社はVR関連に“お熱”なので、完全にゲームを放置してVRばかり作っているのではないかなと思います。そのうち、ゲームにもやる気出すかもしれないですけどハイハイ」

山中氏「なるほどそうですか。シロさんは多方面で活躍されていますが、VTuberに向いている仕事はあるのでしょうか」

ばあちゃるさん「今回もそうですが、我々は現地にいるわけではなく、電脳世界からつながっています。シロちゃんも過去にアメリカのイベントにお呼ばれしたことがあるのですが、実際にアメリカに行くことなく電脳世界から中継を配信することができましたハイ。世界中のリアルイベントに参加できることは、VTuberの大きなメリットだと言えるのではないでしょうか」

山中氏「逆にデメリットは?」

ばあちゃるさん「デメリットとしては、まだまだイベント運営の知見がないところだと思いますねハイハイハイ。ただですねぇ、その点手前味噌ですが、シロちゃんはVTuber業界で一番と言っていいくらいリアルイベントをこなしています。コンサルティングまでやってくれたりくれなかったりしますよハイハイハイ~。山中さん仲良くしましょうね~」

個性と設定が魅力的なVTuberを作る

山中氏「では、プロデューサーとしてのばあちゃるさんにお聞きしたいのですが、VTuberの世界観はどういう点を大事にしていけばいいと思いますか?」

取材をする山中氏。VR空間では美少女だ

ばあちゃるさん「なかなかシビアなところをついた質問ですねぇ。あくまで、ばあちゃるくんの所感ですよハイ。個人の場合は、え~、なんといえばいいんですかねぇ。VTuberさんを構成する魂の部分とでも言いましょうか、その体験などに依存されます。企業さんの場合は魂の方々がそこまで影響しないので……、設定とかをですねぇ…しっかり考えることが多いわけですハイ。個人的にはハイブリッド型がいいと思っているので、そこを目指したいですね。魂の輝きにも依存しながら活動していくのことが、みなさんが楽しめる世界観の共有になるのではないかなと思います。言葉を選んでいるので、ちょっと伝わりづらいかもしれませんがハイハイハイ~」

ばあちゃるさんは口ごもりながら話していたが、要するに個人でVTuberを運営している場合は“中の人”の経験などが個性を生み出し、企業が制作している場合はしっかり“キャラ設定”を行う傾向が強く、理想的なのは「キャラ設定と“中の人”の魅力が掛け合わされること」という理解でいいだろう。

山中氏「これから先、シロさんのようなバーチャルタレントが増えていくと思いますか。ゆくゆくは実際のタレントさんの仕事を、VTuberが置き換えるようなことも起きるのではないでしょうか」

ばあちゃるさん「こちらも個人的な所感ですが、直近では置き換わることはないと思います。でも、5年後とかはわかりませんよハイハイ。ガラケーを使っているときにスマホがここまで普及するなんて思わなかったのと同じで、未来のことはわかりません。今タレントさんがやっている仕事をVTuberが行うようになるかもしれませんし、今のタレントさんがバーチャルでも活動するようになるかもしれませんね。可能性としてはゼロではないでしょうハイハイハイ」

山中氏「もしそうなったら、シロさんはどのような活動をしたいと思いますか?」

シロさん「シロはいつも、応援してくれるファンの人をいろいろな場所に連れて行ってくという気持ちで活動しています。これからもファンの方と一緒に、VTuberの文化を作っていければいいなって思います。そのためにもいろいろなことに挑戦していきたいですね」

山中氏「なるほど、わかりました。いやぁ、実際にやってみて驚きましたが、普通に話すことができますね。本日はどうもありがとうございました!」

最後は3人並んで記念撮影。操作のおぼつかない山中氏はうまく直立することができなかった

加熱していくVTuber業界。ゲーム実況や歌ってみた動画などの配信が活動の中心ではあるが、なかには新型iPhoneの発表会に登場したり、株主総会の事業報告をしたりと、多方面で活躍するVTuberを目にする機会が日に日に増えている印象を受ける。VTuberのポテンシャルの大きさに驚かされるばかりだ。シロさんも話していたように、VTuberが新時代を切り拓いていく可能性は高いのではないだろうか。