黒船バーガー勢が台頭! 復活のマックは好調を維持できるか

黒船バーガー勢が台頭! 復活のマックは好調を維持できるか

2017.03.06

2016年12月期の決算では復活の兆しが見えた日本マクドナルド。しかし、ファーストフード業界では外資系のグルメバーガー店が勢力を拡大するなど、事業環境は依然として厳しい。マックは今期も好調を維持できるだろうか。

シェイクシャックは3店舗に

マックを取り巻く事業環境は大きく変化している。ここ数年は、新しいバーガーチェーン、いやファストフードチェーンが日本に上陸、ないしは再上陸を果たし、話題を提供している。

例えば、ニューヨークでナンバーワンの人気を誇る「シェイクシャック」が2015年に日本に上陸。外苑いちょう並木店を皮切りに、その後はアトレ恵比寿と東京国際フォーラムに出店して店舗数を3カ所まで拡大している。同社の戦略は高付加価値バーガーの導入だ。

恵比寿のシェイクシャック

黒船襲来が急増したことには複数の要因がある。1つはファストフード業界の低迷に対する、新しい挑戦だ。ちょうどマックが異物混入問題で揺れていた時期、マックの対応については評価が分かれ、その姿勢を見て一部の顧客の足は遠のいた。その結果が業績不振だ。マックへ行かなくなった顧客は、他のファストフードチェーンだけでなく、ファミリーレストランやコンビニエンスストアなどへと向かった。外資系も間隙を突いて日本市場に参入した。

日本をアジア攻略に向けた橋頭堡とする外資系

もう1つの要因としては、日本政府による円安誘導の影響が挙げられる。日本に対し、外資は投資効果を最大限に発揮できるという環境が整ったのだ。また、円安を背景に多くの外国人が日本を旅行先に選択。訪日観光客が最高人数を記録した。

日本に出店する海外のファストフードは、日本のマーケットだけではなくアジア、特に中国市場への進出を狙っているケースが多い。しかし、中国ビジネスには多くのリスクが潜んでいることも事実。日本市場を足掛かりとして学習や実験を重ね、中国マーケットのみならずアジアマーケットへの進出を考えていたとしても不思議ではない。

事実、中国には日本とは比べものにならないほどの購買力(ポテンシャル)がある。また、一人っ子政策が見直されたことにより、ファミリー層の購買力は増加が見込まれる。中国からの流入も多い訪日外国人は、外資系ファーストフードチェーンにとっても狙いたい顧客なのだ。

マックとグルメバーガー、実は競合しない?

しかし、マックの本当のライバルは外資系のグルメバーガー勢ではない。なぜなら両者に顧客が求めるものも、両者が顧客に提供できる価値も異なるからである。

マックに高級・高額なハンバーガーを食べに来店する顧客は恐らく多くない。マックの顧客が想定する単価と、例えばシェイクシャックの顧客の単価は大幅に異なるからだ。この視点から見る限り、高級ハンバーガーチェーンやファミリーレストランなど、客単価が1,000円を超えてくる業態とマックは競合しない。

マックは客単価が1,000円を超えてくる他社とは競合しない

やはり、マックの顧客が求める価格帯は、バリューランチやお手頃マックの価格帯なのである。いわゆるワンコイン帯と呼ばれる領域だ。この辺りを念頭において、マックが何を目指すべきかを考えてみたい。

次の一歩へマックは何をすべきか

マックが2017年1月の商品発表会で語った言葉は「モダンバーガーレストラン」。コーヒーの刷新に始まり、ハンバーガー総選挙、そして期間限定商品としての「チキンタツタ」の登場など、話題に事欠かない2017年のスタートとはなった。

決算発表の場で具体的な商品戦略は明かされなかったが、ビジネスリカバリープランという「再生・回復」から歩を進めて、これからは「強化」の段階に進んでいくことは示された。現在は購入と受け取り窓口の分離を図ることや、決済手段の多様化などを模索している様子。NTTドコモの「dポイント」を導入したのも最近のことだ。

では、顧客は何を望んでいるのか。店舗調査にて、しばしば顧客から耳にするのが店舗資源の再活用の話だ。例えば、喫煙スペースだった場所の有効活用を希望する声をよく聞く。店舗所在地によって求められる機能は異なるが、例えば子供たちが安心して、多少の騒音は気にせず過ごすことのできるスペースだったり、逆に喧騒を離れて過ごしたい顧客に向けたスペースだったりと、「この場所が〇〇だったらいいのに」という顧客からの声は多い。

ホップ、ステップ、ジャンプではないが、一旦は地に落ちたファストフード業界の旗手がかつての勢いを取り戻す時、どのような商品、サービス、店舗運営を行い、顧客の舌と心をつかむのか。カサノバ氏はマックが「大きな成長可能性」を持つというが、それがどのような形で表現されるのかが楽しみだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu