ファーウェイ「P10」シリーズ、上位モデルの売行きに注目すべき理由

ファーウェイ「P10」シリーズ、上位モデルの売行きに注目すべき理由

2017.06.14

ファーウェイは新スマートフォンとしてP10シリーズ3機種を発売した。最も売行きが見込まれるのは廉価モデルの「P10 lite」だが、新製品発表会で力を入れて解説したのは上位モデルの「P10」と「P10 Plus」。そこには理由がある。

写真左からゲストとして登場した藤本美貴さん、ファーウェイ・ジャパンの呉・波デバイスプレジデント、ゲストの片瀬那奈さん

勢いに乗るファーウェイ

国内のSIMフリースマートフォン市場で絶好調のファーウェイ。昨年発売した廉価モデルの「P9 lite」(市場想定価格税別22,800円、発売当初は同29,980円)がヒットし、メーカー別SIMフリースマホでシェアナンバー1を獲得するまでになった。

2017年1月から5月におけるSIMフリースマートフォンシェア(BCNデータより)

ヒットの理由として、コストとパフォーマンスのバランスに優れていたことが挙げられる。その後継モデルとして「P10 lite」が発売(税別29,980円)され、P10 liteに期待が集まりそうだが、発表会当日にファーウェイが力を入れて説明したのは上位モデルのほうだった。

ライカと共同開発し、カメラ機能に特徴を持たせた「P10」(税別65,800円)と「P10 Plus」(税別72,800円)。多様な機能を持つ上位モデルの解説に力が入ることに、不自然さはない。そうした見方もあろうが、売れ筋と見られるP10 liteの解説は素っ気なく、何か引っ掛かりを覚えるのだ。

P10。端末右上にLEICAの文字が見える

売れるのはP10 lite

当のファーウェイは何を考えているのか。ファーウェイ・ジャパンの呉・波デバイスプレジデントに、売れ行きの見通しについて聞いたところ、「SIMフリースマホ市場では3万円代が普及価格帯。これは当面続く。販売量で見た場合、P10 liteが一番売れると思う」と話す。

それであれば、P10 lite推しでもいいはず。だが、そうならなかったのは理由がある。今のうちから上位モデルを認知して欲しいというメッセージがあるからだ。

呉氏の説明はこうだ。日本のSIMフリースマホは市場が形成され始めた2014年、2台目としての需要があったが、今ではメイン端末として利用されるようになってきた。本来、日本で一番売れているのは、価格帯の高い端末。こうした傾向から、今後は上位モデルがフォーカスされていくと見ている。呉氏は「あくまで個人の見解だが、他社も500ドル以上の新機種を出していくと思う。プレイヤーが集まれば、市場のパイも大きくなっていく」と話す。

同社の課題は、500ドル以上の端末の普及である。そのため、今後を考えるのであれば、P10 liteではなく、上位モデルをどうにかしたいというのがファーウェイの本音。ブランディングの観点から、認知度を向上させるべく、発表会では上位モデルの説明に時間を割いたようだ。

上位モデルの売れ行きは大手が動くバロメーター

スマートフォン市場の動向を占う上で、注目したいのは、「P10」「P10 Plus」のような高価格帯の売れ行きだ。売れ行き次第で、大手キャリアも何らかの動きを見せる予感もするからだ。

5月、NTTドコモは「docomo with」という料金プランを発表した。これは「arrows Be」と「Galaxy Feel」のいずれかを定価購入することで、毎月1,500円の割引きが永遠に受けられるというものだ。前者は税込28,512円、後者は税込36,288円での販売となる。

docomo withは指定端末を定価購入することで毎月1,500円の割引きが永遠に受けられる仕組み

気にすべきはこの価格帯。2つの端末の価格は、SIMフリースマホ市場の普及価格帯と一致する。つまり、ドコモとしては、MVNOへの顧客流出を対策を打ち出したことになる。

ドコモ自身はそもそも10万円もするような高価格なスマホを定価で買ってもらうには、心理的な抵抗が大きい(今まで実質ゼロ円になるような割引があったため)とし、2万円から3万円台の端末が対象になったと説明する。MVNO対策ではないと強調もしている。とはいえ、結果的にはMVNO対策と見ることは十分に可能だ。

呉氏が語るように、SIMフリースマホの高価格化が進んでいくならば、中長期的には、こうしたMVNO対策と思われる施策において、対応端末の価格の上限アップといった変化も生じることも予測される。ファーウェイの上位モデルもしくはそれに類似した価格帯のSIMフリースマホの売れ行きは、大手キャリアの動向を察知する上でのバロメーターになりそうだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu