ソニー、今期の営業利益5000億円に強気なワケ

ソニー、今期の営業利益5000億円に強気なワケ

2017.05.24

平井一夫社長体制として2回目の中期経営計画となる「第二次中期経営計画」では、最終年度となる2017年度の経営数値目標として、ROE10%以上、営業利益5000億円以上を掲げている。

平井社長は、「2017年度は結果にこだわる重要な年である」と宣言し、中期経営計画の経営数値目標の達成を最重点テーマに位置づける。

先頃発表した2016年度の連結業績では、営業利益が前年比1.9%減の2887億円。2017年度の営業利益5000億円に到達するには、前年比73.2%増という高い成長率を達成しなくてはならない。2000億円以上の上乗せが必要だ。

平井社長は、ソニーが営業利益5000億円を突破したのは、1997年度に5257億円を計上したときの一度だけであることを示しながら、「これは、20年ぶりの利益水準であり、経営陣や社員にとっては大きな挑戦である」とコメントする一方で、「この5年間の取り組みにより、この目標を十分に狙えるだけの力がついてきた」と自信をみせる。そして、「社員が目を輝かせ、未来に向けて、新たなことに挑戦する自信と元気に満ちたソニーが戻ってきた実感がある」と付け加えてみせた。

営業利益5000億円達成に向けては、全部門での黒字化を前提とするのはもちろん、それぞれの事業において、力強く成長戦略を達成する必要がある。

それは、主に5つの事業分野における成長戦略の実行に集約されよう。

PSのネットワークビジネス 有料会員サービスの強化の成長がカギ

ひとつめは、「利益成長を牽引する最大のドライバー」と平井社長が位置づける「ゲーム&ネットワークサービス分野」で、前年比25.4%増の1700億円を見込んでいる点だ。

平井社長は、「プレイステーションビジネスは、引き続き好調であり、PS4 Pro、PS VRの導入にも成功した。2017年度はPS4で1800万台の販売を予定し、2017年度末には7800万台の累計販売台数に達することになる」と語り、「1993年に生まれたこの事業が2兆円の売上げ規模となり、収益でもグループの柱に成長したことは、ソニーグループの大きなマイルストーンである」と自信をみせる。

PS4は、2014年2月の発売以来、3年を経過し、「プラットフォームが収穫期を迎えている」(平井社長)なかで、従来のプラットフォームと異なるのは、ソフトウェアタイトルによる収穫だけでなく、ネットワークサービスによる収穫が加わっている点だ。

平井社長が明らかにしたプレイステーションネットワークの月間アクティブユーザー数は7000万人。PS4だけでみると、プラットフォーム上での全アクティブユーザーの1週間の合計滞在時間は6億時間以上になるという。

平井社長は、「ネットワークビジネスの収益拡大が、事業全体の安定した収益創出に貢献することになる。その大きな鍵となるのが、有料会員サービスのPS Plusになる。この会員数を伸ばすために、サービス内容を強化する。ロイヤルカスタマーの拡大を中心としたエンゲージメントを強め、PS4のエコシステムを拡充することで、収益に貢献することを期待している」と語る。

また、PS VRは、2016年10月の発売直後は、全世界で品薄が続いていたが、2017年2月から増産を開始。対応ゲームは100を超えており、ノンゲームコンテンツの開発も積極的に推進しているという。

「The Chainsmokersの最新ヒット曲であるParisのミュージックビデオは、VRの技術を生かしたもので、PS VR専用のコンテンツとしてダウンロードできる。従来のプレイステーションのユーザーのみならず、アーティストのファンからも好評を博している」とし、ゲームユーザー以外を取り込んで動きにもつながっていることも示した。

収益領域の拡大は、ゲーム&ネットワークサービス分野の成長を支えているのは明らかだ。

安定成長目指す金融

2つめが、「長年に渡り、グループ最大の収益貢献をしてきた」と位置づける金融分野だ。2017年度には、ゲーム&ネットワークサービス分野と同じ1700億円の営業利益を目指す。対前年成長率は2.2%増と安定成長を目指す。

「金融分野は、顧客とのラストワンインチの接点を有するソニーブランドを生かしたリカーリング型サービス事業であり、安定的な高収益を堅持している。既存業界にソニーが参画することで変革をもたらす、イノベーションのDNAをもった事業でもある。ソニーが中長期戦略で重視しているポイントを複数備えている重要な事業だと捉えている」と語る。

ここも安定事業として、収益貢献に寄与するのは明らかだ。

半導体、市場環境の変化への対応・集中領域の見極め重要

手放しで評価できるこの2つの事業と比較し、課題が見え隠れするのが、このあとに触れる3つの事業だ。

最初が半導体事業である。ここでの大幅な収益改善は、5000億円達成に向けた重要な鍵になる。2017年度の営業利益見通しは、前年度の78億円の赤字から、1200億円の黒字へと大幅な改善を見込む。

平井社長は、「熊本テックが熊本地震により、デジタルカメラ、監視カメラ向けのイメージセンサーを中心に生産活動ができない苦しい時期があった。また、2015年度後半にはハイエンドを中心としたスマホの成長鈍化の影響から、販売が低迷し、業績が急速に悪化した」と、これまでの低迷について説明。

「だが、大きな損失を計上したカメラモジュール事業では、2016年度に抜本的な構造改革に取り組み、熊本テックの外販向け高機能カメラモジュール事業の開発、製造の中止、中国・広州の工場売却を実施した。中国系スマホメーカーとともに拡販活動に取り組み、2016年度後半から業績に効果として表れている。スマホを取り巻く環境をみると、複眼化の加速、フロントカメラの高画質化、動画性能の重視といったトレンドがある。これはソニーの強みが発揮できる高性能な製品領域が拡大していることを意味しており、今期は大幅な収益改善を見込み、グループ全体への収益貢献も見込んでいる」とする。

熊本地震の影響がなくなること、複眼化の加速がプラス要素になること、さらには、カメラモジュール事業の中国工場の売却益で270億円も加わるといった要素も増益に寄与する。

さらに、平井社長は、「性能、歩留まり、品質では世界一の評価を得ている。しかし、生産リードタイムや製造コストではまだ改善すべき点がある。車載向けを含めて将来に必要な投資を行っていく。さらなる高収益事業を目指す」と語る。

半導体部門への設備投資は、同部門全体で2017年度に1300億円を見込んでいるが、そのうちイメージセンサーで1100億円を計画。300ミリウェハー換算で、月産8万8000枚の体制を、2017年度中に、10万枚まで増加させる計画を打ち出している。

「デバイス領域では、環境変化への対応スピードと、強みのある事業へのフォーカスが必要である」と平井社長も指摘するように、この分野は市場環境の変化が激しい。この数年は、その変化に対応できず、業績を悪化。そこに熊本地震の影響が追い打ちをかけた。だが、2017年度には、これらの課題が解決できたと、平井社長は判断しているようだ。それが目論見通りにいくかどうかが注目点といえる。高い利益成長を見込む半導体事業が、営業利益5000億円達成の重要な鍵を握ることは間違いない。

映画事業、収益体質の確立に向け1からのスタート

4つめは、「喫緊の課題として認識している」と平井社長が語る映画分野だ。

2016年度に1121億円の営業権の減損を計上し、805億円の赤字を計上したが、2017年度はこれが無くなることもあり、390億円の黒字を目指す。

「映画分野はソニーにとって重要な事業だと位置づけており、映画制作事業の収益改善に向けた施策の遂行に優先度をあげて取り組んでいる。ネットワークが進化し、映像コンテンツの楽しみ方が多様化するなかで、魅力的なコンテンツに対する需要はかつてないほどに高まっている。コンテンツクリエイターと強固な関係を築き、質の高いコンテンツを作り出す」とする。

説明会に臨むソニー平井社長

だが、「2017年度の利益見通しは、中期経営計画の立案当初の水準を大きく下回るものであり、この問題を大きく受け止めている」と、平井社長は語る。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの会長兼CEOにアンソニー・ヴィンシクエラ氏を招へい。「米国のエンタテインメント業界において素晴らしい実績をあげてきた人物であり、技術のトレンドやグローバルな市場環境の変化についても高い見識を持っている。また、チームビルディングを重んじており、彼ならソニー・ピクチャーズのマネジメントや社員のベクトルをひとつにして、この事業の再生を実現してくれる」と期待する。平井社長自らが人選したヴィンシクエラ氏による再生が、この6月からスタートすることになる。

「事業モデルの性質から、結果を出すには一定の時間を要するが、腰を据えて、変革に取り組み、高い収益を創出する事業へと転換させていく」と、平井社長は意気込む。

映画事業は収益体質の確立に1から取り組むという段階にあり、長期的視点での体質改善に挑むことになる。

そして、最後が、収益性が悪化しているモバイル・コミュニケーションである。

スマホは最新技術で差別化、収益を高める

エレクトロニクス事業は、2016年度第4四半期連結業績で、6セグメントの合計で黒字化。これは、1997年度以来、19年振りのことであり、回復基調にあることを裏付けている。

「長年苦戦をしてきたコンシューマエレクトロニクスが再生し、安定的な収益貢献が期待できる事業になってきた」と、平井社長は期待を寄せる。

だが、その一方で、「コンシューマエレクトロニクス事業全体を見渡した時に、スマートフォン事業の収益性にはまだ課題が残っている」と、平井社長は指摘する。

モバイル・コミュニケーション分野の2016年度の業績は102億円の営業黒字。2017年度は50億円の黒字を見込む。

「徹底した構造改革と、商品および販売地域の絞り込みにより、2016年度の黒字化を達成。商品力、オペレーション力を着実に向上していると実感している。最も顧客接点が多い『ラストワンインチ』の商品であり、カメラ技術を中心に、ソニーの最新技術を詰め込むことで、違いが出しうる事業だと考えている」とする。そして、「2017年度は、IoTなどの新規領域の開拓と合わせて、急速な環境変化にも迅速に対応できるような慎重な事業運営を行っていく」とした。

継続的成長のため必要 リカーリング型ビジネスの拡大

一方で、平井社長は、「2017年度は、通過点に過ぎず、今後も持続的に発展していく必要がある。持続的に高収益を創出し、新たな価値を提供し続ける企業を目指す」と述べ、営業利益5000億円は通過点であることを強調する。

これは、2017年度が第二次中期経営計画の最終年度であるとともに、2018年度以降の第三次中期経営計画を策定する年であることを意識した発言だともいえる。

「2017年度の連結営業利益5000億円は、20年ぶりの利益水準だが、この利益レベルを複数年に渡って継続できたことは、ソニーの71年の歴史のなかで一度もない。2017年度は大きな節目となる重要な年であり、各事業において、今年度やるべきことを着実に実行し、目標の達成を目指すが、この目標を達成したのちも、ソニーは、持続的に高収益を創出できる企業でなくてはならない。高収益を創出しつづけるためには、ソニーグループとしても、各事業の現状維持ではなく、新たな事業への取り組みを強化していくことが不可欠である。高収益を持続的に確保し、新たな価値を作るために、具体的な方針、計画に落とし込む必要がある」と語る。

平井社長が、持続的な成長を強く訴える背景には、リカーリング型ビジネスの拡大がある。

リカーリング型ビジネスとは、特定の顧客と継続的で安定したビジネスを行うもので、第二次中期経営計画の柱のひとつに据えている。リカーリング型ビジネスは、保険などの金融ビジネスのほか、ネットワークサービスやテレビチャンネル運営などによる「サブスクリプションモデル」、デジタル一眼カメラのレンズやゲームソフトなどの「追加購入モデル」、音楽制作やテレビ番組制作などの「コンテンツ事業」の3つに大別できるという。

平井社長によると、「2015年度には約35%だったリカーリング型ビジネスは、2017年度には約40%に拡大する見込みである。今後は、サブスクリプションモデルをはじめとする顧客と直接つながるサービス領域の将来性がとくに高いと考えている」とする。

安定した高収益拡大のために、顧客との持続した付き合いを前提としたリカーリング型ビジネスが拡大しているからこそ、持続的に成長できる基盤が完成するというのが平井社長の考え方だ。

ソニーの完全復活と言い切るには、まだ道半ばであるのは確かだろう。2017年度の営業利益5000億円の達成にも、外部環境の変化を受けやすい事業については、まだ不安要素もある。

しかし、その一方で、次の成長に向けた地盤づくりは着実に進んでいるのも確かだといえる。その代表がリカーリング型ビジネスの拡大だ。

2014年度までの第一次中期経営計画は、ソニーの変革を中心とした施策が相次いだ。それに対して、2015年度からスタートした第二次中期経営計画では、「利益創出と成長への投資フェーズ」と位置づけている。その道筋は着実に歩んでいるともいえる。

2017年度の営業利益5000億円が目論見どおりに達成されれば、ソニーの復活は本物だといっていいだろう。そして、その時には、継続的な成長基盤が整うという要素も付加されることになるだろう。

あらゆる面で様変わり!  新型「デリカ D:5」試乗で感じた格段の進歩

あらゆる面で様変わり! 新型「デリカ D:5」試乗で感じた格段の進歩

2019.03.26

三菱自動車の新型「デリカD:5」に試乗

顔つきの変化に目を奪われがちだが中身もすごかった

本質を追求する三菱自動車の着実な技術開発が奏功

三菱自動車工業が2019年2月に発売した新型「デリカD:5」は、印象をガラッと変えたフロントマスク(顔)に注目が集まりがちだが、注目すべきはその中身だ。三菱自動車らしく本質を追求した改良により、クルマの性能は先代に比べ格段に進歩している。その出来栄えを試乗で確かめてきた。

三菱自動車の新型「デリカD:5」

12回目の改良で大幅に進化した「デリカD:5」

三菱自動車工業の「デリカ」が誕生したのは1968年のこと。その車名は「デリバリーカー」に由来しており、目的地まで人や物を運ぶクルマとして当初は商用を主体としていたが、翌1969年には9人乗りの「デリカコーチ」という乗用の車種が登場した。そして一昨年、デリカは誕生から50周年を迎えた。

左が初代「デリカ」、右は改良前の「デリカD:5」

現在の「デリカD:5」はデリカの5代目ということで、この名が付いた。50年を超える歴史の中では、1982年の2代目で早くも4輪駆動車を設定し、ディーゼルエンジンを搭載した。この2つは、今日もD:5を特徴づける要素となっている。

3代目までは「キャブオーバー」といって、エンジンを運転席下に搭載するワンボックス車の形態だったが、4代目からは客室の前にエンジンを搭載するミニバンとなった。そしてデリカD:5は、2007年のモデルチェンジによって登場し、すでに12年の歳月を経ようとしている。この間、三菱自動車は11回も一部改良を実施していて、今回が12回目となる。歴代デリカは1つの車型を長く継承する傾向にあったが、ことに今回の改良では、大きな進化を遂げたと感じる。

2019年2月に発売となった最新のデリカD:5は、外観の輪郭は従来のままだが、ことに顔つきが大きく変わり、押し出しの強い造形となった。その効果は、例えば今回の試乗で、大型トラックがやや無理な車線変更をしようとした際、ミラーに映るデリカD:5の顔を認識し、一瞬、動きを躊躇した様子にも見てとれた。この造形は、三菱が2015年の「アウトランダー」以降、フロントの共通性として各車で採用している「ダイナミックシールド」の概念に基づいた変更である。

改良を経て大幅に変わった「デリカD:5」の顔つき

またフロントの造形は、主に市街地などでの利用が多い顧客向けに新しく車種設定した「アーバンギア」と、標準仕様といえる「D:5」とで異なる意匠を採用している。

こちらが「デリカD:5 URBAN GEAR(アーバンギア)」。「D:5」には4つ、「アーバンギア」には2つのグレードがあり、価格は384万2,640円~421万6,320円となっている

いずれにしても、この大胆な顔つきの変更が注目されがちだが、それ以上に今回の改良は、走行性能や上質さといった面での進化が大きく、格段の進歩と驚かされるほどであった。なかでも、ディーゼルターボエンジンの改良と、変速段数を6速から8速へと増やしたオートマチックトランスミッション(8速AT)の効果は絶大だ。

SUV顔負けの悪路走破性に上質な乗り心地をプラス

エンジンの基本は変わらないが、新たに「尿素SCR」と呼ばれる排ガス浄化装置が取り付けられ、その精度が高まった。走行のための燃料である軽油のほかに、排ガス浄化用の尿素水溶液を補給する手間は増えるが、いまやディーゼルの排ガス浄化は尿素SCRなしでは語れない時代となっている。

その上で、エンジン内部の摩擦損失を減らしたり、燃焼室の改良や新型燃料噴射装置を採用したりするなどの改良により、最大トルクを増大し、アイドリングストップ後の再始動性を改善している。

2.2Lコモンレール式DI-D(ダイレクト・インジェクション・ディーゼル)クリーンディーゼルターボエンジンを搭載

8速ATは発進で使う1速のギア比を大きくして力強さを上げ、それ以後のギア比は従来の6速に比べ小さくすることで、滑らかかつ燃費に効果的な変速を可能にしている。

車体は、もともとデリカD:5の特徴であった「リブボーンフレーム」と呼ばれる骨格構造に加え、車体前部の剛性を上げる改良が施された。4輪駆動による悪路走破で、SUVの「アウトランダー」や「パジェロ」などに引けを取らない性能を発揮するデリカD:5は、強靭な骨格構造により、大きな凹凸のこぶ路面で、前後のタイヤが対角線上で持ち上げられ、車体にねじれが加わった状態でも、後ろのスライドドアを開閉できる車体剛性を持つ。それが他では真似できない特徴の1つだった。そこに車体前部の剛性の強化が加わり、舗装路での走りの上質さが改善されたのである。

試乗をしてみると、それらの改善が、D:5の走りを格段に進歩させていた。

新型「デリカD:5」および「アーバンギア」のボディサイズは、全長4,800mm、全幅1,795mm、全高1,875mm、ホイールベース2,850mm、最低地上高185mm。車両重量はグレードによって違うが1,930キロ~1,960キロだ

試乗で実感、性能は「様変わり」

ディーゼルターボエンジンは、始動後にディーゼルらしい音を発生させるが、軽やかに聞こえるので嫌な気分にならない。1,900キロを超える重い車体であるにもかかわらず、4輪駆動車であることから、発進時の動き出しは軽やかだ。その際もエンジンはうなることなく、ほぼアイドリング回転に近いところで走り出した。

エンジン内部の摩擦損失が軽減されたこと、同時にトルクが増大されたこと、さらには8速ATの1速ギア比が大きくなり、ギア比の力でエンジンを助ける効果などにより、このスムーズな発進が実現できたのであろう。

また今回、パワーステアリングが電動化されたので、発進してすぐに曲がる場面でも、クルマは軽やかに進路を変えた。

パワーステアリングは油圧式から電動に変わった

この走り出しの時点で、すでにデリカD:5の大きな進化を実感した。さらに、アクセルペダルを踏み込んで加速させていくと、わずかなペダルの踏み込みで速度を増していく。しかも、速度が上がるに従って、ディーゼル音は気にならなくなるほど静かになり、快適だった。8速ATの効果でエンジン回転を上げ過ぎないこともあるし、防音や吸音を増した車体の効果も静粛性に効いている。

高速道路に入っても、エンジンやトランスミッションの効果、また快適な室内の様子は変わらない。時速100キロで走行中のエンジン回転数は、アイドリングから少し上の毎分1,500回転ほどでしかない。従来のディーゼルエンジン車では、この速度で巡行するには騒音が大きく、音に疲れる印象があったが、様変わりである。

走り出しでも高速道路でも改良の効果が感じられた新型「デリカD:5」

乗り心地も、車体前部が強化されたことにより、路面の凹凸を乗り越えた際の衝撃が緩和され、改善されたことを実感した。走行感覚も乗り心地も、明らかに上質なミニバンとなった。この快適性であれば、D:5でもっと遠出をしたい気持ちにさせられるはずだ。

「様変わりした」というのが、まさしく適切な評価だろう。そこには、モデルチェンジによらず、実績を踏まえて一歩ずつ改良を加えていく三菱自動車のよさが現れている。

先進的だが着実、三菱自動車の技術開発

三菱自動車は2000年のリコール問題や2016年の燃費不正などを経験し、今日に至る。社内の隠蔽や規律違反などを抱えながら、一方で、技術開発においては先進的な取り組みを続けてきた側面がある。

1996年の直噴ガソリンエンジンの量産化や、同年の電子制御を活用した4輪駆動力制御などで、三菱自動車は先駆的な技術開発力を発揮してきた。同時に、1970年代からのラリー競技への出場や、1980年代からの「ダカールラリー」(パリダカ)出場などにより、悪路走破性のみならず、舗装路での俊足の走りを追求してきた歴史がある。

今日、三菱自動車は電動化とSUVに的を絞った商品展開で、存在感を発揮しようとしている。その両方の技術を合わせた象徴的な商品が「アウトランダーPHEV」だ。同車は世界で最も売れているプラグインハイブリッド車である。

電動化とSUVにフォーカスする三菱自動車の象徴的な商品が「アウトランダーPHEV」だ

三菱自動車が力を注いできた4輪駆動についてはデリカの歴史の中で触れたが、電動化に関しても同社は、1966年に電気自動車(EV)の開発を開始し、2009年には世界初の量産EV「i-MiEV」の市販にこぎつけるなど、先駆的な歩みを進めてきた。

いずれの技術も世界の主要自動車メーカーが開発に取り組んでいるものだが、それを量産化し、一般へ市販して世に問うことを、三菱自動車は長年にわたり粘り強く続けている。さらに、その技術を一時的な流行で終わらせることなく、磨き続けるのが同社の特徴にもなっている。それを可能としているのは、そもそも同社が、本質的な原理原則を追求した技術開発にこだわってきたからなのであろう。

世界初の量産EVとなった「i-MiEV」の現行モデル

デリカD:5においても、例えば「車体剛性」のような、一見しただけでは消費者には分かりづらい部分において、「リブボーンフレーム」という本質的な剛性構造を採用することで、ミニバンとしては悪路走破性で抜きん出た性能に仕上げている。そこが土台となり、乗り心地が格段に改善しているのだ。

技術革新といっても、目新しさをやみくもに追うのではなく、本質的な課題解決の道を探ることが、長年にわたり技術を進化させ、磨き続けることを可能にする。今度のデリカD:5においても、まさにそうした三菱自動車の開発姿勢が発揮されたと実感した。すでにD:5を所有している人でも、今回の改善には驚き、食指が動くことだろう。

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LINEアカウントを引き継ぐ方法

LINEアカウントを引き継ぐ方法

2019.03.26

絶対に失敗したくない人のための「引き継ぎ」方法

トーク履歴の引き継ぎだけは別の作業が必要

機種変更時に電話番号が変わるか否かで作業が違う

スマートフォンの機種変更をする時には、LINEの引き継ぎ処理をしよう。これをきちんとやっておけば、新しい端末でも従来どおりにLINEを使い続けられる。ただし、一部の作業では注意が必要だ。

ただし、トーク履歴の引き継ぎは別作業

LINEでは、友だちリストやスタンプといった大半のデータの引継ぎが可能だ。友だちリストは引き継いだ時点で表示されるし、スタンプは新端末で同じスタンプを利用しようとすれば、簡単に取得できる。

しかしトークの引き継ぎには別途作業が必要となる。その作業方法は改めて解説するが、Android同士、iPhone同士でしか引き継げないことに注意しよう。また、LINEコインの残高等は、OSが変わると引き継げない。もし履歴等を重視するなら、新機種選びの段階で意識しておきたいところだ。

機種変更前に確認しておきたい引き継ぎの準備

機種変更時に、LINEのトーク履歴の引継ぎに失敗したという話をよく聞く。電話番号が変わらない機種変更での失敗は少ないようだが、特に電話番号の変更を伴う機種変更の場合は、少し注意する必要がある。

まず、電話番号がLINEで使えるかを確認しよう。「050」で始まるIP電話番号や、データ専用プランで発行される電話番号では、LINEを利用できないからだ。もしそういう形で乗り換える場合には、固定電話や通話用の別端末などの電話番号を利用するといいだろう。

電話番号が変わった場合には、「旧電話番号」もしくは「メールアドレス+パスワード」がログインに必要だ。事前に自分の電話番号やメールアドレス等を再確認しておこう。注意したいのは、メールアドレスが旧端末のキャリアメールのため既に利用できなくなっている場合や、パスワードがうろ覚えの場合だ。旧端末のLINEを操作してそれぞれ確認しておこう。

LINEの設定で「アカウント」を選択
「メールアドレス」をタップしてメールアドレスを確認。し継続利用できないキャリアメールだった場合には、Gmail等に変更しておくといいだろう
「パスワード」をタップした画面でできるのは再設定だけだ。2度同じ文字列を入力すれば新パスワードとして設定される

電話番号が変わる機種変更で最初にやるのは旧端末の操作

電話番号が変わる機種変更の場合は、旧端末での操作も必要だ。旧端末側で「アカウント引き継ぎ」を選択し、ここで「アカウントを引き継ぐ」のスイッチをオンにしよう。スイッチの有効期限は36時間で、間に合わなくてもLINEが使えなくなってしまうわけではない。ただしセキュリティ面での問題が出てくるので、できるだけ引き継ぎ作業をする瞬間にスイッチを入れるくらいのつもりでいよう。

設定で「アカウント引き継ぎ」を選択し、スイッチをオンにする
警告画面の内容を読んだら「OK」を押す
スイッチがオンになると有効期限のカウントダウンがはじまる

電話番号変更時はメールアドレス+パスワードで引き継ぎ

電話番号が変わる機種変更の場合は、旧端末の操作ができてから新端末を操作しよう。引き継ぎには、新端末側で新番号を使って初期登録作業を進める中で出てくる、「アカウントを引き継ぐ」というボタンを利用する。次の画面では「以前の電話番号でログイン」または「メールアドレスでログイン」のどちらかを選んで、入力しよう。

「アカウントを引き継ぎますか?」の画面で「アカウントを引き継ぐ」を選択
以前の「電話番号」もしくは「メールアドレス+パスワード」のどちらかでログインしよう

滅多にないことではあるが、もし初期登録作業中、新しい電話番号を入力しているのに「おかえりなさい、●●!」と知らない名前が出てきたら「いいえ、違います」を選ばないといけない。電話番号は一定の休眠期間をおいてリサイクルされるのだが、以前の利用者が適切なアカウント引き継ぎや削除作業をせず放置していた場合に出てくる画面だ。必ず「いいえ」を選択しよう。

電話番号が変わらない機種変更でのアカウント引き継ぎ方法

電話番号が変わらない機種変更の場合は超簡単だ。以前の電話番号を新端末でも使い続けられるなら、新端末側で普通にLINEアプリの初期登録作業をすれば問題ない。電話番号を入力し、SMSや音声通話で認証ができれば「おかえりなさい、●●!」と名前が表示されるはずだ。表示された電話番号と名前が自分のものなら「はい、私のアカウントです」ボタンをタップすれば完了となる。

電話番号が変わらない場合は、初期登録作業だけで引き継ぎが完了する

「LINE(ライン)基本の使い方ガイド」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/line

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