プラ製ストローの撤去を試験導入中のデニーズ、2月12日から全店で撤去へ

プラ製ストローの撤去を試験導入中のデニーズ、2月12日から全店で撤去へ

2019.01.18

デニーズが全店でプラスチック製ストローの撤去を決定

国内大手飲食でも相次ぐプラ製ストローの廃止の流れ

環境配慮の観点から、世界的にプラスチック製の使い捨てストロー撤廃の動きが加速している。日本国内でもファミリーレストランやコーヒーチェーンを中心に、プラ製ストローの撤去や、代替品への切り替えが検討されているが、セブン&アイ・フードシステムの運営する大手ファミレスチェーン「デニーズ」が、2月12日から全店を対象にプラ製ストローの提供を原則中止することがわかった。

同社はこれまで、昨年11月よりプラ製ストロー提供中止のテストをデニーズ40店舗で実施していた。今回、店内にドリンクバーを設置しているデニーズ全店舗(デニーズ全体の9割に当たる)で、ドリンクバーコーナーのプラ製ストローの設置を中止する。なお、児童などストローを必要とする来店客には、プラスチックを代替し環境に配慮した植物由来素材「PLA」を使ったストローを提供する。

近年、プラスチックごみの廃棄による海洋や生態系への影響が大きくクローズアップされ、外食店のプラ製ストローに批判が集まったことで、環境意識の高い欧米を中心に対策すべきとの流れが盛んになっていた。日本国内では当初、ごみ処理技術への自負から経済性を優先し、対策は遅れるだろうという見方もあったが、行政などパブリックな組織が動く前に、まずは当事者である企業が率先して反応していた。

昨年末にはファミレス最大手のガストがプラ製ストローを廃止し、今月はグループ780店舗のリンガーハットも紙製への切り替えを発表している。一方で検討中や態度保留という企業も多いが、大口の需要家となるチェーンが相次いで具体的な施策に乗り出していることから影響は大きく、今年は国内のプラ製ストロー排除の論調が更に強まると見られる。プラスチック代替素材の開発競争は世界規模だが、日系化学メーカーにとっては国内特需は追い風となる可能性がある。

未来の顧客を獲得するために必要なこととは? 立教大学の学生たちと考えるBMW

未来の顧客を獲得するために必要なこととは? 立教大学の学生たちと考えるBMW

2019.01.18

BMWが立教大学の講義に協力、テーマは「若者への訴求法」

学生が考えるBMWとの接点はマッチングアプリ?

若年層の顧客化に必要なのは「まず、知ってもらうこと」

顧客の高齢化に悩む高級車メーカーにとって、将来の顧客候補である若年層との関係構築は急務だ。そんな取り組みの一環なのだろうか、BMW子会社のビー・エム・ダブリュー株式会社は立教大学で講義に協力している。その講義では「2040年、ミレニアル世代にBMWを売るには何が必要か」をテーマに学生たちが知恵を絞っていると聞いたので、どんな様子なのか取材してきた。

「2040年、ミレニアル世代にBMWを売るには何が必要か」をテーマとする立教大学の講義を取材した

学生とクルマの距離感は

BMWが協力しているのは、立教大学が進める「グローバル・リーダーシップ・プログラム」の一部をなす講義だ。2018年度後期の15コマを使って、受講生は複数のグループに分かれて上記テーマについて議論し、プランを練ってきた。取材したのは、この講義の最終プレゼンテーション。4つのチームが各自のアイデアを出し合い、ビー・エム・ダブリューの社員が評価を行った。ちなみに、この講義では教える側も教わる側も英語しか使わない。

ビー・エム・ダブリューから最高の評価を受けた「LFGN.inc」というチームは、「BMWのクルマを借りてドライブする」ことを取り入れたマッチングアプリを提案。彼らは20~30代をBMWのエントリー層、30~40代を購入準備層、40~50代をターゲットカスタマーと位置づけた上で、エントリー層との接点としてアプリを使ってはどうかとのアイデアを出した。要するに、アプリを通じて出会った人たちにBMWでドライブしてもらうことで、同乗者とBMWブランドの双方と親密になってもらおうという趣向だ。

最終プレゼンで最高評価を獲得した「LFGN.inc」と同チームを讃えるビー・エム・ダブリュー MINI本部長のフランソワ・ロカ氏

BMW版マッチングアプリというアイデアを採用するかどうかはさておき、こういった取り組みを通じ、現代の学生とリアルなコミュニケーションを図れることに、ビー・エム・ダブリューは意義を感じているようだ。同社で人事を担当する三好陽宙(みよし・あきひろ)氏は、「ミレニアル世代がモビリティをどう捉えているのかについて、将来のカスタマーの認識といいますか、生の声を聞けるのは大きなポイントです。それと、どこの企業もそうだと思いますけど、いい学生には入社してもらいたい。ビー・エム・ダブリューとしては、学生たちの間で認知度を上げていくのも目的の1つです」と話していた。

ビー・エム・ダブリューのBMWブランド・マネジメント プロダクト・マーケティング・ディビジョンに所属する佐伯要氏も、学生たちにBMWのことを知ってもらうことが重要と感じている一人だ。初回の講義で学生たちの話を聞いていた佐伯氏は、驚いたことがあったという。

「初回の講義では、BMWのことは知っていても、ミニを知っている学生は半分くらいという状況だったんですが、学生同士で話し合っているのを聞いていると、多くの学生が『テスラ』について口にしていたんです。私たちからは、『テスラ』というワードを一言も提示していなかったのにも関わらずです。テスラはそれほどマーケティングに注力していないと思うのですが、イーロン・マスク氏の言動は頻繁に報道されるので、結果として知名度が上がっているんです」

実際、最終プレゼンの優勝チームに所属する学生に聞いてみると、BMWとメルセデス・ベンツの違いは「見えにくい」一方で、テスラは「違うコンセプトを打ち出している」とし、「個人的にはテスラの方が“いけてる”と思う」と話してくれた。

マスク氏の言動自体が広告になっているテスラには、若者も関心を持っているようだ(画像はテスラ「モデル3」)

知ってもらえなければ、買ってもらえない

若年層にブランド名が浸透しているかどうかは、BMWが将来的にクルマを売っていく上で大事なポイントだ。現代の若者が将来、クルマを買うかどうかは分からないとしても、もし買うとすれば知っているブランド、もっといえば“いけている”と感じるブランドに目がいくのは当然だからだ。

立教大学での講義を通じ、ビー・エム・ダブリューが実際に触れ合うことができたのは数十人の学生に過ぎなかったかもしれない。だが、この場で聞くことができた若年層の生の声は、ビー・エム・ダブリューが日本でクルマを売っていく上でも参考になったはずだ。少なくとも、現代の若者とのコミュニケーションは、「まず、知ってもらうこと」から始める必要があることを、ビー・エム・ダブリューは再確認したことだろう。

とはいえ、“若者狙い”のプロモーションは空回りしてしまうといたたまれないし、ブランドイメージに反した打ち出し方は既存客に対しても印象が悪い。実際に、どうやって若者との接点を作るかについてビー・エム・ダブリューは、立教大学の学生たちよりも深く頭を悩ませているに違いない。

コーヒーには”生産性を高める飲み方”がある? 専門家に聞いてきた

コーヒーには”生産性を高める飲み方”がある? 専門家に聞いてきた

2019.01.18

コーヒーで仕事のパフォーマンスを上げる方法って?

昼寝の効果を高める「コーヒーナップ」で生産性向上へ

適切なコーヒー習慣が「働き方改革」につながる理由とは

とりあえず、この記事はコーヒーでも飲みながら読んで欲しい。さて、読者のみなさんは、1日に何杯のコーヒーを飲むだろうか。

筆者は毎日、会社に来てすぐ、昼食後、そして夕方と3杯のコーヒーを飲む。そんな生活が何年も当たり前になっているのだが、果たしてこれは適切な量なのだろうか。ふと疑問に思い、専門家の意見が聞いてみたくなった。

まずは会社の「ネスカフェ」が目に留まったので、ネスレ日本に取材を打診してみたところ、「それならば」と、『カフェインの科学』なる著書を出している、医学博士の栗原久先生を紹介してもらうことに。早速お会いすると、先生から「コーヒー習慣」に関する多くの興味深い話を伺えたので、その様子をお届けしたい。

長年人類を支えてきたコーヒー

――今日はよろしくお願いします。早速ですが、私はここ数年間、毎日3杯ほどコーヒーを飲んでいます。もしかすると、これは飲みすぎで、体に悪い影響があるのではと思ったのですが……

栗原久氏(以下、栗原):いえいえ、そんなことはありませんよ。むしろそれは好ましいこととも言えるでしょう。コーヒーは仕事のパフォーマンス向上、かつ健康促進に寄与するものなのです。

栗原久 元東京福祉大学教授、医学博士。NPO法人 国際エコヘルス研究会副理事長・赤城自然塾理事。1996年日本神経精神薬理学会学術賞。著書に『カフェインの科学~コーヒー、茶、チョコレートの薬理作用』など

――安心しました。ところで、コーヒーが仕事のパフォーマンス向上に寄与するとはどういうことですか?

栗原:コーヒーに含まれるカフェインは中枢神経系を刺激し、脳を興奮させる作用があります。脳は常に100% の活動状態を保っている訳ではなく、時間によってパフォーマンスが変動するものなのです。コーヒーを適切なタイミングで飲むことで、上手に脳のパフォーマンスの変動をコントロールすることができれば、仕事の生産性向上につなげることが可能でしょう。

――「上手にコーヒーを使うこと」が仕事のパフォーマンスに影響するかもしれない

栗原:人類とコーヒーの出会いはとても古く、おそらく何千年も昔のことでしょう。そもそも我々人類は遥か昔、空腹をしのぐために、片っ端からさまざまな食材を試してきました。植物でも動物でも、口にできるものは一通り食べてきたことでしょう。その中で、コーヒー豆に含まれるカフェインを摂ったときに、脳の疲労が和らぐということを発見したのです。

そこから、座禅を組むとき、お祈りをするとき、夜間に作業をするとき、カフェインを意図的に摂取するようになった。さらには昼の作業時にもカフェインを摂るようになり、そうした流れが現代にも続いているのです。

――昔から人類はカフェインと上手に付き合ってきたのですね

栗原:はい。ただし、日本人にとってはそれが「お茶」でしたが。お茶は遣唐使、遣隋使あたりから入ってきた文化でしょう。その後、禅宗の普及と時期を同じくして、お茶は日本で広く普及しました。古くは嵯峨天皇(さがてんのう:第52代天皇。786年~842年)の時代に、京都で茶葉を栽培し、それが今の宇治茶の元だとも言われています。

本格的に日本にコーヒーが根付いたのは明治時代に入ってからのことです。江戸時代に、オランダとの交易でコーヒーの知識が入ってきて、長崎で初めて日本人がコーヒーを飲んだという記録が残っています。

余程のことがないと「カフェイン中毒」にはならない

――しかし、脳の活動に作用するコーヒーを摂取し続けると、悪影響を及ぼす可能性もあるのではないでしょうか? 「コーヒーを大量に飲むと、カフェイン中毒になる」と聞いたこともあります

栗原:確かに、「カフェイン中毒」というものは存在します。しかし、それは量的な問題です。疲れて集中力が落ち、パフォーマンスが低下してきたと感じたときに適切な量のコーヒーを飲む、つまりはカフェインを摂取するということは問題ではありません。

しかし、カフェインを過剰摂取しすぎると、脳が興奮しすぎて、手が震えてしまう、不安になってしまうといったの症状が出ることもあり、決して身体には良くありません。ちなみに、EFSA(欧州食品安全機関)はカフェイン摂取の安全性について、「1日400mg、一度に摂取する場合は200mgまでは特に問題はない」(コーヒー一杯140mlに含まれるカフェイン量は80mg程度)としています。

最近は気軽に多くのカフェインを摂取できる缶コーヒーやエナジードリンクも登場しているため、注意も必要でしょう。

カフェインを含むコーヒーやお茶などは本来、苦みや渋みがあり、「大人の飲み物」だったのですが、缶コーヒーやエナジードリンクなどではそこに甘味をつけ、苦みや渋みを感じさせないような味づくりがされています。そのため、子どもでも簡単に多く飲めてしまいます。大人と子どもでは、健康に悪影響を及ぼすカフェイン摂取量が異なるため、思わずカフェインを多量摂取してしまう可能性もあります。

脳の仕組みを知って、コーヒーと上手に付き合う

――仕事のパフォーマンスを向上させるための「適切なコーヒーとの付き合い方」について聞きたいのですが、先生はどのようなタイミングでコーヒーを飲んでいるんですか?

栗原:コーヒーの適度な飲用量は一日3~5杯程度と言われています。私はまず、朝に飲みます。人間の脳は睡眠で回復しますが、起きてすぐに100% 活動しているわけではありません。朝起きて、「もうちょっと寝たいな」と思うことがあるでしょう? そこで、脳の活動量を上げるために朝に1杯のコーヒーを飲む、というのが非常に効果的なんです。

カフェインの半減期は約4時間なので、脳のパフォーマンスが高い朝に飲み、その4時間後のお昼休み、さらにはそこから4時間後の15時、16時ころにコーヒーを飲めば、常に脳のパフォーマンスが高いまま、仕事ができるはずです。

……ところで田中さん(筆者)は今朝、夢を見ましたか?

――えっと、確か見たような気がします

栗原:夢を見ている最中に目を覚ましましたか?

――いえ、起きたときに夢を憶えていただけで、夢の途中で起きたわけではなかったと思います

栗原:実は、「夢を見ている最中に目覚める」ということは、睡眠の理想的な形なんです。夢は、身体が休息状態にある一方で、脳が活動して覚醒状態にある「レム睡眠」の状態に見るものです。

睡眠時、人の脳は90分周期でレム睡眠と、脳が休息状態にある「ノンレム睡眠」を繰り返しているのですが、レム睡眠時で起きると、脳の活性につながるホルモン「コルチゾール」の量が多いことが分かっています。コルチゾールの量は、起床時に多く、そこから下がっていく傾向があります。

――では、それに伴い脳の活動が落ちていくのですね

栗原:そうです。そこで、脳の活動が落ちていく時間に合わせてコーヒーを飲めば、その活動低下スピードを落とすことができるのです。

ちなみにこの90分周期の脳の動きは、起きている時間にも続いています。だからこそ、90分の間隔に合わせて適切な休憩をとるのが理想的です。8時半から仕事をする人は、10時に休んで、昼休んで、15時ころに休む、といったように適切なタイミングで脳を休ませることが、仕事の効率化につながると考えています。

パフォーマンス向上には「コーヒー×昼寝」が有効

――自分の脳の働きを理解し、適切な休みをとることができれば、仕事のパフォーマンスを上げられそうです

栗原:お昼に眠くなってしまう、というのも脳の活動が原因です。例えば保育園って、昼寝の時間が用意されてるじゃないですか。あれは脳の活動周期が影響しており、あの時間帯にどうしても眠くなってしまうんです。

特に子供の場合は顕著ですが、我々のような成人でも昼に一度脳の活動は低下します。スペインなどのように、昼食後に「シエスタ」と呼ばれる休憩をとる国もあります。

――日本でも先進企業などで、業務時間に「昼寝」を取り入れたところ生産性が増したという話を聞いたことがあります。そういえば、ネスレさんも「シエスタ」に似た取り組みを行っているそうですね

今回、栗原先生を紹介してくれたネスレ日本 ウエルネスコミュニケーション室の福島洋一室長。取材にも同席してくれました

福島洋一氏(以下、福島):短く浅い昼寝は爽快感を生み、集中力の向上に役立つことが既に知られています。ネスレ日本の社内ではこれにコーヒーを組み合わせ、午後のパフォーマンス向上に役立てることを目指す、「コーヒーナップ」という取り組みを実施しています。

カフェインが脳に作用するピークは、摂取後20~30分後なので、コーヒーを飲んでから20分仮眠をとり、そこで目覚めれば脳の活動レベルが高い状態で仕事に戻ることができます。カフェインは集中力を持続させますので、コーヒーナップはただ昼寝をするだけよりも効果が高いのです。

神戸市の本社には、従業員のコーヒーナップ用の仮眠室を作りました。東京の拠点である天王洲オフィスでも、仮眠スペースの設置を試しています。

ネスレ日本 神戸本社に設置されている仮眠室。……うらやましい。編集部にも取り入れてほしい……

コーヒー1杯から始められる「働き方改革」

――「働き方改革」が話題ですが、コーヒーと上手く付き合うことによって、この問題を少しでも良い方向に進められるかもしれませんね

栗原:はい。人間は、働く中で良くも悪くも多くのストレスを抱えています。これは人に限らず、生物は「不安」が大きいと目先のチャンスへの踏み込みに躊躇してしまう傾向があります。

ある研究の話をしましょう。

空腹のネズミに餌を差し出し、ネズミがその餌をとろうとしたら、軽く電気ショックを与えます。そうすると、ネズミは空腹よりも不安が先立ち餌をとらなくなります。しかし、そのネズミに「抗不安薬」を与えると電気ショックを気にせずに餌をとって食べるようになりました。

これは極端な例ですが、実は臨床でも同様の結果が得られます。葛藤状態にある人の不安を取り除くことができれば、リスクを恐れずにチャンスに挑戦できるようになるのです。

カフェインの摂取量をコントロールすれば、抗不安薬と同様の効果が得られます。いつだって挑戦は人間の性。カフェインと上手く付き合うことができれば、仕事の効率を上げることができるほか、“新たな挑戦にもつなげられる”可能性があるんです。

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「ちょっとコーヒーを飲みすぎかな」という疑問が、まさか「働き方改革」の話につながるとは思わなかった。

ちなみにネスレ日本の社員は、日本人平均の2倍以上に相当する、1日3杯以上のコーヒーを飲むそうだが、血圧やHDL-C(善玉コレステロール)、HbA1c(糖尿病リスクの指標)の正常者比率は高いのだとか。これは、コーヒーに多く含まれる「ポリフェノール」が影響しているという。他にも、適切なコーヒー摂取が脳卒中や糖尿病のリスクを下げるという研究もあるそうだ。

上手に付き合えば、脳のパフォーマンスを高いままに維持でき、健康にもつなげることができる――、普段何気なく飲んでいたコーヒーは、心強い仕事のパートナーだった。