恋するSNSマーケティング講座

“好きのキッカケ”を見極めよ! 適切な効果測定で次のコンバージョンを後押し

恋するSNSマーケティング講座 第5回

“好きのキッカケ”を見極めよ! 適切な効果測定で次のコンバージョンを後押し

2018.12.13

Facebook社員に「マーケティングのイロハ」を聞く!

第5回は、広告効果を上げるために必要な「効果測定」について

コンバージョンの“本当の立役者”を理解する方法って?

フェイスブック ジャパンのFacebook/Instagram広告運用コンサルタントに「SNSマーケティング」について聞く連載。初心者~中級者に知ってほしい「マーケティングの考え方」について、全5回にわたって説明します。

キーワードは「恋愛」。とっつきづらいマーケティングも、恋愛に喩えて考えてみると、意外とわかりやすいようです。

本連載ではこれまで、Facebook、Instagramに代表されるデジタルマーケティングの重要性について、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リードの丸山祐子さんに伺ってきた。

前回は「テレビとFacebook、Instagram広告の相乗効果」について一通り説明したが、今回は「効果測定」というテーマで話を聞いた。

前回に引き続き、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リード 丸山祐子さんに話を聞きます。今回もよろしくお願いします!

“好きのキッカケ”を見極めるために

広告における「ゴール」はなんだろうか。広告を見た利用者が商品を購入するなどの購買行動を起こすことだろう。広告用語でこれをコンバージョンと呼ぶ。一方、恋愛におけるコンバージョンは好きな相手と付き合うことになる、または結婚が決まることである。ここに異論はないだろう。

しかし、実はコンバージョンした後にもう1つ、重要なステップがある。それが「効果測定」である。そのコンバージョンを達成できた要因が何だったのかを調査し、次に生かすのだ。(恋愛に“次”はない方がいいのかもしれないが……。)

ではどのように測定すればいいのだろうか。丸山さんは、広告効果を測定する上で重要なのは「どこに評価基準を置くか」だと強調する。

「誰かが、『検索広告』を見て、その商品を購入したとします。この場合、検索広告がコンバージョンにつながったと見えます。しかし、それは本当に検索広告だけの効果なのでしょうか」(丸山さん:以下、丸山)

つまり、こういうことだ。最初に商品のことを知ったキッカケはFacebookやInstagramでの広告だったのかもしれないし、ビルボード広告やテレビCMだったのかもしれない。他媒体である程度認知を上げた段階で、たまたま検索して出てきた広告をクリックした可能性もある。この場合、“最初に接触した媒体”についても、価値がなかったとは言えない。

「恋愛でいうと、“なぜその人を好きになったのか”に似ています。最終的な決め手はタイミングが合ったことだったかもしれませんが、そもそも最初に会ったとき惹かれた理由は“価値観が合う”だったからかもしれないし、“趣味が同じ”だったからかもしれません。1つの指標だけにとらわれていると、自分にとって本当に大事な人に気がつけないかもしれません」(丸山)

マーケティング活動は本来、多岐にわたるものだ。しかし、これまでのデジタル広告ではラストクリックがコンバージョンに貢献していると判断する傾向にあり、広告主は検索連動型広告などの“刈り取り型広告”に予算を割きがちだった。なぜなら、それがもっともわかりやすく目に見える数字だからである。

「顧客になりうる層には『潜在層』と『検討層』の2つの段階があります。検索広告やリターゲティングは“能動的に検索したり情報を集めたりする検討層を刈り取るため”のものです。一方でFacebookやInstagramは“潜在層にもリーチできる”効果的なマーケティングと言えるでしょう」(丸山)

コンバージョンの“本当の立役者”は何か?

では、そんなFacebookやInstagramの効果を測定するためにはどうすればいいのか。

丸山さんの推奨する方法が、利用者を2つのグループに分けて、コンバージョン率を比較する「コンバージョンリフト調査」というもの。Facebook・Instagram広告を配信するグループと配信しないグループを作り、それぞれのコンバージョン率を比較する。そこで出てきた数字の差が、FacebookやInstagramの広告の効果になる、というわけだ。

このやり方を導入し成果を上げているのが、映画やドラマ、電子書籍といった幅広いコンテンツを提供するプラットフォーム事業を展開するU-NEXTだ。

これまでは前述のラストクリックに基づく評価で広告の投資判断を行い、結果としてリスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイトにおけるメディアタイアップなど、需要が顕在化している層に向けた広告に予算を分配しがちだった。しかし、それでは潜在層にはなかなかリーチできない。そこで同社はFacebook広告を導入し、ブランド力や認知度向上に力を入れることにした。

そこで、前述のコンバージョンリフト調査を実施した結果、クリックベースで測定したときとは異なる結果を得た。測定方法を変えたことで、ビジネスに成果を与えている本当の要因が判明したというわけだ。

あるキャンペーンにおいては、クリックベースで測定した場合「広告セット4」の効果が一番高いという結果が見られる一方、コンバージョンリフト調査では「広告セット1」が最もコンバージョンにつながるという結果が出た。これによって、ビジネスに本当に成果を与える広告セットが1であることを特定できたというわけだ

Facebookにはコンバージョンリフト調査をサポートするリフトAPIが用意されており、調査を半自動化することが可能だ。また、サードパーティのツールを活用すれば、より正確な指標を用いた調査も可能だという。

重要なのは「今設定しているKPIだけが正しいのか、それ以外の視点は必要ないのかを疑うこと」だと丸山さんは強調する。広告を運用していると、わかりやすい指標であるラストクリックをベースにした評価に目がいきがちだが、それでは間接効果も含んだ広告効果を完全に測ることができない。利用者を認知から購買まで引っ張った本当の立役者が何なのか、しっかりと効果測定する必要があるのだ。

恋するSNSマーケティング講座は、今回で終了です。

“とっつきづらい”“考え方がわからない”という印象を持たれがちなマーケティングも、本質は「人の感情を動かすこと」。これは確かに、「恋愛」と似たようなものと言えるでしょう。

これを機に、読者の皆様にとって、マーケティングがより身近な存在になれば幸いです。ありがとうございました。

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テレビを見ない、君にも届け! 「デジタル広告とCMの相乗効果」って?

恋するSNSマーケティング講座 第4回

テレビを見ない、君にも届け! 「デジタル広告とCMの相乗効果」って?

2018.12.05

Facebook社員に「マーケティングのイロハ」を聞く!

第4回は、テレビとFacebook/Instagram広告の使い分けについて

ポイントは接触頻度をどれだけ高められるか?

フェイスブック ジャパンのFacebook/Instagram広告運用コンサルタントに「SNSマーケティング」について聞く連載。初心者~中級者に知ってほしい「マーケティングの考え方」について、全5回にわたって説明します。

キーワードは「恋愛」。とっつきづらいマーケティングも、恋愛に喩えて考えてみると、意外とわかりやすいようです。

本連載ではこれまで、Facebook、Instagramに代表されるデジタルマーケティングの重要性について、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リードの丸山祐子さんに伺ってきた。

前回は「クリエイティブ」について一通り説明したが、今回は、SNS広告の効果をもっと上げるための「テレビとFacebook、Instagram広告の相乗効果」というテーマで話を聞いた。

前回に引き続き、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リード 丸山祐子さんに話を聞きます。今回もよろしくお願いします!

多様化するライフスタイルと広告

これまではデジタル広告の話を続けてきたが、広告を語る上で避けては通れないのが「テレビCM」だ。いわゆる“広告”というとまっさきにコレを思い浮かべる人も多いだろう。圧倒的多数の視聴者を抱え社会的影響力も大きいテレビCMは、広告業界の花形であり続けた。しかし、そんなテレビCMにも課題が存在すると丸山さんは言う。

「1つは、若年層のテレビ離れです。若い世代にはそもそもテレビを持っていないという人も少なくありません。持っていたとしても、HDDに録画しておいて、見る時にはCMをスキップする――、という人も多いことでしょう」(丸山)

ライフスタイルの多様化により、決まった曜日の決まった時間にテレビの前に座って見るという行為のハードルは以前よりも上がっている。つまり、テレビCMだけでは、アプローチできない層が徐々に増えてきている、というわけだ。

一方でスマートフォンを始めとするデジタル機器は今やテレビ以上になくてはならない存在になっている。常に身につけており、片時も手放さないという人も多い。テレビのメリットが「圧倒的多くにリーチできる」ことであるならば、スマートフォンはすでにテレビ以上の存在だといえる。

ただし、スマートフォンはテレビの上位互換ではない。チャンネル数が限られているテレビと違ってスマートフォンは人それぞれ使い方が異なり、アプリもサイトもさまざまだ。さらに、パーソナライズ化が進んでおり、同じサービスであっても人によって見ているコンテンツはまったく異なっている。とにかく大勢にリーチするのが目的であれば、未だにテレビは有効な媒体といえる。

テレビで認知、デジタル広告で購買行動へ

同じ「広告を配信できる媒体」でありながら、スマートフォンとテレビはまったく異なる性質を持つ。SNS広告にない良さをテレビCMは持っているし、テレビCMにできないことがSNS広告にはできる。

丸山さんは「Facebook、Instagram広告とテレビCMは共存しうるし、むしろ併用することでシナジーを生み出せます」と強調する。

たとえばテレビで缶コーヒーのテレビCMを見たとする。自宅でテレビを見ている場合、CMを見たからといってその場で購入できるわけではない。

その翌日、同じ缶コーヒーの広告をSNSで見るとしよう。媒体はスマートフォンなので、もしかすると外にいるときに見るかもしれないし、近くに自動販売機やコンビニがあるかもしれない。より購買に近い場所で、より高い頻度でのリマインドが可能になるというわけだ。

圧倒的リーチ力を持つテレビと、よりパーソナライズされ、スマートフォン上でも見られるFacebook、Instagram広告を併用することで、ブランドリフト効果につながることはすでにさまざまな事例が証明している。その1つが化粧品ブランド「メイベリン」である。

メイベリン ジャパンは、新製品のマスカラの発売にあたり、話題作りや購入意向の向上についてテレビとInstagramの効果を検証したいと考えた

メイベリン ジャパンは、新製品であるマスカラ「ビッグショット」の日本発売にあたり、テレビCMだけでなくInstagramを活用した広告を展開した。

その結果、Instagramで200万人のターゲット層にリーチ。ブランド好意度の上昇や購入意欲の上昇につながり、テレビと比較してリーチ単価率を86%削減に成功したという。

ただし、テレビCMが無駄に終わったわけではない。尺に制限があり、セグメントが難しいテレビCMでは、ブランドの認知度アップと新作マスカラの紹介に注力し、Instagramでは若い世代にターゲットを絞って商品を全面に押し出したビジュアルを展開した。つまり、テレビとInstagramでそれぞれの広告の役割を変えたのである。

その結果、テレビCMで認知度が向上し、Instagram広告で購買につながるという理想的な流れが生まれた。役割の異なる2つの媒体を併用することでシナジーを生み出した好例といえるだろう。

広告も恋愛も「一目見ただけ」では好きになれない?

また、テレビCMは周知の通り非常にコストがかかり、中小企業では継続して打ち続けることが難しい。瞬時に注目を集めることはできるかもしれないが、継続しなければすぐに世間の関心は薄れてしまうことだろう。

「恋愛でもそうですが、フリークエンシー(接触頻度)は非常に重要です。いくらいいなと思う人でも1回しか会ったことのない人を好きになるのは難しいですよね。広告も同じで、何度も目にすることで態度変容を起こす機会を作っていくものかと思います」(丸山)

テレビCMを高頻度で出し続けることができればフリークエンシーを高めることもできるが、コストが非常にかかるだけに、それができる企業はそう多くはない。そこで役立つのがリーチ単価が安く、ターゲット層に何度も接触できるFacebook、Instagram広告というわけだ。

メイベリンの事例でもわかるように、Facebook、Instagram広告はコストが安く中小企業でも(その気になれば個人でも!)気軽に始められるという利点がある。紹介した事例では、Facebook・Instagram広告のコストパーリーチ(リーチ1件あたりのコスト)はテレビCMの約7分の1(86%削減)であったそう。

広告効果を上げるためにテレビCMをやめる必要はないが、より効果を上げるためにはFacebook、Instagram広告と併用するのがベストといえるだろう。もちろん、その場合はクリエイティブをプラットフォームの属性に合わせてしっかり制作する必要がある。そのあたりの話については、前回の記事で紹介した通りだ。

さて、ここまででFacebook、Instagramを活用したマーケティングと広告制作の考え方については見えてきたが、これで終わりではない。

広告を出したなら、その効果を測定して最適化する必要があるのだ。

次回はSNS広告における効果測定について解説していただこう。

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勝負は「0.013秒」 クリエイティブで第一印象をコントロールせよ

恋するSNSマーケティング講座 第3回

勝負は「0.013秒」 クリエイティブで第一印象をコントロールせよ

2018.11.28

Facebook社員に「マーケティングのイロハ」を聞く新連載!

第3回は、広告効果に大きな影響を与える「クリエイティブ」について

広告の第一印象は13ミリ秒で決まる?

フェイスブック ジャパンのFacebook/Instagram広告運用コンサルタントに「SNSマーケティング」について聞く連載。初心者~中級者に知ってほしい「マーケティングの考え方」について、全5回にわたって説明します。

キーワードは「恋愛」。とっつきづらいマーケティングも、恋愛に喩えて考えてみると、意外とわかりやすいようです。

本連載ではこれまで、恋愛においてもマーケティングにおいても、「多くの人にリーチすること」「ターゲットとタイミングを考えてアプローチすること」で、“より質の良い出会い”を増やすことができるということを聞いてきた。

しかし、まだそれらに加えて考えるべき重要な要素があるという。それは相手に自分の何をアピールするのか、さらにはそれをどうやってアピールするのか、ということ。情報を相手に届けるための手段が写真なのか、動画なのか、はたまた文字なのか。それらを組み合わせて、どんな内容に仕上げていくのか。

ということで、今回は広告効果を上げるためのクリエイティブ」についての話を聞いてきた。

今回も、フェイスブック ジャパンのクライアントソリューションズマネージャ リード 丸山祐子さんに話を聞きます

物事の判断は「0.013秒」で行われる

丸山さんによると、「どのようなクリエイティブがリーチしたいオーディエンスに刺さるのか」というのは「プラットフォームの特性」によるところが大きいのだという。

たとえば、テレビCMは非常に多くの人に届けることができる反面、細かくユーザーをセグメンテーションすることは難しい。駅張りのポスターであれば「その駅を利用する人」に向けてピンポイントで情報を伝えることができるが、何百万人という人数に向けて大規模な告知をするのは難しいだろう。

つまり、プラットフォームの特性をしっかりと理解して、そこに合ったクリエイティブを作る必要があるというわけだ。

丸山さんによると、FacebookやInstagramは“ビジュアルコミュニケーションプラットフォーム”であり、テキストよりも画像や動画で情報を伝えることに適しているのだという。

「社内調査で、人は13ミリ秒(0.013秒)で見ているものの情報処理を行っているということがわかりました。かつては人の情報処理速度はもっとスローでしたが、スマートフォンが普及したことで、今は画面をスクロールしながら、高速で情報を処理できるようになってきています」(丸山)

確かに、たとえば旅行などで情報を集めるとき、これまでは検索エンジンを使うのが一般的だったが、現在はInstagramを検索して情報収集するという人も増えている。テキストを読み込むよりも画像の方が一瞬で判断できるため、高速で情報を処理する今という時代に即しているからだろう。ITの進化に合わせて、いつの間にか人も進化しているのだ。

商品の「売り出したい点」と相手に「響く点」を見極めよ

FacebookやInstagramなどのSNS広告には画像や動画が適していることはわかった。そうなると次に考えるべきは、「どのようなクリエイティブを作るべきか」ということだ。もう一度、これらのプラットフォームの特性を考えてみよう。

Facebookにはグローバルで22億人、日本で約2900万人の利用者、Instagramではグローバルで10億人、日本で2000万人のアクティブアカウントがあるため、どちらも幅広い層にリーチできるプラットフォームと言える。加えて、どちらも細かくセグメンテーションして広告を出すことができるため、大勢の中から広告を届けたい相手を絞って広告を出すことが可能だ。

続けて丸山さんは「テレビやラジオなどの広告とは異なり、広告を届けたい相手によってクリエイティブを変える、どういったクリエイティブが最適であるかをテストできる、といった点がSNS広告の強みです」と説明する。

例えば、缶コーヒーの広告を出すにしても、「こだわりの豆を使っている」といった商品のメリットを出すパターンもあれば、「寒い朝に温かいドリンクで安らぎを」といった、ブランドの訴求をするパターンもある。デジタル広告の場合には、これらの広告を複数用意・掲載することによって、“どのセグメントに、どのクリエイティブが刺さるのか”ということをテストすることができる。

「相手が求めるものに合わせて、どの部分をアピールするか変えるのが効果的というのは、恋愛でも同じですよね。でも相手が何を求めているのかわからない場合には、自分の中にあるいくつかの要素(『仕事が好き』とか『料理が好き』など)を出してみて、反応をテストするのがいいかなと思います(笑)」(丸山)

複数のクリエイティブで広告効果を向上させる

広告を届けたい相手に合わせてクリエイティブを細かく分けて成功したFacebook広告の例として、日産自動車の『セレナ』が挙げられるという。

セレナには「狭い場所でも開くデュアルバックドア」、「足をかざすとドアが開くハンズフリーオートスライドドア」、「暗い場所でも足元を照らすロングステップ」といった様々な特徴があるが、日産はこれら一つひとつについてクリエイティブを用意し、ターゲットの年齢性別や興味関心といった属性に合わせて表示する広告を変えた。

ペットを飼っている人に向けた「ロングステップ」の訴求、駐車場スペースが限られている人に向けた「チュアルパックドア」の訴求など、異なるターゲットに刺さるクリエイティブを複数用意(facebook business 日産の事例より)

さらに、同じアピール内容でも、属性によって使用する写真やシチュエーションを変えるなど徹底。この施策により、広告効果は大幅に向上したという。

なお、日産は本稿で紹介した以上にクリエイティブを用意している。詳しくは、facebook business の日産の成功事例より確認できる。

プラットフォームに則ったクリエイティブで広告効果UP

また、広告を出す先によってクリエイティブの見られ方が異なることにも注意しなければならない。

「テレビのような大画面で動画を見るのと、モバイルで同じものを見るのとでは利用者の受け取り方も変わります。例えば、テレビの映像は横長なのでモバイル広告用にそのまま転用すると小さくなってしまいます。そこで、モバイルに最適化することが重要になってくるんです」(丸山)

たとえばInstagramでは、横長だけではなく、1:1などの画面占有率の高いクリエイティブの掲載が可能であり、かつストーリーズ広告では縦長フルスクリーンのフォーマットを活かしたクリエイティブの作成ができる。

ここで広告を出すとなると、横長のテレビ素材を応用するだけでは、上下にムダな余白が生じてしまい、縦長で没入間のあるフォーマットを活かしきれないことが多い。「モバイルで見られること」を念頭に置き、クリエイティブのフォーマットを変更する必要がある。

「ストーリーズ」の形に合わせたクリエイティブを作成し、スマホの画面いっぱいを利用した動画を流すことで広告効果の向上に成功(Instagram businessより)

丸山さんは、このストーリーズ広告で成果を出した一例として、化粧品ブランドのSK-IIを紹介した。

もともとInstagramとFacebookのフィード広告で高い効果を上げていたが、ストーリーズ広告の併用でさらに広告想起率を大幅に高めたのだという。

「これまでInstagramは若年女性層向けのブランディングメディアというイメージがありましたが、今はユーザーが拡大しており男性も4割に上ります。そのおかげでECや金融、旅行、人材などダイレクトレスポンス系の広告も増えており、成果を上げている状況です」(丸山)

なおSK-IIの事例は、Instagram business SK-IIの成功事例より確認できる。

広告も恋愛も結局、“第一印象”が重要

ターゲットごとに異なるクリエイティブ、フォーマット、また配置先やABテストを重ね、目的に沿ったクリエイティブを作成する有用性はわかった。では、SNS向けのクリエイティブでそれ以外に意識すべき点はあるのだろうか。

「スマホユーザーが広告に興味関心を持ってくれるかは、最初の1秒で決まります。恋愛も第一印象である程度判断しますよね。恋愛も広告も第一印象が大事、というわけです」(丸山)

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連載第3回にして、ターゲティング、クリエイティブと、マーケティングを考える上での基礎知識は抑えることができた。

これまでの話で、SNSマーケティングは「マスとセグメント」両方の良いところどりができる、ということがわかったが、だからといって他の広告が必要なくなるわけではない。

次回は、「テレビとSNS広告の相乗効果」というテーマで話を聞く。丸山さんによると「テレビ広告とSNSと組み合わせることによって、広告効果を大幅に上げられる」とのことだが、その方法、および考え方ははどういったものなのだろうか。

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