【メタップス】上場直後から怒涛のM&A データを学習する世界の頭脳へ

【メタップス】上場直後から怒涛のM&A データを学習する世界の頭脳へ

2017.02.17

【メタップス】上場直後から怒涛のM&A データを学習する世界の頭脳へ

 データ分析と決済サービスを運営するメタップス<6172>が2015年に新規株式公開(IPO)して以降、M&Aを立て続けに行い、事業を急拡大させている。あらゆるものがネットにつながり、ビッグデータの収集が可能となるなかで、データによる新たな経済圏の構築を掲げ、人工知能(AI)やフィンテックに集中投資する姿勢を鮮明にしている。まだ上場して間もないベンチャー企業の大胆な投資戦略を読み解きたい。

【企業概要】アプリ開発者向けプラットフォームを運営

 メタップスは、「世界の頭脳になる」というミッションを掲げてアプリ収益化事業を行っており、マーケティング(分析、広告、販促等)、及びファイナンス(決済、投資、融資等)の2つの領域において事業展開している。

 マーケティング領域では、アプリの集客や分析、収益化をワンストップで支援するアプリ開発者向けプラットフォーム「metaps」が主軸であり、アプリ運営に必要なKPI及びデータを一元管理し、またAI(人工知能)を活用して適切なターゲットに対して適切な広告配信を行うことで、収益を最大化することを支援している。

 ファイナンス領域では、オンライン決済サービス「SPIKE」をはじめ、リアル店舗におけるクレジットカード決済サービスの提供、不動産業界における家賃決済等、法人から個人まで幅広い利用者を対象にサービスを提供している。

 2007年9月に設立され、2015年8月に東証マザーズに株式を上場しており、日本、シンガポール、香港、台湾、韓国、中国、米国、英国の8拠点を中心としてグローバルに事業展開している。

【経営陣】佐藤社長は20歳で起業、会長にスクウェア出身者

 佐藤航陽社長は2006年に早稲田大学に入学後、20歳にして2007年9月にイーファクター株式会社(現・メタップス)を設立し、代表取締役に就任。30歳。和田洋一取締役会長は野村証券出身で、スクウェア・エニックス・ホールディングスの社長を務めた後、2015年からメタップス取締役に就任した。また小泉内閣で経済財政担当大臣などを歴任した経済学者の竹中平蔵氏を顧問に迎えている。


【株主構成】佐藤社長、3分の1超を保有

メタップスの上位株主
氏名又は名称 所有株式数(株) 持ち株比率(%)
佐藤航陽 4,430,000 34.40
インテック・アイティ2号投資事業有限責任組合 632,082 4.91
セガゲームス 500,000 3.88
BBH (LUX) FOR FIL LIMITED MARCONI PILOT 384,853 2.99
山崎祐一郎 346,000 2.69
Fenox Venture Company 7, L.P. 300,000 2.33
資産管理サービス信託銀行 251,800 1.96
トランス・コスモス 250,000 1.94
博報堂 250,000 1.94
松井秀紀 200,000 1.55
7,544,735 58.59
2016年8月末時点、有価証券報告書に基づき作成

 上場後も佐藤社長が3分の1超を保有し筆頭株主となっている。その他大株主としては、業務提携をしているセガゲームスやトランス・コスモス、博報堂とともに、一部のベンチャーキャピタルが上場から1年経過しても継続保有している。

M&A戦略】マーケティング、民泊、決済の先端技術を獲得

 IPOでの調達資金を活用し、買収を重ねて事業拡大している当社の戦略を読み解きたい。

メタップスの沿革と主なM&A
年 月     内容
2007年9月 佐藤航陽氏がイーファクター(現メタップス)を設立
2010年6月 東京都新宿区に本社移転
2010年7月 共同購入型のクーポンサイト「TOKUPO(トクポ)」を開設
2011年4月 アプリ収益化プラットフォーム「metaps」のサービス提供を開始
2011年6月 SEO事業をngi group(現ユナイテッド株式会社)へ譲渡
2011年6月 シンガポール子会社、Metaps Pte. Ltd.を設立
2011年12月 イーファクターからメタップスに社名変更
2012年4月 香港駐在員事務所を設置
2012年10月 米国支店、Metaps Internationalを設立
2013年4月 共同購入型のクーポンサイト「TOKUPO(トクポ)」をテレビ東京ブロードバンド株式会社へ事業移管
2013年4月 韓国支店、Metaps Koreaを設立
2013年10月 台湾支店、新加坡商媒達思股份有限公司台灣分公司を設立
2013年12月 中国子会社、盈利点信息科技(上海)有限公司を設立
2014年4月 オンライン決済プラットフォーム「SPIKE」のサービス提供を開始
2014年6月 英国にMetaps Pte. Ltd.の子会社として、Metaps Europe Limitedを設立
2014年10月 東京都新宿区の住友不動産新宿オークタワーに本社移転
2015年5月 国内子会社、デジタルサイエンスラボを合弁で設立
2015年6月 韓国支店を閉鎖し、韓国子会社Metaps Korea Inc.を設立
2015年8月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
2015年10月 韓国のモバイル広告プラットフォーム運営会社Nextapps Inc.の株式51.0%を21億円で取得し、子会社化
2016年1月 動画編集アプリ等を展開するAppStairを子会社化
2016年4月 EC決済・実店舗決済などを提供しているペイデザインの全株式を28億円で取得し、子会社化
2016年6月 ショッピング検索サイト運営会社ビカムの全株式を3億円で取得し、子会社化
2016年7月 韓国子会社Nextapps Inc.が韓国子会社Metaps Korea Inc.を吸収合併
2016年8月 韓国子会社Nextapps Inc.からMetaps Plus Inc.に商号変更
2016年8月 民泊関連サービス提供のVSbiasを子会社化
2016年10月 韓国のプリペイドカード/電子マネーの発行管理会社Smartcon Co. Ltd.の株式51.0%を約9.4億円で取得し、子会社化

 上場から2か月後の2015年10月に、韓国でモバイル広告プラットフォームを提供する Nextapps Inc.(現Metaps Plus Inc.、前期売上約 880 百万円、営業利益約 188 百万円)の株式を一部取得し、子会社化した。その3か月前に戦略的業務提携を同社と結んだばかりであり、短期間で子会社化に踏み込んだことになる。Nextapps が持つモバイル広告プラットフォームと、当社のアプリデータ解析のノウハウを組み合わせることで、より収益性の高いサービス提供が可能になると判断したようだ。

 2016年1月には、動画編集アプリ「Film Story」などを展開するAppStairを子会社化している。動画を用いたマーケティングやプロモーションが増加傾向にある中で、動画マーケティング事業の成長を更に加速させていくと考えられる。

 次に2016年4月には、ペイデザイン(前期売上2,535 百万円、136 百万円)を28億8000万円で子会社化している。ペイデザインは、EC決済事業に加え、リアル店舗決済事業、家賃決済事業、電子マネー事業等、幅広いサービスを提供しており、当社の「SPIKE」と合わせ、決済プラットホーム規模が、登録アカウント数で25万件、グループ年間取扱高で1,000億円を超えることとなった。決済プラットホームとしての競争力強化や、付加価値向上の実現に向けてオンライン決済の市場における事業拡大・開発へ取り組んでいくようだ。

 また2016年6月にはビカム(前期売上1,021 百万円、営業利益76 百万円)を子会社化した。ビカムはEC事業者向けに、デバイスを横断した商品データの一元管理や最適な広告配信、オペレーション管理コストの削減をするデータフィードマネジメント技術を保有しており、EC事業者のマーケティングを支援している。eコマース市場は、加速度的に拡大が見込まれる成長市場である一方、マーケティングを行う企業にとっては、デバイスの多様化と消費者の行動変化にあわせたコンテンツ管理や広告配信が必要となり、業務の煩雑化が課題となっている中、今後は、両社の連携によりEC事業者の決済からマーケティングまでをトータルで支援できる体制の強化を推進するとのことだ。

 さらに2016年8月には、VSbiasの子会社化を行った。VSbiasは物件選定から物件運用までワンストップで提供する「エアリノベ」や複数民泊サイトを横断した物件管理サービス「All in BnB」を中心に、コンサルティング事業・運用代行事業・PMS(Property Management System、予約から客室管理、請求までを処理する宿泊施設の基幹システム)事業など不動産会社・個人オーナーが保有する物件の収益化を支援するサービスを提供している。今後は、両社の連携によりマーケティングから決済まで不動産関連事業をトータルで支援できる体制の強化を推進していくようだ。

 そして2016年10月に韓国最大級のプリペイドカード・プリペイド型電子マネー 発行管理会社Smartcon Co. Ltd.を子会社化した。Smartconは、韓国においてオンライン上で利用できるプリペイドカード及びプリペイド型電子マネーの発行・管理事業を展開している企業であり、Smartconのプリペイドカードや電子マネーの発行・管理の知見と当社のマーケティングやオンライン決済の知見を融合させることで、新たな決済ソリューションの開発を目指していくと考えられる。

 メタップスはM&Aを重ねてどのような未来を描いているのだろうか。読み解くカギとなるのが、2016年10月に発表した中期経営方針「データノミクス構想」だ。

 あらゆるものがインターネットにつながるIoTの時代を迎え、個人の行動パターンなどの膨大なデータが入手できるようになりつつある。そして人工知能(AI)が一段と進化し、従来は人間がやっていた多くの仕事をコンピューターが代わりにやってくれるようになる。

 メタップスはデータとAIを軸とした経済圏の構築をめざす。対象はファイナンス(決済・金融)、マーケティング(分析・広告)、コンシューマ(EC・メディア)の3分野。自社の製品から発生するデータをすべて集約して統合管理しAIに学習させる。AIが各事業の成功と失敗のパターンを学習させ、サービス改善に生かす。さらに決済インフラを共通化してお金の流れを自社グループで完結させることで経済圏を形成する。

 この経済圏の実現に向け、2017年はフィンテックとAIに集中投資する方針だ。フィンテックでは決済を軸に融資や投資、保険、資産管理などあらゆる領域に参入していく。単独で参入が難しい分野は既存の金融機関と提携する。2016年、みずほフィナンシャルグループと新たな決済サービスの提供に向けた業務提携で合意した。

 AIでは東京大学の第一線で活躍するAI研究者を技術顧問に迎え、100種類以上のデータを学習してお金の流れを予測するAIの研究開発体制を強化する。

 事業拡大に向けては状況に応じて内製、M&A、JV(合弁会社)を使い分けて最速での成長をめざす。M&Aについては、企業として成熟しており割安での買収が可能な場合、経済圏に融合させることで再成長が可能な場合に活用する。買収後はグループで決済手段を統一したり、本社でデータを分析したりして相乗効果を早期に実現する。

 JVを検討するのは、参入障壁が高く、M&Aが困難な場合で、候補分野として、エネルギー、宇宙、生命を上げている。2016年9月にはニチガスとAI活用によるエネルギーの効率化に向けた提携を行った。

【財務分析】売上高2倍速で成長、採算も好転

 スマートフォン向け広告市場の拡大を背景に、また2016年8月期は特にペイデザインとビカムの買収により、売上高は右肩上がりに成長している。ただしM&Aによるのれん・減価償却費や、人員拡大による人件費の増加、ファイナンス領域での積極的な先行投資を実施したことが影響し、営業利益は3期連続の赤字となった。なお、2016年8月期の第4四半期では、四半期ベースで上場後初となる営業黒字を達成しており、今後の通期黒字化が期待される。

 2017年8月期の売上高は前期比約2倍の180億円、営業利益は7億円を予想する。同社は最重要指標として成長率を掲げる。先にシェアの拡大を行い、ある程度の規模に達した段階で利益率を高める戦略だ。中期経営方針では、2020年に取扱高1兆円、売上高1000億円、営業利益100億円を目標に掲げている。実現には年率8~9割の成長率が必要で、M&Aなしには達成が難しいかなりチャレンジングな目標と言える。

 領域別にみると、2015年8月期ではマーケティング領域の売上がほぼ全てを占めるも、2016年8月期は、ペイデザインを買収したことによりファイナンス領域での売上が約35倍に急伸している。地域別にはマーケティング領域の売上高の約6割が海外で稼ぐ。特に中華圏、韓国での売り上げが伸びているという。

【株価】M&A効果が業績、株価を押し上げ

 IPO時は公開価格3,300円のところ、初値は3,040円とやや出遅れた。2015年11月に一時的に公開価格を超えた後は低迷していたが、2016年12月に再び3,000円を突破し、回復傾向にある。

 株価が持ち直してきた背景にはフィンテックやAIといった成長分野への集中投資を鮮明にしたこと、業績も好転していることがある。決算説明資料によると、2016年8月期の第4四半期で稼いだ売上高32億9000万円のうち、およそ10億円程度が直近のM&Aの効果とみられる。まだ売上高の拡大に伴って販管費比率が低下するなど、収益構造が改善している。

 今後の株価は四半期業績の推移や注力するフィンテックやAI分野で新たなM&Aが生まれるかどうかに影響を受けそうだ。

【まとめ】売上高1000億円へ高水準のM&Aが続く

メタップスはコンピューターにあらゆるデータを学習させ、人々の最適な意思決定を支援する頭脳になることを目指している。2020年までの中期経営方針によれば、2017年はフィンテックとAIに対して集中投資し、2018年以降はマーケティングおよびファイナンスの事業資産(様々なデータ)を活用したコンシューマ関連サービスを強化すると掲げる。目標とする2020年の売上高1000億円を達成するために今後も当該分野でのM&Aが続くと予想される。今後はベンチャーならではのスピード感を維持しつつ、買収後の統合管理(PMI)の強化など組織体制をさらに充実させることも課題となりそうだ。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

文:M&A Online編集部

メディア露出多数、高まる「N高出身」への期待値

メディア露出多数、高まる「N高出身」への期待値

2019.03.22

ネットの学校「N高」の卒業式に潜入

開校時に入学したN高1期生が卒業した

世間の注目を浴び続けた生徒は、何を想う?

3月、角川ドワンゴ学園「N高等学校」の卒業式が東京・お台場にて開催された。

「ネットの高校」として、3年前に設立したN高。この日、2016年の開校時に入学した第1期生と、途中転入・編入した生徒をあわせ、計1593名が卒業した。3年前、『VR入学式』で世間を賑わせたこの学校を巣立つ卒業生たちは、N高での日々をどう捉え、今後はどのようなキャリアを描いていくのだろうか。

卒業式は2019年3月20日、お台場にて行われた

卒業式を彩る最新テクノロジー

N高は、ドワンゴとKADOKAWAの経営統合で誕生したカドカワが設立母体となり、2016年4月に開校された通信制高校だ。同校は開校後、2年次編入なども受け入れてきたため、これまでも卒業生を排出してきてはいたが、「1年生~3年生をN高で過ごした生徒」が卒業するのは、初めてのことだ。

卒業式には多くの報道陣も参加した。生徒にとって、「卒業式に記者がいる」「自分たちが卒業する様子がテレビやWebで取り上げられる」というのは不思議な感覚だろう。とはいえ、もう「VR入学式」に「ニコニコ超会議」へのブース出展(N高ではそれを「文化祭」と表現)などの経験を経て、メディアへの露出には慣れてしまっているのかもしれない。

そして、今回の卒業式も例によって独特だった。

卒業式は任意参加で、会場には袴や制服に身を包んだ生徒が集まる一方、その様子をライブ配信することで、会場に来られない生徒生徒も参加できる仕組みになっていた。会場のスクリーン上にはニコニコ生放送さながら、リアルタイムでコメントが表示されており、こうした演出は「N高らしい」といった印象を受けた。

卒業式の様子。オンライン参加者のコメントがスクリーンを流れる

中でも印象深かったのは、当日来られなかった生徒を代表して、米シリコンバレーに留学中の佐々木雅斗さんが「ロボット」に自分の顔を映して卒業証書を受け取ったシーンだ。

使用したのは、ANAが“未来の移動手段”として開発する、視覚・聴覚・触覚などを備えた、ユーザーの分身となるロボット「ANA AVATAR」。同校ではこのロボットを試験的に授業にも導入しているそうで、こういった最新のテクノロジーを使うあたりもN高らしい。

遠隔操作ロボット「ANA AVATAR(Beam Pro)」を用いて卒業証書を受け取った佐々木さん

と、テクノロジーにばかり目が行きがちではあるが、そもそも「高校生がシリコンバレーに留学している」という事実も驚くべき点だ。高校に通いながらも、シリコンバレーでビジネスを学ぶ――、というキャリアを選べるのは、学校という場所の制約を受けない、ネットの高校のメリットと言えるだろう。

卒業式にはほかにも「異色のキャリア」を持つ生徒たちが集まり、特に活躍した卒業生に対する特別表彰も行われた。

表彰を受けたのは、東京から鹿児島県に移住し、農業や水産業を手伝い地域活性化に貢献する白鳥優季さん、第18回アジア競技大会ジャカルタ・パレンバン「ウイニングイレブン 2018」eスポーツ 金メダリストの相原翼さん、N高のプログラムを最大限に活用し、スタンフォード大学やオックスフォード大学のサマープログラムに参加した冨樫真凜さんなど。その活躍の幅は広い。

さまざまな分野で活躍したN高生に対しては、特別表彰が行われ、記念品としてクリスタルトロフィーが贈呈された

メディア露出が多いがゆえに高まる期待値

N高を卒業した個性豊かな面々は、今後は大学進学、就職とさまざまなキャリアを歩む。

日本初で唯一N高にのみ実在するという「起業部」に所属し、かつ起業第一号として「Easy Go」という会社を創業している、鈴木颯人さんと山田陽大さんから「N高で過ごした時間」についてコメントをもらった。

「元々は地元の進学校に通っていたのですが、『自分が好きなことをしたい』『起業したい』という想いがあり、N高に入学しました。年齢や場所に縛られず、多くの人とコミュニケーションを取れ、充実した3年を過ごせました」(鈴木さん)

「以前通っていた学校が自分と合わず、ネットで見つけたN高で『ここだったら新しいことができるかも』と入学を決意しました。今振り返ってみて、やはり『この学校に来てよかった』と思います」(山田さん)

Easy Go代表取締役の鈴木颯人さん(左)と取締役の山田陽大さん(右)

2人に限らず、卒業生のコメントを聞いていくと「この場所で挑戦してみたい」という想いの元、N高を選んでいる生徒が多い印象だ。

普通の高校とは違い、メディアに露出する機会の多いN高での生活は、良くも悪くも、世間からの注目を浴びる。まだ高校生の彼らにとっては、その視線が時に辛く感じることもあっただろう。ただ、その一方で鈴木さんは「初めて会う方とお話しする際、『N高出身です』と言うだけで、会話が広がることがよくあります」とその知名度を好意的に捉えている。

若くして、覚悟を持ってN高という環境に飛び込んだ生徒たちは、周囲の視線を浴びつつ、たくましく成長してきたことだろう。「N高出身」というキャリアは、彼らにとって1つの大きな武器になりそうだ。

カドカワは新たに2019年4月から、「N中等部」も開校する予定だ。「ネットの学校」という、世間の注目が集まる新しいコンセプトの学校だからこそ、在校生・卒業生の動向は、今後もしばらくは注目され続けそうだ。

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中国のスマホメーカーとしてシェアを急拡大するOPPOが独自に新開発したカメラ技術、「10倍ハイブリッドズーム」が面白い。実際に2019年の新機種からスマホへの搭載を進め、日本市場へも製品を投入するという。

OPPOが「10倍ハイブリッドズーム」技術を紹介

メーカー間の開発競争が続くスマホカメラだが、「望遠」が次のトレンドになりつつある。デジタルカメラに匹敵する10倍もの高倍率ズームを、OPPOはどのように実現したのだろうか。

1年で7機種を投入、気付いた「日本市場の難しさ」

OPPOは世界のスマホ市場で熾烈な4位争いを繰り広げている。サムスン、アップル、ファーウェイのトップ3社に続く集団の中で、2018年は中国Xiaomiに僅差で迫る5位になった(IDC調べ)。

OPPOは2018年、日本市場で7機種のスマホを発売した。OPPO日本法人の鄧宇辰社長は、これまでに国内販売チャネルを12に拡大し、あわせて認定修理店を全国に展開したことを挙げ、「日本のSIMフリー市場でいち早く成長するブランドになった」と振り返る。

オッポジャパン 代表取締役社長の鄧宇辰氏
2018年の1年間にスマホを7機種投入

2019年は国内展開をさらに加速する。日本の消費者に向けたコミットメントとして、件の「10倍ハイブリッドズーム」機能を備えたスマホや、FeliCa・防水対応のスマホ、新たに立ち上げたブランド「Reno」シリーズの市場投入を約束する。

また、話題の「5Gスマホ」の市場投入も急ぐ。日本では5Gの周波数がまだキャリアに割り当てられていないものの、ドコモ、KDDI、ソフトバンクを含む世界の事業者と標準化に向けて連携しており、準備を整えていることを強調する。

MWC19のQualcommブースではOPPOが5Gスマホを実演

一方で鄧社長は、日本市場の難しさについて、「1年の経験を通して、日本市場は他の国と違うことに気付いた。消費の習慣や求めるレベルも高い。グローバルのやり方を日本に持ってきても通用しない」とも述べている。日本市場における品質やサービスの要求水準の高さは、多くのメーカーが直面してきた課題だが、OPPOも同じ壁にぶつかったといえそうだ。

スマホカメラ、次のトレンドは「望遠」に

そのOPPOが市場攻略にあたり、特に注力をしはじめたのが「カメラ」だ。その中でも、業界では次の進化ポイントとして「望遠」技術に注目が集まっている。

そもそもスマホはデジカメと違い本体が薄いため、搭載できるレンズに物理的な制約がある。このレンズの制約から、スマホのカメラはどうしても焦点距離の狭さが弱点になってしまっていた。そこで最近はスマホに複数のカメラを内蔵し、それぞれで広角や望遠を使い分けることで、この弱点を克服しようと進化している。

OPPOの「10倍ハイブリッドズーム」技術は、この弱点に対し異なるアプローチで挑む。プリズムを使って光を屈曲させるペリスコープ(屈曲光学)構造をカメラモジュールに採用することで、レンズを従来の垂直方向ではなく水平に配置できるようにした。これにより、薄型のスマホであっても、光学レンズでは従来不可能だった高倍率ズームが搭載できる。

光を曲げるペリスコープ構造を採用

ただ、35mm換算での焦点距離は16~160mmの10倍となっており、一般的なコンデジの感覚では5倍ズーム程度の性能だ。8.1倍以上はデジタル処理を組み合わせた「ハイブリッドズーム」としているなど、いくつか注意点はある。とは言え、これまでにない望遠レンズをスマホで扱えるのは面白い。

10倍ハイブリッドズームによる画角の違い

OPPOは既に報道陣に向けて、この10倍ハイブリッドズーム技術を搭載するスマホの開発デモ機を公開している。2019年の第2四半期には製品化する計画で、日本市場へも2019年中に投入する見込みだ。

10倍ハイブリッドズームのデモ機。5Gにも対応できるという

特にカジュアルなカメラ需要の受け皿としてスマホに押されがちなデジタルカメラだが、高倍率ズームはスマホには無い、デジカメに残された得意分野のひとつだった。だが望遠もスマホで十分撮れるとなれば、いよいよその優位性も危うくなる。今回のズーム技術は、デジカメ市場をもう一段縮小させてしまう可能性を秘めているのだ。

最大のライバルであるファーウェイも「HUAWEI P30」シリーズで望遠カメラを搭載するとみられており、今後は各メーカーが高倍率ズームで競い合うことは間違いなさそうだ。

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