クラリティに電気自動車を追加! いろいろ気になるホンダの電動化戦略

クラリティに電気自動車を追加! いろいろ気になるホンダの電動化戦略

2017.05.03

2030年に向けて、販売する4輪車両の3分の2をハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)といったエコカーに置き換えるとするホンダ。その戦略に沿った形で、同社が今年中に発売するのが「クラリティ」シリーズの2車種なのだが、いろいろ気になるところもある。なので、決算説明会で聞いてみた。

クラリティシリーズに2車種を追加

ホンダが発売するのはPHV「クラリティ プラグイン ハイブリッド」(以下、クラリティPHV)とEV「クラリティ エレクトリック」(以下、クラリティEV)の2車種。2017年4月の「ニューヨークオートショー」で発表した。これらのクルマは、同社が2016年3月に日本で発表したFCV「クラリティ フューエル セル」と共通のプラットフォームを使用する。

クラリティ フューエル セル

同一プラットフォームで3種の電動パワートレインをそろえるのはホンダが世界初。新たに登場する2車種をホンダは、「広く上質な室内空間を誇る5人乗りミドルサイズクラスセダン」と紹介している。

クラリティPHVは17kWhのバッテリーを搭載。EV走行の航続距離は40マイル(約64キロ)で、ガソリンと合わせた総走行可能距離は330マイル(約531キロ)以上となる。バッテリーの満充電に要する時間は240ボルトで2.5時間。米国で2017年中に発売開始の予定だ。

クラリティ プラグイン ハイブリッド

クラリティEVの方は25.5kWhのバッテリーを搭載。走行可能距離は80マイル(約128キロ)以上で、満充電にかかる時間は240ボルトで3時間強だ。少し走行距離が短い気もするのだが、ホンダは「日々の通勤など」という風に使い方を提案。カリフォルニア州とオレゴン州で2017年中にリース販売を開始する予定で、価格は「お求めやすい」設定にするという。

クラリティ エレクトリック

クラリティで電動化を進めると聞いて、例えばセダンに車種が片寄る点など、いくつか気になるところがあった。ちょうど先日、ホンダの決算説明会で質問する機会があったので、聞いてみることにした。

同一プラットフォームの利点

まず、世界初だという同一プラットフォームでの電動パワートレイン展開には、どういうメリットがあるのだろうか。決算説明会に登壇したホンダ代表取締役副社長執行役員の倉石誠司氏によると、プラットフォームを共通化することで部品や生産ラインなどを共有できるので、クルマを作る際のコスト低減であったり、生産効率の向上につながるのだという。

ホンダの倉石副社長

次に気になったのは、ホンダが発売するPHVとEVが、両方ともセダン型であるということ。米国ではセダン型からSUVを含むライトトラック系に需要がシフトしていると聞くが、その市場にホンダはセダン型エコカーを投入する。そのあたりについて倉石副社長に聞いてみると、SUV型EVもニーズによっては検討していくが、SUVはクルマが重くなる分、バッテリーの減りも早いとのことだった。

最後は価格の勝負に

最後に、ホンダのPHVとEVは米国で売れるのだろうか。報道陣と倉石副社長のやり取りを聞いていると、ホンダはクラリティシリーズを4年で7万5000台販売する計画らしいのだが、なかなか意欲的な感じのする数字だ。

どうやって米国市場にアピールするか問われた倉石氏は、「(クルマの)安心感などを訴求していく必要があるが、最後は価格」と指摘。クルマの魅力を訴求し、十分にスペースがあるところなども知ってもらいつつ、最終的には顧客が求める価格で提供することが必要になると語った。価格といえば、米テスラが発売を予定するセダン型EV「モデル3」は3万5000ドルで航続距離が345キロだという。このあたりと競合するのであれば、攻めた価格を設定する必要があるだろう。

クラリティの次はどんなエコカーが登場するのか

米国では自動車メーカーにエコカーの販売を促す「ZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)規制」が強まっていく見通し。日本の自動車メーカーも対応を迫られる中、どんなクルマを売り出すかをこの時点で発表したホンダの対応は、「リーフ」の日産自動車や「i-MiEV」の三菱自動車のように、すでにEVを発売しているメーカーをのぞけば、かなり早いほうだと思う。

クラリティシリーズがホンダの目論見どおり米国で売れるかどうかも気になるが、注目したいのは、ホンダから今後、どのような電動車両が登場するかという点だ。ホンダの販売台数は500万台規模だから、2030年に3分の2を置き換えるとすれば、ホンダは年間330万台程度のエコカーを販売する企業に変貌を遂げる必要がある。PHV、EV、FCVといったクルマの市場が伸びていくかどうかは未知数だが、ホンダとしては、市場に受け入れられるエコカー作りを急ぐしかない状況だ。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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