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佃義夫

いよいよ登場するマツダの新型「アクセラ」、“究極のエンジン”で問われる真価

いよいよ登場するマツダの新型「アクセラ」、“究極のエンジン”で問われる真価

2018.11.08

ロサンゼルスショーにマツダの新型「アクセラ」が登場

新開発のエンジン「スカイアクティブX」を初採用

新世代商品群のトップバッターで問われるマツダの真価

マツダは、11月30日から12月9日まで米国で開催される「ロザンゼルスモーターショー」で新型「Mazda3」を世界初公開する。この新型Mazda3は、日本では新型「アクセラ」として2018年度末に市場投入する予定だ。新型車の登場を前に、同社の丸本明社長に話を聞くことができた。

マツダの丸本明社長

内燃機関にこだわるマツダが新エンジンを投入

新型アクセラは、マツダが新たに開発したエンジン「SKYACTIV-X」(スカイアクティブX)を搭載する。クルマの電動化が進む中、内燃機関を磨くことにこだわるマツダは、独自の燃焼方式「SPCCI」(火花点火制御圧縮着火)を実用化し、燃費とトルクを最大30%向上させた“究極のエンジン”を開発。このエンジンをマツダ車として初めて搭載する新型アクセラは、同社の真価を世に問うことになる。

丸本社長は新型アクセラについて、「内燃機関の進化にこだわるマツダの強み、独自性を主張する『新世代商品』のトップバッターだ」と自信を示す。

新型「Mazda3」(日本名:アクセラ)の一部が確認できる画像も公開となった

新型アクセラは、マツダが「新世代商品」と位置づける商品群の第1弾でもある。2018年6月の社長交代で就任した丸本社長にとってみれば、新体制となって初めての新型車だ。同社の社運がかかることにもなるであろう「新世代商品」について丸本社長は、「マツダらしく、あくなき挑戦で作り出した。評価していただけるものと信じている」と語る。

新型アクセラのアピールポイントは「まず新世代商品としてのデザイン、そして、人間中心のストレスのない走り」とのこと。このクルマは世界戦略車としてグローバル展開を図る方針で、米国を手始めに市場投入を進めていく。

2017年の東京モーターショーで初登場したコンセプトカー「魁 CONCEPT」。これが新型「アクセラ」につながっている(画像は2018年8月の「AUTOMOBILE COUNCIL」で編集部撮影)

ちなみに筆者は昨年、マツダの自動車試験場テストコース(山口県美祢市)でスカアクティブX搭載車のプロトタイプに試乗し、“究極のエンジン”と新開発プラットフォームの組み合わせによるマツダの「人馬一体構想」を体感している。スカイアクティブXの走りの素晴らしさからは、内燃機関の進化に賭けるマツダのすごみすら感じたほどだ。

丸本新体制のカギを握る次世代商品群

マツダが先日発表した2018年度の中間決算によると、上期のグローバル販売台数は前年比2%増の79万6,000台と過去最高を達成した。これにより、上期の連結売上高は1兆7,291億円(前年同期比4%増)となったが、7月の西日本豪雨で操業を一時的に停止し、再開後の生産量を抑制した影響などもあり、営業利益は前年同期比40%減の309億円にとどまった。通期業績見通しは、売上高3兆5,300億円(前期比2%増)、営業利益700億円(同48%減)、当期純利益500億円(同45%減)を予想する。

6月に就任した丸本社長は、「社長就任直後に西日本豪雨で洗礼を受けた。しかし、この新世代商品をお披露目できることになり、これからが本格始動と考えている」とし、マツダ全体の巻き返しを誓った。減産による下期の出荷影響はリカバリーでオフセットし、豪雨影響の最小化を図る方針だ。

丸本社長はエンジニアとして開発部門から出発し、品質担当を経て欧州駐在時代には欧州開発・生産担当を務めた。その後は商品企画担当の常務役員となり、井巻久一元社長時代には経営企画担当を命じられる。小飼雅道前社長時代は経営企画・商品戦略から米州事業を統括し、そのキャリアから社長候補の本命とされてきた

丸本社長はマツダの新世代商品戦略を描いてきた人でもあるだけに、新型アクセラをはじめとする新たな商品群には相当、力が入っている様子だ。「マツダの世界シェアは2%程度だが、その中でも独自性と強みを持っているブランドでありたい」と今後の方向性についてもぶれずに語る。

ディーゼルを含めた内燃機関の進化を追求しつつ、ハイブリッドから電動化への流れにも対応していく必要のあるマツダ。新たな内燃機関「スカイアクティブX」と同エンジンを積むアクセラは、同社の今後を占う上でカギとなる商品だ。

自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

自動車税制の抜本改正なるか! 消費増税決定でラストチャンス到来?

2018.10.17

2019年度の税制改正大綱、消費増税決定で取りまとめも大詰め

高すぎる日本の自動車税制、抜本改正に向け今が正念場?

先行き不安な日本の自動車市場、維持には税制改正が不可欠

安倍晋三首相は10月15日の臨時閣議で、消費増税について「法律に定められた通り、2019年10月1日に現行の8%から10%へと引き上げる」と表明した。これにより、来年10月からの消費税引き上げが本決まりとなり、2019年度の与党税制改正大綱に関する議論も、いよいよ大詰めを迎える。

この消費増税では「軽減税率」が話題となっているが、これを機に、自動車税制についても「自動車関係諸税の軽減」、すなわち、自動車税制の抜本改正が必要なのではないだろうか。2018年12月末にもまとまる来年度の税制改正大綱に、果たして本件が盛り込まれるか。財務省、総務省に与党自民党の税制調査会が加わる綱引きもここからが本番だ。

自動車税の軽減は? 消費増税を前にヤマ場

そもそも日本の自動車税制では、取得、保有、走行の各段階で税金を負担する必要があり、ユーザーにとっては複雑かつ苛重な体系となっている。国際的に見ても、「日本の自動車税制は、世界一高いレベル」(日本自動車工業会会長を務める豊田章男トヨタ自動車社長)だ。これを簡素化し、軽減することを求めるのが自動車関係諸税の抜本改正(抜本見直し)ということである。

2018年9月の記者会見に日本自動車工業会(自工会)会長として臨んだ豊田章男氏は、「日本の自動車税は高すぎる」と繰り返した

自動車業界はユーザーの声を代弁し、長年にわたり自動車税制の抜本的な見直しを要請してきた。しかし、財務省と総務省は、国税・地方税の歳入・歳出バランスを理由に反対してきた。要するに、クルマは安定的な税収を確保できる対象なのだ。

自動車業界にとって、長年の懸案であった自動車関係諸税の抜本改正。来年10月の消費増税にともない、「自動車取得税」の廃止が決まった今、来年度の税制改正大綱に、より深く踏む込むことができるかどうかが問われている。まさに、ラストチャンスだ。税制改正大綱の取りまとめが本格化する11月がヤマ場となる。

「東京モーターフェス2018」(2018年10月6日~8日、東京・お台場の特設会場にて)でマツコ・デラックスさんとスペシャルトークショー(10月6日)を行った際にも、豊田社長は日本における自動車税の高さを問題視していた

9種類もの税金を払う日本の自動車ユーザー

日本の自動車ユーザーには、3段階で9種類もの税金が課せられている。まず、クルマを取得する(購入する)段階で自動車取得税(地方税)と消費税(国・地方税)を負担する必要があるが、これは二重課税であった。自動車取得税は、かねてから業界が廃止を要請してきたものだが、これまで黙認されてきた経緯があり、ようやく消費増税のタイミングでの廃止が決まった。

日本で自動車を買う人は、複雑で苛重な税体系に直面することになる(以後、スライドは全て自工会調べ)

保有段階では自動車重量税(国税)を支払う。これは旧・道路特定財源で目的税だったが、今では一般財源化され、課税根拠を失ったにも関わらず現存しているものだ。次に、排気量に応じて毎年課税される自動車税(地方税)と軽自動車税(地方税)がある。さらに利用段階では、燃料課税として揮発油税(国税)、石油ガス税(国税)、地方揮発油税(国税)、軽油引取税(地方税)、消費税(国・地方税)を負担する。

これらを合わせて自動車関係諸税という。2018年度の当初予算で見た場合、自動車ユーザーの税負担は年間8.4兆円に達する。つまり、国の租税総収入の約1割を負担していることになるのだ。

元はといえば目的税だった自動車重量税も、一般財源化した今は課税根拠を失っている

「クルマは税金を取りやすい」という非論理的根拠

日本で自動車税制が創設されたのは1940年のこと。当時は戦費調達が目的だったが、戦後は都道府県の一般財源とされた。その後、日本のモータリゼーションが進む中で、道路整備を目的とした道路特定財源として、1968年に自動車取得税、1971年に自動車重量税ができる。これらについて国は、「道路整備5カ年計画」の財源を確保するため、本則税率を上回る「暫定税率」として引き上げて恒常化し、2009年に道路特定財源制度が廃止となったにも関わらず、今でも継続しているのだ。

何しろ、「クルマは税金を取りやすい」という理由で、これだけ複雑で重い税制が続いてきたということである。過去には「物品税」という名で賦課されていたこともあった。物品税とは「奢侈税」、つまり、クルマは「ぜいたく品」という観点からの課税だ。

日本の保有段階における自動車税負担を、国際的に比較するとどうなるのか。自工会の豊田章男会長がいうように、世界で最も高いのだろうか。排気量1,800ccクラスで13年間使用した場合で比べると、車体課税は英国の約2.4倍、ドイツの約2.8倍、米国の約31倍となり、自動車先進国の中では確かに大幅に負担が大きい(自工会調べ)のが実情だ。

保有段階の税負担を比べると、日本が国際的に見て圧倒的に高いと自工会は主張する

日本経済に大きな影響を与える自動車税制の今後

国や地方自治体にとって、自動車諸税の税収は安定的に大きな額になる。多くの非論理性を抱えながらも、“取りやすい税”として、抜本改正に至らないまま続いてきたというのが実態といっていい。しかし今回、消費税10%への引き上げが来年10月に本決まりとなり、「二重課税」だった自動車取得税の廃止も決まった。この機に乗じて自動車諸税の見直しを一気に進めないと、またぞろ「クルマは取りやすい」の論理で続いていくことになりそうだ。

豊田章男氏は自工会会長として臨んだ2018年9月の会見で、「日本の自動車税制をまずは国際レベルとすること、それには軽自動車をベースとした税体系にすべきだ。自動車業界が大転換期を迎える中で、過度な税金をやめ、モビリティ(としてのクルマ)に接するために買いやすくしていくのが、経済全体の流れとなる」と強調した。確かに、日本の自動車需要は、今後の超高齢化社会、人口減に加え、若者の価値観多様化やカーシェアリングの台頭なども考慮すると、現状の年間500万台ラインから大幅に縮小することも予測できる。

一方で、米中貿易戦争に代表される保護貿易の強まる中、自動車産業にとって、自国生産を維持することは重要な命題となっている。そのためにも、自国市場の活性化は不可欠だ。また、地方においてクルマは、生活インフラとしての重要な役割を担う。

つまり、国内自動車市場を維持していくことは、日本にとって、単に自動車メーカーの業績を左右するだけの問題にとどまらず、雇用の維持や地方の生活を守るためなど、多面的な理由で重要なのだ。

そんな自動車市場の将来を考えるためにも、来年度の税制改正大綱論議がヤマ場を迎える11月に、自民税調を中心とし、自動車税制の抜本改正に踏み込めるかどうかには注目したい。宮沢洋一自民税調会長は以前、消費増税の経済への悪影響を抑えるため、自動車に対する減税の拡充を検討するとの考えを示してもいる。

自工会の豊田章男会長も9月の会見で、「とにかくユーザーの声を広く拡散していく。ぜひともユーザーが快適で、よりクルマを買い求めやすい税体系に」と力を込めていた。これまで、苛重で不合理な税負担を強いられてきた納税者(自動車ユーザー)が声を上げることで、ユーザーファーストの抜本改革に結びつくかが焦点だ。

“販売のトヨタ”のディーラー改革、系列維持と雇用確保の難題に挑む

“販売のトヨタ”のディーラー改革、系列維持と雇用確保の難題に挑む

2018.10.04

トヨタが国内販売を刷新、全店で全車種展開へ

多くの日本メーカーがたどった販売一本化の歴史

クルマを売るだけではダメ? 地場ディーラーの事情

トヨタ自動車が日本国内の販売改革に踏み切る。同社は4系列(チャネル)からなる販売網を持つが、今後はクルマがモデルチェンジする機会を捉えて、各系列の専売車種を全ての系列で取り扱う形に切り替えていく。つまり、全ての店舗で全てのクルマを購入できるようにするわけだ。2025年頃をめどに改革を進め、車種も現状の60車種から30車種に半減させる。

トヨタ国内販売網が事実上の一本化?

トヨタの国内販売網は、トヨタブランド車を取り扱う「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の4チャネルと「レクサス店」からなる。トヨタ車を扱う4系列には、全国各地の有力な地場資本が参加し、強固な販売体制を作り上げてきたという経緯がある。

系列によって取り扱い車種が異なるトヨタ。例えば「クラウン」(画像)は「トヨタ店」で売っている

各地のディーラーを取り巻く環境の変化は激しい。かつては伸び続けていた国内自動車販売も、今では保有の循環型需要、つまりはクルマを持っていない人の新規購入から、クルマを所有している人による買い換えへと購買行動が変化してしまっているし、クルマを取り巻く新技術「CASE」(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)への対応も急務だ。自動車ディーラーにも、次世代サービス業への転換を求める機運が高まってきている。

このような状況を受け、トヨタは国内トップの販売シェアと年販150万台ラインをキープすべく、従来のような全国一律の複数販売チャネル体制を改め、地域を軸とし、サービス面を強化していく方針を打ち出した。2018年1月には、トヨタ国内営業部門をタテ割りだった従来のチャネル対応から地域別のヨコ割り体制へと切り替えている。

また、トヨタ全系列で全車種を取り扱うための布石として、2019年4月には東京地区の4系列を統合することも決定済みだ。

トヨタ自販が主導した複数チャネル体制

かつてはトヨタ以外も国内で複数のチャネルを展開していたが、今では販売網を一本化している。トヨタは“最後の砦”だったわけだが、同社の改革に対し、地場有力資本が入り込むディーラーサイドがどう呼応するかなど、まだまだ先の見えない難題も多い。

それというのも、全国280社、約5,000拠点の全国トヨタ販売店は、「トヨタ店」か「トヨペット店」から暖簾分けされた形で販売網を形成しており、拠点統合や人員整理となると、地域経済に大きな影響を与えるからだ。

「C-HR」(画像)のように、全てのチャネルで売っているクルマもある

トヨタの国内販売網は、第二次世界大戦から間もない1946年(昭和21年)に、当時の神谷正太郎氏率いるトヨタ自動車販売(トヨタ自販)が主導して「トヨタ店」を立ち上げたところから始まる。「トヨタ店」開設に呼応したのが各地の有力地場企業で、戦前までは日産車を販売していた店舗も多かった。

「トヨタ店」に続き、1953年には「トヨペット店」がオープン。今でも各地域では、「トヨタ店」と「トヨペット店」がライバルで競うケースがある。つまり、トヨタの国内販売は、この2つの系列がリードしてきたのだ。

その後、1961年に「カローラ店」、1968年に「オート店」(1999年に「ネッツ店」に変更)、1980年に「ビスタ店」がセットアップされる。この時点で国内5チャネル販売網となったわけだが、いわゆる日本のモータリゼーション進展、高度成長にともなう自動車市場の急成長に対応し、量産・量販を実現するための複数チャネル政策だったのである。

つまり、トヨタ店とトヨペット店を親とする暖簾分けにより、各地域でカローラ店、ネッツ店、ビスタ店が増えていき、大衆向けや若者向けなど、チャネルごとに個性を打ち出した車種展開で、トヨタの強固な販売体制を築いていったのだ。

しかし、バブル経済崩壊後、国内自動車販売は低迷が長期化する。そんな中でトヨタも、5番目のチャネルであった「ビスタ店」を「ネッツ店」に統合し、“大ネッツ店”として再スタートさせる。そもそも「ビスタ店」で扱っていた車種には「マークⅡ」「チェイサー」「クレスタ」の三つ子車があり、店名にもなった「ビスタ」も「カムリ」の双子車であった。チャネルの統合は、双子車や三つ子車でも販売が伸びた時代の終焉を象徴する動きだった。

「ネッツ店」は「ヴィッツ」(画像)などのコンパクトカーやミニバンなどが豊富なチャネルだ

日本メーカーがたどった販売チャネル一本化の道

その頃には、日産自動車やホンダ、マツダ、三菱自動車工業も、複数あった販売チャネルの一本化を進めていった。日産は1990年代初頭まで、トヨタのライバルとして「日産店」「日産モーター店」「サニー店」「プリンス店」「チェリー店」の5チャネル販売網で対抗した時期もあったが、1999年に「ブルーステージ」と「レッドステージ」に統合し、2011年からは全車種扱いのワンチャネルとしている。

マツダは1989年のバブル絶頂期に「マツダ店」「アンフィニ店」「ユーノス店」「オートザム店」「オートラマ店」と5チャネルに増やしたが、1990年代末には一本化した。ホンダは「クリオ店」「ベルノ店」「プリモ店」を2006年に「ホンダカーズ」の1社にまとめ、三菱自も「ギャラン店」「カープラザ店」を2003年に統合した。国内ではトヨタを残し、乗用車各社の複数チャネル体制が消滅した経緯があるのだ。

地場資本ディーラーは変われるか

トヨタ国内販売の強さは、何といっても全国各地で地場有力資本のディーラーが地域を守っているところにある。戦後間もなく、トヨタ自販に呼応してトヨタの販売店になった地場店が、連綿と販売力をつけてきたのがトヨタ国内販売の歴史だ。今や日本には、トヨタ車の4チャネル販売網にトヨタレンタリース店があり、2005年からは「レクサス店」も加わったトヨタ流通体制が形成されている。

「カローラ店」は「カローラ スポーツ」(画像)などを取り扱っている

「一にユーザー、二にディーラー、三にメーカーの利益を考えよ」とは、トヨタ自販の初代社長である神谷正太郎氏の言葉として有名だが、最優先のユーザーと接点を持つディーラーとして、トヨタ自販はメーカーに対してものをいう力を持ってきた。だが、時代は移り、各地域のディーラーを率いる地場資本オーナーは、すでに3代目か4代目へと事業の継承が進んでいる。

若手経営者に代替わりをする中で、各地では「○○トヨタグループ」や「○○トヨペットグループ」といったホールディングカンパニー制を取り入れ、レクサス店やレンタリース店などを含むトヨタ全系列販社をまとめて、地域を守る体制づくりが進んでいる。だが、トヨタ4チャネルにレンタリース店およびレクサス店が加わる枠組みをいかに効率的に改革していくか、課題は山積している。

「ランドクルーザー」(画像)が新車で欲しい人は、現段階では「トヨタ店」を訪れる必要がある

日本国内の自動車需要は、保有台数の循環型市場になり、今後の超高齢化社会や若い世代の価値観多様化、シェアリングビジネスの台頭などで縮小均衡の方向に向かっている。

かつて、自動車市場が成長期にあった頃にメーカーの論理で築いた販売チャネル政策を転換することは、トヨタとしても国内販売事業の大きなテーマとなっている。国内の150万台販売と300万台生産を維持することは、トヨタグローバル戦略の基盤でもある。

全車種を扱う系列販社を維持しつつ、各地の販売体制と雇用を守るという難題に直面する全国のトヨタ販社は、クルマを売るだけでなく、売った後にもユーザーをフォローできる「MaaS」(Mobility as a Service)ビジネスへの転換に向け、地域ディーラーの論理で変わっていかねばならない時代を迎えているのだ。

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