ダイハツが「ミラ イース」刷新、軽自動車の勝負は価格・燃費の先へ

ダイハツが「ミラ イース」刷新、軽自動車の勝負は価格・燃費の先へ

2017.05.10

ダイハツ工業が軽乗用車「ミラ イース」をフルモデルチェンジして発売した。2011年に登場した初代ミラ イースは、低価格・低燃費を売り物とする“第3のエコカー”として注目を集めたが、今回の新型を見ると、軽自動車メーカーの勝負が新たなステージへと入ったような印象を受ける。

新型「ミラ イース」

ダイハツの新たな軸とは

初代ミラ イースが登場した2011年は、原油価格が上昇し、社会的にも環境志向が高まっていた頃。自動車業界ではハイブリッド車(HV)が存在感を増す中、ダイハツが初代ミラ イースでチャレンジしたのは、HVと同等の燃費性能を、HVの半額で実現するという目標だった。そのハードルをクリアした初代は、第3のエコカーとして注目を集めたという。

その初代から進化した新型ミラ イースは、燃費が1リッターあたり35.2キロで、価格は84万2400円からの設定となっている。月間販売目標台数は9000台だ。

低燃費・低価格の路線は維持

新型車の発表にあたりダイハツは、低価格・低燃費が依然としてミラ イースの使命だとしつつも、「プラスアルファの魅力」として安全性能を全面的にアピールしている。

発表会でダイハツの三井社長は、「安心・安全」をダイハツの「1つの軸にしていきたい」と明言。今回のミラ イースには、小さくて高性能なステレオカメラを用いる衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」(スマアシⅢ)を同車で始めて採用した。

新型ミラ イースの発表会に登壇したダイハツ取締役社長の三井正則氏

ダイハツがミラ イースの安全性能を推すのには理由がある。

最も価格の安いクルマだからこそ安全に

ミラ イースはダイハツで最も低価格なクルマ。三井社長によると、購入者は地方に住む高齢者が多いという。こういった車種だからこそ、安全性能の強化が最優先の課題だとダイハツは判断したようだ。クルマの安全性能という意味では「自動運転に関する議論もあるが、その前にやることがある」と語った三井社長。誤発進など、高齢者が関わる事故のニュースを少しでも少なくしたいというのが同氏の思いだ。

新型ミラ イースが採用するスマアシⅢは、歩行者にも対応できる衝突警報・衝突回避支援ブレーキ機能や、前方・後方の誤発進抑制制御機能など、さまざまな安全性能を備えている。ダイハツによると、世界最小サイズのステレオカメラを使うことで、車高が低く、フロントガラス面積の狭い同車にもスマアシⅢの搭載が可能になったそうだ。

新型ミラ イースでは安全性能を全面的にアピールしている

ダイハツは安全性、競合他社はどう出る?

初代ミラ イースでは燃費と価格で軽自動車の存在意義を再定義したダイハツだったが、競合他社が燃費性能で追随する中、優位性を発揮できるポイントを探った結果が、安全性能の強化という施策につながったようだ。新型車の受注は始まっているようだが、すでに注文した顧客の8割以上がスマアシⅢ搭載モデルを選んでいるというから、安全性で訴求するという戦略は機能しているのかもしれない。

最新のスマアシを搭載しているのは「タント」と今回のミラ イースのみ

燃費と価格の次に、軽自動車は何で勝負するのか。ダイハツは新型ミラ イースで安全性という方向性を示した。スズキなどの競合他社が、どのようなポイントを推してくるのかにも注目したい。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleがゲーム本格参入の衝撃、2019年中にゲーム基盤「STADIA」を投入

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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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