大手携帯キャリアの2ブランド戦略はいつまで通用するか

大手携帯キャリアの2ブランド戦略はいつまで通用するか

2017.02.06

「ワイモバイル」「UQ mobile」など、大手携帯キャリアが最近、低価格なサブブランドに力を入れる動きが目立っているが、一方で大手キャリアのメインブランドでも、学割で安価に利用できる施策を打ち出すなど、双方の立ち位置がやや不明瞭な部分も見え隠れする。大手キャリアはサブブランドをどのように活用しているのだろうか。

境界が曖昧に見えるサブブランド

低価格でスマートフォンが利用できるサービスの人気が急速に高まっているが、そうした中でも最近、積極的なテレビCM攻勢などで注目を高めているのが「ワイモバイル」と「UQ mobile」の2つ。そしてこれらはいずれも、大手キャリアが大きく関与している通信サービスであるという点で、共通している。

実際、ワイモバイルは「ソフトバンク」ブランドでモバイル通信サービスを提供するソフトバンクのサブブランドとして位置付けられている。またUQ mobileは、キャリアから回線を借りてサービスを提供するMVNOという立場ではあるものの、やはり「au」ブランドでモバイル通信サービスを提供する、KDDI傘下の「UQコミュニケーションズ」が提供するサービスであり、その回線を借りる先もKDDIとなっていることから、実質的にサブブランドというべき位置付けとなりつつある。

これらはいずれも、大手キャリアのメインブランドより安価な料金でサービスを提供している点で共通している。実際、双方の主力料金プラン「スマホプラン」「ぴったりプラン」は月額2.980円、さらに1年間は1,980円で利用できる割引施策などを提供していることから、安くても5,000円はかかる大手キャリアのスマートフォン向け料金プランと比べると、かなり安く利用できるのは確かだ。

しかしながら一方で、大手キャリアの戦略を見ていると、時折そうしたサブブランドの領域を侵食するように見える施策を打ち出すことがある。例えば今年の学割施策において、KDDIとソフトバンクは共に、18歳以下の新規利用者に向け、固定回線の契約や親の回線も新規契約するなどさまざまな条件は必要となるものの、高速通信容量が3GBまでであれば、月額2,980円から利用できる料金プランを提供している。当然ながら2,980円という金額は、それぞれのサブブランドの料金に匹敵する価格だ。

KDDI(au)は、条件は厳しいものの高速通信容量が3GB以下であれば月額2980円で利用できる「学割天国U18」を打ち出して話題となった

さらにソフトバンクに関して言うならば、ソフトバンクとワイモバイル、双方においてヤフーの「Yahoo!ショッピング」との連携施策を打ち出している。ソフトバンクは期間限定のキャンペーンであるのに対し、ワイモバイルはYahoo! Japanの有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」と同等のサービスが無料になるなど、一歩踏み込んだ施策となっているという違いはあるが、いずれも施策の狙いや方向性は共通している。

ソフトバンクはソフトバンク、ワイモバイルの両ブランドでヤフーとの連携施策を展開。それぞれの内容に違いはあるものの、狙いなどは一致している

実は曖昧さが有利に働く2ブランド戦略

一見するとこれらキャリアの施策は、メインブランドとサブブランドの使い分けにやや苦慮しているようにも見える。だが実は、その曖昧さこそが、2ブランド戦略の強みとなっているのだ。

サブブランドを展開していないNTTドコモの場合、回線を貸し出しているMVNOは別の会社となるため、両者にはサービスや戦略でも明確な区分けが存在する。それゆえ、例えばNTTドコモと取引のあるアップルのiPhoneを、資本関係のないMVNOに取り扱わせることや、安価なサービスを求めるユーザーに特定のMVNOを案内する“一体販売”のような施策を打つこともできない。

またそもそも、MVNOは別の企業であるため打ち出す戦略が、必ずしもNTTドコモの戦略とマッチしているとは限らない。例えば、多くのMVNOはコストを抑えるため実店舗がない、あるいは非常に少なく、しかも新規契約獲得を重視していることから、サポートより販売に重きを置きがちだ。

しかし低価格を求めるユーザーの中には、実店舗で安心してスマートフォンを購入し、充実したサポートを受けたいスマートフォン初心者もいる。そうしたニーズは大半のMVNOの戦略からこぼれ落ちてしまっており、他社のサブブランドに流出する要因にもなっている。それゆえNTTドコモは低価格端末「MONO」を提供するなど、メインブランドの側でMVNOからこぼれ落ちたニーズへの対応を迫られている。

NTTドコモが低価格スマートフォン「MONO」を投入したのも、MVNOの戦略からこぼれ落ちている、低価格を求めるユーザー層がいたからこそといえる

だがソフトバンクやKDDIは、メインブランドだけでなくサブブランドにも大きく関与している。それゆえiPhoneのように、自社のリソースをフル活用してサブブランドで不足している要素を埋め合わせたり、一体営業によってメインブランドで抜け落ちているニーズをサブブランドで拾い上げたりするなど、相互に補完し柔軟性のある戦略をとることができるのだ。

確かに多様なニーズを満たす上では、どうしても戦略上重複する部分が出てくることがある。だがそれよりもむしろ、ユーザーニーズの“穴”を徹底して塞ぎ、ユーザーの流出を抑えられることが、2ブランド戦略のメリットとなっているわけだ。

UQ mobileはauとの販売連携を実施しているが、こうした取り組みができるのもサブブランドならではだ

サブブランドにも影響を及ぼす総務省

とはいえ市場環境は刻々と変化しており、現在の2ブランド戦略がいつまでも通用するとは限らない。特に今後、キャリアの2ブランド戦略に大きく影響してくると考えられるのが、近年キャリアに厳しい姿勢を取り続けている総務省だ。

例えばソフトバンクの場合、去る2月1日に日本通信がソフトバンクと相互接続協定書を締結したことを発表。同社がソフトバンクのMVNOとして、3月22日より安価な通信サービスを提供することを明らかにしているのだが、これには日本通信とソフトバンクの交渉が不調に終わり、日本通信側が総務省に申し立てをした結果、日本通信に有利な判断がなされたことで、結果的に実現したものである。

ソフトバンクはワイモバイルの存在があることもあり、これまでMVNOへの回線貸し出しには消極的な立場をとっていた。だが今回の出来事を機としてソフトバンク回線を用いたMVNOが増えると見られていることから、NTTドコモのように低価格ユーザーに向けたサービスを、自社で制御しづらくなる可能性が高まると見られる。

またKDDIの場合、かねてよりUQ mobileのサービスと、mineo(ケイ・オプティコム)の「Aプラン」やIIJmio(インターネット・イニシアティブ)の「タイプA」など、傘下以外の企業が提供するKDDIの回線を用いたサービスとでは、技術的な仕組みの面でいくつかの違いが見られ、UQ mobileが有利な状況となっていることが度々指摘されている。こうした点が総務省の目に留まり、改善要求などがなされた場合は、KDDI傘下ならではの優位性が揺らぐ可能性もあるだろう。

総務省はMVNOの競争力拡大に向け、キャリアの施策だけでなく、キャリアのサブブランドに対しても厳しい目を光らせつつある。サブブランドを抱える両キャリアは、今後2ブランド戦略を一層強化する姿勢を見せているが、競争力強化のため一体運営を進めるほど、総務省の厳しい判断を受けることになるかもしれない。

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

2018.11.14

音楽に特化した「YouTube Music」が日本でスタート

有料会員になれば、広告なし再生やオフライン再生が可能

YouTube Premiumでは、オリジナルコンテンツの配信も開始

仕事や作業をする際、周りのノイズをカットして集中するために、音楽を聴くという人は多いだろう。わかる。よくわかる。フロアが騒がしいと作業に全く集中できない。周りで仕事している人がいるということがわからないのだろうか、と疑問に思うが、まぁそれは置いておいて、パソコンで作業する場合、手軽に好きな音楽を聴けることから、YouTubeで音楽を聴くという人も多いのではないだろうか。

そんなYouTubeユーザーに朗報である。11月14日、Googleは音楽に特化したストリーミング再生サービス「YouTube Music」を日本でローンチすると発表したのだ。

好みやシーンに応じて楽曲をレコメンド

YouTube Musicは、音楽再生に特化したアプリ。YouTubeにある公式の曲やプレイリスト、歌ってみた、弾いてみたなど、さまざまな音楽動画を視聴することができる。

また、機械学習が活用されているのも特徴の1つだ。視聴履歴などからユーザーの好みを把握するだけでなく、「いつどこで何をしているのか」を類推して、シーンに合わせた楽曲をレコメンド。家でリラックスしているときにお勧めの曲や、仕事中にお勧めの曲などを、自動でピックアップしてくれるという。

さらに、あいまいなカタカナ発音で洋楽を検索したり、CMタイアップ曲などから検索したりすることも可能で、聴きたい曲をスムーズに探すことができそうだ。

サービスの発表会において、YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏は「オーディエンスに着目した結果、今出ているアプリでは満足できていない層があることがわかり、そのユーザーに音楽サービスを届けようとこのサービスをスタートしました。YouTube Musicは、ユーザーの利用シーンや好みに合わせた曲を、YouTubeにある膨大なミュージックカタログからレコメンドするユニークさを持っています」と、サービスの魅力を強調した。

YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏

無料でも利用できるが、有料のYouTube Music Premiumに登録すると、「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」などが可能になる。料金はWeb/Androidが月額980円で、iOSが月額1280円(ともに税込み)だ。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏は「日本ユーザーの方は通勤通学などで音楽を聴くことが多いと思います。オフライン再生機能では、前日の夜に自宅のWi-Fiで翌日聴くべき曲を自動で更新し、通信なしで聴けるようになります。データの通信量などを気にする必要もないので、非常に便利な機能だと思います」と、オフライン再生のメリットを訴求した。

なお、同サービスには著作権管理システムが働いており、YouTubeと同様に適切な権利コントロールが可能だという。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏

「YouTube Originals」が日本でも始動

また今回、「YouTube Premium」という新しい有料プランもスタートする。料金はWeb/Androidだと月額1180円で、iOSだと月額1550円(ともに税込み)だ。YouTube Music Premiumの機能に加えて、YouTubeでも「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」機能が使えるようになる。

さらに、YouTube Premiumの会員は、12月から日本でも配信される予定のYouTubeオリジナルコンテンツ「YouTube Originals」を視聴することも可能だ。すでに世界30カ国でコンテンツを展開しているが、このたび、日本でも制作がスタート。SEKAI NO OWARIとMARVLEがコラボしたミュージックビデオ制作の裏側に迫るドキュメンタリー「Re:IMAGINE」、YouTuberのはじめしゃちょーが主演する連続ドラマ「The Fake Show」、YouTubeで人気のクリエイターが手がけた「隙間男:Stalking Vampire」の3つだ。

「YouTube Music Premium」と「YouTube Premium」で利用可能な機能
日本で制作される「YouTube Originals」のコンテンツ

発表会には「The Fake Show」に主演する、YouTuberのはじめしゃちょーが駆けつけた。

はじめしゃちょー

「今回僕が出演するのは、今までなかったYouTuberをテーマにしたドラマ。アカウント乗っ取りや炎上など、問題に直面しながらも夢に向かって進んでいく姿が描かれているので、僕の動画を見たことない人にも見てほしいですね」と動画の紹介をするとともに、YouTube Musicについて「普段、広く浅く、さまざまな音楽を聴くので、非常に楽しみなサービスです。ぜひ使ってみたいと思います」と期待を述べた。

なお、YouTube Musicは「Google Home」「Google Home Mini」にも対応予定。そのほか、現在「Google Play Music」を利用しているユーザーは、追加料金なしで移行することができるという。

新型VAIOの攻め手は十分か? 日の丸パソコン再起の展望

新型VAIOの攻め手は十分か? 日の丸パソコン再起の展望

2018.11.14

VAIOが独自機構の新型モバイルPC「A12」を発表

パソコン事業の成長は数年続き、海外展開も拡充

パソコンのVAIOから、ITブランドのVAIOを目指す

VAIOが業績が好調だ。2017年度は売上、利益ともに2ケタ成長となる増収増益を達成した。PC事業が順調なことに加え、EMS事業も進展したことが奏功したという。11月22日にはオールラウンダーPCというコンセプトを打ち出した新型モバイルパソコン「VAIO A12」を発売する。国内PC事業は合従連衡や海外への売却が続くが、数少ない「純国産」のPCメーカーであるVAIOの今後の戦略とは。

VAIO A12

働き方改革を追い風に地固め、今後は拡大を目指す

VAIOは、ソニーから独立後、法人向けビジネスを中心に据えたことで、早くから黒字化を実現しており、今期も順調な決算となった。売上高は前年同期比10.8%増となる214億8,800万円、営業利益は同13.9%増となる6億4,800万円で、過去最高益を達成した。

PCの法人需要が旺盛で好調な決算となった

法人向けモバイルPCの伸びが前年比30%増と順調だった点が特徴で、その背景にあるのが昨今のトレンドとなっている「働き方改革」だ。テレワークやフリーアドレスなど、それまでの決まったデスクに座ってデスクトップPCを操作するという環境から、ノートPCを持ち歩いて仕事をするという環境に移っていくなかで、VAIOの製品構成がこれに上手くはまった。

VAIO株式会社 代表取締役 吉田秀俊氏

VAIOでは、2017年から11~15インチのモバイルPCでラインアップを構築しており、今年はその後継機種を投入していた。パフォーマンスに特化したVAIO True PerformanceやVAIO Premium Editionといったバリエーションモデルも提供してはいるが、一方でVAIO ZやVAIO Z Canvasといった過去のハイエンドモデルに相当する製品はなく、あくまで「メインターゲットは法人ユーザー」を想定していることが伺える。

同社の吉田秀俊代表取締役は、今後も数年はPC事業が伸長を続けると想定している。働き方改革の拡大を受けて法人需要がさらに伸びることに備え、ラインアップをさらに拡充することで売り上げを伸ばしたい考えだ。

構想3年、開発2年の「VAIO A12」

これを目指して今月発売する新ラインアップが、12.5インチサイズのデタッチャブルWindows PC「VAIO A12」だ。市場にある課題とその解決を徹底的に図ったという製品で、求められているPCはクラムシェルか2in1か、タブレットタイプかコンバーチブルかデタッチャブルか、そういったゼロからの検討を行った結果、「構想3年、開発2年」を費やして仕上げたモバイルPCだという。

VAIO A12は、既存のカテゴライズでは、タブレットとキーボードの着脱機構を備えたいわゆる2in1モバイルPCだ
「膝上で使える」問題の解決や、まともなキーボードの搭載など、クラムシェルPCの使い勝手を求めた

前提とした課題がすべて解決しない限り製品化を見送るという強い意識で開発されたのがA12であり、それには新たな技術的ブレークスルーが必要となった。それが「Stabilizer Flap」と呼ばれる新たなデタッチャブルの機構だ。

「Stabilizer Flap」と呼ばれる独特のデタッチャブル機構が最大の特徴

きっかけは書籍の背の動きだったそうだが、軽量なPCを実現しながら、クラムシェル型と同等の使い勝手を実現した。キーボード部にはVGAやLAN端子を含む多くの端子類を装備して、周辺機器との接続性を求める日本の法人ユーザーのニーズに対応させた。実際、すでにA12導入に向けて動いている法人の中には、「VGAがあるのが選択の決め手」というところもあるそうだ。

機能はとにかくニーズの実現を徹底し、端子が豊富という今では貴重な仕様。手持ちのモバイルバッテリで本体を充電できる5V充電機能もいざというときに役立つ

コンシューマ向けで考えると、端子を減らしてスッキリとしてさらに薄型化、軽量化、低価格化も期待したいところだが、豊富な端子に対する法人ニーズは根強く、その点はVAIOとして譲れない線ということだろう。ただ、薄型軽量であることにはこだわり、タブレットとしては重さ607グラムで薄さ7.4ミリ、キーボードユニットを装着しても重さは1,099グラムまで抑え込んだ。

ソニー時代から同社が得意とする高密度実装技術を活かし、薄型軽量化にもこだわった

海外市場に再挑戦、PCラインアップも早々に増やす

PC事業では、一度は撤退した海外市場に向けて再挑戦にも乗り出している。販売エリアを順次拡大しており、今年は12カ国まで拡大した。今後は北米、中国、欧州での展開を計画している。特に欧州へは「検討中というわけではなく、決めている。来年早々にも展開する」(吉田氏)という。

PC事業の勝算はあるのか。吉田氏は、会社としてのVAIOが240人体制になり、「(ソニー時代に比べ)限られたリソースの中でどう成長戦略を描けるか」が課題であったと振り返る。この1年は「足りているもの、足りていないものを見極める」ことに集中し、独立後1~3年という「短期決戦を乗り切った」と話す。

引き続き、「VAIOはPC事業だけで将来生き残れるのか、という(市場の)問いに答えなければならない」としており、その答えとしては、「ビジネスユーザーにPCは必要なので、PCが大きな核としてVAIOを支えるのは間違いない」とするが、それだけではPC事業としての生き残りには不十分というのが吉田氏の認識だ。

そのため、技術革新や世の中の進化に伴って、ユーザーの生産性をいかに高められるかという観点で新しいPCを打ち出し、生き残りを図っていく考え。その一つの回答が「VAIO A12」となるが、来年以降の新製品でもそうした点を踏まえた新製品を投入していく。「来年度はもう少し違った形で生産性を高める製品を提供していく」という意向を示しており、年明け早々には今までとは異なるタイプの製品を企図しているようだ。

現行のラインアップ。最上部にあるのがVAIO A12で、来年さらなる新ラインアップを展開する

PCはVAIOのコアだが、VAIOはPCブランド脱却目指す

吉田氏は「貪欲な姿をもちながら、VAIOのブランドを伸ばす」と話すが、ここで大きな戦略の柱となるのは、「PCブランド」としての「VAIO」ブランドからの脱却だという。PC事業は順調とは言え、ライバルも多い。MicrosoftのSurfaceだけでなく、レノボとその傘下のNEC、富士通、鴻海傘下のシャープ、東芝、そしてデル、HPといった米国勢もあり、働き方改革の影響で伸びた市場をどこまで獲得できるかは未知数だ。

吉田氏は「次世代ITブランドとしてのVAIOを目指す」としており、単にPC単体を売るのではなく、セキュリティやキッティングといった付加価値サービスも盛り込むことで、トータルソリューションとしてのPC事業を展開する。

これに、EMS事業でのシナジーも追加していきたい考えだ。あわせてPCの周辺機器などを扱うことで、PC事業の強化にも繋げていき、市場全体の活性化も狙える。ハード、ソフトの両面から事業領域を拡大していく。

PC事業は、周辺機器やセキュリティソリューションなどでさらなる拡大を目指す

EMSやパートナーの強化、IoTなどの新規事業など、ビジネス領域の拡大で企業としてのVAIO自体の強化を目指すが、今後も屋台骨となるPC事業で好調を維持できるか。ここまでの短期決戦を乗り切り、ここから一過性の盛り上がりではなく継続した強い事業構造への転換を図る、吉田氏が「フェーズ2」と呼ぶVAIOの新たな成長戦略がはじまったばかりだ。