「オフィス」の記事

生産性向上のカギは空間にあり? 「働き方改革」実現に向けたイトーキの好手

生産性向上のカギは空間にあり? 「働き方改革」実現に向けたイトーキの好手

2018.12.25

「働き方改革」が叫ばれる一方、まだまだ低い日本の労働生産性

オフィス関連事業のイトーキが新オフィスをオープン

杏林大学名誉教授が語る「活動空間と脳の働きの関係性」とは?

一億総活躍社会の実現を目指し、企業が熱心に取り組んでいる「働き方改革」。労働人口の減少が続く昨今、社員の作業効率を上げるためにさまざまな施策を打っている企業は多いだろう。しかし、日本生産性本部の発表によると、日本の労働生産性はOECD加盟35か国中20位と、加盟国平均を下回っている。

この現状を打破すべく、新たな取り組みに挑戦しているのが、オフィス関連事業を手掛けるイトーキだ。

イトーキがプレス向けに公開した新オフィス「ITOKI TOKYO XORK(イトーキ・トウキョウ・ゾーク)」

同社は12月、本社機能の集約・移転に伴い、プレス向けに新オフィスを公開した。そこからは、“オフィスのプロフェッショナル”ならではの、ワーカーの生産性を向上させるための工夫が見てとれた。このオフィスの特筆すべき点は、「空間の作り方」にある。

同社が新オフィスに仕掛けた工夫とはどういったものか。新オフィスの公開に先立って行った実験も踏まえて紹介する。

「活動に合わせた空間」こそ、生産性向上のカギ

杏林大学名誉教授の古賀良彦氏。著書に『いきいき脳のつくり方 臨床医が明かす"しなやかな脳"の科学』『睡眠と脳の科学』など

同社の行った実証実験は、「活動空間と脳の働きの関係性」を調査するというもの。ここで得られた結果は、オフィスにおいて「複数の空間を準備すること」の有用性を示すものになった。

監修を務めた杏林大学 名誉教授の古賀良彦氏は「実験の結果、活動特性に適した空間の選択が、ワーカーの生産性の向上につながる可能性があるということがわかりました」と語る。

実験内容は、複数の異なる空間において、さまざまな活動を行った際の被験者の脳血流量を測定し、その変化量を比較するというもの。

実験の結果、活動する空間によって、脳血流量が変化することがわかったのだという。脳血流量の増加は、すなわち脳の活性時に必要になる酸素の量の増加を意味する。つまり、「活動内容に応じた適切な空間選択が、脳のパフォーマンス向上、ひいては生産性の向上につながる」というわけだ。

実験を行った空間の例。視覚・聴覚環境の影響が少ない「クローズ空間」(左)、視覚・聴覚環境の影響が大きい「オープン空間」(右)。これに加えて、この中間にあたる「セミクローズ空間」でも脳血流量を測定した

「クローズ空間では、“判断力を必要とする作業”に必要な前頭葉が、そして、少し開けたセミクローズ空間では、“単純な繰り返し作業”に必要な左脳がもっとも活性化することがわかりました。前者は企画職やプランニング職、後者はデータの処理や整理を行うような仕事などが当てはまります」(古賀 名誉教授)

なお、オープン空間では、特徴的な脳血流量の変化は見られなかったとのこと。そういった空間は、頻繁なコミュニケーションを必要とする場合には向いている一方で、集中して作業する際には、セミクローズ・クローズ空間と比べると不利な可能性があるということだ。

ABWは、オフィスの在り方ではなく「働き方戦略」だ

しかし、「活動内容によって適した空間を選択するのが良い」ということがわかっていても、企業側にその機能が用意されていなければ意味がない。そこでイトーキは、新オフィスにワーカーの「10の活動」に適した空間を複数用意した。

イトーキが用意した、10の活動に合わせた空間。「高集中」「電話/WEB会議」「2人作業」など、さまざまな活動に適した複数の空間を用意している
イトーキ 営業戦略統括部 営業企画部 マーケティング戦略企画室 チームリーダー 藤田浩彰氏

オフィス移転のプロジェクトリーダーを務めた、イトーキ 藤田浩彰氏は「新オフィスは、ABW(Activiti Based Working)の考え方を元に作ったものです」と説明する。

ABWとは、オランダのワークスタイルコンサルティング企業「Veldhoen+Company」が提案する新たな働き方戦略。「いつでも、どこでも、誰とでも働くことができる」環境を整えることによって、ワーカーの生産性の向上を実現するものであり、グローバルではすでにLEGOやIKEA、VOLVO、MSDなどがこのABWを導入している。

「昨今、『働き方改革』を実現するためのワークスタイルとして注目を集めているABWですが、日本では、まだまだ本来の考え方が普及しきれていないのが現状です」(藤田氏)

同氏によると、ABWは「テレワーク」「フリーアドレス」などと混合されがちであり、単に「ABW=働く場所を自由に選ぶことのできるオフィス」という誤った認識を持つ人が多いのだという。

「ABWは、『働き方の戦略』とも言えます。オフィス改革だけで実現できるものではなく、社員の意識や、社内の制度を変えることによって、形になっていくものなのです。今回の新オフィスは、あくまで当社の掲げる目標を実現するために作ったものですが、働き方改革に取り組む企業にとっては、1つの事例として参考になると考えています」(藤田氏)

イトーキ新オフィスに用意された空間の一例。こちらは「高集中スペース」。壁を用いて空間を作り出し、余計な音や視線を遮断することで生産性の向上に寄与する
オフィスに用意された空間の図。複数の空間が用意されているため、ワーカーが分かりやすいように見取り図が壁に示されている

心頭滅却せずとも、快適な空間を用意すればよい

「『心頭滅却すれば火もまた涼し』という考え方は、必ずしもすべての人に当てはまるものではありません」とは、先に紹介した古賀 名誉教授の言葉だ。

「人は常にさまざまな環境要因の中で仕事をしています。そうした中で、誰もが常に夢中で仕事を続けるのは難しいでしょう。家でさえ、寝室・リビング・和室などのさまざまな空間が用意されています。それにも関わらず、営業・企画・事務など、単一の空間にさまざまな作業を行う人が混在するのはおかしな話ですよね」(古賀 名誉教授)

集中して仕事をしたいときに、周りから話し声が聞こえ、10分に一度は固定電話が鳴る、といった環境では、集中力が続かないのは当たり前だ。しかし、コミュニケーションも電話も仕事をするうえで欠かせない要素であり、なくすことはできない。そうした中で、それぞれの作業に適した空間を設けることは、ワーカーの作業効率の向上につながることだろう。

電話/WEB会議用空間(左)、アイデア出し等に利用される空間(右)

「働き方改革」が叫ばれてしばらく経ち、テレワークの普及、コワーキングスペースの増加、フリーアドレスの導入など、現代の「働く」を取り巻く環境は変化してきている。労働生産性の低さが嘆かれる日本で、こういった取り組みはどのように花を咲かせるのだろうか。

イトーキの新オフィスはショールーム機能も有しており、社外の人であっても、希望すれば内覧することも可能だという。ここから見える新たな働き方は、日本で働き方改革に注力する企業が、新たな一手を考える上で参考になるものになりそうだ。

上に挙げた空間のほかにも、知識共有のための空間、さらには、精神を落ち着けるためのマインドフィットネス、ヨガなどのプログラムを実践する空間も用意されている
ミレニアル世代が求める“空間”とは? テクノロジーが生み出す新しい快適性

ミレニアル世代が求める“空間”とは? テクノロジーが生み出す新しい快適性

2018.12.07

“快適”とは何か……ミレニアル世代が求める空間

三者三様の提案による未来型の快適空間とは?

快適空間が求められる根底にはテクノロジーの進化

住宅やホテル、オフィス空間の設計・デザイン・施工を事業にしている三井デザインテックが、都内でセミナーを開催し、ミレニアル世代に向けた“空間のあり方”について説明した。

セミナーの会場となったのは「綱町三井倶楽部」。基本的には会員制で、会員企業の管理職以上の役職者および役員OBが利用対象となる。ただし、結婚式や別館での会食などは、会員以外の人でも利用可能だ。

まさに宮廷ともいえる三井グループのシンボル的建築物「綱町三井倶楽部」。2018年12月に本館の竣工から100周年となる

ちなみに三井デザインテックは昨年の12月初旬にもセミナーを開催し、海外で広まってきている先進のオフィススペース事情についてメディアに紹介していた。だが、今年はさらに踏み込んで、「ミレニアル世代の生活様式に求められる空間の姿」を切り口にセミナーを開催した。

第2次世界大戦以降、出生率が上昇した“ベビーブーマー”と呼ばれる現象が起こったが、ミレニアル世代はそのベビーブーマーの子世代にあたる。米国を中心にミレニアル世代は人口の多くを占め、親世代とは思考や価値観、消費行動が大きく異なっているといわれている。それだけに、企業はミレニアル世代を分析・理解し、効果的なマーケティングにつなげたいと考えている。

今回のセミナーは、三井デザインテック デザインマネジメント部 部長兼デザインラボラトリー所長 見月伸一氏がファシリテーター役をつとめ、パネリストに、ソニー クリエティブ スタジオ1 チーフアートディレクター 田幸宏隆氏、ハースト婦人画報社 エル・デコ編集部 ブランド ディレクター 木田隆子氏を迎えた。

左からソニー 田幸宏崇氏、ハースト婦人画報社 木田隆子氏、三井デザインテック 見月伸一氏

まず見月氏は、ミレニアル世代を「社会意識が高い」「共創志向が強い」、そして「テクノロジー主導型」だという分析を示した。彼らが持つ価値観により、社会や生活が大きく変化していくことは間違いないとも付け加えた。

ミレニアル世代に当てはまる3つのキーワード

そうしたミレニアル世代の特徴を踏まえながら、見月氏はいくつかのキーワードを挙げた。「ノンヒエラルキー」「エクスペリエンスフォーカス」「ワークライフミックス」の3点だ。ノンヒエラルキーは、ミレニアル世代が階層構造に縛られていないことを示す。特に消費行動にそれが表れており、一昔前は本毛革のファーが重宝されていたが、ミレニアル世代は数百円の「フェイクファー」「エコファー」で十分と考える。ラグジュアリーという価値観が薄まり、カジュアルへと志向が傾いているのだ。

エクスペリエンスフォーカスは、ある意味ノンヒエラルキーの延長ともいえる。たとえば美術館で価値の高いクリエイティブに長時間見入るよりも、そうした作品を造る“体験”に興味を持つ人がミレニアル世代に増えているそうだ。スイーツなども有名パティシエの一品を味わうのではなく、自ら調理するという傾向が強まっている。そして、その調理過程や完成品をインスタグラムなどで公開したいという欲求が、自分で調理することへの原動力となる。昔からよくいわれていることだが「モノからコトへ」、つまり「物品購入から体験へ」のシフトそのものといえるだろう。

ワークライフミックスは、“ミレニアル世代に向けた空間のあり方”という今回のテーマに最も直結しているだろう。働き方改革を進めるうえで、「ワークライフバランス」は重要なキーワードになっているが、これは“オン”と“オフ”の時間をキッチリ分断し、仕事効率の向上とプライベートの充実を図るという考え方だ。だが“ミックス”という言葉になると、仕事とプライベートを取り混ぜるイメージとなり、働き方改革に逆行している印象になる。しかし“取り混ぜる”というのは正解だが、“働き方改革に逆行”というのは間違い。むしろ、自分の意欲が高いときに働き、リラックスしたいときには休息する。オンとオフを細かく調整することで、よりクリエイティブな成果につながる。海外のミレニアル世代は、すでにこうした価値観で生活している人が増えているそうだ。

こうした細かいオン・オフの切り替えを促すためにも、快適な空間が必要になってくる。今回、セミナーに参加した三井デザインテックの見月氏も、ソニーの田幸氏も、エル・デコ編集部の木田氏も、全員が空間のスペシャリストだ。それぞれの立場から、オン・オフの細かい切り替えが可能な空間の提示があった。

ミレニアル世代にどんな空間を提供するか三者三様の提案

三井デザインテックの見月氏は、同社が所属するグループ、三井不動産が運営する「ワークスタイリング」について紹介した。この施設は、コワーキングスペースとラウンジを用意したワークスペース。ミレニアル世代はベンチャーとして起業することが多いが、そうした人々は事務所をかまえて仕事をするよりも、取引先や協業する企業に近いところを一時拠点にし、ビジネスを進めることが多い。ワークスタイリングは、全国に30カ所以上の拠点をかまえ、10分300円から利用できる。そして、ワークを行うデスクと、そのすぐ数歩先にベッドをかまえ、オン・オフの細かい切り替えを可能にするワークスタイリングステイもある。

汐留に開設された「ワークスタイリングステイ汐留イタリア街」。右の写真は2段式のルームで、デスクワーク用の机とベッドで構成される(5月撮影)

田幸氏は、テクノロジーに寄り添ってきたソニーならではの提案を行った。とはいえ、インテリジェントホームやIoTで管理されたガチガチのデジタル空間ということではない。たとえば花瓶。花瓶を棚に置くと、テクノロジーで生み出された蝶のシルエットがその花瓶の周りを飛び交う。ほかにも窓を開けていなくても、木漏れ日が壁に映り込むような演出が行われ、まるで日だまりでまどろんでいるような感覚に包まれる。

もう、こうなると、オン・オフの細かい切り替えという概念すら無用に思えてくる。ワークしている次の瞬間、目を花瓶に向けたら、蝶のシルエットが飛び込んでくるのだ。田幸氏は、オフィスとホームという切り分けではなく、“すべてが生活を取り巻く空間”と考えることで、こうしたアイデアにたどり着いたのだろう(以下の写真はすべて4月に開催された「Sony Design Exhibition at Milan Design Week 2018」で示されたもの)。

人の動きを検知して灯りが揺らぐライト(写真:Sony Design/Hidden Senses)
ウォールライトは人の動きに反応し、さまざな色やカタチを映し出す(写真:Sony Design/Hidden Senses)
花は実物だが、蝶のシルエットはデジタルで生み出されたもの。花を取ると蝶も消える(写真:Sony Design/Hidden Senses)
壁に掛かった絵画にほんのりかかる木漏れ日。窓は開いておらず、デジタルで生成された光だ(写真:Sony Design/Hidden Senses)

木田氏は、インテリアにこだわるエル・デコならではの視点を披露した。特に印象的だったのは、自然に近づいたインテリアがトレンドになっていること。たとえば、庭に置くイスは木製がよいとか、自然石を使った廊下を家庭に採り入れたいとかだ。木田氏は「どんなにテクノロジーが進化しても、人間は常に自然に寄り添いたいという欲求が根底にある」と指摘し、「デジタルデトックス」が可能となる空間を常に求めていると話す。

そして三者ともに共通して言にするのは、こうした快適な空間が求められるようになったのは、テクノロジーの進化がもたらしたものだということ。テクノロジーが進化すれば、コワーキングといったスタイルは定着するし、テクノロジーを使った“癒やしの演出”も可能になる。そして、テクノロジーが進化してこそ、より自然に近い住環境の価値は増す。ミレニアル世代は、「デジタルネイティブ」といってもよい存在だ。その彼らが今までにない価値観を空間に求めるのは、テクノロジーの進化が根底にあるからかもしれない。

セミナーでは、「モノからコトへ」という意味をよく耳にしたが、筆者は「モノからコトへ、そしてトキへ」という印象を受けた。これは、何かの雑誌かテレビだかの受け売りだが、物品から体験へ、そして時間をいかに有意義に消化するかということ。ミレニアル世代は、すでにその段階に進んでいるのだろう。

コーヒーマシンとウォーターサーバーが「合体」 開発の狙いは?

コーヒーマシンとウォーターサーバーが「合体」 開発の狙いは?

2018.10.18

ネスカフェ日本とアクアクララがマシンを「合体」

水もコーヒーも使えるプランで需要の拡大を狙う

コーヒーの給水を自動化したことで新たな設置可能性も

ウォーターサーバーとコーヒーマシン。オフィスや家庭で利用されるふたつの機器が「合体」した新製品が発表された。

これは、ネスレ日本とアクアクララが、両者の製品をドッキングするために共同開発を行い、実現したもの。10月17日より予約受付を開始し、11月1日から発売する。

両社とも機器を無料で貸し出し、消費財の購入で利益を徴収するビジネスモデルは共通しているが、今回あえて機器を「合体」した狙いはどこにあったのだろうか。

ネスレ日本 代表取締役 社長兼CEO 高岡浩三氏(左)、アクアクラ 代表取締役 社長 赤津裕次郎氏(右)
製品概要

「合体」したマシンがもたらす利便性

今回発表された「一体型マシン」は、ネスレのコーヒー専用マシン「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ 50」、あるいはコーヒーや紅茶、抹茶も利用可能な「ネスカフェ ドルチェ グスト ジェニオ2 プレミアム」のいずれか1台と、アクアクララのウォーターサーバー「AQUA WITH」と一体化したもの。

この「一体型マシン」の開発は1年がかりで、「AQUA WITH」の開発と並行して行われた。コーヒーマシンは上記2機種決め打ちで、筐体にはめ込む格好。複数の機器を家庭用電源で稼働させるため、コーヒーマシンと水の利用を切り替えて行う仕様になっている。

水のタンクを下に置くタイプのサーバー「AQUA WITH」に、コーヒーマシンがドッキング。コーヒーマシンのとなりにあるのが水/湯のタップだ

「合体」したことによる利用側のメリットは、コーヒーマシンへ都度行う給水、余った水の廃棄といった手間を省けること。そして、コーヒーマシン単体の契約では得られない、温水・冷水の利用権も1つのプランに含むことだ。

コーヒーマシンを利用する時は、ウォーターサーバー側の「コーヒーモード」ボタンを押下してから操作する。

機器を「合体」した理由はこの上なくシンプルだが、両社がタッグを組んだ狙いはどこにあったのだろうか。ネスレ日本の高岡浩三 代表取締役 社長兼CEOが挙げた理由の一つは、「共働き世帯の増加」。夫婦がともに多忙な中で求められる家事の"時短"の一環として、この「一体型マシン」が利便性を提供できるとした。

もうひとつの理由は「季節」による需要変動。ネスレ日本側からすれば、夏はアイスコーヒーが、冬はホットコーヒーが求められるという違いがあり、オフィス向けのレンタルサービス「ネスカフェ アンバサダー」にはアイスコーヒー専用機もラインアップしている。

一方、アクアクララの商材である宅配水は、サーバーで温水も提供できるが、夏場の需要の方が高いという。それぞれが強い季節・商材を「一体型マシン」の展開で穴埋めし合い、両社の消費財の売り上げ向上を見込む。

現地で実際に使ってみたところ。コーヒーマシンの使い心地自体は当然変わらないが、給水の工程が無くなった分、煩わしさは減ったように感じた

また、従来給水が必要だったことからコーヒーマシンの設置をためらっていた、顧客のセルフ利用を想定した店舗での設置も提案。テスト稼働時には調剤薬局やスーパーマーケットのイートインコーナーに設置したところ、顧客満足度が向上したという。

テスト稼働時の利用者のコメントは2分50秒ごろから。

なお、利用の申込は両社でそれぞれ受付。マシンの設置は窓口問わずアクアクララ側で実施する。利用料金は、オフィス利用(ネスカフェ アンバサダー)も家庭設置も同額で、月額1,500円。ただし、家庭利用の場合は2年間のウォーターサーバー継続利用と、ネスレ定期便の申込が必要となる。

ネスレ日本の高岡社長は、「2019年までに5万か所に設置」と目標を明言。この数値は「宅配水業界の中ではとても大きな数字」であるとしながらも、これ以上の数が出るのではないかと予測していることを言い添えた。

2019年までに5万か所への設置を目指す

コーヒーマシンの給水・排水は、特に水場が近くにないオフィス利用においては大きく利便を損なう要因となりうる。また、本体下部に水タンクを置くタイプであれば、交換の際の負担も小さくなる。

既存製品が内包していた顧客の"小さな不便"を取り除く共同開発マシンで、どの程度需要を広げられるか注目したい。