スシローの「世界の海からいいネタ100円PROJECT」の難しさ

スシローの「世界の海からいいネタ100円PROJECT」の難しさ

2017.06.09

あきんどスシローが昨年11月に発足させた「世界の海からいいネタ100円PROJECT」。世界各国でとれた厳選ネタを1皿100円で提供するプロジェクトだ。素材調達の苦労が多い企画だが、一時的なプロモーションなのか、永続的な取り組みなのか。

あきんどスシローの水留浩一社長

第7弾まできた厳選ネタプロジェクト

「世界の海からいいネタ100円PROJECT」は、世界各国でとれた厳選ネタを1皿100円、期間限定で提供するプロジェクトだ。昨年12月発売のチリ産うにの「濃厚うに包み」を第1弾として、ニュージーランド産希少サーモンの「生キングサーモン」、アイルランド沖で育ったマグロを使った「天然本鮪赤身」など多数の商品を提供してきた。そして、6月9日発売の「黄金のとろ穴子」で第7弾商品となる。

6月9日発売の「黄金のとろ穴子」
7月21日発売の「本格・うなぎの蒲焼き」

7月21日からは第8弾商品として、中国広州で養殖した「本格・うなぎの蒲焼き」を発売予定、8月は第1弾からの復刻企画を予定、9月以降は、アラスカの天然紅鮭、カナダのオマールロブスターを使った商品を提供していくという。

同プロジェクトに関する説明を受けるのは2度目だが、いずれも商品もおいしく提供するための工夫があり、1皿100円で提供するための秘密がある。

「黄金のとろ穴子」の秘密

たとえば「黄金のとろ穴子」。使うのは、中国・黄海で水揚げされた穴子。外敵が少なく脂ののった肌目の黄色いものがとれやすい。とはいえ、希少な存在であり、水揚げされる穴子の5%程度しかいないともいわれる。良質な穴子だけを仕入れようとすると原価がかかり成立しないが、水揚げされたものを100円PROJECT用、通常用と選別することで、どうにか実現できた。

おいしくするための秘密もある。穴子の第一人者に協力を仰ぎ、加工工程を工夫。煮込みの段階で、温度を若干変化させることで出汁の旨みを浸透させる、ふわっとした食感を出せるようにしたという。

「黄金のとろ穴子」に使うのは下のとろ穴子
煮込み工程でしっかりと味付けをする

第8弾で使用するのは中国広州の養殖うなぎだ。素材調達のハードルは低いが、加工工程に工夫を凝らす。蒸し、焼き、たれ付けの3工程を提携先に設置した全長105メートルの専用レーンで行う。タレも酢飯に合うようにみりんを調整、タレ付けの回数にもこだわった。

専用レーンでしっかりうなぎを焼く
特殊加工でにがみを出さない焼き加減に

100円PROJECTは続くのか

こうした素材調達、加工工程のあり方は、スシロー独自の仕様であり、社内では"スシロースペック"と呼ぶという。つまり、100円PROJECTを実現するには、スシロースペックを受け入れてもらえる協力先が不可欠で探すのが大変。使用する素材はその多くが"天然"ということもあり、安定供給も難しい。多くの困難を伴うのが100円PROJECTなのだ。

苦労の甲斐あってか、今のところスシローの努力は報われているようだ。スシローの2017年9月期上半期は、売上が前年比8.1%増の768億円、純利益(調整後)は同18.6%の33億円と好調。水留浩一社長も「堅調に業績が推移した。そのエンジンになった」と100円PROJECTを評価する。さらに「スシローが今、一番力を入れているのが調達。本当に良いネタを100円で提供し続けるために、必死になって調達強化を進めている。バイヤーも増員した」などと話す。いかに100円PROJECTが重要なポジションとなっているかがわかる発言だ。

この先についても「プロジェクトはある意味、半永久的というか、スシローのど真ん中の取り組み。名前は変わるかもしれないが、ずっと続けて行くと思う」という。

課題は供給

しかし、先に述べたように、供給の難しさが横たわる。素材の調達を担う執行役員 商品本部長 堀江陽氏にこんな言葉をかけてみた。

「100円PROJECTで、社長が半永久的に続けたいと言っているんですが……」と筆者が堀江氏に話しかけ、コメントを求めたときの一瞬の反応が忘れられない。

一瞬止まった堀江氏の表情。それが何を意味するのは本人以外にわからない。その後に話してくれたのは「基本的に天然魚メインの取り組み。難しさは計画性」と調達、安定供給、定期的な商品提供の困難さだった。味、客足、業績を一手に引き受けるスシローの商品本部。100円PROJECTの継続には、言葉では表せないほどの努力があることを感じさせてくれた。

初のEV「I-PACE」を日本に導入するジャガー、日本法人社長に意気込みを聞く

初のEV「I-PACE」を日本に導入するジャガー、日本法人社長に意気込みを聞く

2018.10.16

ジャガー・ランドローバー・ジャパン社長にインタビュー

クルマの完成度に「妥協なし」

充電の不安にジャガーはどう答えるのか

日本導入を素早く決断した背景とは

ジャガー・ランドローバー・ジャパンは、ジャガー初の電気自動車(EV)である「I-PACE」を日本市場に導入し、受注を開始した。日本でも徐々に増えている印象のEVだが、この分野に高級SUVを投入する同社の意気込みは。社長のマグナス・ハンソン氏に聞いた。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン代表取締役のマグナス・ハンソン氏

まず気になったのは、欧州での発表・発売から間もない今のタイミングで、I-PACEの日本市場導入を明らかにした理由だ。ハンソン社長は「技術面で、ジャガーの1台として満足のいく仕上がりに到達したことが大きいです。デザイン、性能はもちろん、1回の充電で470kmという航続距離を実現しており、欧州での評判が高かったので、日本のお客様へもできるだけ早く届けたいと思いました」と説明する。

「輸入車を選ばれるお客様が気に入る車種(筆者注:SUVのこと)での導入であり、性能や取り扱いにおいて高性能であるだけでなく、日常的な用途においても便利なクルマです。選択肢を増やすことができて、日本のお客様に喜んでいただけるに違いないと思いました」(以下、発言はハンソン社長)

ジャガー「I-PACE」。SUVは近年、人気が急激に上昇している車種だが、この分野のEVというのは、まだまだ珍しい存在だ

確かに、SUVは世界的な人気車種だ。そのSUVで、欧州車メーカーのジャガーがEV導入の先陣を切った背景には、米国の電気自動車メーカーであるテスラが手掛けるSUV「モデルX」の動向が、何らかの影響を与えたのだろうか。

「答えはイエスです。EVで初めてのSUVとして、モデルXは、お客様にとってもメディアにとってもベンチマークとなる存在でしょう。モデルXの販売により、お客様がSUVのEVに関心を高めていることが証明されました」

これがテスラの「モデルX」だ

「I-PACEは、欧州勢として初めてとなるSUVのEVであり、モデルXと比べても、性能や装備などにおいて後れを取るところはありません。ジャガーは、これまでも性能や商品性に妥協せず新車を開発し、市場へ導入してきました。商品だけでなく、販売網やサービス網もしっかり構築しています。伝統と歴史のある自動車メーカーのEVとして、テスラとはまた違った価値を持つI-PACEは、お客様にとって魅力的な選択肢になると思っています」

電気ジャガーに妥協なし

発表会の前日には、都内のホテルで顧客向けI-PACEをお披露目したジャガー・ランドローバー・ジャパン。招待客はパーティを楽しみながら、時間を忘れるほどクルマに見入っていた。では、I-PACEは単にEVというだけでなく、ジャガーの1台として、どのような魅力を備えているのだろうか。

「外観は一目でジャガーと分かり、見ていて非常に美しい造形に仕上がっています。発表会でご覧いただいた赤い車体色も大変、魅力的だと思います。室内は運転者を中心としたコクピット感覚で、運転に関わる操作関係は人間工学に基づいた配置となっているので、運転中に下を向いて操作を確認する必要がありません。同時に室内は優雅であり、豪華で、かつ快適性に富み、全ての乗員の方が満足していただける作りであるところが、ジャガーらしさでもあります」

コクピットの操作関係は人間工学に基づいた配置となっている

「走行性能についてはジャガーの技術を全て投入し、躍動感ある走りを実現しています。ジャガーの1台として、I-PACEは全てにおいて一切の妥協がありません」

チャデモ充電に不安なし?

納車は2019年となるが、販売へ向けた準備はどのように進んでいるのだろうか。

「お客様はきっと好きになって下さるだろうという思いを持ち、その期待に応えるべく準備をしています。まず、これまでのジャガーと変わらぬ妥協のない仕上がりにクルマが到達しているので、マーケティング、販売、サービスについては従来同様の姿勢で臨みます」

「ただ、我々が従来よりも努力しなければならない点もあります。販売店への教育という観点では、『エンジン車に比べEVの優位性がどこにあるか』『充電の仕方は』など、新しい内容について、時間を割いて学んでもらっています。お客様に対しては、ジャガー認定の充電器を設置できるよう準備しました。もちろん、日本全国7,000カ所以上の急速充電器を問題なく利用していただくためのサービスも行います」

安心して簡単に充電できるかどうかは、EVの購入を考える上で大事なポイントだ

I-PACEは「CHAdeMO」(チャデモ、EVの急速充電方法)規格に準拠している。このチャデモについては数年前、充電できる施設とできない施設があるとして、フォルクスワーゲンがEVの発売を遅らせるという事態が発生。急速充電器は複数のメーカーが製造しているため、同じチャデモ規格でも、個々の充電器との相性により、クルマによっては充電できないケースがあるのだ。そこで、各自動車メーカーは日本全国の急速充電器で充電できるかどうかを確認している。

「そのことは、承知しています。そこで、全国どこの急速充電器でもI-PACEに充電できるよう、英国の技術者が各方式に対応し、ケーブルやアダプター、接点、天候などの条件によって、どんなことが起きるかを確認しています。日本でも、英国の技術者と組んで確認を進めているので、確信をもってお客様にI-PACEをお届けする準備ができています」

集合住宅で充電設備の導入は進むか

もう1点、日本市場へのI-PACE導入に際して懸念すべき点がある。それは、集合住宅で普通充電(家庭用など)の設備を設置できない状況があることだ。集合住宅の駐車場は、住民全ての共用の場となっているので、充電設備の設置は管理組合の議題となる。そこで合意が得られないと、充電コンセント1つ設置できないというケースが実際に発生しているのだ。

「我々がすぐにできることとしては、まず、公共の充電設備を問題なく使えるようにします。次に、戸建て住宅にお住まいの方には、ジャガー認定の充電器を設置できますし、充電インフラに関するご相談にも対応します」

戸建て住宅に済んでいれば、充電についてそこまで心配はいらないのだが……

「そして、問題の集合住宅に関しては、複雑な背景があることを理解しています。ですが、時間が経過するにつれ、お客様のEVへの要望が高まることにより、社会の多くの方に、充電設備設置の必要性を理解していただける日が来るだろうと考えています。また、マンション建設を行う事業者の方も、充電器の設置が求められている状況は認識してくださると思います」

この夏の猛暑や台風の影響を考えれば、気候変動が起きていないと主張することは誰にとっても難しいはずだ。排ガスを出さないEVの普及は、所有者だけでなく、社会の要請としても喫緊の課題となっている。

日本での「I-PACE」発表会にはプロテニスプレイヤーの錦織圭選手も登場。中央がハンソン社長

最後に、I-PACEは受注が始まったばかりだが、その手応えはどうなのだろうか。ハンソン社長は「とてもハッピーであり、誇りにも感じ、日本のお客様にとって最良の選択肢であると確信しています。ジャガー全体の印象としても、企業にとって、また所有される方にとっても、最高の価値を与えてくれるでしょう。欧州同様、日本でも良好な販売が可能だと思っています」と話していた。

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2018.10.16

ジャガーが日本で電気自動車「I-PACE」の受注を開始

造形は間違いなくジャガー、その走りやいかに?

航続距離は470km! 唯一の弱点を克服したEVの可能性

英国のジャガーが手掛けた電気自動車(EV)「I-PACE」が日本上陸を果たした。すでに注文を受け付けていて、納車開始は年明け2019年の予定となっている。

ジャガー・ランドローバー・ジャパンはジャガー初の電気自動車「I-PACE」の受注を開始した。グレードは「S」「SE」「HSE」の3つで価格は959万円~1,162万円(税込み)。「FIRST EDITION」は1,312万円だ

EVならではのクルマづくりで広い室内を実現

I-PACEはジャガーのエンジン車である「F-PACE」や「E-PACE」と同様に、SUV(スポーツ多目的車)のスタイルをとったEVである。ただし、エンジン車とは全く異なる仕立てで、EV専用にジャガーがゼロから開発した。とはいえ、近年のジャガーに通じる造形は一目でジャガーだと気づかせてくれる。見間違うことはないはずだ。

関連記事:「E-PACE」を日本で発売! ジャガーがSUVを作る2つの理由とは何か

車体はエンジン車のF-PACEに近い大きさだが、前後タイヤ間の距離であるホイールベースは2.99mあり、F-PACEより10cm以上長い。これはI-PACEが前後にモーターを持ち、いわゆるエンジンルーム内には従来のエンジンやトランスミッションなどを持たないため、客室を前輪に近いところまで広げることができたことによる。

サイズは全高1,565mm、全長4,682mm、全幅2,011mm。リアシート後方のラゲッジスペースは容量656Lで、シートを倒せば最大1,453Lまで広くなる

正面にはラジエーターグリルがあるが、もちろんエンジンを冷やすための設備ではない。そこから入った空気は、ボンネットフード上のエアダクトから排出されて、その空気の流れが滑らかな流線を描き、空気抵抗を減らす役目を果たす。前後タイヤのオーバーハング(タイヤよりも外型に出ている部分)は共に極めて短く、エンジン車とは全く異なる姿である。従来と異なる新しさ、先進性を発散する外見は、独特の存在感を感じさせる。それでも、全体を見れば間違いなくジャガーだと分かる造形なのである。

ラジエーターグリルを備えるが、それはエンジン冷却用ではない

室内は、運転者中心の空間を基本とし、エンジン回転計が不要なメーターは、カーナビゲーションの地図のほか、様々な情報を表示する機能を持つ。同時にヘッドアップディスプレイも装備するため、運転中に大きく目線をそらさずに済む。より安全性が高く、安心の運転席周りといえるだろう。シフト操作は単純なボタンスイッチだ。

長いホイールベースをいかした室内は広く、同乗者にも快適な空間をもたらしている。バッテリーを床下に収納しているため、室内の床は平らで足元も広い。

EV専用にゼロから開発した意義

I-PACEは、EVが単に環境に適したクルマであるだけでなく、運転のしやすさや室内の快適さをも格段に飛躍させる素養を備えることを、改めて実感させるクルマだ。そういった商品性をジャガーは、EV専用にI-PACEをゼロから開発することで実現した。それは、テスラのクルマやBMWのEV「i3」も同様で、これらのクルマはEVならではの良さを引き立たせている。

東京ミッドタウン日比谷で開催された「I-PACE」の発表会には、自身もジャガーに乗っているというプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が駆けつけた

逆に、エンジン車とEVの使い勝手を変えないのが、フォルクスワーゲンの「e-GOLF」だ。その点、エンジン車からの乗り換えには不自由しないが、あえてEVを選ぼうという人に対し、その魅力を存分に伝え切れているかどうかは疑問でもある。

このように、クルマの電動化に対する自動車メーカーの考え方は様々だが、ジャガーは電動化の時代を前に、EVの魅力を最大限に引き出すことに挑戦し、その考えをI-PACEとして結実させた。

EVでジャガーの走りは追求できるか

ジャガーといえばスポーツカーに始まり、高級乗用車として英国を代表するに至ったクルマである。したがって、I-PACEに込められた性能は、競合他社やエンジン車に引けを取らない水準に達しているというのが同社の説明だ。

ジャガー「I-PACE」のコックピット

前後のモーターを合わせたI-PACEの最高出力400PSは、直列4気筒の2.0リッターガソリンターボエンジンを積む「F-PACE R-SPORT」の300PSを超えているどころか、ジャガーのスポーツカーである「F-TYPE」が搭載するV型6気筒エンジンの340PSをも上回っている(ただしV型8気筒エンジンは550PS)。その上、最大トルクは696Nmで、この数字はF-TYPEが積むV8エンジンの680Nmを凌駕する。このトルクの強大さは、モーターならではの特性だ。それにより、停止状態から時速100kmまでの加速時間は4.8秒と、F-TYPEの4.1秒に迫る俊足ぶりである。

こうした速さは、例えば三菱自動車工業の軽自動車である「i-MiEV」も同様に持つEVの特性だ。エンジン車に比べ、はるかに加速は強く滑らかで、車体をぐいぐい引っ張っていく感触がある。ゴルフ場の電気カートを見て「EVは遅いのでは?」と想像していた人は、まさに目から鱗が落ちる思いをするだろう。

EVが遅いものと想像して「I-PACE」に乗る人は、大いに驚くはずだ

EVの走りの特質は、その加速のよさだけではない。重いバッテリーを床下に搭載する例がほとんどであるため、重心が低く、より安定した走りになるのだ。さらにI-PACEは、ジャガー伝統のしなやかなサスペンションを備えているので、低重心をいかした思い通りのコーナリングを体験できるのではないだろうか。

いずれにしても、EVはEVであること自体が高性能の証であり、その走りは高性能車に乗り慣れている人をも納得させる域に達する。

EVであることは、それ自体が性能の高さを意味する

もちろん、排気音のないEVは静粛性にも優れる。静けさは、高級車が求める究極の室内環境だ。滑らかで快適な乗り心地と静けさ、そして俊足の走りは、新次元の移動体験を運転者にも同乗者にももたらすだろう。

ジャガーをはじめ、これまでの上級車種が追い求めてきた高次元の走りを簡単に実現してしまうのがモーターだ。例えば直列6気筒やV型12気筒は、エンジンとして最高のバランスといわれ、振動が少なく、滑らかで快い加速をもたらすことで知られているが、そういった特性はモーターも共有している。EVが究極のクルマとさえ考えられている理由がそこにある。

静かな走りはEVの特徴。“咆哮”なきジャガーを物足りないと思う人もいるかもしれないが、静かに走る電気ジャガーに、ネコ科の猛獣らしさを感じることだってできるはずだ(画像は「I-PACE」の前席)

一方、バッテリー性能によって長距離を走れないというのが、EVにとって唯一の弱点といってよかった。しかし、I-PACEは1回の充電で470kmという航続距離を実現している。エンジン車でさえ、出発して一度の休みもなく400km以上を運転し続けることは、まれではないか。途中で休憩するなら、その時に急速充電すれば、さらに足を伸ばせる。

もはや欠点を克服したEVが、エンジン車に対する優位性を強調する時代は訪れている。そうした中、1,000万円前後する上級SUVに、I-PACEというEVの選択肢が登場したのだ。テスラ「モデルX」と同じく、時代を牽引する人たちからの注目を集めるクルマだといえるだろう。