スカパー決算で判明、Jリーグ放映権喪失の影響

スカパー決算で判明、Jリーグ放映権喪失の影響

2017.05.19

昨年12月にJリーグの中継を終了すると発表したスカパーJSAT。その持株会社のスカパーJSATホールディングスが19日、2016年度通期決算を発表した。Jリーグの放映権喪失の影響はどの程度だったのか。

Jリーグ放映権喪失の影響は?

スカパーが公表したところによると。有料多チャンネル事業における増減数は前年度に比べ16.2万件の純減となり、加入者累計は332万件になったとしている。

このうち、Jリーグの放映権喪失に伴う契約者の減少について、高田真治社長は「昨年12月に放送終了のアナウンスをした段階でかなりの人が解約した。だいたい10万人くらいですかね。そのうちの7割ほどがJリーグの解約とともに私たちのプラットフォーム自体を解約することになりました」と明かす。

放映権喪失に伴う加入者数の減少は大きな痛手だが、コンテンツの調達費を考慮すると、実はスカパーにとっては、それほど大きな影響ともいえない。

各社の報道によると、DAZN運営元のパフォームは10年間で約2100億円の資金を投じたとされる。単純にならしても1年間に200億円かかることになる。

高田社長によるとピーク時には約20万契約あったJリーグコンテンツだが、その契約数ではどう考えても割にあいそうにない。昨年11月の決算説明会においても、同社は、Jリーグでは利益を出すまでには至らなかったとし、利益面でのインパクトはないと答えていた。

今回の決算でも、加入者数の面では、Jリーグ放映権の喪失を理由とすると、そのほかの影響収益や利益面では、Jリーグの文字は出てこない。収支の面では、大きな影響は出なかったように見える。

むしろ、同社にとって大きな課題は、DAZNを初めとした動画配信サービスが多様化し、競合相手が増えていることであろう。サービスの多様化により、新規顧客獲得が難しくなっていることは同社も認めるところだ。

そうした中においても、今年度の純増1万件をなんとしてでも達成する(スカパー! スカパー! プレミアムサービス、スカパー プレミアムサービス光の合計でOTTサービスを除く)としている。しかし、純増に向けての施策は心許ない。オリジナルアニメやドラマ、ライブ中継などによるコンテンツの差別化、UEFAチャンピオンズリーグやW杯欧州予選、各ヨーロッパリーグに加え、天皇杯など国内サッカーを視聴できるセットをリリースすることなどが主な施策だ。

一極集中型の人気コンテンツなどなく、地道な積み重ねが必要と説明するが、これから先も競合が増えそうな市場において、どうなっていくだろうか。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu