フェイスブックがMessengerアプリで描く未来

フェイスブックがMessengerアプリで描く未来

2017.04.22

2017年4月18日からの2日間、カリフォルニア州サンノゼで開催されたフェイスブックの開発者会議F8。拡張現実、仮想現実といった目新しく派手な表現のプラットホームを披露する一方で、基調講演でより大きな注目を集めていたのがMessengerだ。

12億人が日々利用するFacebook Messengerは、Facebookユーザー同士で文字・写真・音声とビデオ通話を実現することができる独立したアプリだ。このメッセージアプリへの注力は、フェイスブックにとって、どのような意味を示すのだろうか。

AIの活用も進むプラットフォーム2.0でMessengerはどう変わるか。どんな役割を帯びるか

Snapchat対策

フェイスブックが現在、最も注視している存在はSnapchatだ。若者層に拡がりを見せるSnapchatに対して、フェイスブックはInstagramを通じて露骨な対応策を講じている。

その理由は、Snapchatが誇る1日に占めるアプリ占有時間の長さだ。Snapchatユーザーは、1日に25分をSnapchatアプリ内で過ごし、6割のユーザーがコンテンツを投稿している。他方、Instagramはより閲覧が重視されるアプリで、占有時間もInstagramの半分となる15分に留まる。

Facebookアプリの占有時間は35分で、YouTubeの40分に次ぐ台2のソーシャルサービスとなっているが、新興のSnapchatに追い上げられている点から、対策を急ごうとしている。

Facebook本体のアプリでもカメラ機能を強調し、拡張現実(AR)を取り入れることで、Snapchatとは異なるコンテンツ投稿体験を作り出す方向へと舵を切った。特に視聴時間が写真よりも長くなるビデオやライブ配信に注力している理由も、Facebookアプリでの滞在時間を引き延ばす効果を狙っている。

その上で、Instagramからも、Snapchatを追撃する姿勢を見せている。Snapchatの目玉機能となった24時間写真やビデオを公開できる「ストーリー」機能をInstagramにも導入し、日間のユーザー数で、Snapchatの1億6100万人を上回る2億人を突破した。

Instagramの日間ユーザー数はそれより多い6億人であり、そもそものユーザー数ははるかに多い。それでも、Snapchatを狙い撃ちする同種の機能で、Snapchatそのものの勢いを削ごうと躍起になっている。

第三の刺客としてのMessenger

そうしたなかで、Messengerは、Snapchatに対する第三の刺客と言える。

Messengerにも、24時間コンテンツが表示される「My Day」機能を導入した。これはSnapchatやInstagramのストーリーと同様の機能であり、My Dayへの反応は、Messengerのチャットとして返信され、コミュニケーションのきっかけ作りを演出しているのだ。

別の見方を考えれば、Messengerが、現在のモバイルコミュニケーションのトレンドを取り入れた、と見ることもできる。

My Dayは、各ユーザーが自分の体験をシェアする最も手軽な手段を提供している。こうした日常をタイムリーに共有するトレンドがSnapchatによって定着したとみるならば、そうしたカルチャーをメッセージアプリにも取り入れ、用事がなくてもコミュニケーションが発生する仕掛けとして活用しようというアイデアだ。

結果として、Messengerアプリへのエンゲージメントの向上を図ることができる。

ビジネスツールとしてのMessenger

フェイスブックは、Messengerを、単なるコミュニケーションツールとして終わらせるつもりはない。2016年のF8では、Messenger Platformを発表し、ボットの開発やショッピング、送金といったサービスを、メッセンジャーアプリ内で行うことを可能にした。つまり、ビジネスと顧客が直接つながるインターフェイスとして、メッセージアプリを変貌させたのだ。

既にビジネス活用は進んでおり、「顧客への関心を高める」「顧客獲得」「顧客サービス提供」「ショッピングや決済」「金融サービス」といった分野を紹介した。すでに10万ものボットが作成されており、個人と企業の間で交わされたメッセージは自動返信も含み20億通になった。

様々な分野でのビジネス活用が進んでいる

2017年は何が進化するか

2017年のF8では、このプラットホームを発展させ、新しい機能を追加している。まずDiscovery Tabでは、ビジネスを見つけやすくする方法を提供している。もしも店舗が、Messenger向けの2次元コードを提供していれば、Messengerから直接コードを読み取って、つながることができる。

また、Chat Extensionsでは、ウェブサービスやアプリの機能をメッセンジャーの中に呼び出して、チャットもしくはグループチャットで利用することができる仕組みだ。SpotifyやApple Musicの音楽を共有したり、レストランや映画の予約も、Messengerアプリの中で行うことができる。

レストランや映画の予約も、Messengerアプリの中で可能に
Chat Extensionsの対応サービス

さらに、人工知能「M」の活用も盛りこまれた。例えばカフェのアカウントに「場所はどこ?」と尋ねると、ボットで回答を用意していなくても、自動的にカフェの住所を返信させることができる。

また、会話の中で食事の約束を話すと、その時間のスケジュールを記憶し、自動的にリマインダーを出す機能も備わった。前述のChat Extensionsに対応するアプリが、Mと連携しておすすめを掲出することも可能だ。

いかに大きな存在に育てられるか

Messengerは、企業、アプリをコミュニケーションに持ち込むことによって、Facebook本体の広告とは異なるビジネスの現場を作り出し、それを人工知能によって加速させようとしている。

Facebookがソーシャルなつながりと偶発的な体験を重視するならば、Messengerはよりプライベートな場での必然的な体験を重視する、そんなコントラストを見出すことができる。

あらゆる個人、ビジネスやサービス、ニュース、行政などがMessengerアカウントを持ち、チャットで情報やサービスを交換する世界が、フェイスブックにとってのMessengerのゴールだ。

やや原始的なたとえかもしれないが、Messengerはあらゆる連絡先やビジネスが掲載されている電話帳みたいな存在であり、電話の代わりにメッセージをやりとりして問題を解決する世界こそ、Messengerが目指す未来なのだ。

フェイスブックは、メッセージアプリWhatsAppも傘下に収めており、主な競合はアップルのiMessage(メッセージアプリ)、日本発のLINEとなる。アップルはアプリをメッセージの中で活用する機能を取り入れており、ステッカーにも対応した。またLINEもビジネス連携を積極的に行っており、先頃、人工知能のプロジェクトについても発表したばかりだ。

ただ、いずれも、今回発表されたMessengerのプラットホーム戦略と比較すると、技術面やサービス面が断片的で、取り組みが弱いように見える。

プラズマ乳酸菌で労働生産性が向上!? ヤフーとキリンが共同発表

プラズマ乳酸菌で労働生産性が向上!? ヤフーとキリンが共同発表

2018.11.16

キリンとヤフーが共同で健康経営に関する研究を実施

プラズマ乳酸菌の摂取が免疫細胞の司令塔を活性化させることを確認

免疫力アップが労働生産性の向上につながることも導き出した

キリンとヤフーは11月15日に、キリングループの研究している「Lactococcus lactis strain Plasma(プラズマ乳酸菌)」について、共同で実施した研究結果を発表した。

研究結果は、「プラズマ乳酸菌を摂取すると、労働パフォーマンスの指標が向上する」というものだ。いったいどういうことなのだろう。

プラズマ乳酸菌が活性化させるのは免疫細胞の司令塔

そもそもプラズマ乳酸菌とは何か。乳酸菌はヨーグルトなどに入っているイメージだが、プラズマとは違う物質なのだろうか。キリン社によると、プラズマ乳酸菌とは免疫細胞の司令塔を活性化する唯一の乳酸菌だという。

どうやら免疫細胞には命令系統のようなものが存在し、司令塔を活性化させることに成功すれば、司令塔の命令を受けるすべての免疫細胞が活性化されるのだという。

ただし、一般的な乳酸菌が活性化できるのは、命令系統下位の細胞のみ。そのため効果も限られる。それに対して今回研究結果を発表した、プラズマ乳酸菌は免疫細胞の司令塔である「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を活性化することができるため、免疫細胞全体を活性化することができるという。

そんなプラズマ乳酸菌が労働パフォーマンスとどう関係があるのか。次は、今回の研究で行われた試験内容を見てみよう。

一般的な乳酸菌とプラズマ乳酸菌の違い

元気な体が、低労働生産性の「プレゼンティーズム」を回避

今回の試験は、ヤフー社員226名を対象として行われた。プラズマ乳酸菌1000億個含むヨーグルトを4週間摂取し、体調、気分、労働生産性に関するアンケート評価を実施。その結果、非摂取の状態と比較すると、プラズマ乳酸菌を摂取している状態のほうが、活気があり、体調も良好だと感じている人が多かった。

また、「風邪気味で頭がボーっとする」「下痢で何度もトイレに行く」といった、出勤しているが心身の健康上の問題によって十分なパフォーマンスを発揮できていない状態を「プレゼンティーズム」と呼ぶが、今回の試験によって、このプレゼンティーズムの状態が軽減され、労働生産性が向上したことを確認できたという。

つまり、プラズマ乳酸菌を毎日摂取することで、生体内の免疫が活性化し、体調がよくなり、プレゼンティーズムを改善して労働生産性が向上することがわかったのだ。

簡単に言うと、プラズマ乳酸菌を摂取して元気な状態で仕事をすれば、高いパフォーマンスを発揮できるということである。

プラズマ乳酸菌の摂取によってプレゼンティーズムが改善するという結果が得られた

キリン 代表取締役社長の磯崎功典氏は「従業員とその家族が健康であることは、社会にとってプラスの価値を生みます。健康寿命が延びることによる労働力の確保、ひいては、経済の活性化にもつながると考えました。その結果、従業員は考える時間やチャレンジする時間を持てるようになり、仕事のパフォーマンス向上や、イノベーションの実現につながっていくでしょう」と、キリンが健康経営に力を入れる理由を説明した。

キリン 代表取締役社長の磯崎功典氏

同社が乳酸菌事業に参入してから1年。すでに、初年度の売上額は、目標の1.5倍の額にあたる55億円に達しているが、さらに拡大していき、3年後には2.7倍の150億円を目指す。

たしかに筆者自身も、プレゼンティーズム状態だと感じることはしばしばある。疲労だけでなくオフィス内の騒音なども、仕事に集中できない原因の1つだと思われるが、はたして、そのようなメンタル面のプレゼンティーズムも改善されるのだろうか。実際にプラズマ乳酸菌を飲んで、試してみたいところだ。

『パワプロ』eペナントレース開幕! 元プロ野球選手の解説も

『パワプロ』eペナントレース開幕! 元プロ野球選手の解説も

2018.11.16

『パワプロ』のeペナントレースが開幕

プロアナウンサーの実況と元プロ野球選手の解説で盛り上がりを見せた

規模の大きさにプロ選手も緊張していた様子

コナミデジタルエンタテインメントとNPB(一般社団法人日本野球機構)は、11月10日に、ベルサール渋谷ガーデンにて「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」の開幕戦を開催した。

eBASEBALLは、『実況パワフルプロ野球』のeスポーツイベント。プロ野球全12球団に登録された3名ずつ、計36名のプロゲーマーによって行われる。リーグ内で各チームと3戦ずつ、全15戦行い、ペナントレースを争う。

今回、先だって行われたプロテストeドラフト会議を経て、いよいよ開幕を迎えることになった。開幕戦では、セ・パ両リーグともに試合が行われたが、基本的に土曜日にセ・リーグ、日曜日にパ・リーグの試合が開催される。

試合前にはオンライン投票での勝敗予想も行われる。チーム自体の強さもさることながら、プレイする選手の実力も加味して投票される
全チームではないが、球団マスコットも会場に駆けつけた。一緒に写真撮影したり、サインをもらったりと、ファンにとっては貴重な一日となったのではないだろうか
オープニングでは、ベリーグッドマンによるテーマソングも披露された

1節に実施される試合回数は各チーム3戦。チームの選手が1人ずつ対戦する形式だ。試合は6イニング制で、延長は9回まで。3戦連続で試合をするため、ゲーム内選手のスタミナ面などが後の試合に影響する。つまり、実際のペナントレースと同様に、投手起用などを考える必要が出てくるのだ。

また、選手の調子はランダムで決定される。主力選手の好不調に合わせて戦略を変える必要もあるだろう。エラーや悪送球なども一定確立で発生するので、eスポーツとしては珍しく運要素もある。とはいえ、実際のスポーツ、今回題材としている野球においても運要素がまったくない訳ではないので、そこは逆にリアルとも言える。

試合直前に発表される選手の調子。絶好調、好調、普通、不調、絶不調の5段階あり、絶不調の場合、選手の持つ特殊能力が発動しなくなる。選手の好不調と実力を考え、オーダーを組み直す必要もあるだろう。主力選手が絶不調だったときの絶望感は相当なものだ

開幕戦は、メインスタジアムのセンタースタジアムと、レフトスタジアム、ライトスタジアムの3カ所で実施。いずれもプロのアナウンサーによる実況と元プロ野球選手の解説が行われた。3つのスタジアムでは同時に試合が進行し、他のスタジアムの途中経過なども表示されるといった、まさにプロ野球中継さながらの臨場感を味わえるようだった。会場にいれば、好きなスタジアムでの観戦ができるのも嬉しいところだ。

左からニッポン放送アナウンサーの清水久嗣氏と元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏、プレイヤーゲストのまめしば氏
左からeスポーツ専門アナウンサーの平岩康佑氏と元千葉ロッテマリーンズの黒木知宏氏、プレイヤーゲストのアールグレイ氏
左から文化放送アナウンサーの槙島範彦氏とギャオス内藤氏、プレイヤーゲストのハル氏
左から清水久嗣アナウンサーと元ソフトバンクホークスの多村仁志氏、プレイヤーゲストのまめしば氏
左からフリーアナウンサーの田中大貴氏と前ヤクルトスワローズ監督の真中満氏、プレイヤーゲストのめし原氏

開幕戦で注目カードの1つとなったのが、センタースタジアムの第2戦で行われた中日ドラゴンズ対ヤクルトスワローズの一戦。ドラゴンズ愛あふれるでらナゴ!選手とeドラフト会議で4チームから指名を受けたマエピー選手の試合だ。ある程度の打撃戦となることは予想されたが、結果は7対3ででらナゴ!選手の勝利。昨年の覇者であるマエピー選手が初戦を落とすという波乱の展開となった。

3試合通しての結果としては、唯一3連勝を飾った西武ライオンズが、頭ひとつリードと言ったところ。セ・リーグは、2勝1敗2チーム、1勝1敗1分2チーム、1勝2敗2チームと混戦状態だ。なお、試合結果と順位表は公式ページからも確認できる。

昨年までも「パワプロチャンピオンシップ」として、大会は開催されていた。しかしながら、いわゆるeスポーツのような位置づけでもなく、注目度も高くなかったこともあり、今年はプロ選手によるeBASEBALLとして大きく様変わりしている。大会出場経験のある選手たちも、規模の大きさや注目度の高さに驚いているようだった。

読売ジャイアンツ所属のティーノ選手は「人前でプレイするのは昨年もやっていましたが、規模が違いますね。打撃が得意だったので、今回の試合も10点くらい取れるかなと思っていましたが、ベルガモット選手も私も3安打とまったく打てませんでした。気がつかないうちに緊張をしていたんだと思います」と、感想を述べた。

東京ヤクルトスワローズのマエピー選手も「すごく緊張しました。キャッチャーの送球が逸れまくって、4回の盗塁のうち、本来なら2回は刺せたと思いましたし、ピッチャーの悪送球やサードのエラーなど、かなり運にも見放されていました。ただ、それを差し引いたとしても、打ち負けていたので、完敗です。来週に向けて練習してきます」と語っていた。

横浜DeNAベイスターズのAO選手は「たぶん、私は数少ない3年連続出場の選手なのですが、今年はやはり独特です。この場の雰囲気に緊張しました。ただ、勝てばヒーローになれると思っていましたし、逆転ホームランを打ったときの大歓声はすごくて、大舞台での試合を楽しめました」と、いずれにしても大会の規模と注目度には緊張をしていたということがわかった。

阪神タイガースの実力者ベルガモット選手と対戦し、1対0で勝利を収めた読売ジャイアンツ所属のティーノ選手
珍しく大敗を喫した東京ヤクルトスワローズ所属のマエピー選手
少ないチャンスをものにし勝利した横浜DeNAベイスターズ所属のAO選手

そのほか、大会の見どころとしては、元プロ野球選手の解説が間近で聞けることや、球団マスコットとふれあえることが挙げられるだろう。アメリカのいわゆるボールパーク状態で、野球や『パワプロ』に興味がない人も十分に楽しめる時間となったのは間違いない。

今後の予定は、毎週土日にeペナントレースが行われ、12月16日には、クライマックスシリーズにあたる「eリーグ代表戦」が行われる。さらに来年の1月12日には「e日本シリーズ」も開催予定だ。

開幕戦のすべての試合はYouTubeのKONAMI公式チャンネルにアーカイブされているので、興味がある人は観てほしい。プロによる実況解説、試合展開の盛り上がりなど実際のプロ野球と比べても遜色ないので、プロ野球ファンも是非。