10年で150店? カールスジュニアはバーガーチェーン勢力図を変えるか

10年で150店? カールスジュニアはバーガーチェーン勢力図を変えるか

2017.05.18

低価格バーガーとグルメバーガーの中間を突く価格設定で、「プレミアムバーガー」としての立ち位置を確立しようとするカールスジュニア。日本再上陸に際して「10年で150店舗」とぶち上げた出店計画は現在、どのくらい進んでいるのだろうか。前回に引き続き、社長に話を聞いた。

秋葉原、湘南、自由が丘に出店

2016年3月に秋葉原で日本1号店をオープンし、同10月にはショッピングモール「ららぽーと湘南平塚」に2号店を開設。この4月には自由が丘駅のすぐ近くで3号店の営業を開始したカールスジュニアは、意図的に雰囲気の違う街・場所に出店しているような印象だ。これまでの振り返りとして、カールスジュニアジャパン代表取締役社長の渡邉雅人氏は次のように語った。

カールスジュニアジャパン代表取締役社長の渡邉雅人氏

「秋葉原は若者文化の聖地というだけでなく、新しい文化の発祥地とも言える立地ですが、予想以上のお客様にご来店いただきました。想定外だったのは、女性のお客様が多く来店されたことです」

カールスジュニアが提供するハンバーガーはボリューミーだが、2分の1ポンド、3分の1ポンドというサイズ感が、女性に受け入れられたのは渡邉社長にとっても驚きだったようだ。リピート客も少しずつ増加し、日本のマーケットに認知されてきた手応えを感じているという。

「カールスジュニア秋葉原レストラン」は中央通りに面する路面店だ

湘南平塚店は、近隣の学生による利用頻度が高いという。理由の1つとしては、フリードリンクの効果が挙げられる。おかわり自由ということは滞在時間の拡大につながるとされ、多くのファストフード業態が距離を置くようになった戦略だが、カールスジュニアは逆に、ドリンクバーを武器の1つとして地域での浸透を図っている。

「カールスジュニアららぽーと湘南平塚レストラン」はショッピングモールに出店した

今度は自由が丘店だが、これまでの2店舗と客層が全く違いそうな立地に出店したのには理由がある。

自由が丘に最大規模の店舗をオープン

自由が丘店へ行ってみると、まずは立地の割に店内が広いことに驚いた。座席は3店舗の中で最大規模の配置。店内98席、そして屋外に24席を用意している。屋外のテラス席がペット同伴も可能となっているのは、土地柄としての配慮かもしれない。

「カールスジュニア自由が丘レストラン」の内観。地下にも座席がある。自由が丘駅に程近い立地を考えると、かなり広い印象だった

カールスジュニアは注文を受けてから調理に入るシステムのため、注文カウンターの裏にキッチンを作る必要がない。自由が丘店ではキッチンを地下に設置し、顧客の動線やスペースを十分に確保した。

渡邉社長によると、今回の出店で重要だったのは自由が丘が交通の要衝である点だ。自由が丘は東急東横線と大井町線の2線が乗り入れるターミナル駅であり、田園調布、二子玉川、渋谷、中目黒など、近隣都市からの集客にも高いポテンシャルがある。

「カールスジュニア自由が丘レストラン」の外観

出店は「クロール」「ウォーク」「ラン」で加速

昨年3月の再上陸から、約1年で3店舗を出店したカールスジュニア。それぞれに戦略や学びはあったのだろうが、このペースでは「10年で150店舗」という目標には届かない。この点を渡邉社長に確認すると、「予定通り」としたうえで次のように戦略を語ってくれた。

「現在はクロール(crawl)の期間と位置づけ、ゆっくりでも着実な店舗展開を進めています。続いてウォーク(walk)、そしてラン(run)と進めていきます。最初の段階においては、直営店でいろいろな立地を経験することにより、今後の店舗展開にノウハウをいかしていく予定です。ランの段階になれば、直営店舗に加え、フランチャイズも含めた拡大を図っていきます」

クロールには「這うように進む」という意味がある。カールスジュニアの出店戦略は3段階になっており、いまはゆっくり進めているが、そのうち駆け出すという考え方だ。今後の出店先としては、まずは関東圏を中心に検討していくという。

秋葉原、湘南平塚、そして自由が丘。カラーの違う街に直営店で出店しているのは、フランチャイズ制の導入に向けた布石と見ることができる。さまざまな立地で成功体験を作ったうえで、フランチャイズ制を導入して一気に出店ペースを上げる。こんな戦略を抱きつつ、今は雌伏の時を過ごすカールスジュニアは、話題の絶えないハンバーガー業界でも注目しておくべき存在だ。

ハンバーガー業界で150店というのは、現在でいえばファーストキッチン(ウェンディーズを含む)やフレッシュネスバーガーに似たような規模だ。これを達成できれば、業界でカールスジュニアが無視できない勢力となるのは間違いない。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu