エコカー時代の“マツダらしさ”とは? 藤原専務に聞く電動化戦略

エコカー時代の“マツダらしさ”とは? 藤原専務に聞く電動化戦略

2017.03.22

SKYACTIVエンジンで飛躍的に内燃機関(エンジン)の燃費性能を向上させ、ガソリンのみならずディーゼルターボエンジンを市場に投入し、マツダは好評を得てきた。では、電動車両への取り組みはどうかというと、トヨタ自動車のハイブリッドシステムを活用した「アクセラ」のハイブリッド仕様はあるものの、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)の準備はない。

アクセラハイブリッド HYBRID-S L Package

米国カリフォルニア州では、メーカーに電動車両の販売を促す「Zero Emission Vehicle(ZEV)規制」の強化が2018年に迫っているが、2018年モデルとは、実は今秋から発売される新車を指す。マツダはどのようにZEV規制を乗り切ろうとしているのか。

米国で目前に迫る環境規制、マツダはどうする

2018年から、米国カリフォルニア州でZEV規制が強化される。それまでは大手自動車メーカー中心であった規制対象が、マツダや富士重工業(スバル)といった中堅自動車メーカーにも広がる。また、従来はZEVの一部に加えられてきたハイブリッド車(HV)が外され、適合車の対象となるのはEV、FCV、そしてPHVに限られることになった。昨今、ドイツ車をはじめとする欧州車にPHVが増えてきたのは、その対処のためである。

マツダが2007年に表明した「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」にはモーター駆動技術について記されている。すでにその時点で、マツダは電動化技術を将来的に導入していくことを伺わせている。しかし、SKYACTIVの新世代技術を全面的に採り入れた、第6世代商品群の第1弾となる「CX-5」が2012年に発売され、その2世代目が登場するまで時を経た今日に至ってもなお、電動車両への取り組みについては小飼雅道社長の表明のみで、現車はない。

2018年への対処が年内に迫る中、研究開発の取締役で専務執行役員の藤原清志氏に問うと、「2019年にEVを出します」との答えが返ってきた。「しかし2018年には間に合わないので、貯まっているクレジットや台数の先送りで対処します」と言う。

研究開発を担当する藤原専務

ここで少しZEV規制について解説しておく。

カリフォルニアの大気汚染対策を発端とする環境規制

ZEV規制は1990年代初頭にカリフォルニア州で法案として生まれ、それが修正を経ながら今日に至る。当初はカリフォルニア州の大気汚染を改善するための排ガス規制が目的だった。そこで排ガスゼロ、すなわちゼロエミッションという言葉が使われた。

当時のカリフォルニア州には公共交通機関の鉄道がなく、移動はほとんどが自家用車で、ほかにバスがある程度だった。そして、東に控えるシエラネバダ山脈によって海風が抑えられ、大気が平野部の市街地に滞留する地形である。クルマの排ガスはそこに停滞し、カリフォルニアの強い日差しによって光化学スモッグを起こす。1990年代初頭、カリフォルニア州で夜間に霧かと思った靄が排ガスによる光化学スモッグで、それが地上に降りてきていたり、海の上にスモッグが停滞していたりする状況を私は体験している。それほど大気汚染は身近だった。

そもそも、エンジンの排ガス対策を促す1970年代の「マスキー法」誕生も、カリフォルニア州の大気汚染を発端としている。

相次いでEV開発に乗り出した自動車メーカー

ZEV法案が出された段階で、米国ビッグ3はもちろん、トヨタ、日産自動車、本田技研工業が相次いでEVの開発に乗り出した。しかし、当時のバッテリー技術では実用に適した走行距離を達成したEVを市販するまでに至らず、規制内容はHVも受け入れるなど、たびたび修正を受けながら、徐々に規制強化の動きとなってきているのである。

販売台数を数値目標に定めるZEV規制の厳しさを語る藤原氏

そして、当初は販売台数の多い大手自動車メーカーのみが対象だったが、中堅以下の自動車メーカーも対象とするように強化され、今日を迎えている。排ガスゼロは、気候変動を抑制するための二酸化炭素(CO2)排出ゼロにも通じることになる。

2018年には販売する新車の4.5%をZEVとし、翌2019年には7%に、以後は毎年その台数が増えて、2025年には22%にまで比率を高めなければならないというのが、ZEV規制の行程だ。「その数字は自動車メーカーが生産すればいいというのではなく、販売台数であるところが厳しい」と、藤原氏も表情を引き締める。

また、このZEV規制はカリフォルニア州だけではなく、米国東海岸の7つの州(コネチカット州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州)にも広がる動きになっているのである。

規制対策ではなく、大義のための電動化

マツダの具体的な取り組みについて藤原氏は、「マツダは、そうした規制のためにEVなどの開発をしているわけではありません」と切り出した。「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言のときから、企業がなすべきは、地球温暖化(気候変動)をいかに抑制するかです。それが、大義です」と言うのである。

続けて、「まず世界にもっとも台数の多い内燃機関(エンジン)から解決していくのが、マツダの優先順位です。その燃料として石油を精製すれば、ガソリンだけでなく軽油も生まれます。軽油を、日本ではあまり使われないからと海外へ出せば、そこでCO2排出量を余計に増やすことになります。ですから、国内でもそれをきちんと消費できるように、ディーゼルエンジンの市場も育てていかなければならないと考えました」と藤原氏は語った。

それが、マツダのクリーンディーゼルエンジン車である。実際、マツダは日本市場においても、「デミオ」から2017年2月に発売した「CX-5」まで、5車種にわたってクリーンディーゼルエンジンを設定している。

「地域によってエネルギー事情が違い、たとえば北欧のノルウェーでは電力の100%を水力で賄っています。そうした地域では、効率の良い内燃機関よりEVの方がCO2排出量は少なくなります。その地域の市場からは、早くEVを出してほしいと催促されています。また、北欧諸国ではZEVに対する関税がゼロになる政策もとられています。カリフォルニア州であるとか、原子力発電のある国や地域では、EVの方が地球温暖化の抑制になります。そういう地域のために電動化をしていくというのが、次の順序です」というのが藤原氏の考えだ。

エコカー時代に脚光を浴びる「ロータリーエンジン」

2019年にEVを発売後、2021年以降にはPHVも追加していくことになるという。EVについては、車載バッテリーのみで走る仕様に加え、エンジンで発電し、それを駆動に使うレンジエクステンダーの車種も考えているそうだ。「BMWのi3と同じやり方です」と藤原氏。このレンジエクステンダー用の発電エンジンとして、世界で唯一、マツダが量産市販してきたロータリーエンジンを活用したいと話す。

BMW「i3」はEVだが2輪車用のエンジンも搭載しており、そこで発電した電力を走行に使うことで航続距離を伸ばす。これがレンジエクステンダーの仕組みだ

ロータリーエンジンによるレンジエクステンダーは、2013年の暮れに試作車によって公開された。それに私は試乗したが、騒音・振動が他のレンジエクステンダーエンジンに比べ明らかに小さく、後席に座ると多少エンジン音が耳に届く程度という完成度の高さだった。

藤原氏は、「マツダはロータリーエンジンを量産してきましたから、そのあたりの出来は他と違います」と胸を張る。そして、数多くの知見を持つ世界で唯一の企業であるマツダとして、ロータリーエンジンをいかしていけないかと期待を寄せる。

そこには、別の思いもあるという。

多様な燃料を使えるロータリーエンジンの可能性

ロータリーエンジンは、燃焼室が一般的なレシプロエンジンの丸いピストンと違い、四角い形状となるため完全燃焼が難しい。なおかつ、ローターの回転によって燃焼室が移動していくため、燃焼室の温度は冷えやすい傾向にある。そのため排ガス浄化においては、燃焼温度が低いことにより窒素酸化物(NOx)の排出は少ないが、炭化水素(HC)の排出量が多く、それはすなわち燃費がよくないという弱点にもつながっていた。

一方で、過去に発表された水素ロータリーエンジンは、水素でもガソリンでも稼動する。この開発で見えてきたのは、多様な燃料でエンジンを動かせる適応力の高さだ。藤原氏はクルマを走らせるだけではないロータリーエンジンの可能性を語る。

「地方自治体などの話を聞いてみると、災害に備え自前で発電機を準備するのは、日常的な維持管理を含め、費用負担や労力が大きすぎ、なかなかできないと言います。その点、燃料に多様性のあるロータリーエンジンを発電に使うEVのレンジエクステンダーがあれば、通常は業務にクルマとして利用でき、万一の際にはガス燃料でもロータリーエンジンは稼働させられるので、たとえば、地方はプロパンガスの需要が多いと思うので、災害時の短期間であればそれで発電し、電力を得られます」

ロータリーエンジンが今、新たな使命を帯びる

「コンビニエンスストアなども地方ではプロパンガスが設置されているでしょうから、日常的な配達などでレンジエクステンダー付きのEVを利用してもらえば、災害時には冷蔵庫などの電力を、プロパンガスを燃料に維持することができるので、数日間は救済の拠点などにできるでしょう」という藤原氏の言葉には説得力がある。

社会貢献につながるマツダのEV

従来、クルマの性能や機能を考えるときは走行性能にばかり目がいきがちだが、マツダの独自性にもつながるロータリーエンジンを発電用に活用し、EVとしての走行距離を伸ばしながら、万一の際には災害拠点の電力を賄うという発想は、電動車両ならではである。そこまでの広い視野で、藤原氏はマツダ車の電動化の道のりを考えているのだ。

実は国の行政でも、災害時の拠点として道の駅を1つの重点候補と考えている。というのは従来、災害時の拠点としての役割は役所や学校などが担ってきたが、大規模災害が発生したとき、そうした施設が幹線道路から離れているため、救援車両の出入りに不自由したという反省があり、幹線道路に面した道の駅が注目されるようになったのだ。そして現在、道の駅への急速充電器の設置が進んでおり、同時に、EVなどから施設への給電を可能にする設備の設置も検討・実施されつつある。

EVを導入すれば、このように、従来のエンジン車では考えられなかった社会貢献の可能性を広げることができる。気候変動の抑制を含め、社会や地域に貢献する大義がクルマに備わることになる。

中国で動き出す「NEV規制」

マツダの電動車両の開発は、やや遅ればせながらという状況もなきにしもあらずだが着実に進められ、あと1年ほどすれば、その全容が明らかになってくるのではないかと期待が高まる。

そんな中、電動車両への欲求は、米国だけでなく中国でも起こりはじめている。カリフォルニア州のZEV規制とほぼ内容を同じにする「New Energy Vehicle(NEV)規制」が、中国でも動き出そうとしているのである。

中国では2016年に40万台のEVが販売された。例えば日産・ルノーアライアンスが、2010年の「リーフ」発売から積み上げてきた累計35万台(2016年9月時点)という実績を、軽く超える台数をたった1年で達成したのである。

藤原氏も、「マツダはもちろん、世界の自動車メーカーが主力と考える市場は、米国と中国です」と述べる。自動車市場の1位中国と2位米国であり、EVは巨大自動車市場に不可欠な商品となっていく運命にある。

世界中の自動車メーカーが重要市場に位置づける中国。マツダは「CX-4」で「2017中国カーデザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞している

小規模メーカーこそ電動化が急務

なぜ、中国がそこまでEVに熱心になるのか。それは、以前のカリフォルニア州と同じように、北京をはじめ中国国内で発展する都市の多くが、大気汚染による健康被害に悩まされているからである。

大気汚染の原因は、必ずしもクルマの排ガスだけではない。国民生活を支える電力の発電に、石炭火力が使われていることも大きい。経済をさらに発展させ、国を繁栄させ、国民生活の文明化を国全体に拡大するには、石炭火力からの脱却が不可欠なのである。そこで注目されているのが原子力発電だ。400基という膨大な原子力発電所の建設計画とEVの導入は、中国が発展を成し遂げるうえで中核事業に据えるものだ。

また米国も、1979年に起きたスリーマイル島の事故以来中断してきた原子力発電所の建設に動き出している。それが、いま問題となっている東芝のウェスティングハウス買収と、それによる不採算にも関わっている。

これまで京都議定書に調印してこなかった世界最大のCO2排出国である中国と、2位の米国。両国がパリ協定に調印できたのも、そうした原子力発電事業の見通しがあるからだ。

いま、世界のほとんどのクルマはエンジンで走っている。だが、米国と中国でEVが普及し始めたら、他の市場でもEV化を進めなければ、自動車メーカーはエンジンとモーターという2つの生産体制を持ち続けなければならなくなる。それは、小規模な自動車メーカーにこそ難しい話であろう。EVへの転換をいかにうまく進めるか。マツダを含め、世界の自動車メーカーの正念場は目前に迫っている。

「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

「eBASEBALL」の初代覇者が決定! 定番プロリーグとして定着なるか

2019.01.17

「eBASEBALL」で初代王者を決めるe日本シリーズが開催された

頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ

はたして“もう1つのプロ野球”で頂点に輝いたのは?

1月12日、東京ビッグサイトTFT HALL 500にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ2018」のe日本シリーズが開催された。頂点を争ったのは、埼玉西武ライオンズと横浜DeNAベイスターズ。はたして初代王者に輝いたのは、どちらのチームか。

3カ月間の戦いの末、頂点を争う切符を勝ち取った2チーム

「eBASEBALL」とは、野球ゲーム『実況パワフルプロ野球 2018(パワプロ)』を使用した、日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が共同で開催するプロリーグだ。

2018年7月より行われたオンライン予選、西日本、東日本選考会を経て、9月末に実際のプロ野球球団による「eドラフト会議」を実施。ドラフトで指名された選手は、プロゲーマーとして各球団に所属する形になった。

11月からは実際のプロ野球のペナントレースのように、セ・リーグ、パ・リーグに分かれて「eペナントレース」がスタート。そして12月に行われた、eペナントレース上位チームによる「eリーグ代表決定戦」によって、パ・リーグの埼玉西武ライオンズと、セ・リーグの横浜DeNAベイスターズが、e日本シリーズへの切符を手にした。

パ・リーグ代表の埼玉西武ライオンズは、eペナントレースを13勝2敗の圧倒的な強さで勝ち抜き、eリーグ代表決定戦でも危なげなく、代表権を獲得。対するセ・リーグ代表の横浜DeNAベイスターズは、キャプテンであるじゃむ~選手のデータを活かした戦術と強力打線、そして巧みな投球術でeリーグ代表権をもぎ取った。

埼玉西武ライオンズのなたでここ選手(写真左)、BOW川選手(写真中)、ミリオン選手(写真右)
横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手(写真左)、じゃむ~選手(写真中)、AO選手(写真右)
会場は超満員。立ち見席も出るほどの人気ぶりで、まさに日本一を決定するのに相応しい舞台となった

一発勝負の決勝戦! 最後に笑うのは……?

e日本シリーズでは、各チーム3名による3イニング交代制の試合を1戦だけ行う。そこで勝利したチームがeBASEBALL パワプロ・プロリーグの初代チャンピオンになるわけだ。

『パワプロ』でお馴染みの選手の調子発表

選手の調子を見ると、埼玉西武ライオンズは、主力に不調の選手がおらず実力を存分に発揮できそうなラインアップ。横浜DeNAベイスターズは主砲筒香の好調が嬉しいものの、桑原、ソトの不調が厳しい。どちらかというと調子具合は埼玉西武ライオンズが優位に見られた。

さぁ、いよいよプレイボール。まず1人目、埼玉西武ライオンズはミリオン選手、横浜DeNAベイスターズはヒデナガトモ選手がコントローラーを握る。奇しくも、ペナントレースで最多奪三振のタイトルを獲得した2人の対戦となった。

そのため、激しい投手戦が繰り広げられたが、3回裏に均衡が破られる。豪打を誇る埼玉西武ライオンズとしては珍しいスクイズで1点を先制すると、そこから怒濤の連打で計5点をもぎ取り、序盤にして埼玉西武ライオンズが大量リードを得た。

スクイズ、スチールと小技も冴え、一気に5点を奪うミリオン選手
センターフライの捕球ミスやスクイズの打者をアウトにできなかったなど、ミスが出てしまったヒデナガトモ選手

2人目は埼玉西武ライオンズがBOW川選手、横浜DeNAベイスターズがじゃむ~選手と、キャプテン対決。じゃむ~選手が2点を返すも、BOW川選手が1点を追加し、スコア「西武 6-2 DeNA」で最終プレイヤーにバトンが渡された。

埼玉西武ライオンズのキャプテンを務めるBOW川選手
横浜DeNAベイスターズの軍師ことじゃむ~選手

最後は、ペナントレースで急成長した埼玉西武ライオンズのなたでここ選手と、横浜DeNAベイスターズ無敗のエースAO選手の対戦となった。

最優秀防御率のタイトルを獲得し、eペナントレースでの失点はわずか3点と脅威の安定感を持つAO選手は、e日本シリーズでもその実力を発揮。打撃3冠を獲得したなたでここ選手をみごとに完封した。しかしながら、3イニングでは1点を返すのがやっとで、最終スコアは「6対3」。埼玉西武ライオンズが優勝し、e日本シリーズを制した。

今回の大会で急成長したなたでここ選手
横浜DeNAベイスターズのエースとしてチームを牽引したAO選手
ペナントレースから実況を担当した清水久嗣アナはe日本シリーズの実況も担当
解説を務めた元ヤクルトスワローズ監督の真中満氏
同じく解説を務めた元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏
ゲーム解説を務めるぶんた氏
パワプロ・プロリーグ初代チャンピオンの埼玉西武ライオンズ

埼玉西武ライオンズも横浜DeNAベイスターズも、打撃、特に本塁打に期待できる選手が揃っており、その打撃力で勝ち進んでいたなかで、e日本シリーズではホームランが「ゼロ」という、頂上決戦に相応しい緊迫感のある試合だったといえよう。

e日本シリーズでは博多激獅会も応援に駆けつけ、プロ野球さながらの応援が飛び交った

試合終了後は、優勝の表彰とともに、各個人タイトルの表彰も行われたので、その様子も紹介しよう。パ・リーグでは、首位打者、本塁打王、打点王、最優秀防御率の4冠を埼玉西武ライオンズのなたでここ選手が獲得。最多奪三振は埼玉西武ライオンズのミリオン選手が獲得した。

また、セ・リーグでは、首位打者と本塁打王の2冠を広島東洋カープのカイ選手、打点王と最優秀防御率の2冠を横浜DeNAベイスターズのAO選手、最多奪三振を横浜DeNAベイスターズのヒデナガトモ選手が獲得。そして、MVPには、4冠獲得のなたでここ選手が選出された。

パ・リーグの最多奪三振を獲得したミリオン選手
セ・リーグの首位打者と本塁打王を獲得したカイ選手
セ・リーグの打点王と最優秀防御率の2冠を獲得したAO選手
セ・リーグの最多奪三振を獲得したヒデナガトモ選手
パ・リーグの首位打者、打点王、本塁打王、最優秀防御率の4冠、そしてMVPを獲得したなたでここ選手
e日本シリーズでは12球団のマスコットがそろい踏み。スポンサーであるSMBCのキャラクター「ミドすけ」も登場した

eBASEBALLは試合を重ねるごとに盛り上がりを見せ、決勝の舞台でもあるe日本シリーズでは立ち見が出るほど多くのファンが駆けつけた。プロ野球ファンにとって、オフシーズン時期の楽しみの1つとして、eBASEBALLが定着しそうな気配も感じる。

最後にNPB(日本プロ野球機構)コミッショナーの斎藤惇氏による締めの挨拶にて、「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2019」の開催も発表された。来シーズン、さらなる飛躍と盛り上がりに期待したい。

SUVでは満足できない人へ…「パサート」試乗で再考したクロスオーバーワゴンという選択肢

SUVでは満足できない人へ…「パサート」試乗で再考したクロスオーバーワゴンという選択肢

2019.01.17

フォルクスワーゲンの「パサート オールトラック」に試乗

これは意外? クルマ好きも納得のスポーティーなクルマ

ステーションワゴンとSUVの“いいとこ取り”

昨今のSUVブームはとどまることを知らない。コンパクトからラグジュアリーまで多様性もみられ、さらに「RAV4」の日本復活など、いくつかの新型車投入のニュースも届いている。しかし、SUVが必ずしも全てのユーザーにとってベストな選択肢とはいえないはずだ。

日常の使い勝手などを考慮すると、セダンとSUVの架け橋である「クロスオーバーワゴン」こそ、真の“いいとこ取り”なのではないかと思うところもある。今回は、フォルクスワーゲンから登場した「パサート オールトラック」に試乗し、この車種の魅力について再考してみた。

フォルクスワーゲンのクロスオーバーワゴン「パサート オールトラック」に試乗した

スバルが普及させたクロスオーバーワゴンという車種

フォルクスワーゲンがミッドサイズモデル「パサート」に新グレード「パサート オールトラック」を追加した。このモデルは、パサートのステーションワゴン「パサート ヴァリアント」をベースとし、SUVのエッセンスを取り入れた「クロスオーバーワゴン」と呼ばれるジャンルのクルマだ。つまり、ステーションワゴンとSUVの中間的な存在である。特徴としては4WD、専用サスペンションで高めた最低地上高、SUVを彷彿させるラギッドなスタイルなどが挙げられる。これらにより、ステーションワゴンよりも走破性が高まっている。

「パサート オールトラック」は最低地上高の高さやSUVを髣髴させるスタイルなどを特徴とする。価格はグレード別に「Passat Alltrack TDI 4MOTION」が509万9,000円から、「Passat Alltrack TDI 4MOTION Advance」が569万9,000円からだ

少しだけクロスオーバーワゴンの歴史を振り返りたい。意外かもしれないが、こういったクルマを普及させたのは日本メーカーなのだ。

SUVのニーズが高まっていた1990年代の北米で、SUVを持たないスバルは大苦戦していた。その打開策として、2代目「レガシィ」をベースとするクロスオーバーモデル「アウトバック」(日本名:レガシィ グランドワゴン)を開発。これが大ヒットとなり、北米市場での巻き返しに成功する。

スバルが2代目レガシィをベースに開発した「アウトバック」。意外にも、歴代モデルの中にはセダン仕様が用意されていたこともある。日本では「レガシィ グランドワゴン」の名で登場。その後、「レガシィ ランカスター」と名称を変更した。先々代モデルからは日本でも輸出名を取り入れ、現在同様の「レガシィ アウトバック」となった

アウトバックがヒットした背景には、ステーションワゴンの高性能化が進み、実用車というイメージが変化して、アクティブなカーライフやスポーティな走りが楽しめる多用途なクルマとして認知されだしたことがあった。セダン譲りの使い勝手と走行性能、そこにラフロードにも対応できる走破性を組み合わせた欲張りな存在として人気を集めたのだ。事実、アウトバックの後にはボルボ「XC70」(後のV70 クロスカントリー)や「アウディ オールロード」といったクロスオーバーワゴンの名車が続々と誕生している。

今やクロスオーバーワゴンは、ステーションワゴンの定番となった。そのパサート版が「パサート オールトラック」だ。

パサート版クロスオーバーワゴンはどんなクルマなのか。試乗で確かめた

「パサート オールトラック」は日本でも使いやすい?

ラギッドなイメージを高めたエクステリアは、パサート本来の上品なデザインの中に、アグレッシブさを感じさせる。主な変更点としては、アンダーガード付きの前後バンパー、ホイールアーチのブラックモール、シルバー仕上げのサイドシルモールなどが挙げられる。サスペンションは標準車+30mmアップとし、最低地上高は160mmを確保した。

ボディサイズは全長4,780mm、全幅1,855mm、全高1,535mm。コンパクトとはいえないが、日本の道路や駐車場には適応しやすいサイズといえる。最大のポイントは、ルーフレールを装備しながらも薄型とすることで、全高を1,550mm以下としているところ。これなら、多くの立体駐車場に入れられるはずだ。

「パサート オールトラック」は日本でも使いやすいサイズ感だ

基本的にインテリアはパサートと共通だが、グレーのパネル加飾を取り入れるなど、スポーティーな装いにしてある。装備は上級モデルらしく充実していて、全車速追従機能付きのACCや車線内中央維持支援機能「レーンアシスト」、渋滞時追従支援機能「トラフィックアシスト」などの先進安全運転支援機能をはじめとし、スマートキー機能の「キーレスアクセス」やSSDナビ付きインフォテインメントシステム「ディスカバープロ」、シート&ステアリングヒーター、パワーテールゲートなど快適装備も満載だ。

車内は広々としており、前後席共に快適なスペースが確保してある。ラゲッジスペースは標準で639Lと大容量。後席を折りたためば最大1,769Lまで拡大可能だ。

インテリアはスポーティーな装い。機能はパサート ヴァリアントの上級グレードに近いもので、充実している
後席は3分割の可倒式。折りたためば最大で1,769Lまで積める

これがベストパサート? スポーティーな乗り味を体感

次にメカニズムを見ていく。エンジンは「AdBlue」(アドブルー、尿素SCRシステムの触媒として用いる尿素水のこと)を使用したクリーンディーゼルの2.0TDIエンジンを搭載。最高出力は190ps/3,500~4,000rpmで、最大トルクは400Nm/1,900~3,300rpmを発揮する。トランスミッションにはDCTタイプの6速DSGを組み合わせる。

最大のポイントは、現行型パサートで初めて4WDを採用していること。さらに、アクセルやパワステ制御などを変更できる走行モードには「オフロードモード」が追加となっている。オフロードモードでは、急な下り坂で車速を一定に保つブレーキ制御「ヒルディセントアシスト」などが作動する。

クリーンディーゼルの2.0TDIエンジンを搭載する「パサート オールトラック」

試乗したのはパサート オールトラックの最上級グレードである「アドバンス」だ。一言でいえば、かなりスポーティーなキャラクターに仕立てられている。低回転で最大トルクを発揮するディーゼルエンジンの魅力が存分に味わえて、峠道の上り坂も力強く駆け上っていく。元気さはパサートTDIを上回っている印象だ。出力は同等だが、アクセルなどのセッティングが異なるのだろう。

そこに前後のトルク配分が可変となる4WDの「4MOTION」と電子制御ディファレンシャルロック「XDS」が加わることで、コーナリングもグイグイ曲がっていく。それでいて乗り心地も良いのだ。ラフロードに適応すべく、足回りのしなやかさを重視していることが良好な乗り心地につながっているのだろう。

「パサート オールトラック」の上級グレード「アドバンス」で御殿場周辺の峠道を走った

同じパサートのスポーティグレード「2.0Rライン」は、もっとハードなセッティングで乗り心地もやや硬めとなる。一方で、パサート オールトラックのアドバンスはバランス重視のセッティングなのだが、クルマ好きをも納得させるスポーティーさを持ち合わせている。これがベストパサートだとさえ思ったほどだ。

ただ、アドバンスはオールトラックの標準車が装着する225/55R17タイヤに対し、245/45R18タイヤにサイズアップしている。さらにはXDSやアダクティブシャシーコントロール「DCC」なども追加となっているので、標準車のオールトラックと異なる部分があることは加味しなければならない。

ただ、オールトラックがスポーティなワゴンに仕立ててあることは間違いない。ファミリーカーだけどドライブを楽しみたいというユーザーには、パサートの中で最もオススメできるクルマだ。

ファミリーカーでも走りを楽しみたいという人には「パサート オールトラック」をオススメしたい。確かに509万円からという価格は安くないが、「パサート ヴァリアント TDI」のエントリーモデルのナビ付きが約470万円であることを考慮すれば、納得のプライスといえよう

走りの良さを持ち合わせたSUVも増えてはいるが…

ステーションワゴンがブームとなったきっかけは、実用性の高さに加え、ワンボックスカーやSUVなどでは得られない走りの良さを獲得できたところにあった。しかし、走りの良さを身につけた昨今のSUVは、そのニーズを奪い、ステーションワゴンの領域を食ってしまったといえる。あれほど盛況であった日本のステーションワゴンも激減し、今やスバルの一強となっている。

ただ、輸入車を見ると、ステーションワゴンの顔ぶれはなかなか充実しており、一定の販売台数を確保している。その中には、いくつかのクロスオーバーワゴンが存在する。

クロスオーバーワゴンはステーションワゴンに価値が加わったクルマなので、ベース車と比べれば、やはり値段は少々高くなる。それでも、中身に見どころはあるし、コスパで考えても納得できるものが多いと思う。日常での使い勝手を重視したい人、ワイルドさやスポーティーさを強調するSUVに子供っぽさを感じてしまう人などは、改めてクロスオーバーワゴンに注目してみてはいかがだろうか。