笛吹けど世間は踊らず…プレミアムフライデーに4割「あきらめている」

笛吹けど世間は踊らず…プレミアムフライデーに4割「あきらめている」

2017.04.28

月末金曜日の夕方に載せる記事で言うのも何だが、多くの人たちはプレミアムフライデーに、早帰りすることををあきらめてしまっているらしい。この制度は見限られてしまったのだろうか。

本制度は、消費拡大を目指し、今年の2月から始まったもの。「月末金曜は、少し早めに仕事を終えて、ちょっと豊かな週末を楽しみませんか?」と、プレミアムフライデー推進協議会は、仕事を早めに切り上げ、豊かな週末を過ごすことを促す。

こんな笑顔になりたいものだ

ビジネスソフトウェア大手のジャストシステムは、20代から60代の男女1,057名を対象にプレミアムフライデーに関するアンケートを行った。本アンケートによると、大型連休前のプレミアムフライデーについて、約4割の人が「早帰りをあきらめている」という。「特にいつもと退社時間は変わらないとあきらめている」という人が最も多く、37.3%だった。一方で、「なんとしても15時退社したい」人は4.2%、「できれば15時に退社したい」人は8.4%、「15時は無理なので、せめていつもより早く帰りたい」人は5.5%と、厳しい現実が垣間見える

4月のプレミアムフライデーは15時に帰れる? (出典:ジャストシステム)

さらに、実施の時期においても、約6割が「月末という条件を変えたほうがいい」と回答。確かに、月末月初は仕事が集中する傾向がある。ただでさえ遅く帰っていたのに、いつもより早く帰れと言われても、無理があるだろう。

プレミアムフライデーの実施時期について (出典:ジャストシステム)

プレミアムフライデーが施行されて二カ月、どれだけの人がこの制度を利用できたのだろうか。「15時退社を実行できた」人は、両月ともに約4%。他にも、「いつもより早く退社できた」という人は12%。合計でも16%と普及率はまだ高くないようだ。会社によっては、早く社員を返したくても、得意先がまだ働いているから返すわけにはいかないということもあるだろう。

2、3月のプレミアムフライデーでの行動 (出典:ジャストシステム)

プレミアムフライデーを享受できるかどうかは、企業・個人双方の努力が必要となる。回答者の勤務先での取り扱いについて、18%の企業が、なんらかの具体策を行う、もしくは行う予定であるとしている。また、プレミアムフライデーで15時帰宅をしたことがあると答えた人は、「朝早く出社した」「前の日に残業して仕事を調整した」「翌週に仕事を持ち越した」等、何らかのアクションをおこしていたそうだ。ただ、個人の取り組みのみではやはり限界がある。より抜本的な制度の改正や、企業の努力が重要となるだろう。

会社でのプレミアムフライデーの取り扱いについて (出典:ジャストシステム)
15時に帰宅できた人は、どう行動した? (出典:ジャストシステム)

プレミアムフライデーは浸透するかという質問に対して、「浸透すると思う」と答えた人は5.9%と少なく、「浸透は難しい、もしくは浸透しないと思う」と答えた人は87.9%と非常に多い。多くの人がこの認識では、先行きが不安だ。

プレミアムフライデーは浸透するか? (出典:ジャストシステム)

消費拡大を目指し、導入より二カ月経過したプレミアムフライデー。本制度は、これからの社会にどういう影響をもたらすのだろうか。週休二日制が一般的になったように、これから当たり前の存在になるのか、それとも定着せず一部企業のみが適応するのか。消費拡大につながり、景気向上につながるのか。まだまだ取り組みはまだ道半ばだろう。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

NewsInsightは、諸般の事情により記事更新を終了いたします。

ご愛顧いただいた読者の皆様、また関係者の皆様に、編集部一同、誠に感謝いたします。

なお、NewsInsightに掲載中の記事につきましては、引き続きマイナビニュース(https://news.mynavi.jp)へと掲載場所を移管いたします。

掲載中の連載記事につきましても同様に、マイナビニュースへ移管いたします。各連載記事の新しい掲載URLにつきましては、以下となります。

○安東弘樹のクルマ向上委員会!
https://news.mynavi.jp/series/andy

○森口将之のカーデザイン解体新書
https://news.mynavi.jp/series/cardesign

○清水和夫の自動運転ソシオロジー
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○ゲームとともに振り返る“平成”という時代
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○岡安学の「eスポーツ観戦記」
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○企業戦士に贈る「こむぎのことば」
https://news.mynavi.jp/series/komuginokotoba

○藤田朋宏の必殺仕分け人
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○「食べる」をつくる科学と心理
https://news.mynavi.jp/series/food_science

○阿久津良和のITビジネス超前線
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○山下洋一のfilm@11
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○モノのデザイン
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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
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○文具ソムリエール・菅未里の「新しいコンパス」
https://news.mynavi.jp/series/bungu

○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
https://news.mynavi.jp/series/font-history

○カレー沢薫の時流漂流
https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu

最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu