AIで人は楽になる? 失業する? --「人工知能」

今さら聞けないビジネスIT用語集 第1回

AIで人は楽になる? 失業する? --「人工知能」

2017.04.24

将来的に我々は、AI(人工知能)と無縁でいることが難しくなるだろう。

直近のビジネスソリューションに欠かせないと言われるAIだが、「AIで顧客満足度を高める」「仕入れ在庫の傾向もAI判断で最適化」「AIを利用して人が介在しないサポートシステム」と、AIの可能性は枚挙に暇がない。本稿をご覧の読者諸氏も、AIが今のビジネスを変えつつある、ということは重々承知のことだろう。

だが、「AIって何?」と問われて正しく返答できる方は決して多くない。キーワード自体は米国のコンピューターサイエンティスト(計算機科学者)かつ認知科学者であるJohn McCarthy(ジョン・マッカーシー)氏らが1956年に開催されたダートマス会議で定義付けたもので、文字どおり"人が持つ知能を人工的に作り出そう"という学術的アプローチに端を発している。そこから多様なアルゴリズム(計算方法)や数学的理論が生まれたものの、1970~80年代のコンピューターでは性能的限界があり、コンピューターと会話するチャットボットは存在したものの、言語的解釈の乏しさや語彙の乏しさから「人工無能」と揶揄されることも当時は少なくなかったことを覚えている方も少なくないだろう。

2000年代に入るとRay Kurzweil氏の「シンギュラリティ(技術的特異点)」といったキーワードに続いて、IBMはコグニティブ(認識)コンピューティングシステム「Watson」も登場し、社会的に認識されるようになった。このように実用レベルの可能性が見えてきたのはつい最近だ。著名な研究者は「まだ人と同等の五感や感性、感情を実現するに至っていない」と現状を分析しつつも、実状を見渡すと人の舌・評価を介した味覚や、単なるデジタルデータに過ぎない画像に対して「馬に乗る男性」といった視覚を備えつつある。例えばMicrosoftはコグニティブ(認知)サービスを、他のソフトウェアが利用可能にあるAPI(プログラムを簡潔に記述するためのインターフェース)として提供中。これを用いたビジネスソリューションが国内でも生まれつつある。

他方で前述のシンギュラリティは、AIが人間の能力を超えるタイミングを指し、それに伴う失業者が多発する可能性は否定できない。第二次産業革命で生まれた自動車の普及前後を例にすれば、それまで移動・運搬の主流だった馬車及び運用に携わる業種は皆無だ。このような流れはさまざま業種で発生し、ライターを生業とする筆者を含めて皆他人事ではない。遠くない将来はパータン化された文章程度ならAIが人の代わりに言葉を紡ぎ出すだろう。

この変化はデータサイエンティストに脚光を浴びせたように、新たな需要も生み出すが、技術進化に伴う環境の変化に窮する方は必ずいる。それは貴方かも知れない。

画像は女子高生AIとして話題になったMicrosoftの「りんな」。会話だけではAIと実在の人間が区別できなくなりつつある。身近なところでも、人工知能が囲碁や将棋で人間に勝利する話題もよく目にする。シンギュラリティはもはやSFの言葉では無い

阿久津良和(Cactus)

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu