実質ゼロ円スマホが復活? 携帯料金の見直し問題とは何だったのか

実質ゼロ円スマホが復活? 携帯料金の見直し問題とは何だったのか

2016.04.04

昨年9月に急浮上した携帯電話料金の見直し問題。総務省がスマートフォンの購入補助に関するガイドラインを4月1日に適用したことで、ひとつの節目を迎えた。この間に大手携帯電話各社は、実質ゼロ円以下での端末販売を自粛するなどの措置を講じたが、今ではゼロ円端末が復活したかのような動きもある。一連の動きをみていくと、携帯料金の見直しとは何だったのか、という疑問も浮かんでくる。

携帯料金見直し問題は今

携帯電話料金の見直しは、家計における携帯電話料金の負担が大きいとして、昨年9月に安倍晋三首相が指摘し、急浮上した問題である。

有識者を交えた議論を経て、昨年12月に総務省は大手携帯電話各社に対策を要請した。データ通信量や通話時間が少ないライトユーザーの負担の軽減、スマホ購入時に割引を受けない利用者との公平性を図る対策などだ。

それを受けて、携帯電話各社は、ライトユーザー向けの料金プランをつくり、今年2月から実質ゼロ円以下での端末の販売を自粛。同じく2月にスマホの購入補助に一歩踏み込んだガイドライン案ができ、それを微修正したガイドラインが4月1日に適用され、今に至っている。

街中歩くと0円表記

一見すると実質ゼロ円復活のようにも見えるが……

しかし、街中に出ると、戸惑いを覚える表示に遭遇する。それは端末ゼロ円を謳う販売店があるからだ。

そもそも、大手携帯各社は、実質ゼロ円以下での端末販売をやめたのではなかったのか。実はこれ、ガイドラインへの抵触を避けながら、安くお得に見せたい苦肉の策。その実態は中古端末の下取り価格などを含んだものとなる。

ガイドラインにも、下取りについては、端末購入補助には当たらない(中古市場における一般的な買取り価格を著しく超える場合は除く)明確に記述されている。消費者の誤解を招きそうなところに課題は残るが、総務省では「価格の表示の問題であり、ガイドラインとは別の話」(総務省)という姿勢だ。

iPhone SEでギリギリを攻めたドコモ

実質ゼロ円端末は、一部で復活していたとの報道もあるが、誰の目にも触れる形で表示されてしまった出来事もある。ドコモは3月25日にiPhone SEの販売価格を公表した。そのうち、FOMAからXiへの乗り換え対象者について、期間限定で実質負担額をゼロ円としたのだ。

ドコモも実質ゼロ円以下の端末販売を2月からストップしたのではなかったのか。加藤薫社長が1月末の決算発表会でそう宣言したはず。それについてドコモ広報部は「実質ゼロ円を"下回る"価格での販売をとりやめると宣言していた」と説明する。ルールを逸脱しようという意図はなかったようだが、総務省からNGの指摘を受け、ドコモは即座に実質負担額の改定を行うこととなった。

なぜ、ドコモが実質ゼロ円での販売設定をしたのか。その真意についてはよくわからない。ただし、ドコモは、ガイドラインの際(きわ)を攻めたように見えてしまうし、結果的にそれが、消費者を困惑させかねないものとなってしまった。

学割キャンペーンの意図

もうひとつ挙げたいのは、今年1月に携帯各社が発表した学割キャンペーンについてだ。KDDIの場合、スマートフォンを購入し、指定の通信プランを契約した若者に対し、25歳になるまで毎月5GBをデータ通信量を付与するという内容だが、結果的に学割キャンペーンは、ガイドラインの意義に疑問を抱かせたように思われる。

学割キャンペーンは動画利用の多い若者を応援するというが……

1GBの追加チャージが1,000円とすれば、KDDIの場合、5GB付与することで、対象者に毎月5,000円の補助を行っていることになる。総務省も今回の学割キャンペーンを意識し、データ通信の増量分についても、端末購入補助に含むとする文章をガイドラインに盛り込み、釘をさした格好だ。

だが、ガイドラインで縛れたのは、スマホを購入するケースに限定される。今回の学割キャンペーンの対象年齢であっても、スマホを買わなければ特典は得られない。スマホを買う買わないで、利用可能なデータ通信量には、大きな不公平感が生まれてしまう。

本件に関して、総務省は「今回のガイドラインはあくまで端末購入の補助の適正化を目指したもの」と説明する。まずは、スマホ購入時における利用者負担の不公平の解消が第一の目的であり、別の部分で不公平感が増すようなら、別途是正を求める考えのようだ。詰まるところ、押すべき箇所を押したら、別のところが出っ張ってしまったように見えてしまう。

携帯料金の見直し問題は何だったのか

今回の携帯料金の見直し問題を巡っては、いくばくかの戸惑いを覚える。携帯電話の料金見直しが主テーマであったにもかかわらず、端末購入補助の適正化による"公平性の確保"に重点が置かれたように見える。端末購入の公平性を追求したら、サービスの公平性の問題が出てしまった。

こうしてみていくと、携帯料金の見直しとは何だったのか、そう問いかけたくなってしまう。携帯ショップにおける0円表記やiPhone SEの実質ゼロ円の一時的復活も、消費者の戸惑いを生み出しかねない。

携帯料金は多くの人の関心事だ。ガイドラインの適用によって、ひとつの節目を迎えた本件だが、誰もが疑問を抱かず、しっくりくるそんな枠組みの運用が進むことを願うばかりだ。

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Googleマップが壊れた? 3月21日以降、表示がおかしい

地図のダウンロード機能でゼンリンと決裂したか?

新しい地図は機械学習で地図データ生成という指摘も

Googleマップの表示がおかしい。3月21日頃から、Googleマップの不具合を訴える声が各所で相次いでいる。道路の表示や建物の位置が正確でなかったり、地形すら間違っている場所もある。Googleマップにいったい何が起こったのか。

地図データの提供元がゼンリンではない?

Googleマップの日本地図データはこれまで、地図データで国内大手のゼンリンから提供を受けていた。両社の契約状況は公開されていないが、少なくとも不具合が発生している現在のGoogleマップ上からは、以前までは記載されていたゼンリン社の権利表記が消え、「地図データ (C)2019 Google」へと変更されている。

Googleマップからゼンリン社の権利表記が消えた

Google社は今月のはじめ、今後「数週間以内」に、日本のGoogleマップをアップデートすると予告していた。このアップデートでは、特にダウンロード可能なオフラインマップを追加することに注目が集まっていた。オフライン環境でもダウンロード済みの地図を利用できる便利な機能だが、地図データの契約上の課題があり、日本のGoogleマップでは制限されていた機能だからだ。結局、両社は契約の課題を解決できず、ゼンリンが地図データ提供から降りてしまったことが、今回の不具合の原因と見られる。

新しい地図は使い物になるのか?

現在のGoogleマップは、Googleが新規開発した自社製の地図データを利用しているようだが、いまだに不具合が報告され続けている状態状態であり、混乱が収束する目途は見えていない。

なお、この新しい地図は、航空写真で山脈の陰部分が湖になっていたり、並木の多い道路が公園になっていたりする間違いや、ほかにも交差点に面したコンビニエンスストアの駐車場が道路と語認識されていたりすることから、航空写真をもとにした機械学習や、スマホ位置情報の移動軌跡から地図データを生成しているのではないかと指摘されている。

航空写真では山の陰になっている部分が、川と湖になってしまっている
地図では鎌倉街道から大栗橋公園を抜ける道があるが、実態はただの公園広場だ。スマホ位置情報の移動実績をもとに道と認識したか?

新しい地図の仕組みや改善の見込みについては、Google側のアナウンスを待つほかないわけだが、GoogleマップはAndroidの標準地図として利用されており、影響を受けるユーザーがあまりにも多い。他の地図サービスを駆逐して大きな影響力を持っているのだから、責任も伴うはずだ。

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ペットボトルコーヒーに対抗? キリンが目指す「午後の紅茶」

ペットボトルコーヒーに対抗? キリンが目指す「午後の紅茶」"仕事のお供"戦略

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「午後の紅茶」に微糖のミルクティーが登場

新CMでは無糖・微糖を中心に新しい飲用シーンを訴求

ペットボトルコーヒーに対抗? 今後の戦略は

昨年まで、ビジネスマンの仕事のお供として「ペットボトルコーヒー」に注目が集まっていたが、今年は「紅茶」が主戦場になるかもしれない。

3月26日より発売されるキリンの「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」は、これまでの“ペットボトルのミルクティーは甘い”というイメージに反して、缶コーヒーでいちカテゴリを築いている「微糖」が特徴。また、同社が長らくカテゴリ内最大シェアを誇る「午後の紅茶 おいしい無糖」についても、あらたな消費イメージを打ち出す方針だ。

今春から「午後の紅茶」新CMに出演する新木優子さん、深田恭子さん、リリー・フランキーさん

ペットボトル紅茶飲料のトップブランドと言える「午後の紅茶」。この春から公開する新CMには、既存の紅茶飲料のイメージを覆す狙いが透けて見えた。

2つの軸で「紅茶」のイメージを変える

紅茶飲料のイメージと言えば、「午後の紅茶」の名前の由来となっている「アフタヌーンティー」(英国発祥の喫茶習慣)に象徴されるように、「女性の飲み物」であり、「時間的・金銭的余裕がある人の趣味」というところだろうか。それも紅茶という商品のひとつの側面だが、近年の消費者層のメインストリームではなくなっている。

今回、キリンが「午後の紅茶」新CMで打ち出したのは、大きく分けてふたつの飲用イメージだ。深田恭子さんが仕事で車を走らせ、駐車して一服するのに選んだのは微糖のミルクティー。一方、アーティスト然としたリリー・フランキーさんが飲んでいるのは無糖の紅茶。2本ともに「仕事のお供」としての訴求が挙げられる。

車を止め、「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」をひとくち飲む
絵を描く合間にのどを潤すのは「午後の紅茶 おいしい無糖」

もうひとつは、おなじくリリー・フランキーさんがカレーと紅茶飲料を一緒に味わうというCM。過去には同社の無糖紅茶が「おにぎりに合う」と訴求したこともあるが、あらためて食事中の飲料として「フードペアリング」を提案する。

カレーのような香りの強い食べ物とも合わせられる点を訴求
最年少の新木優子さんは、無糖紅茶を飲むようになった自分を「大人になった」と評するCMに出演。若者への無糖紅茶訴求を担う

紅茶を、コーヒーや緑茶と並ぶカテゴリに

カフェなどでは食後の飲み物をコーヒーか紅茶から選ぶのが定番だが、ペットボトル飲料市場では状況が異なる。コーヒーに次ぐ大規模市場は緑茶飲料で、紅茶はそこから比べるとかなり小規模だ。日本全体の清涼飲料市場で見れば、そのシェアは5%以下。仕事中の飲料としてメジャーなコーヒーが14.5%、緑茶飲料が13.3%という数字を見ると、半分以下という状況となっている。

清涼飲料市場において、紅茶はコーヒー、緑茶と比べて市場が小さい

こうした市場背景を確認した上で、今後「紅茶を、コーヒーや緑茶などの無糖茶と並ぶカテゴリに成長させたい」と意欲を示したのは、午後の紅茶を担当するキリンビバレッジ マーケティング部 商品担当 部長代理の加藤麻里子氏。世界での紅茶飲料と茶葉生産量の伸び、国内紅茶市場の回復傾向を論拠に、RTD紅茶のトップブランドとして、新しい紅茶文化を創っていきたいと語った。

「午後の紅茶」ブランド全体としては、既存の定番3種は甘さを求める若年層に対して継続投資を実施。甘さから離れる20代~30代の働く女性に向け、紅茶飲料としては珍しい「微糖」の新製品「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」を投入する。

午後の紅茶ブランドにおける年代別の主要商品マッピング

また、30代後半意以降の年代を健康意識や嗜好の変化から「糖離れ・無糖飲用層」と位置づけ、すでに市場で受け入れられている「午後の紅茶 おいしい無糖」の訴求強化を行っていく。

狙うはペットボトルコーヒーへの「対抗」ではなく…?

「2年前までコーヒーのCMをやっていたのにどのツラ下げて…というのはありますが」と茶化しながらも、自分のような「おじさん」にこそ紅茶は飲みやすいとコメントしたリリー・フランキーさん

製品ごとに異なる年齢層を狙って投入される新CM。「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」「キリン 午後の紅茶 ザ・マイスターズミルクティー」のCMでは、商品をことさらには誇張しない画面作りやキャスティング、出演者の自然体な演技とは裏腹に、「コーヒーから寝返っちゃおうかな」(リリー・フランキー出演「寝返り」編)、「ラテよりこっちかな」(深田恭子出演・「裏切られた」編)など、“コーヒー飲料からの転向”を示唆するようなセリフが目立つ。

働く大人がコーヒーから紅茶に「乗り換え」することを示唆するCMは、ここ2年でワーカー向けのペットボトル飲料の拡大を牽引し、ちょうど先日同ブランドから紅茶飲料を発売したサントリーの「クラフトボス」をはじめ、昨今増えているワーカー向けのコーヒーペット飲料に対する宣戦布告にも読める。だが、加藤氏にペットボトルコーヒー飲料のヒットに紅茶で対抗する構えかどうか尋ねると、決してそうではないという。

「今やひとつのカテゴリとなっているペットボトルコーヒー飲料も、複数社から新商品を展開し、協力して棚の広さを獲得した経緯があります。現状、紅茶飲料の棚は一段程度ですが、これを各社協力して2段へと増やしていきたいです」 

オフィス需要に対して、企業とコラボレーションし飲用機会を設ける試みも

また、「仕事のお供」需要を喚起する施策として、三菱地所に対して仕事中の飲料として「キリン 午後の紅茶 おいしい無糖」を提供。働き方改革推進企業とコラボレーションし、オフィスでの休息機会に手に取る飲料として配布する。今後、他の企業からオファーがあればそちらにも対応するとのこと。想定シーンに対して直接サンプリングすることで、需要の広がりを見込んでいる。

「午後の紅茶」は、日本国内の紅茶飲料としてはNo.1ブランドの地位を獲得しているだけに、紅茶飲用の文化を牽引して、先述の通りコーヒー・緑茶に並ぶ市場規模への拡大を狙っている。

昨今はスターバックスの「TEAVANA」、タリーズコーヒーの紅茶業態などが定着しており、タピオカミルクティーブームも依然続くなど、カフェ業界でも紅茶に追い風が吹いている。今後、午後の紅茶が「コーヒー党」や「緑茶党」をどれだけ引き込めるか、注目したい。

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