CeBITは音楽とテクノロジーの祭典に? 目指すは「ドイツ版SXSW」か

CeBITは音楽とテクノロジーの祭典に? 目指すは「ドイツ版SXSW」か

2017.04.26

ドイツ・ハノーバーで3月に開催されたIT展示会「CeBIT 2017」は、日本政府の全面協力により、史上最大規模のジャパンパビリオンが登場したことで大きな盛り上がりを見せた。

来年からは、1986年から続くCeBIT史上初めて、展示会の会期が3月から6月に変更される。2017年のイベントの模様を振り返りながら、CeBIT 2018の姿を予想してみたい。

日本を中心に盛り上がったCeBIT 2017。だが3月開催としては最後の年に

日独両首相がCeBIT会場に並ぶ

会期前日に開催されたオープニングセレモニー「Welcome Night」には、安倍晋三首相とアンゲラ・メルケル首相が登壇。日独の両首相が、IoT分野を中心とした両国の協力を約束した。

だが、印象的だったのはドイツ側のゲストとして登壇した教育担当大臣や業界団体のトップの講演だ。具体名こそ挙げなかったものの、米国のトランプ政権を暗に批判。そのたびに会場は拍手喝采に包まれ、ドイツの根強い「反トランプ」の空気が感じられた。

CeBIT会場でドローンを視察する、安倍晋三首相とアンゲラ・メルケル首相

CeBIT会場のホール4とホール12に設置されたジャパンパビリオンには、日本から約120社の企業が出展。どちらかといえば大企業が集中し、立地も良いホール4ばかりが注目を浴びるかと思われた。だがホール12もハノーバー中央駅からのアクセスが良く、CeBITを訪れた多くの来場者が最初に訪れる展示ブースとして賑わいを見せた。

川崎重工業ブースではソフトバンクの「Pepper」が来場者を出迎えた

CeBIT 2017の来場者数は約20万人と例年並みで、展示面積もやや縮小が目立った。ただし、ホール13は新たに自動運転バスのデモエリアにリニューアルするという、新たな試みも見られた。広大なCeBIT会場内には通常のバスも走っているが、将来的にはこれらも自動化が進みそうな勢いだ。

自動運転バスが来場者を乗せてデモ走行を披露

CeBIT 2018は「イノベーションの祭典」に

これに対して2018年のCeBITは、会期を6月に変更することで大規模なリニューアルが予想される。会場には、すべてが新しくなるとアピールするバナーが掲示された。主催者によれば単なる展示会を超え、「イノベーションの祭典」を目指すのだという。

2018年は「完全に新しいCeBIT」を予告

プレスリリースから見えてくる新生CeBITの姿は、次のようなものだ。目玉として、オープンエアの新たな展示場「d!campus」が登場。来場者は最新技術とともに、屋台のフードや音楽を夜遅くまで楽しめるという。

これは米オースティンの「サウス・バイ・サウスウエスト」(SXSW)を連想させるイベントだ。もともとは音楽祭として知られていたSXSWだが、近年はテクノロジー企業が参加することで、位置情報やAR、IoTを活用したアプリやサービスが続々と集まる場になっている。

これまでCeBITはB2Bに注力してきたが、IoTが現実のライフスタイルを変えていく時代には「B2B2C」がますます重要になってくる。そこで2018年のCeBITは曜日ごとにターゲットユーザーを設定。月曜日はビジネスリーダーや報道関係者、火曜から木曜はビジネス客、そして金曜日は一般客にも開放する。

CeBIT 2017会場で最新テクノロジーに触れる、ルクセンブルクの高校生

とはいえ、3月のハノーバーは雪が降りそうなほど寒い日もあり、音楽フェスにはふさわしくない。そこで暖かくなる6月を待ち、SXSWをお手本とした音楽とテクノロジーの祭典を欧州に持ち込む。これがCeBIT 2018の狙いだろう。

2018年は音楽とITを融合した「ドイツ版SXSW」に?
NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
https://news.mynavi.jp/series/autonomous_car

○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
https://news.mynavi.jp/series/game_heisei

○岡安学の「eスポーツ観戦記」
https://news.mynavi.jp/series/e-Sports_review

○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
https://news.mynavi.jp/series/shiwakenin

○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
https://news.mynavi.jp/series/itbiz

○山下洋一のfilm@11
https://news.mynavi.jp/series/filmat11

○モノのデザイン
https://news.mynavi.jp/series/designofthings

○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
https://news.mynavi.jp/series/mobile_business

○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu