ジャニーズ初・バーチャルアイドルユニットが登場、二次元と三次元は融合できるか<br /><br />

ジャニーズ初・バーチャルアイドルユニットが登場、二次元と三次元は融合できるか

2019.02.19

ジャニーズ事務所がバーチャルアイドル企画を発表

二次元のキャラを三次元のアイドルが演じる

二次元と三次元は融合できるか?

ジャニーズ事務所から「バーチャルアイドル」が誕生し、その意外性に注目が集まっている。

嵐やV6、KAT-TUN、Kis-My-Ft2など、これまで活躍してきた同事務所のアイドルたちは、改めて言うまでも無く皆、生身の人間だ。だが2月19日に発表された「Johnny’s×SHOWROOM 『バーチャルジャニーズプロジェクト(VJP)』」に関して言えば、それは異なる。

同プロジェクトは、SHOWROOMで行うライブ動画配信が主軸。表に立つのはバーチャルキャラクターで、キャラクターの声を担当する演者(キャラクターボイス:CV)として、ジャニーズ事務所のアイドルが配役されているという座組みだ。

プロジェクト第一弾として今回発表されたのは、関西ジャニーズJr.内ユニット「なにわ男子」の藤原丈一郎さんと大橋和也さんがCVを務めるキャラクター。この企画を若手の登竜門として考えていることが伺える。

クールな雰囲気の「海堂飛鳥(かいどうあすか)」(CV:藤原さん)と、元気なイメージの「苺空星空(いちごやかなた)」(CV:大橋さん)。キャラクターを手がけたのは、ニコニコ動画などで高い人気を誇る楽曲、動画制作チームHoneyWorks(ハニーワークス) のイラストレーター・ヤマコさん

また、会見当日の夜から、両キャラクターの動画配信がスタート。「海堂飛鳥」の配信は21:30から、「苺空星空」の配信は22:15から開始となっており、続けて見ることのできるスケジュールだ。発表に驚き、関心を持った人たちがその熱量のまま、今夜の配信に集まることが予想される。

これまではWebサイトではアイドルの写真は非掲載、電子書籍ではシルエットのみ掲載というケースもあるなど、インターネット対応には消極的だったジャニーズ事務所だが、2018年3月にはYouTubeに公式チャンネル「ジャニーズJr.チャンネル」を開設するなど、その姿勢は変化しつつある。

今回の企画に関して、「最新技術でジャニーズの新時代を切り開く」(プレスリリースより抜粋)としており、その気概の感じられる、非常にスピーディーな企画進行だ。ジャニーズがインターネット技術の潮流に関心を示していることを象徴する事例とも言えそうだ。

これまでにもあった二次元×三次元の試み

影響力が非常に大きなジャニーズ事務所による企画ということで注目を集めている本企画だが、これ以前にもキャラクターとアイドル(俳優)をコラボレーションさせた女性向け企画は存在する。アニメ・マンガ原作の脚本を若手俳優が演じる「2.5次元舞台」は、キャラクターを生身の俳優が演じるという点で、やや類似性はあるだろう。

それ以上に近いのは、バンダイナムコとアミューズが企画したメディアミックス作品「ドリフェス!」(2016年開始)。キャラクターのCVにアミューズの若手俳優を起用したという点で、今回の座組みに近いものがある。

活動の中で「5次元アイドル」(2次元のキャラクターと3次元の俳優を合わせた造語)を標榜し、ゲームアプリやTVアニメでキャラクターのCVとして出演した俳優たちが劇中歌を歌い踊るライブを行うなど、“次元の壁”を行き来する活動を行ってきた。2018年10月に開催された武道館ライブをもって活動に区切りをつけるとアナウンスされたが、今も根強いファンを抱えるコンテンツだ。

「顔が見えない」ことに不安の声も

ジャニーズのような「三次元」のアイドルを長年輩出してきた事務所が、あえて「二次元」の要素を含むバーチャルアイドル企画を立ち上げたのは、HoneyWorksのファンはじめ二次元を愛好する人たちへのアプローチによるファン層の拡大、そしてファンとアイドルの交流機会の創出が狙いと考えられる。

動画にコメントをつけ、アイドルが返事をするというやりとりは、これまでライブで受ける「ファンサ」(観客に向けてアイドルがアクションを行うこと)が主体だったアイドルとファンの関係に変化をもたらすかもしれない。

ただ、バーチャルアイドルが表に立つと当然ながら、ジャニーズアイドルの顔は見えない。ジャニーズJr.として活動し、ユニット化、そしてデビューという既存の路線とは大きく異なる本企画に対し、ジャニーズファンからはSNS上で不安の声も上がっている。

「二次元」と「三次元」、どちらか一方で構わないという人がいるのも事実ではあるが、相乗効果によって新たな魅力を創出する、あるいはこれまで知らなかったもう一方の魅力を発見する機会になることも考え得る。新たな化学反応を起こすことができるか、今後の展開に注目したい。

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ブレグジットは考慮せず…ホンダが英国工場の生産終了を決めた理由

ブレグジットは考慮せず…ホンダが英国工場の生産終了を決めた理由

2019.02.19

ホンダの八郷社長が記者会見

英国生産終了の理由は「シビック」の生産体制?

欧州でのブランド強化に注力

「ホンダ、英国工場を閉鎖」と日本経済新聞が報じた2月19日の夕刻、ホンダの八郷隆弘社長が記者会見を開いた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を受けての動きかと思われたが、八郷社長によれば本件とブレグジットは「無関係」であり、今回の決断は「グローバルにおける生産配置と生産能力の適正化」を図るためのものだったという。

会見に臨むホンダの八郷社長。会見のメインテーマは「事業運営体制変更」だったが、質疑応答では英国工場について多くの記者が質問した

次期「シビック」の生産体制が決め手に?

英国・スウィンドン市にある「ホンダオブザユー・ケー・マニュファクチュアリング・リミテッド」は、ホンダが1985年に設立した工場だ。現在は約3,500人の従業員を抱え、主に「シビック ハッチバック」を生産している。ホンダは今回、同工場での生産を2021年中に終了すると発表。さらに、トルコの工場では「シビック セダン」の生産を2021年中に終了すると決めた。

なぜ、英国工場を閉鎖するのか。八郷社長によれば、ホンダは四輪車の生産能力について世界的に見直しを進めており、現状、年間540万台の能力(2018年暦年の稼働率は約97%)を、2021年末には同510万台あたりまで引き下げる方向で動いている。その一環として今回、英国での生産を終了させるそうだ。年産510万台体制になれば、ホンダでは工場の稼働率が100%を超える見通しだという。

英国工場では年間16万台程度のシビック ハッチバックを生産しているそうだが、そのうち、65%は英国およびEU以外の地域に輸出しており、55%は北米向けとなっているのが現状。そんな状況の中、ホンダはシビックの次期モデルを世界のどこで作るか検討し、北米で売れているものは北米で作るという決断を下した。今後、英国およびEU向けのクルマは中国や日本などで作って輸出する。

現行型「シビック ハッチバック」

日EU経済連携協定(EPA)により、日本から英国およびEUに送るクルマの関税が撤廃となれば、確かに、わざわざ現地でクルマを作る必要はなくなるのかもしれない。環境問題への対策を急ぐ中国では、ホンダを含む自動車各社が環境に配慮したクルマのラインアップ拡充を急いでいるが、中国と同じく環境規制が厳しさを増す欧州に向けては、中国で(大量に)作ったクルマを輸出するというのも、見方によっては理にかなっている。ここ最近のホンダは欧州事業で苦戦していたが、これを機に「もう一度、欧州でホンダブランドを強化したい」と八郷社長は意気込む。

今回の決定にブレグジットが及ぼした影響について、報道陣からは何度も質問が出たが、八郷社長は一貫して「ブレグジットは考慮しなかった」と答え続けた。合意なき離脱となるのかどうか、ブレグジットの行き着く先はいまだ不透明という情勢だが、ホンダとしては、英国工場で部品の調達が滞る懸念があるため、同工場で4月に生産調整を実施する予定だという。

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オフィスに「メディア・アート」を導入するという新潮流

オフィスに「メディア・アート」を導入するという新潮流

2019.02.19

働きやすいオフィス構築に取り組む企業が増えた

アンダーデザインがオフィス環境作りに選んだメディア・アート

メディア・アートでリブランディングにも挑戦する

ここ数年、オフィスの緑化を進める企業が増え、なかには水が流れる小さな滝を表現するオブジェを導入したオフィスもある。これらは植物や水といった自然物をオフィス環境に導入することで、そこで働くスタッフに安らぎを感じてもらおうという取り組みだ。

しかし最近は、オフィスの緑化ではなく、「メディア・アート」により、スタッフに快適に働いてもらおうという動きも見え始めてきた。

そもそもメディア・アートは、「芸術表現に新しい技術的発明を利用する、もしくは新たな技術的発明によって生み出される芸術の総称的な用語」(出展:Wikipedia)とあるように、テクノロジーを活用した芸術作品。芸術ユニット「明和電機」や、メディア・アーティスト 落合陽一氏の作品が有名だ。

そのメディア・アートをオフィスに導入するのは、自然物による緑化オフィスとは方向性が真逆のようなイメージを感じる。だが、スタッフに心地よく仕事をしてもらおうという意味では、同じ方向を向いているといっていい。

こうしたメディア・アートによって、自社のオフィス環境を洗練、改善しようと積極的に取り組んでいる企業がある。ITインフラ構築や空間プロデュースなどを手がけている、アンダーデザインという企業だ。

洗練されたオフィス構築のためのメディア・アート

同社は「OFFICE × ART -digital-」をテーマとするワーク&アートスペース事業の展開を計画中。現在は自社のオフィスで実験中だが、成果があれば他社への販売を検討する考えだ。

実はアンダーデザインは、創業70年を数える意外と古い企業。戦後から高度成長期にかけて、急速に発展していった電話などの通信インフラの構築・整備をメインの事業としてきた。やがてITが発達すると、コンピュータ・ネットワークの領域にも事業領域を広げている。つまり、通信技術の進歩とともに、歩んできた企業なのだ。ちなみに、アンダーデザインの旧名は「旭コムテク」で、2018年10月に改称した。

戦後から通信インフラを手がけたアンダーデザインの受付電話。若い人のなかには、使い方がわからないという声も

現在、同社の名古屋オフィスにメディア・アートが導入されている。正方形の高輝度LEDパネル数枚がオフィス内に飾られているのだが、気象情報をネット経由で取得し、その変化によりツリー構造状に光が走るという映像を映し出している。この映像のパターンは気象情報の変化をもとにリアルタイムで生成しているので、常に変化し、同じ図柄になることはないそうだ。なお、この作品は映像音響インスタレーションを中心に国内外で活躍するアーティストの平川紀道氏によるもの。

高輝度LEDに映し出されるツリー構造

メディア・アート導入で企業のリブランドを推進

では、なぜメディア・アートを導入しようと考えたのか。アンダーデザイン 代表取締役社長 川口竜広氏は、「社員がクリエイティビティを発揮しやすいオフィス環境をつくるのが目的。日本の中小企業は技術力があるし、経営基盤が強いところが多い。だが、唯一足りなのが“クリエイティビティ”だと思う。この点においてはアメリカに大きく差をつけられている」と話す。メディア・アートをオフィスに導入すれば面白いし、クリエイティビティの向上につながるかもしれないと思ったそうだ。

アンダーデザイン 代表取締役社長 川口竜広氏

ただ、メディア・アートのオフィス導入にはもうひとつのねらいがあると川口氏は続ける。前述したように、同社は70年の歴史を誇る。ただ、それだけに組織が硬直しがちなのだそうだ。「これまで、何度か“企業のイノベーション”に挑戦した。だが、70年続けてきた“通信インフラ”というメインの事業の文化に押され、なかなか定着しなかった。それならば、まったくその領域と異なる文化を創り出すしかない」と川口氏は考えたそうである。それが、メディア・アートというわけだ。

そのためにリブランディングを行った。社名変更もしたし、これまでとは異なる新組織を立ち上げた。事業所も分け、そしてワーク&アートスペース事業に精通した人材を集めた。まずは、同社の名古屋オフィスでメディア・アートを試し、随時、ほかの拠点にも広げていく考えだ。そして“これはいけそうだ”という成果と手応えを感じたら、社外への提供も視野に入れている。

川口氏はメディア・アート導入でもうひとつの効果が得られたと話す。ホームページを洗練されたものに刷新した効果ともあいまって、就職希望者が増え、「これまで応募してこなかったような人材が採れるようになった」(川口氏)というのだ。

アンダーデザインが「OFFICE × ART -digital-」の施策を開始してから、まだそこまで時間は経っていないが、今後、メディア・アートを理解する企業が増えるかどうか、それが“新潮流”を生み出すカギとなるだろう。

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