グリー、純資産1億円の動画ベンチャーに43億円 業績にも底入れ感

グリー、純資産1億円の動画ベンチャーに43億円 業績にも底入れ感

2017.02.05

グリー、純資産1億円の動画ベンチャーに43億円 業績にも底入れ感

 グリー<3632>の業績にようやく底入れ感が出てきた。2日に発表した2016年10~12月期の連結決算は売上高が7~9月期比3%増の153億円と前四半期比で4年ぶりの増収となった。海外で取得したゲームタイトルが好調に推移するなど主力のゲーム事業に復調の芽が出ている。新領域として注力する動画事業では、動画コンテンツを企画・制作する3ミニッツ(東京・渋谷)の株式を取得し、子会社化すると同日発表した。純資産1億円のベンチャーに43億円を投じるグリーの狙いを探った。

 「動画メディア、広告、制作事業が足元で急拡大している。こうした会社を取り込んで攻めていくのがいいだろうと判断した」。2日、グリーが開催した決算説明会で田中良和社長は買収の狙いについて説明した。

 3ミニッツはファッション動画メディア「MINE BY 3M(マインバイスリーエム)」を運営する。2015年9月にサービスを開始し、ファッショントレンドに敏感な25~34歳の女性の支持を集め、累計利用者数は200万人を突破している。オリジナル動画コンテンツも制作し、月間再生回数は1億回。SNSへの分散を含む月間延べリーチ数は7500万人と国内最大級のインフルエンサーネットワークも誇る。

 3ミニッツの設立は2014年9月。ビジョンは「3分で世界にインパクトを」。同社ホームページによると社員数は70人で、取引先には日本コカ・コーラやナイキジャパンなど大手企業も名を連ねる。2016年8月期の売上高は4億4047万円、営業利益は4億7343万円の赤字だ。ただ売上高は前期の7倍に急拡大しており、今後の成長余地が大きそうだ。

 グリーは子会社を通じてスマートフォン向け動画広告配信プラットフォーム「AdColony」や動画制作・マーケティング支援の「WOOZ(ウーズ)」を手掛けている。グリーはセグメント別の業績を開示していないため、動画事業の規模は明らかになっていないが、決算説明会資料によると2016年12月の動画領域の売上高は前年同月に比べ3.5倍に拡大しているという。

 3ミニッツをグループに取り込むことで、20~30代女性ユーザーを抱える人気動画メディアを獲得できるうえ、動画制作やマーケティングのノウハウを強化できると判断したようだ。

背景に動画広告市場の急成長

 グリーが43億円もの資金を投じて動画ベンチャーのM&Aに動いた背景には動画広告市場が急成長していることがある。サイバーエージェントが実施した国内動画広告の市場調査(Copyright © CyberAgent, Inc. All Rights Reserved.)によると、動画広告市場は2022年に2918億円に達し、16年(842億円)の3.5倍に成長することが見込まれている。このうちスマートフォンでの配信は全体の84%を占める見通しだ。

 グリーは動画事業と合わせてVR領域にも力を入れている。2016年12月、東京都渋谷区にオープンしたVRのアミューズメント施設「VR PARK TOKYO」にグリーはアドアーズ<4712>と共同開発した2機種のアトラクションを提供している。田中社長は「VRは他社との共同開発をしながら、自分たちの開発力を高めていく」と語る。グリーは800億円を超える豊富な手元資金を抱えている。動画と同様、VR領域での事業拡大に向けにグリーはさらなる提携やM&Aに動く可能性もありそうだ。

 2016年10~12月期は四半期ベースで4年ぶりに増収に転じたとはいえ、営業利益は7~9月期比41%減の15億円と苦戦が続いている。広告宣伝費の増加や北米のゲームタイトル取得に伴う償却費が響いた。業績を回復軌道に乗せるには、ゲームの反転に加えて、動画やVRなど新領域の収益貢献が欠かせない。

株価は急反発、問われる相乗効果

 3ミニッツの買収に投じた43億円と純資産1億円との差額は、のれんとして償却する必要が出てくる。また3ミニッツの取得価格については、業績連動型のアーンアウト方式を採用しており、3ミニッツの今後3年度の決算数値に応じて、前述の43億円に加えた追加代金が発生する可能性があるという。

 3ミニッツ買収を発表した翌日の3日、グリーの株価は前日比7.7%高の641円と急反発した。動画ベンチャー買収で成長市場におけるノウハウ構築にかかる「時間を買った」グリーの戦略を市場はひとまず好感した。しかし、早急に相乗効果を出さなければ、のれんが重くのしかかり、投資家の失望を招きかねない。


文:M&A Online編集部

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○森口将之のカーデザイン解体新書
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○知って納得、ケータイ業界の"なぜ"
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○活字・写植・フォントのデザインの歴史 - 書体設計士・橋本和夫に聞く
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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu