ピーチ、ANA子会社化の衝撃(3)カギ握る親会社との「距離感」 経営の自主性保てるか

ピーチ、ANA子会社化の衝撃(3)カギ握る親会社との「距離感」 経営の自主性保てるか

2017.03.08

ピーチ、ANA子会社化の衝撃(3)カギ握る親会社との「距離感」 経営の自主性保てるか

 電撃的な買収劇となったANAホールディングス

新興航空会社、大手との提携はもろ刃の剣

 ANAが新興航空会社と資本業務提携をするのは今回が初めてのことではない。過去にも北海道国際航空(現エア・ドゥ)、スカイネットアジア航空(現ソラシドエア)、スターフライヤーなど地方を拠点とする航空会社に対する出資や提携を行ってきた。ただ、その経緯や提携の方法は、どちらかというと、ANAによる支援色が強いものであった。

 出資比率は2割未満に抑えるが、航空機整備の受託や航空券の販売システムを提供。一方で、新興航空会社が運航する便の一部座席を買い取り、ANAの顧客に対してANAの航空券として販売する、いわゆる「コードシェア」と呼ばれる取引を行った。

 新興航空会社から見れば、大手航空会社との提携は「もろ刃の」といえる。出資を受ければ、資金面で経営は安定するし、整備の負担を軽減することができ、ITシステムも自社開発しなくて済むようになる。半面、大手航空会社に一定の業務委託料を支払うことで、独自のコスト削減の余地が乏しくなる。販売システムをANAに頼ることで、機動的な運賃の変更も難しくなる。この結果、利用者にとっては大手よりは少しは安くなっても、劇的に運賃を下げることが難しい状況が生まれた。

 これは大手航空会社による新興航空会社の実質的な「系列化」と言える。出資比率は2割未満だから、会計上は持ち分法適用会社にならない。日本では、新規航空会社の育成を促すため、新たに生まれる羽田空港の発着枠を新興航空会社に優先的に配分してきた。出資比率が2割未満であれば、新興航空会社に配分された発着枠をコードシェアを通じて大手航空会社が利用し、実質的に路線や提供座席数を拡大することが可能だった。

ANAと正面衝突したスカイマークの破たん

 こうしたANAの手法に対して、真っ向から異論を唱えてきたのがスカイマークだった。スカイマークは旅行会社のエイチ・アイ・エスが母体となって1996年に設立。和製LCCの元祖とも言える存在で、割安な運賃を武器に乗客を伸ばしてきた。一時は大手航空会社の対抗値下げに苦しんだが、2004年にITベンチャー出身の西久保慎一氏が社長に就任すると需要の大きく見込める路線に経営資源を集中するなどして業績を回復させた。機内で客室乗務員にミニスカートの制服を着せるなど、物議をかもした一件もあったが、ITシステムを自社開発して大手に運賃競争を仕掛けるなど独自の経営を進め、大手2社に対抗する「第3極」としての存在感を示していた。

 転落の原因になったのは、急速な円安による燃料費の高騰。そして国際線進出を狙って発注したエアバスの超大型機A380を巡る違約金だった。同社は自力再建を模索するが、出資者が現れず、2015年1月、民事再生法の適用を申請したのは記憶に新しい。

 その後、投資ファンドのインテグラルとともに再生支援に名乗りを上げたのがANAホールディングスだった。ANAはスカイマークに16.5%を出資、ANA便とのコードシェアなどを通じて再建を支援するとみられていた。

 破たんしたとはいえ、本来ではライバルだった企業に手を差し伸べたのは、羽田の発着枠を多く持つスカイマークが日本航空など他陣営にわたることを恐れたとの見方がある。

 しかし、ANAの思惑とは異なり、コードシェアは実施に至っていない。販売システムをANAに依存することによって、経営の自主性が失われることをスカイマーク側が懸念しているとみられる。株式の過半数を握るインテグラルがスカイマークの将来の再上場を目指しているとみられ、ANAに対してけん制する役割を果たしていると考えられる。

議決権の3分の2獲得、ANA主導強まる

 翻ってピーチではどうか。今回の資本移動で、ANAの出資比率は38.67%から67%に高まる。議決権の3分の2以上を所有することによって、株主総会での特別決議の議案を単独で通せるようになる。役員の選任など経営の重要事項もANAの意向を反映した要素が強くなる。

 反対に外部の投資家比率は33%に低下する。24日の記者会見には、ピーチの創業期からの株主である官民ファンドの産業革新機構と香港の投資家であるファーストイースタンの姿はなかった。実際の株式譲渡は4月だが、すでにANA主導が色濃くなった印象を受ける。

 とはいえ、外部の投資家の持ち分はなお33%残る。彼らが株主として影響力を行使するうちは、ANAもピーチの現経営陣の自主性を尊重した経営を行うのではないだろうか。航空業界には「大手航空会社のLCC子会社は成功しない」との通説がある。LCCにとっては常識にとらわれず、新たな取り組みでコストを下げられるかが重要だからだ。

 ピーチは井上慎一最高経営責任者(CEO)のリーダーシップの下で、従業員から様々なアイデアを吸い上げ、新たな挑戦をしてきたことが今日の躍進につながっている。ピーチは創業期から親会社の出資比率を3分の1に抑えたことや、本社が大阪で、地理的にもANAの本社がある東京と離れているという、適度な距離感があったことが、経営の自主性を支えていたと考えられる。

完全子会社化か上場か、命運握る残りの33%

 そんな中でもANAの子会社になるのは、今後の事業拡大をにらんでのことに違いない。ピーチは現在18機を運航するが、2020年までに35機、将来的には100機体制とすることを視野に入れている。実現には多額の資金調達に加えて、整備体制の拡充やパイロットの養成も必要。ANAと連携できることにメリットはあるのだろう。

国内LCC各社の機材計画 現在 将来 時期 ピーチ 18機 35機 2020年 バニラ・エア 8機 25機 2020年度末 ジェットスター 20機 28機 2019年までに 各社の開示資料、各種報道を元に筆者作成

 ピーチ株の残りの33%を将来、投資家が売却するときに、ANAが全部を買い取って完全子会社化にするのか、それとも、新規株式公開(IPO)するなどして、外部の資本を入れてさらなる成長をめざすのか。いずれにせよ、個社の利益のみならず、日本の航空業界の発展や利用者の便益につながるかという観点で今後もピーチを支えていってほしい。

文:M&A Online編集部



感動に流されがちなスポーツと「プリンセス駅伝、四つん這い走行」

カレー沢薫の時流漂流 第15回

感動に流されがちなスポーツと「プリンセス駅伝、四つん這い走行」

2018.11.12

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第15回は、「プリンセス駅伝の四つん這い走行」問題について

今年は「パワハラ」「黒い交際」「殺人タックル」など、スポーツ界が荒れに荒れた。

スポーツにつきまとう「感動」という尺度

というよりは、今までずっと「わかり哲也」の背景ぐらい荒れ続けていたが、関係者専用のプライベートビーチだったため、一般人の目につかなかっただけのような気もする。

その一方、ワールドカップでは予選を批判した奴は全員死んだのかというぐらい本戦の健闘が称えられたり、夏の甲子園では金足農が秋田県勢として103年ぶりに決勝に進出し大きな注目を集めたりと、感動的なこともあった。

しかし、結果だけを言えば、ワールドカップは1回戦敗退だ。金足農も決勝で敗れ準優勝。逆に優勝したのに金足農の陰に隠れた大阪桐蔭が可哀想なぐらいだ。

つまり、見る側はスポーツに対し、時に結果よりも「感動」を求めがちということだ。金足農が仮に優勝していたとしても、その勝利が「地獄甲子園」式で得た物なら讃えられなかっただろう。

スポーツに感動を求めるのは悪いことではない。私のような、床を這っているコードでこけるような先のない中年は、もはや他人の活躍に乗っかって泣いたり笑ったりするしかないのだ。

だが、「感動した! 痛みに耐えてよく頑張った! 」という言葉があるように、スポーツの感動には「選手が無理をする姿」も含まれていることは否定できない。その無理が「43度の風呂」レベルならまだ良いが、選手生命、さらには最悪命を脅かしかねない時もある。

インターネット大相撲では済まない「プリンセス駅伝」問題

そんな、文字通り「選手が痛みに耐えて頑張った」事件が、先日行われた「プリンセス駅伝」で起こった。女子駅伝だからプリンセス駅伝なのだろうが、私が走者だったら相当居心地の悪いネーミングだ。

その駅伝の中で、10代の走者が中継所の直前で走行不能となったが、何と四つん這いの状態で流血しながらタスキをつないだという。四つん這いで移動した距離は約200メートル。私だったら小一時間かかる、結構な距離だ。その選手がリードの外れた柴犬ぐらいのスピードで四つん這い走行した、というなら制止する間もなくタスキは渡されていたかもしれないが、満身創痍の状態なら相当時間がかかっただろう。

当然、その姿には「誰か止めろよ」と批判が噴出した。しかし、批判がある一方で「感動した!」と、流血四つん這いで走る女子の姿にバッチリ感動した勢がいるのも事実だ。それに対し「怪我しながら走る選手を美談にする勢を許さない勢」が現れ、いつものインターネット大相撲に発展しているのはよくあることなのだが、これはかなり複雑な問題なのである。

監督が倒れた選手に「お前棄権したらわかっとるやろな? 」とアイコンタクトをしたり、観客が「俺たちを感動させるために走れや」と選手を後ろからジープで追い立てたりしたと言うなら論外だが、監督はテレビモニターで「二足歩行が厳しい」という致命的な状態の選手を見て、ちゃんと棄権を申し入れている。

だが、その棄権が現場の審判に伝わった時には、すでにタスキ受け渡し地点の20メートル手前に来ていたそうだ。つまり、満身創痍の選手が四つん這いで180メートル移動してしまうまで棄権の申し入れが審判に伝わらなかった、ということだ。ここでまず連絡体制の不備が指摘されている。

そして、審判は棄権の申し入れを知った後も、「あとちょっとだし」と最後まで走らせてしまったと言う。痛みに耐えて頑張る選手、という「感動」に流され、無理をさせてしまった感は否めない。

そもそも棄権の申し入れがあるなしに拘わらず、現場判断で中止させるべきはなかったのか、という声もある。今、試しに家の中を四つん這いで走ってみたが、これで200メートルはなかなかキツイ。何より見た目が痛々しい。

私の場合、無職の中年が昼間に家の中を四つん這いで走っているというただの「イタい」状態だが、走れなくなった若い選手が流血しながら四つん這いで走る姿は、十分制止すべき痛々しさだろう。実際、棄権申し入れがなくても、現場判断で走れなくなった選手を止める権限が審判にはある。

それでも懸命に走る意志を見せる選手に心打たれて止められなかったのかというと、必ずしも感動だけが理由ではないようだ。企業にとって駅伝というのは非常に重要なものであり、それをチームではなく審判の判断で止めるというのは、審判員側と企業側に大きな禍根を残すことになりかねないのだという。よって審判側は「よほど勇気がないと止められない」そうだ。

また、選手にとっても企業の名前を背負っている上、「自分がコケたら皆コケる」という駅伝のルール上、選手には大きなプレッシャーがかかっている。つまり選手も現場も「止まるに止まれないし、止めるに止められない」状況になっていたのかもしれない。

そして結果から言うと、この選手は「全治3~4か月の骨折」となった。あの四つん這いでの200メートルがなかったら、もう少し怪我が軽くなった可能性は大いにある。

このように、無理は早めに止めないと、逆に有望な選手を潰すことになりかねない。

「無茶しやがって…」という展開は漫画などに任せ、ダメな時は「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ」と早々に打ち切り、次のチャンスに賭けるべきだろう。

タイヤ技術でオリパラを支えよ! ブリヂストン、義足の改良に挑む

タイヤ技術でオリパラを支えよ! ブリヂストン、義足の改良に挑む

2018.11.12

オリパラの裏側には、さまざまな最新技術が隠れている

パラアスリートを支える、ブリヂストンの「タイヤ技術」って?

義足用ソールの開発に挑む研究者らに話を聞いた

東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで2年を切った。自国開催ということもあり、現地で観戦しようと考えている人も多いだろう。そこで1つ提案したいのが、オリンピック・パラリンピックを「技術」の視点で見ることだ。

2018年の平昌オリンピック・パラリンピックでは世界初の5Gの実証実験サービスが行われ、開会式ではインテルがドローンによる光のパフォーマンスが行われた。このような派手なものに限らず、大会の裏にはいくつもの技術が隠れている。パラアスリートが用いる器具などがその典型的な例と言える。

そこで本稿では、「ワールドワイドパラリンピックパートナー」であるブリヂストンによる、自社技術の活用によってパラアスリートを支援する取り組み「パラアスリート技術支援プロジェクト」に注目。東京2020を支える技術の裏側に迫る。

タイヤ技術でパラアスリートを支えよ! 

パラアスリート技術支援プロジェクトは、同社のオリンピック・パラリンピックのパートナー契約締結を機に『タイヤやゴムの技術をアスリートのために活かせないか』という想いから発足したという。ではその技術で何を作っているのかというと、1つの例が義足用の「ソール」(地面に接する部分、靴底)だ。

今回話を聞いた、ブリヂストン 先端企画本部 先端技術推進部 先端技術企画推進第1ユニット 主任部員の小平美帆さん(左)とオリンピック・パラリンピックマーケティング推進部 アクティベーション推進ユニット 課長 鳥山聡子さん(右)

「当社では、パラトライアスロン選手の秦由加子さんの義足用ソールを開発しました。現在も定期的に本人と話し合いの場を設けながら、当社の技術でサポートできる部分はないか、ということを模索しています」(鳥山さん※以下、鳥山)

秦由加子 選手。1981年生まれ。千葉県出身。3歳から10歳まで水泳を習う。13歳で骨肉腫を発症し、右足の大腿部切断を余儀なくされたが、2007年に障がい者水泳チームで水泳を再開。2013年にパラトライアスロンに転向した。大腿部切断でパラトライアスロンを行っている唯一の日本人選手だ

なぜ同社がソール部分に注目するようになったかというと、「タイヤ技術との親和性の高さ」が理由だと小平さんは語る。

「もともと当社では、タイヤはもちろん、ゴルフシューズや農業機械用のゴムクローラなど、『地面と接する部分』の製品開発に強みを持っております。ソールも同じく、地面と接するモノ。そこで当社の持つ技術との親和性が高いと感じ、注目するようになりました」(小平さん※以下、小平)

さらに、ソールの素材はゴムと高分子の複合体であり、これは同社の製品でもよく使われる素材であった。タイヤ製品で培った技術を活用することで、選手をサポートできるのではないか? と考え、新ソールの開発を始めたというわけだ。

義足イメージ。ランニングシューズの底のように、特有なパターン(模様)の入っている部分が、ブリヂストンの開発したソール

「ランニングシューズを切って、義足に貼る」が当たり前?

そもそも、義足用のソール開発に力を入れている企業というのはグローバルで見ても少ない。義足を必要とする人は多くいる一方で、切断箇所や筋肉量の違いなど、個人個人によってのニーズが異なるために、高ロットでの生産ができず、なかなかビジネスとして成り立たないことが原因だという。では、秦選手の使用していたソールには具体的にどのような課題があったのか。

「これは秦さんに限らず、ほとんどのパラアスリートに当てはまることなのですが、それぞれが個人に最適化されたツールを使えていないという課題がありました。もともと、多くの種類が市場に出回っているわけではないので、パラアスリート向けの『高品質な製品』自体が少なく、モノによっては、開発されて数十年経っている”最新モデル”もあります」(鳥山)

驚くべきことに、世界大会で活躍する秦選手のような人であっても、ランニングシューズを買って、ソール部分を切り取り、義足に貼り付けて使っていたのだとか。そのように「売られているものを転用して使う」というパラアスリートは少なくないそうだ。

「当たり前ですが、ランニングシューズのソールは、義足を必要とする人向けに開発されたものではありません。地面と接触した際にかかる力は違うし、耐摩耗性が求められる箇所も異なります。秦さんは以前、雨の中でのレースで、『滑るのが怖くて、思い切って走ることができなかった』という経験をしたそうです。そうした意見を聞き、どんな状況であっても安心して走れるようなソールを開発したい、と考えるようになりました」(小平)

タイヤ開発のノウハウを詰め込んだソール開発

しかし、いくら「地面と接するモノ」だからといって、タイヤとソールで求められる技術が一緒だとは思えない。どのようにブリヂストンの持つノウハウをソール開発に適応させたのか。

「はじめはゼロからの挑戦でした。そもそも、『義足のソールに求められることって何? 』という疑問からのスタートなんです。勉強の日々でしたね。どうにか当社の技術を活用できないか、と考え、まずは走る際にかかる力を測るために、タイヤ開発に使用する測定器を使って圧力測定を行いました」(小平)

圧力測定時の様子。ランニング時、ソールへの力のかかり方がどう変化するかを調査した

ほかにも、使用した後の摩耗部分の分析などを行い、グリップ力を上げつつ摩耗を抑えられるソールはどのようなゴム材料・溝形状にすればよいかをひたすら考えたそう。

さまざまなデータから見えた課題に対して「どうブリヂストンの技術を適応させれば良いか」と考え、試行錯誤を重ねた後に、ようやくソールを開発。2017年4月、初めて秦選手に新ソールをつけた義足で走ってもらうことになった。

「私たちのソールで走ってみた秦さんには『全然違う! 』と、すぐに気に入っていただきました。その1カ月後には早速、新ソールで大会にも出場していただきました。その大会もあいにくの雨だったのですが、確実に滑りにくくなっているとのフィードバックをいただき、手応えを感じました」(小平)

小平さんや鳥山さんは、秦選手と密にコミュニケーションを取りながら、フィードバックを元にソールの改良を続けた

さまざまな領域での技術活用も視野

そのレース以来、秦選手は変わらずブリヂストンが開発したソールを使い続けている。現在のソールは2代目で、2017年に開発したモデルから、パターンと材質を変更しているそう。

しかし、いくら製品の改良を実現したと言っても、事業化につなげられなければ、同社の「パラアスリート支援」は一過性のものになってしまう。同社は今後、この取り組みをどのように続けていく予定なのか。

「秦さんとの協力によって生まれた技術が将来、当社製品のブレイクスルーにつながる可能性はあると考えています。将来的には、さまざまな領域での技術の活用も視野に入れております。ですが、何よりこの取り組みは、当社がグローバルメッセージとして掲げる『CHASE YOUR DREAM』を体現するもの。

CHASE YOUR DREAMとは、ブリヂストンが、さまざまな困難を乗り越えながら「夢に向かって挑戦し続けるすべての人を支えていく」という想いを表現したメッセージ

そのため、必ずしも『将来的なリターン』を求めてこの活動をやっている訳ではありません。私たちの取り組みが社内外に広がり、当社の『夢に向かって挑戦し続けるすべての人を支えたい』という想いに触れていただき、一緒にオリンピック・パラリンピックを応援してくれる仲間を広げていくことを目指しています」(鳥山)

「2020東京」まで1歩ずつ、2人3脚で

現在、すでに秦選手用の最新ソールは完成しているそうだが、まだまだブリヂストンの挑戦は続く。

「最新モデルは、秦さんの要望を満たし、かつさまざまなデータから考えられる問題点を解決した自信作。しかし、パラリンピックまではまだ時間があります。今後も本人のフィードバックをもとに、より改良を続けていきたいです」(小平)

パラアスリートと一緒に夢を追い続けるブリヂストン。今回紹介したのは、同社の秦選手との取り組みだけだが、それに限らず、ほかにも多くのアスリートを支援しているそうだ。

オリンピック・パラリンピックでもっとも日の目を浴びるのは選手。しかし、その周りには、選手たちを支えている多くの人たちがいる。来る2020年、パラリンピックでは、選手の義足や車椅子などにも注目し、そこに隠れた技術の背景を想像してみるのも楽しみ方の1つだ。

ブリヂストンと秦選手の挑戦をこれからも応援したい