"メジャーフルーツ"になれるか? 「国産ザクロ」の挑戦

2016.04.08

庭木でよく見かけるザクロ。赤い実を割ってみると真っ赤な粒がこれでもかと詰まっており、食べてみると甘酸っぱい。庭木ではそこらで見るのに、スーパーで売られているのは「カリフォルニア産」。そういえば、筆者は「国産ザクロ」を買ったことも食べたこともないと気づいた。

皮をむくと、中には赤い粒がつまっているザクロ。この粒々を食べる(写真:PIXTA)

ザクロという果物に対して、筆者のように「スーパーで買って食べる、甘くておいしい果物」というイメージを持っている人もいれば、「庭の木からもいで食べる、酸っぱくてカタイ種のある果物」というイメージを持つ人もいる。筆者のまわりでは、「庭の木になるんだからわざわざ買う必要なんてない」と認識している人も少なからずいた(ちなみに、こう述べたのは概して男性)。

スーパーで買って食べるザクロはアメリカやチリ産のもので、きちんと管理されて育ったものだ。ゆえに甘くておいしいし、見た目も立派。一方で、庭木からとれるザクロはあくまで樹や花を愛でるための園芸用であり、果実を売ろうとして栽培したわけでもない。残念ながら、日本国内にはザクロの果実を商業栽培している地域がほとんどなく、正確な統計もとられていないのが現状だ。

不遇のザクロ

「女性ホルモンであるエストロゲンが含まれている」。そんな謳い文句で一時期ザクロがブームになったが、2000年に国民生活センターがテストした結果、期待されるような成分は検出されなかった。ブームは去り、今でもジュースやザクロ酢は細々と売られているが、決してメジャーとはいえない存在だ。

今でこそ"マイナー果物"の地位に甘んじているザクロ。しかし、江戸時代には「甲斐八珍果」のひとつとされていた。甲斐八珍果とは、甲斐国の代表的な果物8種類「ぶどう」「なし」「桃」「柿」「栗」「りんご」「ざくろ」「ぎんなん(またはくるみ)」を総称したもの(山梨県のホームページより)。甲斐国の代表的な果物としてもてはやされていたのに、どうやら忘れ去られてしまったようだ。

スーパーで買えるのはアメリカやチリから輸入したもの。カリフォルニアの「ワンダフル種」という品種が主流だ。グラフはアメリカからのザクロ輸入動向。輸入量は増加傾向にある(米国ザクロ協会提供のデータをもとに作成)

そんなザクロの機能性に注目したのが森下仁丹だ。

森下仁丹は、ザクロ特有のポリフェノールを濃縮した独自の「ザクロエキス」が、タンパク質の糖による変性を抑制する抗糖化作用、ビフィズス菌の生存を維持させるプレバイオ作用、抗アレルギー作用、長寿遺伝子として知られるサーチュイン遺伝子活性化作用などを持つと明らかにし、有用性研究を進めている。どんな有用性かざっくりいうと、ザクロは美肌やアンチエイジングなどに効果があるかもしれないのだ。

ザクロの機能性を利用した商品化を通じて、日本国内でのザクロ栽培を商業化することも見据えている。その産地として、山梨県に白羽の矢が立ったというわけだ。これにより、農林水産省の補助事業「平成25年度 緑と水の環境技術革命プロジェクト事業(新技術の事業化実証)」に採択された。2015年3月をもって同プロジェクト自体はいったん終了したものの、これをキッカケに誕生したのが「ザクロ果実栽培・利用研究会」(以下、ザクロ研究会)なる組織だ。

ザクロの栽培・加工を研究中

森下仁丹のプロジェクトをキッカケに、ザクロ研究会が発足。会長はテクノ・サイエンスローカル事務所 代表の小宮山美弘氏、副会長は山梨大学 生命環境学部 教授の村松昇氏が務める。ザクロ研究会は、国内にザクロの集積栽培地を作ることが目標だ。国内でザクロをいかに栽培するかという栽培方法の研究、収穫したザクロをどのように消費者に届けるかという加工品研究などを進めている。

テクノ・サイエンスローカル事務所 代表の小宮山美弘氏

この試みが成功すれば、山梨県は日本初のザクロ産地となりうる。山梨といえばブドウや桃の産地として有名だが、村松氏によれば「全国的にみて降水量が少ない」「全国的にみて年間日照時間が長い」「水はけがよい」といった点がザクロの栽培にも適しているそうだ。ザクロは、ブドウや桃に比べて病害虫も少なく、管理作業も少なめ。こういったメリットも、新たな山梨県の特産果物として注目される理由のひとつだ。

何にせよ、国内で本格的に栽培されたことがないため、栽培マニュアルもない状態。カリフォルニアから輸入されているザクロのほとんどが「ワンダフル」という品種だが、ワンダフルが山梨の気候に合っているとは限らない。現在はさまざまな品種を試験的に栽培している状況だ。山梨大学生命環境学部附属小曲農場のほか、都留市、甲州市、富士川町の県内各地で試験栽培が行われている。

山梨に適した育て方を研究

試験栽培地のひとつ、山梨大学附属農場を訪れた。附属農場のほとんどでブドウが栽培されているなか、桃やスモモ、梅、ナシ、リンゴなどと並んでザクロも栽培されていた。山梨大学生命環境学部附属小曲農場ではワンダフルのほか、「水晶大実」「キング」「アークデニス」「スイートハニー」といった品種を育てている。庭木として植えられている従来品種に比べて、「果実が大きい」「種子が小さい(もしくは軟らかい)」「成熟しても果実が開裂しにくい」という理由でこれらの品種を選んだ。

附属農場のザクロはそろそろ3年生になるが、まだ実がなったことはない。村松氏は「今秋にはなんとか実ができるのでは」と予測。加工技術の検討などをしつつ、実がなるのを待っている。

筆者が訪れたのは3月下旬で、桃の花が5分咲きといった様子だった。「枯れているよう見た目ですが、実際にはこれから芽が出て6月頃には花が咲きます」と山梨大学 生命環境学部 教授の村松昇氏が教えてくれた
ビニールハウス内の苗はチマチマっと芽吹いていた
都留市で試験栽培しているザクロの花が咲いたところ。2015年6月撮影(提供:ザクロ研究会)

加工技術の研究も並行して行う。ザクロは果実のなかに可食部分である「アリル」(種衣)と呼ばれる赤い粒が詰まっている特殊な構造だ。ゆえに、ほかの果物の搾汁方法などを応用しにくい。果実のいちばん外側にある皮を除き、アリル部分のみを取り出して搾汁するのだが、アリル部分のみを取り出すのがなかなか大変な作業。手作業なので当然コストもかかる。山梨県内のザクロ約30kgをかき集めて実用レベルで果汁を試作したところ、全体経費の約70%をこのアリル取得作業が占めてしまったそうだ。

【左】ザクロ研究会でもイラン産の濃縮果汁を用いてワインや酢を試作したことはあったが、国産のザクロを用いて果汁を作るのはこれが初。搾汁自体はパルパーフィニッシャーという機械を使用(提供:ザクロ研究会)。【右】試作した果汁をいただいた。左がアメリカ産ザクロを用いた市販のジュース、右が山梨県産ザクロのジュース

試作した果汁をいただいたところ、生のザクロに近い味わいで香り高く甘かった。同時に飲んだアメリカ産ザクロを用いた市販ジュースに比べて、あまり酸っぱくない。加工方法が異なるので一概に比較できないが、個人的には試作果汁のほうがおいしいと感じた。色も試作果汁は淡いピンク色、市販ジュースはダークな赤色でかなり異なる。両者の色のちがいを、小宮山氏は「チェリーと似たような傾向」という。たしかに、市販ジュースはアメリカンチェリー、試作果汁はさくらんぼのような色合いだ。

課題は山積み、一方で可能性も大きい

冒頭から述べているとおり、日本国内でのザクロ栽培はほとんど実績がない。スーパーなどの店頭に並ぶカリフォルニア産ザクロはだいたいが500g前後と大きく、見た目もツヤっとしていて美しい。消費者好みのルックスというわけだ。

カリフォルニア産ザクロには見た目では及ばないが、カットフルーツ(アリルのみ)や果汁なら見た目はそこまで重要な要素にはならない(むしろ、購入者としても皮をむく手間が省ける)。あとはいかにコストを削減できるか、機能性をアピールできるか、といった点がカギとなりそうだ。

とはいっても、「実がならないことにはなんともいえない」(村松氏)。試験栽培が成功し、栽培マニュアルが整えば、本格的にザクロ栽培をスタートできる。店頭に国産ザクロが流通するには数年から数十年かかりそうだが、小宮山氏は「2020年までにはなんとか」と意欲をみせている。2020年の東京オリンピック開催時には、ふだんからザクロを食べている国や地域の人々が日本へやってくるからだ。

小宮山氏と村松氏は中国の泰安で開催された国際シンポジウムにも参加。一面がザクロ畑という、日本では考えられない光景にも出会ったそうだ。そのほか、トルコやイスラエルで栽培・生産が急激に伸びているなど注目度が高いと実感したという

ところで、「第7次ワインブーム」が2012年頃から始まり、今後も息長く続くとみられている。ブームが続いている理由のひとつが国産ワインの品質向上だ。小宮山氏は山梨県ワインセンター支所長などを務め、国産ワインの振興にも貢献した人物。ブドウの栽培技術や醸造技術が数十年かけて研究されてきたからこそ、国産ワインは現在の地位を獲得した。

日本におけるザクロ栽培も現在は"仕込み"の時期といえる。小宮山氏によれば、農家側の関心は低く、積極的に作ってみたいという声はまだあまり聞かないそうだ。しかし、ザクロはアリル部分だけでなく、皮や種子、葉も漢方薬や化粧品として使えるというコストパフォーマンスに優れた果物。特産品になれば花が咲くシーズン(しかも、初夏に比較的長く咲く)には観光需要も喚起できそうだ。今、まだ脚光を浴びていないのが逆にチャンスともいえる。

「選択と集中」が進みすぎた、日本の科学技術への投資

藤田朋宏の必殺仕分け人 第1回

「選択と集中」が進みすぎた、日本の科学技術への投資

2018.11.15

ちとせグループCEOの藤田朋宏氏による新連載

巷を賑わす”ヘンな出来事”の問題点を、独自の解釈で洗い出す!

第1回は、「日本の科学技術投資」について

バイオベンチャー企業群「ちとせグループ」のCEOを務める藤田朋宏氏による新連載。“手段と目的の違い”によって生じた「ヘンな出来事」の問題点を、独自の視点で語ります。第1回は、「日本の科学技術投資」について。日本の科学技術への投資の問題点とはいったい何なのでしょう?

才能と“伸びしろ”に投資する、日本サッカー協会

先日、クアラルンプールに出張したときのこと。宿泊先のホテルが偶然にもサッカーの日本代表と同じだった。「日本代表」と言っても、同じホテルに泊まっていたのは本田や長友ではなく、U-16アジア選手権に参加している若い選手たち。

そこで彼らを見ていて、ふと考えた。日本サッカー協会の「選手への投資」は、実は凄く効率がいいのではないか。どうしてそう思ったのか、順を追って説明したい。

ホテルに置いてあったU-16アジア選手権のバナー

チェックインを済ませ、「部屋の準備があるから、ちょっとだけそこで待っていて」と指示するホテルマンに従い、ひとりロビーに放置されている間、何となしに選手の情報を調べてみた。それから一時間半。23名の選手一人ひとりの顔だけでなく、利き足まで覚えるくらいの時間が経っても、僕はまだロビーで放っておかれたままだった。まぁ、東南アジアではよくあることなので、腹は立たなかった。

ところで、「過去のU-16日本代表がその後、何度も日本代表に選ばれる割合はどれほどだろうか」と疑問に感じ、調べてみたところ、各年20数名の代表選手のうち、現役で活躍している選手は約1人であることが分かった。確かに16歳の段階では身体の発達に差があるし、試合で活躍できるかは運の要素も絡む。コーチとの相性やケガの問題もあるだろう。

そうは言っても、16歳の時点で日本代表に選ばれるだけのポテンシャルを持つ選手のうち、その数%しか将来も活躍できる選手がいない、という事実には驚いた。実際、長谷部、本田、岡崎、長友……など、この10年で活躍している選手たちの多くは、16歳時点ではそこまで期待されていなかった選手ばかりだ。

ではなぜ、そういった選手が後に日の目を浴びられたかというと、それは彼らにも「チャンス」を与えられていたからだろう。日本サッカー協会は、16歳時点で選抜したトップ選手だけに集中投資するだけではなく、同年代の他の有望選手にもしっかりとチャンスを与え続けられるような仕組みをつくれたのだと思う。

際立って目立つ選手だけではなく、将来の伸びしろがありえる選手にも、最低限のチャンスは回ってくることで、未来のトップ選手の育成が図れる。そうやって日本サッカー協会はこれまで、世界に通用するような選手を輩出してきた。

「科学技術に投資せよ」ではなく、予算配分の再考を

前置きが長くなってしまったが、ここから本題に入りたい。

先日、京都大学特別教授の本庶佑先生がノーベル賞を受賞したというニュースが流れた。「自分がバイオテクノロジー業界で働く人間だから」というのは関係なく、本庶先生と周りのチームの方々の長年にわたる科学に対する貢献が認められたこと、その事実に接した関係者の気持ちを想像すると、とても嬉しい気持ちになった。

ノーベル賞メダル(レプリカ)

 

近年、日本人のノーベル賞受賞が続いている。彼らのような日本の科学業界の仕組みをよくわかった方々は、これまで数多くのご苦労をされてきたことだろう。しかし、1つ残念なこともある。能力はもちろん、人格的にも優れたそういった先生方が、ノーベル賞受賞のタイミングでマスコミに発表する一世一代のコメントが「日本国の科学技術投資、科学技術教育のあり方についての憂い」であることだ。

僭越ながら、先生たちのコメントを解釈すると、よくニュースで取り上げられるような「科学技術にもっとお金を使え」ということではなく、その先にある「国家予算の配分」についての指摘をしていると認識している。

誰がなんと言おうと、日本の科学技術投資の選択と集中は年々進んでしまっているのが現状だ。しかし、先生方のいうような「選択と集中が進みすぎている」という指摘に対して、「日本にはもうお金がないのだから科学技術にばかり投資できない」と答えがずれてしまっている。

これこそが、日本の科学技術投資における問題ではないだろうか。

日本にはびこる「選択と集中こそが正解だよ病」

随分前からずっと不思議なのだが、そもそも「選択と集中こそが正解である」なんて、誰がいい出したのだろう。「選択と集中」の戦略で物事をうまく切り抜けられるようなことは、本当に生きるか死ぬか、背水の陣を敷いている時くらいだと思うのだ。

今の日本の「選択と集中こそが正解だよ病」はなかなか根深く、そもそもの目的を実現することよりも「選択と集中」を行うことそのものが目的になっているんじゃないかと感じることが多い。

今の日本で行われている多くの意思決定の場面で、サッカーの例で例えると、U-16日本代表を選んだ人のメンツを潰さないということが、強い日本代表をつくることよりも優先されてしまっているように思う。

そのため、16歳の時点で選んだ選手だけに集中投資し、16歳の段階で選ばれなかった他の選手のポテンシャルに賭けることもしないというような「選択と集中が正解である」という間違えた進め方で意思決定が行われているようなことが多いように感じる。

サッカー選手の育成でも、科学技術の投資でも初期の段階で選抜してそこだけに集中投資するという戦略を繰り返せば繰り返すほど、全体としての力は落ちる一方になるのではないか。歴代のノーベル賞受賞者の先生方も、そういうことを言いたかったのではないかと思う。

手段であるはずの「選択と集中」が、目的となっている?

私は、「16歳の段階で、将来素晴らしいサッカー選手になる人物を見分けられる」なんて言葉は、伸びしろのある選手に対しておこがましいと感じる。これは科学技術の研究にも同じことが言える。「その研究が将来素晴らしい成果を残すかどうか見分けられる」なんて言葉は、科学者に対しておこがましい。

もっと言ってしまえば、どの研究が将来化けるかの判断は、16歳のサッカー選手の成長を言い当てることより遥かに難しいだろう。なぜならば、サッカーという競技のルール自体は変わらないが、科学と言う競技はルール自体を決めているので、科学研究の将来性をあらかじめ予測するのは16歳のサッカー選手の将来性を予測するより難しいためだ。

そんな中、日本サッカー協会が幅広い底上げに力を入れ、紆余曲折も有りながらも右肩上がりの成長を維持できているにも関わらず、日本の科学技術投資は過剰な「選択と集中」を強めるが故に、科学技術力の相対的な低下を招いているように感じる。

その差はいったい何か? これは1つの仮説でしかないが、日本サッカー協会の強さの秘訣は、会長の独断で物事を決められる側面が強い組織であるために「目的」がハッキリしている点にあるのではないだろうか。

その一方で、日本の科学技術投資のような“数多くの人の善意の組み合わせの上になり立っている意思決定機構”では「選択と集中を進めることが正解である」という、本来手段の一つである価値観が「目的」となってしまっているように感じる。

本来考えるべきは、「日本の科学技術をどうするべきか」ということであるにも関わらず、その手段と目的が逆転しまっているのではないだろうか、と思うのだ。

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

2018.11.14

音楽に特化した「YouTube Music」が日本でスタート

有料会員になれば、広告なし再生やオフライン再生が可能

YouTube Premiumでは、オリジナルコンテンツの配信も開始

仕事や作業をする際、周りのノイズをカットして集中するために、音楽を聴くという人は多いだろう。わかる。よくわかる。フロアが騒がしいと作業に全く集中できない。周りで仕事している人がいるということがわからないのだろうか、と疑問に思うが、まぁそれは置いておいて、パソコンで作業する場合、手軽に好きな音楽を聴けることから、YouTubeで音楽を聴くという人も多いのではないだろうか。

そんなYouTubeユーザーに朗報である。11月14日、Googleは音楽に特化したストリーミング再生サービス「YouTube Music」を日本でローンチすると発表したのだ。

好みやシーンに応じて楽曲をレコメンド

YouTube Musicは、音楽再生に特化したアプリ。YouTubeにある公式の曲やプレイリスト、歌ってみた、弾いてみたなど、さまざまな音楽動画を視聴することができる。

また、機械学習が活用されているのも特徴の1つだ。視聴履歴などからユーザーの好みを把握するだけでなく、「いつどこで何をしているのか」を類推して、シーンに合わせた楽曲をレコメンド。家でリラックスしているときにお勧めの曲や、仕事中にお勧めの曲などを、自動でピックアップしてくれるという。

さらに、あいまいなカタカナ発音で洋楽を検索したり、CMタイアップ曲などから検索したりすることも可能で、聴きたい曲をスムーズに探すことができそうだ。

サービスの発表会において、YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏は「オーディエンスに着目した結果、今出ているアプリでは満足できていない層があることがわかり、そのユーザーに音楽サービスを届けようとこのサービスをスタートしました。YouTube Musicは、ユーザーの利用シーンや好みに合わせた曲を、YouTubeにある膨大なミュージックカタログからレコメンドするユニークさを持っています」と、サービスの魅力を強調した。

YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏

無料でも利用できるが、有料のYouTube Music Premiumに登録すると、「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」などが可能になる。料金はWeb/Androidが月額980円で、iOSが月額1280円(ともに税込み)だ。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏は「日本ユーザーの方は通勤通学などで音楽を聴くことが多いと思います。オフライン再生機能では、前日の夜に自宅のWi-Fiで翌日聴くべき曲を自動で更新し、通信なしで聴けるようになります。データの通信量などを気にする必要もないので、非常に便利な機能だと思います」と、オフライン再生のメリットを訴求した。

なお、同サービスには著作権管理システムが働いており、YouTubeと同様に適切な権利コントロールが可能だという。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏

「YouTube Originals」が日本でも始動

また今回、「YouTube Premium」という新しい有料プランもスタートする。料金はWeb/Androidだと月額1180円で、iOSだと月額1550円(ともに税込み)だ。YouTube Music Premiumの機能に加えて、YouTubeでも「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」機能が使えるようになる。

さらに、YouTube Premiumの会員は、12月から日本でも配信される予定のYouTubeオリジナルコンテンツ「YouTube Originals」を視聴することも可能だ。すでに世界30カ国でコンテンツを展開しているが、このたび、日本でも制作がスタート。SEKAI NO OWARIとMARVLEがコラボしたミュージックビデオ制作の裏側に迫るドキュメンタリー「Re:IMAGINE」、YouTuberのはじめしゃちょーが主演する連続ドラマ「The Fake Show」、YouTubeで人気のクリエイターが手がけた「隙間男:Stalking Vampire」の3つだ。

「YouTube Music Premium」と「YouTube Premium」で利用可能な機能
日本で制作される「YouTube Originals」のコンテンツ

発表会には「The Fake Show」に主演する、YouTuberのはじめしゃちょーが駆けつけた。

はじめしゃちょー

「今回僕が出演するのは、今までなかったYouTuberをテーマにしたドラマ。アカウント乗っ取りや炎上など、問題に直面しながらも夢に向かって進んでいく姿が描かれているので、僕の動画を見たことない人にも見てほしいですね」と動画の紹介をするとともに、YouTube Musicについて「普段、広く浅く、さまざまな音楽を聴くので、非常に楽しみなサービスです。ぜひ使ってみたいと思います」と期待を述べた。

なお、YouTube Musicは「Google Home」「Google Home Mini」にも対応予定。そのほか、現在「Google Play Music」を利用しているユーザーは、追加料金なしで移行することができるという。