安東弘樹のクルマ向上委員会!

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第17回

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

2019.03.20

アストンマーティンのV8エンジン搭載車「DB11」に試乗

懐古趣味とは無縁、「DB」のデザインは現代の方がカッコいい

車中で「なぜ運転は楽しいか」を自問自答

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会を訪れている安東弘樹さん。次に乗るのはアストンマーティンの「DB11」だ。憧れる人も多いであろう歴史ある英国製スポーツカーに、安東さんは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

安東さんと「DB11」

エンジン信者ではなくとも感じる音のよさ

DB11はアストンマーティンのグランドツアラーで、安東さんが乗ったのは4リッターV型8気筒DOHCツインターボエンジン搭載モデル。最大出力は503hp、最大トルクは675Nmで、停止状態から時速100キロへの加速はわずか4秒という速いクルマだ。トランスミッションは8速オートマチック(AT)。オプションを含まないメーカー希望小売価格は2,278万1,177円となっている。

試乗した「DB11」のボディサイズは全長4,705mm、全幅2,060mm、全高1,290mm。車両重量は1,705キロだ

編集部(以下、編):なぜDB11に乗ってみたいと思ったんですか?

安東さん(以下、安):新しいアストンマーティンに乗っておかないと、という気持ちがありました。他のブランドのように試乗会というものが開催されないので、なかなか機会がありませんし。

先ほど、テスラの「モデルX」に乗りましたけど、その後にDB11に乗ると、電気自動車(EV)とは違う加速を味わうことができますね。どちらが好ましいというのはないですけど。

:EVとは違って、エンジン音に迫力がありますね!

:確かに、いい音だとは思います。ただ、エンジン音の信者ではないので、そんなにうるさくなくってもいいというタイプです。大きさより質、という感じでしょうか。

:クルマのキャラクターに合った音がしてほしい?

:そうですね。

室内の作りは、ドイツ車と比べると違いを感じます。ドイツ車だと、例えば革張りのダッシュボードなどは“パンッ!”て張っている感じですけど、こちらは、良くも悪くも作りが緩いというか、革の表面にうねりのようなものが見てとれますね。

:生命感を表現している、とかですかね?

:どうなんでしょうねー。

:乗り心地はいかがですか?

:ダイレクト感が伝わってくるような作りになっているのは分かります。ただ、ダイレクト感を作り手の側で、どのくらい味付けするのがいいのか……クルマって、難しいですね! メーカーが味付けの部分で競い合うのはいいことだと思います。

:2,278万円という価格については?

:……なぜか今、一瞬、安いって思いました(笑)。

多分、これが理由だと思います。先日、ポルシェジャパンのサイトでコンフイギュレーターを使って、最新のポルシェ「911 カレラ 4S」に、必要だと思うオプションを選んでトータルの価格を見積もったら、2,000万円を軽く超えました……。

DB11もオプションを加えたら、金額は跳ね上がるとは思いますが、ポルシェは3Lターボで最大出力450ps、最大トルク530Nmだったのに対して、DB11は4Lターボで503ps、675Nmだったので、それらを比較して、そう思えたのかもしれません。

「DB11」の価格を聞いて、一瞬だけ「安い」と思ったという安東さん

昔のクルマと今のクルマ、カッコいいのはどっち?

:アストンマーティンといえば、ボンドカー(映画「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドが乗るクルマ)のイメージはありますか?

:ありますねー! 一時はBMWになったりしてましたけど、アストンマーティンを復活させましたもんね。最近は、物語にとって必然性がないのに、ボンドカーを無理やり出している感じがあったんですけど、新しい作品ではアストンマーティンが大活躍してました。まあ、本来は目立ってはいけないスパイが乗るクルマではないですけどね(笑)

:「007 ゴールドフィンガー」に登場した初代ボンドカー「DB5」もカッコよかったですもんね!

:「ゴールドフィンガー」も見たんですけど、私に懐古趣味がないので、今のDB11の方がカッコいいと思います。DB5って、今のクルマに比べると、少し“ずんぐりむっくり”しているというか。

:純粋に、カッコよさで比べた場合、現行モデルの方に軍配が上がると?

:そうですね。ただ、日本車は残念ながら昔のクルマ、特に60年代~70年代の方が圧倒的にカッコいいですけどね。

純粋にカッコよさで比べた場合、初代ボンドカー「DB5」よりも試乗中の「DB11」に軍配が上がるというのが安東さんの感想

:アストンマーティンのイメージは?

:好きでした。歴代のクルマには、必ずマニュアルトランスミッション(MT)の設定があったので、乗りこなせたら格好いいだろうなとは思ってました。

:いつかはアストンマーティンを買いたいと思いますか?

:以前は思ってました。でも今は、乗って満足してしまったというか、「これが欲しい!」という感じではないです。スポーツカーの場合、どうしても、MT車にしか食指が動かないんです。DB11って確か、本国にもMTの設定はないですもんね。

:そうすると、現在の愛車であるポルシェ「911 カレラ 4S」を乗り換えるとしたら、どんな選択肢がありますか?

:“992型”の「911 カレラ 4S」()で、右ハンドルのMTって感じですかねー。

【編集部注】次に発売となる新しい「911 カレラ 4S」。つまり、同じクルマの新型をリピート購入したいということ。

:他のメーカーに候補はないですか?

「メガーヌ R.S.」(ルノー)のMTなんかいいですね!

もし、DB11がMTだったとしても、うまくスポーツ走行をする自信はないんですけど、日常でスポーツカーを楽しむという意味では、MTしか選択肢に入らないんです。

なぜステアリングを切っているだけで楽しいのか

:(箱根ターンパイクを走行しつつ)加速って、どうしても慣れてしまいますね。

:結局のところ、速いか遅いかということですしね。

:だとすると、もうテスラなどの電気自動車にはかなわないですもんね。そうすると、操作を楽しむとか、気持ちはそっちにシフトするわけで。

DB11は、トルコン8速ATもよくできていて、十分にいいクルマなんですけど、なんでしょう、どうしてかは分からないんですけど、ひょっとすると、そのうち飽きがくるかもしれないと思ってしまうんです。MTの運転だけは飽きないですからね(笑)

それにしても、こうやって右に左にステアリングを切っているだけなのに、「何が楽しいのかなー?」って、たまに思うこともあるんですけど、なぜだか楽しいんですよね。クルマに興味のない人には、「何が楽しいの? 危ないだけでしょ?」と思われるかもしれないんですけど。

クルマの運転って、興味のない人からすれば、場合によっては悪意がなくても法律的に罰せられるし、命の危険すらあるのに、何が楽しいのか理解できないでしょうね。ただ、なんなんでしょう、とにかく楽しいんですよねー! こういうワインディングロードを走らなくても、普通に、高速道路で制限速度内で走っていても、車窓の景色が変わっていく様子とか、大きな物体を自分で操る感覚が、たまらないです。

ステアリングを右に左に切っているだけで楽しいという安東さん

DB11に乗りながら、なぜクルマの運転は楽しいのかと自問自答を始めた安東さん。助手席から見ていると、その問答自体がすでに、楽しげに見えた。次に乗るクルマは、ポルシェを買い替える場合の選択肢として名前の挙がった「メガーヌ R.S.」だ。

加速は異次元だが…MT至上主義者・安東弘樹、テスラ「モデルX」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第16回

加速は異次元だが…MT至上主義者・安東弘樹、テスラ「モデルX」に乗る!

2019.03.13

テスラのSUV「モデルX」に試乗、安東さんの感想は

“電気マニュアル”はクルママニアの夢をかなえるか

EVシフトが進展、安東さんのクルマ選びにも影響?

全部で10台近くに乗った今回の日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会で、安東弘樹さんが「最も楽しみにしていた」と語ったクルマがテスラのSUV「モデルX」だ。マニュアルトランスミッション(MT)車のシフト操作に悦びを感じると常々話す安東さんだけに、電気自動車(EV)に注目していたことは少々意外だったのだが、実際に乗ってみて、モデルXにどのような印象を抱いたのだろうか。そして、急速に進むクルマの電動化について、クルママニアは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

試乗したのは「P100D」という「モデルX」の上級グレード。停止状態から時速100キロまでがわずか3.1秒という圧倒的な加速力を誇る

気になるのは航続距離? 安東弘樹はEVを買うのか

安東さん(以下、安):(走り出してすぐ)以前、テスラの「モデルS」(セダンタイプのEV)に乗ったことがあるので、想定内ではあるんですけど、やっぱり加速はすごいですね! 異次元というか。

編集部(以下、編):“ゼロヒャク加速”が3.1秒だそうです。

:それって完全にスーパースポーツカーのレベルですよね(笑)

「モデルX」のサイズは全長5,037mm、全幅2,070mm、全高1,684mm。最大7人乗りのシートレイアウトをオプションで選べる

:シフトレバーの場所がメルセデス・ベンツと同じものが同じ位置(ハンドルの右側に付いている)に付いているんですけど、ステアリングから手を離さずに操作できるというのは、一度経験してしまうと便利ですね。あと、画面(17インチの大型タッチスクリーン)が相変わらず、でかいなー!

クルマのサイズは全長が5m超で幅が2,070mmだから、立体駐車場とかだと、まずとめられないでしょうね。このクルマ、いくらでしたっけ?

:テスラのサイトで「新車カスタムオーダー」っていうのを試してみたんですが、この「P100D」が1,780万円からで、「100D」というグレードが1,280万円からでした。

:グレードによって500万円も違うんですか! 標準で付いている装備も違うんだろうな……。

:100Dだとゼロヒャク加速は4.9秒だそうです。

:十分、速いです(笑)。いや、3.1秒という性能はいらないので、買うとしたら100Dですね。

高速道路では「オートパイロット」も試していた安東さん。白線や前を走るクルマなどを認識し、クルマがステアリングと加減速を自動制御してくれるシステムなのだが、この手の技術は「楽で寝てしまいそう」で怖いそうだ

:普通に運転していると、モーターブレーキだけで十分ですね、今、普通だったらシフトダウンするようなシーンでしたが、アクセルペダルを戻すだけで「ギューン」って減速しましたもんね。ワンペダルでも結構、運転できそうです。確か、回生の程度も選べるはずですよね()。

※編集部注:EVではアクセルペダルを戻すとモーターによる「回生」が働き、エンジンブレーキが掛かったような減速が起こる。この減速をうまく活用すれば、ブレーキペダルを踏まずに、アクセルペダルを踏んだり戻したりするだけで、ある程度はクルマを走らせることができる

:EVは、長距離を乗られる安東さんの場合、航続距離が足りないので、購入検討リストに入らないとの話をお聞きしたことがあります。このクルマだと、1回の充電で542キロ(欧州の燃費評価で用いられるNEDCという基準による)走れるとのことですが、いかがでしょう?

:私としては、500キロはリアルで走って欲しいんですけど、そんなEVは現状、ないですからね……。最低でも、400キロは走って欲しいなって思います。

「モデルX」の航続距離(NEDC)は「100D」で565キロ、「P100D」で542キロと表記されている。安東さんは最低でも500キロをリアルに走れるEVが欲しいそうだ

EVで運転の悦びを得られるか

:先ほどのワンペダル走行もそうなんですけど、クルマがEVになると、ドライバーが操作する余地は減りそうな気がします。当然、エンジンを積んでいなければ、ギアチェンジも不要だと思いますし。このあたりについて、安東さんはどう思われます?

:残念です。正直、それは寂しいですね

ワンペダル走行にも楽しさはあります。「モデルS」で富士スピードウェイの一部を走ったことがあるんですけど、それはそれで楽しかった。同じクルマですけど、別物として考えれば楽しめるんです。ただ、走行中にシフトダウンしようとして、ついついパドルシフト(手元でシフトを上げ下げできる装備のこと)をたたくような動作をしてしまう自分もいたんですけど(笑)

加速にしたって、さっきポルシェの「ケイマン GTS」に(別媒体の取材で)乗りましたけど、こっち(モデルX)の方がすごいですもんね。ペダルに対してのレスポンスが鋭いというか、比べてしまうと、内燃機関というもの自体の古さも感じなくはないです。

:クルマが急速に電動化していきそうな情勢ですが、クルママニアとして、内燃機関への郷愁みたいなものって感じます?

:郷愁という感じではないです。変な話、MT車みたいに運転できるEVが発売にならないかなと思っているくらいなんで。クルマを走らせる原動機がモーターであろうと内燃機関であろうと、操作が面白ければいいんです。

だから、“電気マニュアル車”があったら、楽しいだろうなと思うんですけどね。クラッチも欲しいくらいで……あ、クラッチは意味ないか。まあ、要するにギミックですよね。

:でも、ギミックだと分かった上で操作するわけですよね? それでも運転を楽しむことができそうですか?

:うーん…………楽しめないかなー。やっぱり楽しめないですねー、意味がないですもんね。意味ないもんな……

EVにはEVの楽しさがあるとは思うものの、やはりMT車に乗り続けたいと安東さんは語る

:「911 カレラ 4S」に長年、乗ってこられたと思うんですけど、ポルシェが電動化しても構いませんか?

:それは構わないですね。

:むしろ、ポルシェが楽しいEVを作ってくれないかな、みたいな期待もありますか? 今度、EVの「タイカン」というクルマが登場するそうですが。

:そうですね、ドライビングプレジャーをどういうふうに表現するのか……。あと、(プラグインハイブリッド車のある)「パナメーラ」だとかなり車体が大きいんですけど、タイカンはもう少し小さいようなので、そういう意味でも興味あります。

最後まで内燃機関のクルマに乗り続ける?

:でも、どうしても3ペダル(クラッチの付いたMT車)がいいんだよなー! やっぱり、内燃機関が禁止になるまで、1台は3ペダルを持ち続けようかなと思いましたね。

:将来的に、この世界のクルマが全てEVになったら別ですけど、そうじゃない限り……。

:乗るでしょうねー、内燃機関のクルマに。それに、ある程度のバランスも必要ですよね。地球環境的にも、全てがEVになっちゃうと、レアアースの確保の問題とか、発電方法の問題もありますし。だから、内燃機関を積んだクルマとEVって、ある程度は共存した方がいいと思います。内燃機関の効率も、もっと上げてもらって。

:では、「いつEVを買いますか」と聞かれたら、「それしかなくなったとき」という答えになりますか。

:そうですね。ただ、内燃機関のMT車が1台あれば、意外と早めに購入するかもしれません。

:そうすると、最後まで持ち続ける内燃機関のMT車については、厳選することになるでしょうね。

:はい、やっぱりポルシェかな~。

:マツダも作り続けそうですよね。

内燃機関のMT車が1台あれば、EVを購入するのは案外、早いかもしれないと安東さんは語る

:「テスラ」についてはどんな印象ですか?

:やっぱり、新しい価値を提供したという意味では、すごいなと思います。アメリカ西海岸のお金持ちが大勢、これに乗り換えたことで、EVのイメージが変わりましたよね。「ブリキのオモチャ」の様なイメージから、新しくてクールな高級車へ。

:ご友人で、EVに興味を持っている方っています?

:いますよ。TBS時代の後輩で、あるテレビ番組の(コーナーの)プロデューサーをやっている人なんですけど、日産の「リーフ」を買ってました。

:その方って、一般的に言うと富裕層ですか?

:どこからが富裕層かは難しいですけどね。例えば、1,000万円を超える収入を得ていたとしても、700万円のクルマを見て「こんなに高いクルマを誰が買うんだ!」っていう人もいれば、同じ位の収入で1,000万円のクルマをローンで買う人もいますから。

ちなみに、年収が1000万円以上あっても、実は税金の関係で、せいぜい“一点豪華主義”ができるだけなんですよ。それがクルマなのか、ワインなのか、時計なのか、みたいな感じで、あとは普通の生活ですね。だから、富裕層と思える人って、私の周囲にはあまりいません。ただ、本当に有名な芸能人の方などは別ですけどね。

会社員時代にポルシェ「911 カレラ 4S」を購入(72回ローン)した安東さんの一点豪華主義には驚くばかりだ。「だから、『アッコにおまかせ!』で共演していた峰竜太さんとも、クルマに関してだけは同じ金銭感覚で話せましたもんね(笑)」とのこと

「モデルX、いいクルマでした。買うとしたら100Dの方ですけど、家族がどう思うかも聞いてみたいですね。これ(P100D)は必要ないかな(笑)」。そんな感想を残してモデルXの試乗を終えた安東さん。おそらく、安東家のガレージにEVが納まる日が来るのは、少し先のことになるだろう。

次回は安東さんがアストンマーティン「DB11」に試乗したときの模様をお伝えしたい。

アバルト、ジープ、マクラーレン…安東弘樹の輸入車イッキ乗り!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第15回

アバルト、ジープ、マクラーレン…安東弘樹の輸入車イッキ乗り!

2019.03.06

アバルト「695C Rivale」には「もう一段、ギアが欲しい」

ジープ「ラングラー」で感じた「フットレストの重要性」

マクラーレン「570S」は「ブレーキペダルの重さ」が面白い

日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会で次々に輸入車に乗る安東弘樹さん。今回はアバルト「695C Rivale」、ジープ「ラングラー」、マクラーレン「570S クーペ」の3台に試乗したときの模様をお伝えしたい。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

アバルトで味わったコンパクトカーの楽しさ

「695C Rivale」はアバルトがラグジュアリーボートブランド「Riva」(リーヴァ)と組んで作った台数限定のクルマだ。アバルト「595」と同じくフィアット「500」をベースとする。エンジンは直列4気筒インタークーラー付ターボ。「ATモード付5速シーケンシャル」というトランスミッションを搭載していて、自動変速と手動変速が切り替え可能なところも特徴だ。

安東さんは「アバルトの“屋根開き”の楽しさを体験してみたくて」このクルマを試乗することにしたそうだ。試乗したクルマは「カブリオレ」といって、屋根を開閉できるモデルだった。これまでに2台のフィアット「500」を所有したことがある安東さんは、アバルトがチューニングを施した「695C Rivale」から何を感じたのだろうか。

「695C Rivale」と安東さん

安東さん(以下、安):(クルマに乗り込んですぐ、マホガニーを採用したインストルメントパネルを見て)ウッドが渋いですねー。あ、ルームミラーは自動防眩(後続車のヘッドライトの反射を自動的に抑制してくれる機能)だ! あいかわらず、テレスコは付いてないんですね、チルト(※)だけで。

※編集部注:「テレスコピック」はステアリングの前後位置、「チルト」は上下位置を調整する機能のこと

:(しばらく走って)やっぱり“抜いた”方がいいな……。

編集部(以下、編):何をですか?

:いや、シフトアップするとき、アクセルを抜くとスムーズにいくんですよ。

:そうなんですね……。しかし、高速道路を走っているときの感じが、さっき乗ったジャガー「XF スポーツブレイク」と比べて、だいぶ違いますね。同じ速度でも、こちらの方が迫力があるというか……。

:そうですね。ジャガーからは余裕を感じましたけど、運転する楽しさという意味では、こちらが上かもしれません。ただ、もう1段、ギアが欲しいかなー。あと、足まわりは結構、ビシビシ突き上げがきますね。嫌いじゃないですけど(笑)

「695C Rivale」のサイズは全長3,660mm、全幅1,625mm、全高1,505mm。価格は422万円だ

:フィアットの「500」に乗っていたときって、サブカーみたいな感じだったんですか?

:いえ、乗っていた距離でいうと、メインカーでした。本当はMT(マニュアルトランスミッション)がよかったんですけど、クラッチの左側に空間が少ないというか、足の置き場がなかったので、長く乗ると疲れるかなと思って、シングクラッチの2ペダルモデルをマニュアルモードで変速しながら乗ってました(※)。

※編集部注:シフトレバーでシフトを上げ下げできる機能のついたATがある。安東さんはシフト操作に悦びを感じるタイプのクルママニアだ

:3台目のクルマが買えれば「695C Rivale」みたいなクルマもいいかもしれないんですけど、ただ、距離を乗ることになると思うので、やっぱりディーゼルエンジンのクルマにしちゃうかな……。そういう意味では、「リーフ」の「e+」(※)も興味ありますね。

※編集部注駐車場の都合もあって、今は2台のクルマを所有している安東さんだが、もし3台目を買えるなら、日産自動車の電気自動車(EV)「リーフ」のハイパワーバージョン「e+」にも興味があるという。リーフの航続距離はWLTCモードで322キロだが、e+は約40%向上して同458キロになった

:長距離を乗ることがあるので、内燃機関に比べて航続距離の短いEVは選択肢に入らなかったんですけど、「e+」は航続距離が伸びましたもんね。航続距離を伸ばそうとして高性能なバッテリーを積むと、ハイパワーのモーターと相まってパワーも向上するところはEVの面白いところだと思います。内燃機関だと、パワーを上げると大抵、燃費が落ちますから。ただ、500万円近いですよね? 値段には驚きました(価格は「リーフ e+ G」というグレードで473万円弱)。その価格帯だと、どういう人が買うのかなー。「ちょっとEVに乗ってみよう」という人には高いですよね。

アバルト「695C Rivale」を運転しながら電気自動車について思いを馳せる安東さん

:アバルト、小粋でいいと思います。それに……(信号待ちで隣に止まったクルマを見て)あっ、「アルトターボRS」だ! ああいうクルマに乗っている人というか、ああいう嗜好を持っている人にとって、このクルマ(695C Rivaleのこと)は憧れかもしれませんね。運転されてる方も、こちらを見てましたし。しかし、こういう小さいクルマって、楽しいですよね!

スズキの軽自動車「アルト ターボRS」。大磯を試乗中、このクルマと信号待ちで隣り合わせになった

:フィアット「500」って、向こう(イタリア)では“足”として使われてますよね。すごいのは、新しいフィアット「500」が発売になったとき、イタリアでは、そのセレモニーが全国ネットでテレビ中継されたそうです。それを聞いて、国民的なクルマなんだなと実感しました。

こういうクルマって、運転を楽しむのには合っていると思います。フィアット「500」でも十分ですけど、もうちょっとスポーティーに走りたいっていう人にとって、「695C Rivale」は非常にいい選択肢でしょうね。

それに、4人乗れますしね! 「500」に乗ってたとき、小柄な女性を後席に乗せたことがあるんですけど、「快適だ」っていってましたから。ただ、前提として、前席に乗る人も小柄である必要がありますけどね。大柄な人が前に乗って、シートを後ろに下げちゃったら、さすがに厳しいので。

ジープ「ラングラー」で考えたクルマの合理性

アバルト「695C Rivale」の試乗を終えた安東さん。次に乗ったのはジープ「ラングラー」だ。実は、この時点で試乗時間が残りわずかになっていたので、あとの2台については少ししか乗れなかったことを、ここでお伝えしておきたい。

ジープ「ラングラー」と安東さん

:(乗り込んで)わ、いいなー! 以前、フォードの「エクスプローラー」に乗っていたので、こういう感じ、懐かしいですね。あ、フットレストがないのか……(※)。右ハンドルだから、仕方ないんでしょうけど。

※編集部注:安東さんが気にしているのは、運転中に左足を置いておける「フットレスト」があるかどうかということ

:ラングラーに試乗しようと思った理由は何ですか?

:(走り出しつつ)乗ったことがなかったんですけど、1度、この世界観を体験しておかないとまずいなと思っていて。ヘビーデューティーなクルマって、嫌いじゃないですし。

試乗したのは「UNLIMITED SAHARA LAUNCH EDITION」というグレード。価格は530万円、サイズは全長4,870mm、全幅1,895mm、全高1,845mm、ホイールベース3,010mmだ。「ラングラー」について弊紙では、モビリティジャーナリストの森口将之さんに詳しく解説してもらっているので、こちらの記事をご覧いただきたい

:過酷な使われ方を想定した、合理的な感じのクルマですよね。

:合理的という概念は好きです。クルマの場合、スポーツカーなのかSUVなのか、車種によって理想とする合理性は違うと思うんですけど、その車種の中では、最も合理的であって欲しいというか。

ラングラーもオフロードを走るクルマとしての合理性を突き詰めていて好印象なんですけど、右ハンドルにしたときフットレストが付いていないといういうのは、少し引っかかりますね。だって、ラングラーのようなクルマは、足を踏ん張って身体を支えなければならないわけじゃないですか。市街地で乗るなら影響はないのかもしれませんけど、本当のオフロードを走るときに、どうなるんだろうっていうのは、ちょっと気になります。ただ、こういうことはインポーターが頑張るといっても、限界がありますよね。

:合理性を追求しているクルマだけど、右ハンドルにした結果、少し不合理な部分が生まれてしまったという感じですか。

:踏ん張りづらいんじゃないかなー。「695」なんかもそうなんですけど、左ハンドルだと大きなフットレストがちゃんと付いてますからね。

マクラーレン「570S クーペ」は操作感が面白い

最後に、別の媒体が安東さんの試乗用に用意していたマクラーレン「570S クーペ」にも同乗させてもらったので、その様子をお伝えしておきたい。

マクラーレン「570S クーペ」で疾走する安東さん

:楽しいですか?

:やっぱり、楽しいですね! ブレーキペダルが重くて、かなり踏まないと効かないんですけど、それも、いかにも操作しているという感じがして、面白いです。

:本来は高スピードを出すクルマなので、あまり敏感にブレーキが効いても、ガクガクするというか、かえってよくないのかもしれませんね。

:「明確に踏む」って感じが必要なのかもしれませんね。普通のクルマの感覚で踏むと「あれっ!」って感じになりますから。

スーパーカーではありますけど、普通に乗れるといえば乗れるんで、そこがマクラーレンのすごいところですね。ソリッドな乗り心地ではありますけど。ただ、最低地上高が極端に低いので、普段使いに適しているかどうかは疑問ですね(笑)

「570S クーペ」は3.8リッターV8ツインターボエンジンを搭載するスーパーカーだが、安東さんによれば「普通に乗れる」とのこと。ただ、最低地上高が低く、高額なクルマでもあるので、段差を乗り越える際などは冷や汗をかきそうだ

慌ただしく3台の試乗を終えた安東さん。次に乗るのは、今回の試乗会で「最も乗ってみたかった」というテスラ「モデルX」だ。このクルマにはじっくり乗ってもらったので、その模様は次回、お伝えしたい。