レクサス新型「LS」が日本に! 世界初の技術でドイツ勢に先行できるか

レクサス新型「LS」が日本に! 世界初の技術でドイツ勢に先行できるか

2017.06.27

トヨタ自動車はラグジュアリーブランド「レクサス」のフラッグシップモデル「LS」の新型を日本で初公開した。プレミアムカー市場ではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの“ジャーマンスリー”と比較されることの多いレクサスだが、LSはある分野で世界一を目指すという。そのカギを握るのが、世界初搭載となる新規技術だ。

日本初公開となったレクサスの新型LS

世界初採用のアクティブ操舵回避支援技術

レクサスはトヨタが展開するラグジュアリーブランドで、「時代を先取りし、新たな驚きを創造すること」をクルマづくりの信念とする。LSはレクサスのフラッグシップセダンで、1989年に初代が登場。今回の新型は5代目で、2017年1月のデトロイトモーターショーにてワールドプレミアが行われた。車種は「V6 3.5L ツインターボエンジン」を積む「LS500」とハイブリッドの「LS500h」を用意する。発売は2017年秋以降で、価格は現時点で明らかになっていない。

トヨタは6月26日に日本で新型LSの発表会を実施。その場で熱心に語られたのは、新型LSが世界で初めて採用したという「アクティブ操舵回避支援技術」だった。

世界初の技術を搭載

目指す姿は世界で最も安全なクルマ

アクティブ操舵回避支援技術とは、予防安全技術の1つだ。歩行者との衝突を回避する技術としては自動ブレーキの導入が進んでいるが、トヨタは一歩ふみ込んで、万一の場合にはクルマ側でハンドルを自動操作する技術を新型LSに搭載したのだ。この技術を支えるのは、新型LSに備わる「全方位センシング」という能力だ。

カメラとレーダーで周囲の状況を把握する全方位センシング

新型LSは自車線内に歩行者やガードレールなどを検知し、衝突の危険があると判断した場合、ドライバーに注意を喚起し、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキと危機回避のための機能を段階的に働かせる。ここまでは他社のクルマも採用している技術だが、新型LSは衝突の可能性が非常に高いと判断すると、周囲の状況を検知し、ハンドルを操作して回避行動をとる。ちなみに、ハンドルを切る範囲は走っている車線内にとどめるという。

予防安全技術で世界初の技術を搭載した新型LS。トヨタ先進技術開発カンパニーのプレジデントを務める伊勢清貴氏は発表会に登壇し、このクルマが目指す姿を「世界で最も安全なクルマ」と表現した。

独自性を発揮したレクサス

レクサスインターナショナルのプレジデントを務める澤良宏氏は、レクサスのDNAは「乗り心地、静粛性、滑らかな走り」にあるとし、新開発の「GA-Lプラットフォーム」を採用したこともあり、「エモーショナルな走り」の部分が進化していることを強調した。パワーユニット1つをとってみても、新開発の「V6 3.5L ツインターボエンジン」と「10速AT」の組み合わせにより、先代のV8エンジンを凌駕する加速を実現できているとする。このように、走りやデザインの部分も進化しているのだが、今回の発表会でトヨタがフィーチャーしたのは予防安全技術だった。

デザインも走りも進化している

レクサスの販売台数は、2016年(暦年)で約67.7万台。前年比104%で過去最高の実績だが、ジャーマンスリーの台数には及ばない。この分野で先行するジャーマンスリーに対し、レクサスは「28年の若いブランド」だと認める澤プレジデント。重視しているのは独自性だという。後発企業が歴史の差を埋めるのは不可能だが、独自の先進技術を投入した分、少なくとも予防安全技術の面では、新型LSは先行3社に差をつけたと言えるだろう。

初代LSの衝撃を超えるクルマづくりを目指したという澤プレジデント

澤プレジデントが披露したエピソードによると、プレミアムカー分野では以前、あまり静粛性を話題にする勢力はなかったそうだが、レクサスが高い静粛性を実現したことで、その部分の磨きこみにジャーマンスリーも注力するようになったそうだ。プレミアムカー分野では互いのベンチマーキングが活発らしいので、レクサスが実現した先進的な予防安全技術を、他の陣営が採用するかどうかも1つの注目ポイントになりそうだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu