はじめまして。サンワカンパニーで広報を担当しています矢頭ユミと申します。

2018年4月、私たちはイタリア・ミラノで開催された「ミラノサローネ国際家具見本市」(以下、ミラノサローネ)にて同時開催されたキッチンの見本市「エウロクチーナ」に出展しました。これで、ミラノサローネへの出展は2回目となります。

2018年4月、ミラノサローネ(エウロクチーナ)でサンワカンパニーが出展したブース

サンワカンパニーはキッチンをはじめとする住宅設備の企画・開発・インターネット販売をしている会社で、主力商品のひとつがキッチンということもあり、キッチンの見本市に出展しています。今年のミラノサローネでは、8種類のコンパクトキッチンを展示しました。

まだ国内でも成長途上のサンワカンパニーですが、わたしたちがなぜ、世界最大の家具見本市に複数回出展しているのか、その理由について、本年の展示の成果と共にご紹介します。

世界中の関係者が集まる「ミラノサローネ」

そもそも「ミラノサローネ」とは何なのか、最初にご説明いたします。「ミラノサローネ」は2018年で57回目を迎える、世界最大の国際家具見本市のことです。ビジネスの場であるため、平日の入場は業界関係者およびプレス関係者に制限され(週末は一般開放されています)、今年は過去最大の43万人以上が来場しました。

巨大な会場は端から端までおよそ2kmの長さがあり、1日ではとても回り切れないほど。各社の最新デザインの商品が趣向を凝らして展示されており、有名なブランドでは、ブースに入場するために長蛇の列をなすようなところもあります。業界関係者が心を踊らせながら、新しい商品・デザインを発掘するのが「ミラノサローネ」です。

出展が難しい本会場にあえて挑戦

「ミラノサローネ」に出展するきっかけになったのは、社長である山根太郎の考えからでした。それは「私たちが目指すのは”世界”のサンワカンパニーであり、そうなるためには世界最大の家具見本市で勝負をするべきだ」というものです。

とはいえ、前述したとおり、私たちはまだまだ国内でも成長の余地があり、客観的に見ても、「まずは国内の市場に注力するべきでは?」と考えられるかと思います。ですが、少子高齢化が進む日本では、日本の住宅に関する市場は縮小していく見込みです。そこで、企業として成長している今の段階から、海外での販路の拡大、そしてブランディングの種まきをすべく、「ミラノサローネ」出展に挑むことになりました。

ところが、「ミラノサローネ」は一般的な展示会と異なり、出展したいと希望を出し、出展料を払えば出られるというものではなく、非常に出展のハードルが高い見本市です。

昨今、ミラノサローネに参加したという大手の日本企業は多くありますが、家具見本市の会場の中ではなく、その周辺で会場を借り、個展のようなかたちでインスタレーションなどを展示されています。そちらも当然大変な事業ではありますが、今回、私達はキッチンを中心に展開する会社として、あえて参加条件が厳しい本会場での参加を選んだのです。

2016年出展時のサンワカンパニーブース

出展を現実のものとするため、当社の商品や出展プランの提示だけではなく、社長の山根が直接、イタリア語でプレゼンをするなど、粘り強く交渉を続けた結果として、2016年、はじめて出展が叶いました。

初出展から、レッドカーペットが敷かれ、人気企業のブースが建ち並んでいる素晴らしい位置で出展させていただきました。これはミラノサローネ主催者からの期待を反映した配置で、光栄な思いとプレッシャーの両方が感じられました。

コンパクトキッチンで世界のライフスタイルを提案

さて、ここからは2018年の展示についてお話したく思います。「The Impact of Compact」をテーマに、コンパクトキッチン8種を展示しました。

デザイナー・Kicco Bestetti氏とのコラボレーションで生まれた、カートのように移動できるキッチン「QB 01」。

このテーマに設定した理由は、ひとつが世界の都市部で住宅の狭小化が進む中、小さい空間に対応しうる、デザイン性の高いキッチンが少ないということ。もうひとつは、コンパクトキッチンを使用する場所が、家の中だけでなくオフィスの中、屋外など現代のライフスタイルの変化とともに広がりをみせているという点に可能性を感じたからです。

実体験からしても、2016年の「ミラノサローネ」出展の際、他のブランドの展示を見たところ、ラグジュアリーなもの、非常に大きなキッチンが多く、コンパクトなキッチンは皆無だったと記憶しています。

デザイナ-・Alessandro Mendini氏とのコラボレーションキッチン「AM 01」。アイランド型として利用できるキャビネットとなっている。

同年はそれに対して、4点のキッチン(ミドルサイズのキッチン2点、コンパクトキッチン2点)を出展しました。中でも特に、「ミニマリズム」デザインをコンセプトとした《セラジーノ》というコンパクトキッチンが会場で注目を浴びました。こうした体験から、コンパクトキッチン自体が、世界市場において大きな可能性を秘めていると感じました。

2016年出展時に注目された「セラジーノ」。2018年の展示商品(写真)では、イタリアのタイル技術と日本の匠の技を組み合わせ、全面タイル張りを実現し展示した。

そこで、2018年の出展時には、世界的に有名な建築家・デザイナーとコラボレーションした新モデルなど、さまざまなコンセプトを持ったコンパクトキッチンを提案することで、ほかの出展企業との差異化を図ることが出来るのではないかと考えました。

イタリアで生産した新製品だったということもあり、初めて今回出展するキッチンと対面したのは、開催直前の会場設営時でした。キッチンだけでなく、そのキッチンがある生活を想起させるような食器やインテリア、照明とともに、8種のキッチンが展開されている様子は、それぞれのキッチンの個性を最大限に引き出したものになっていました。

デザイナー・Elisa Ossino氏とのコラボレーションキッチン「EO 01」。壁面の裏にIHヒーターやシンクを格納したミニマルな設計。

業界関係者の方が、今回の私たちの展示をどのように捉えていただけるのかワクワクしながら2018年の開催を迎えました。

想像を超えた成果

そして、いよいよ本番。サンワカンパニーのブースは周りの展示ブースと異なり、4面開放の白を基調としたブースでした。その中でも8種のキッチンそれぞれの世界観が独立して展示される構成となっていて、展示の美しさを示すと同時に、「このキッチンがあればこういった暮らしができそうだな」と、その先にある生活をイメージできるものになりました。

白を基調とした展示ブース内に、8種のキッチンの世界観を個別に展示した

さらに今回のブースではスタイリング面で、中川政七商店さん、堀田カーペットさん、DYK(高儀さん)と協業させていただき、キッチンスタイリングに使用させていただきました。日本製の品質の高さとデザイン性の高い商品で、スタイリング材自体にもご注目いただきましたし、キッチンのスタイリングともマッチして、これによって、展示自体をワンランク上のものにしていただけたと感じています。

ブース内のスタイリングには、日本の協業先の取り扱う国産製品を活用した

開催初日から、私たちのブースに多くの業界関係者が訪れました。商談の数やプレスの来場者が前回出展時をはるかに超えていたため、「海外販路拡大」「ブランディング」という目標に対してひとつの成果になるな、と期待していました。

そんな中、会期中に当社が「ミラノサローネ・アワード」を受賞したという吉報が舞い込んだのです。来場者の方のお声でもご好評をいただけていたことは認識していましたが、1,841の出展企業の中から最も優れている3社のうちの1社であると評価をいただけるとは想像できなかったため、非常に驚きました。

また、受賞理由も商品・空間展示やコンセプトをトータルで評価していただけたことは、とても名誉なことだと感じています。2年以上、プロジェクトメンバーとともに試行錯誤を続けながら「ミラノサローネ」と向き合い積み重ねてきたことがアワード受賞というひとつの成果になったことは、とても喜ばしいことでした。

​「ミラノサローネ・アワード」受賞時の記念写真

国内にも還流を

当社では現在、東京ショールームにて「凱旋展」という形で「ミラノサローネ」に出展した商品の展示を行っています。

ぜひ「ミラノサローネ」で認められたコンパクトキッチンをご体感いただき、多様なコンパクトキッチンがもたらすこれからの暮らしを想像していただければと思います。

ミラノサローネ2018凱旋展

開催期間:10月28日まで
開場時間:10:00 ~ 18:00 ※入場無料
会場:サンワカンパニー東京ショールーム
詳細は特設Webページにて