【新日鐵住金】買収防衛きっかけに統合 合理化で体質強化、攻めのM&Aへ

【新日鐵住金】買収防衛きっかけに統合 合理化で体質強化、攻めのM&Aへ

2017.02.21

【新日鐵住金】買収防衛きっかけに統合 合理化で体質強化、攻めのM&Aへ

新日鐵住金がM&Aによる規模拡大の機会をにらみながら、高付加価値の鋼材とコスト競争力に磨きをかけている。2012年10月の新日本製鉄・住友金属工業の統合後、合理化効果は年1,400億円を超える。海外勢が市況不況に苦戦する中、トヨタ自動車など優良な顧客を持ち、円安が中国製の安価な鋼材の国内流入に歯止めをかけていることも有利に働いている。2017年2月には日新製鋼の子会社化を目的にTOB(株式公開買付け)も開始。競争力の強化とさらなる規模拡大を狙う。

【企業概要】世界2位の鉄鋼メーカー

 新日鐵住金は、製鉄事業を中心に、エンジニアリング事業、化学事業、新素材事業、システムソリューション事業など幅広い事業を世界で展開している。特に主力の製鉄事業は、厚板や薄板、棒鋼・線材、建材、鋼管、交通産機品など、高い技術力と規模を誇る。グループ各社が製鉄事業で培った技術力を発揮することでグループ総合力NO.1を目標に掲げる。

 同社は戦前、官営八幡製鉄所として1901年に操業開始し、1950年に八幡製鉄株式会社が発足された。そして、1970年に八幡製鐵と富士製鐵が合併し、商号を新日本製鉄に変更。さらにその後、2012年(平成24年)に住友金属工業と合併し商号を新日鐵住金株式会社に変更し現在に至る(出所:新日鐵住金HP「歴史・沿革」より)。

 国内の鉄鋼メーカーでは、2002年に日本鋼管と川崎製鉄が統合しJFEスチールが誕生している。同社の統合は、高炉の統廃合や経営の効率化、規模の拡大、存在感や競争力を向上させ、様々な場面で優位性を確保するという目的によるものである。新日鐵住金も同様の目的で2012年に統合したが、JFEスチールと異なっていた点は、合併した企業同士の得意分野が異なっており、お互いの得意分野を活かす事でシナジー効果を生み出そうとした点である。その結果、統合後のJFEスチールが積極的な戦略を打ち出せないのに対し、同社は業績を拡大し、世界トップのアルセロール・ミタルに次ぐ世界2 位(2016年現在)の巨大鉄鋼メーカーとなっている。

 同社グループは、2016年3月期において売上高約4兆9千億円、営業利益約1670億円、従業員数84,837人、連結子会社339社並びに103社の持分法適用関連会社で構成(出所:新日鐵住金HP「決算短信」より)されている。

【経営陣】新日鉄出身者で構成

 新日鐵住金の代表取締役は会長から副社長まで8名で構成され、うち7名が新日本製鉄出身者である。会長である宗岡正二氏(70歳)は、全日本柔道連盟の会長でもある。新日鐵住金の前身である新日本製鉄に第1期生として入社し、2008年4月より三村明夫前社長(現相談役)より社長職を引き継いでいる。社長である進藤孝生氏(67歳)は、1973年に新日本製鉄に入社以来、様々な工場、部署、役職を経て2014年4月に社長に就任している生え抜きの社長である。社長以下、大半の役員は新日鐵住金前身の新日本製鉄、若しくは住友金属工業出身者で占められ、社外取締役も元国鉄出身者や外務省出身者と異業種の出身者はほぼいないという構成になっている。

【株主構成】金融機関と保険会社が上位に

新日鐵住金の主要株主
氏名または名称 所有株式数(千株) 持ち株比率
日本トラスティ・サービス信託銀行 398,797 4.2%
日本マスタートラスト信託銀行 268,068 2.8%
日本生命保険 245,324 2.6%
住友商事 182,690 1.9%
みずほ銀行 162,998 1.7%
三井住友銀行 146,470 1.5%
明治安田生命保険 139,607 1.5%
三菱東京UFJ銀行 136,554 1.4%
STATE STREET BANK WEST CLIENT-TREATY 116,762 1.2%
日本トラスティ・サービス信託銀行 113,466 1.2%
1,910,736 20.0%
2016年3月末時点、有価証券報告書に基づき作成

 2016年3月末時点の株主構成を見ると、1位から10位まで6位の住友商事を除き、ほとんどが金融機関と保険会社で占められている。元々、日本の大企業は取引銀行との株式の持ち合いを行っていたことから、その慣習が残っているものと思われる。

相互保有株式
氏名または名称 所有株式数(千株) 持ち株比率
NSユナイテッド海運 620 0.07%
日鐵住金物産 184 0.02%
テツゲン 96 0.01%
黒崎播磨 37 0.00%
スチールセンター 13 0.00%
光和精鉱 10 0.00%
共英製鋼 7 0.00%
西部タンカー 2.5 0.00%
大同商運 0.1 0.00%
2016年3月末時点、有価証券報告書に基づき作成

 ただし、鉄鋼業界特有の株式の持ち合いというものも存在しており、上位株主には記載されない1%未満の株式の保有を複数の鉄鋼会社や海運会社が保有している。

【M&A戦略】海外勢の買収劇が再編を促す

新日鐵住金の主なM&A
年月     内容
2004年4月 新日本製鉄グループは、グループ全体での収益力と競争力を一層強化・加速していく必要があるとの認識の下、新日本製鉄が、日鉄鋼板、日鉄鋼管及び日鐵建材工業各々を完全子会社とすることを決議し、株式交換契約書を締結した。
2004年5月 新日本製鉄子会社の日鐵ボルテン株式会社および中山製鋼所子会社の中山三星建材は、両社のボルト事業を統合することについて基本合意に達した。
2004年12月 新日本製鉄と中山製鋼は、双方の棒線事業の競争力強化を目的に、共同出資(新日本製鉄60%、中山製鋼 40%)の新会社を設立。新会社は、中山製鋼から棒線圧延設備を購入し、新日本製鉄および中山製鋼各々から圧延業務を受託する、製造会社となる。
2004年12月 新日本製鉄は中山製鋼株式を中山製鋼の関連会社から取得し、出資比率を現行の 1.3%から 5%とした。
2005年9月 新日本製鉄と、日鐵物流及び製鐵運輸は、株式交換を行い、新日本製鐵が、日鐵物流、製鐵運輸各々を完全子会社とすることを決議し、株式交換契約を締結した。
2005年9月 新日本製鉄と住友金属工業は、来年4月より、新日鉄100%子会社の日鉄ハイパーメタルと住友金属100%子会社のカントクの圧延用鋳造ロールの製造・販売事業を統合し、共同事業化する基本方針に合意した。
2005年12月 新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所は、連携施策をより一層、円滑かつ着実に検討・実行していくことを目的とした相互の株式追加取得を完了した。
2006年5月 新日本製鉄22%出資の関連会社である鈴木金属工業と、住友電気工業100%出資の子会社である住友電工スチールワイヤー(SSW)は、両社のステンレス鋼線事業を統合し、新会社を設立することについて基本合意した。
2006年5月 新日本製鉄と住友金属工業は両社の連携策の一環として、両社グループにおける建材薄板事業及び道路・土木商品関連事業の統合のための基本契約書を締結した。
2006年11月 新日本製鉄は、南米屈指の鉄鋼会社であるブラジルのウジミナス社 の協定株主であるウジミナス社従業員年金基金及びヨハネス・ベルナルドゥス・アレマー氏よりウジミナス社 議決権株式1,917,211 株(議決権株式内比率 1.7%)を買付ると共に、ウジミナス社主要株主と期間 15年間の株主間協定を締結した。
2007年3月 新日本製鉄及び新日本製鉄が53.5%出資している北海鋼機と、中山製鋼所及び中山製鋼所が40.3%出資している中山三星建材は、北海鋼機の棒線事業と中山三星建材苫小牧工場の棒線事業を統合することに向け基本合意した。
2007年5月 新日本製鉄と同社子会社である北海鋼機は、建材薄板分野(メッキ・カラー鋼板)における新日鐵グループ競争力強化の一環として、新日本製鐵による北海鋼機の完全子会社化を株式交換により行うことで合意。
2007年5月 新日本製鉄と日鐵ドラムは、株式交換により日鐵ドラムを新日本製鐵の完全子会社とすることを決議し、株式交換契約を締結。
2007年6月 新日本製鉄と合同製鐵は、双方の競争力強化のための一層の相互提携を実施していくことに合意。
2007年9月 新日本製鉄の100%出資子会社である新日鉄エンジニアリングと、三菱重工業が100%出資子会社である三菱重工橋梁エンジニアリングは、橋梁分野で事業提携することに合意した。
2007年9月 新日本製鉄は、大同特殊鋼の保有する王子製鉄の発行済株式 35.6%を取得することについて大同特殊鋼と基本合意した。これにより、新日鉄の王子製鉄への株式保有比率はこれまでの7.2%から42.8%となり、王子製鉄は新日鉄の持分法適用会社となる。
2007年12月 新日本製鉄、住友金属工業、及び神戸製鋼所は、更なる連携深化・拡大施策、及び追加の相互株式取得について合意した。
2008年1月 新日本製鉄は、王子製鉄の発行済株式 8.7%を追加取得し、今回取得分と合わせた保有比率は 51.5%となり、王子製鉄は新日鉄の連結子会社となった。
2008年2月 新日本製鉄及び住友商事は三井鉱山のB種優先株式すべてを両社がそれぞれ1/2ずつ取得することにつき、同株式保有者である三井住友銀行と合意に至った。
2008年9月 新日本製鉄とトピー工業は、双方の競争力強化と企業価値向上のために、相互提携を一層強化していくことに合意した。
2011年9月 新日本製鉄と住友金属工業は、経営統合に向けた検討を開始することについて合意した。
2012年4月 新日本製鉄と住友金属工業は、株式交換により新日本製鉄を吸収合併存続会社、住友金属工業を吸収合併消滅会社とする株式交換契約及び合併契約を締結した。尚、経営統合の実施は2012年10月1日をもって行われる予定。
2012年6月 新日鉄エンジニアリングの100%子会社である日鉄パイプラインと住友金属工業の100%子会社である住友金属パイプエンジは、2012年10月1日付けで経営統合することで合意しました。
2013年4月 新日鐵住金と住友鋼管は、新日鐵住金を株式交換完全親会社、住友鋼管を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを取締役会で決議し、両社の間で株式交換契約を締結した。
2015年4月 新日鐵住金と日鉄住金テックスエンジは、新日鐵住金を 株式交換完全親会社、日鉄住金テックスエンジを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを取締役会で決定し、本株式交換に関する株式交換契約を両社間で締結することを決議した。
2015年4月 新日鐵住金と鈴木金属工業は、新日鐵住金を 株式交換完全親会社、鈴木金属工業を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを取締役会で決定し、本株式交換に関する株式交換契約を両社間で締結することを決議した。
2016年3月 新日鐵住金及び日新製鋼は、2017年3月を目途に新日鐵住金が日新製鋼を子会社化すること及びこれを前提に新日鐵住金が日新製鋼に鋼片を継続的に供給することについて検討を開始する旨の覚書を取り交わし、以降、検討を進めてきた。今回、両社は、本子会社化の具体的な方法、出資の条件等について協議が整ったことから子会社化等に関する契約を締結した。
2016年5月 新日鐵住金は、資産圧縮等による財務体質改善に取組むため、2006年10月に追加取得した POSCO株式 1,500,000株(当社が保有する POSCO株式 4,394,712 株のうち 34.1%相当)を売却することとした。売却時期は、市場の動向等を見極めたうえで判断し、上記売却後の当社の POSCO への出資比率は 3.32%となる見込み。
2017年2月 新日鐵住金は、日新製鋼の子会社化を目的に同社株の公開買付けを開始

 2006年、ルクセンブルクのアルセロールとオランダのミッタル・スチールの経営統合によって世界最大の鉄鋼メーカーが誕生した。同社は年間粗鋼生産量で世界シェアの約10%を占め、当時の新日本製鉄の3倍以上の規模を誇った。この海外鉄鋼メーカーの買収劇により、優れた技術を持つ日本の鉄鋼大手も敵対的買収の標的になるのではないかと懸念が広がった。

 これまで鉄鋼業界では、各国で政府が殖産興業策としてリーダーとなる企業を育成し、国・地域ごとにすみ分ける構図が出来上がっていた。しかし、これを一変させたのが今回アルセロールに敵対的買収を仕掛けたミッタル・スチールだった。創業者のラクシュミ・ミッタル氏はインドの行商人の一家の出身で、資金力にモノをいわせて買収を繰り返しトップに上り詰めた人物だった。そういったやり方を懸念し、日本の鉄鋼業界ではミッタルが次に狙うのは日本・アジアの企業ではないかと戦々恐々とした。これを受け、新日本製鉄は2006年以降、他社との提携関係を深め、特に、後に統合する住友金属工業や神戸製鋼所とは複数回に渡り株式持ち合い等提携関係を拡大させている。

 リーマンショックを経て、2012年になると新日本製鉄と住友金属工業は経営統合を行った。アルセロール・ミッタルからの買収防衛が今回の統合の心理的な背景になったことは間違いないが、リーマンショックを経た中で、それは本質的な理由ではなくなり、世界景気の減速や円高の長期化、顧客の海外鋼材シフトなど経営環境が厳しさを増した中での成長戦略を目的としたものだった。

 新日本製鉄と住友金属工業は共に異なる分野を得意としており、お互いの得意分野を伸ばしつつコスト削減や資産圧縮を図るということが統合した大きな目的である。例えば、技術的には新日本製鉄は特に自動車用鋼板で世界最高水準の技術力を持ち、住友金属工業はシームレスパイプや交通産機品(鉄道車輪、クラクシャフト等)で世界有数の技術を有しており、両社が技術優位性を発揮できる点は相互補完の関係にある。更に、今後新興国においては、自動車生産の拡大や鉄道インフラの敷設等で需要の伸びが見込まれ、こうした分野での技術優位性が、販売数量の増加につながり、規模の拡大にも貢献すると期待されている。

 2012年の新日本製鉄と住友金属工業の統合は、アルセロール・ミッタルからの買収防衛ということがきっかけとなった統合ではあるものの、結果として技術的にも相互補完関係にあり、中国をはじめとする新興国の鉄鋼メーカーが台頭する中で、生き残りを掛けた必然的な統合だったとも考えられる。再編が現在も続く鉄鋼業界の中で、技術的にもコスト削減という面でも成功したM&Aの一つと言えるのではないかと思われる。

粗鋼生産ランキング(2005年)
順位 社名 生産量
(万トン)
1 ミッタル・スチール(オランダ) 4,989
2 アルセロール(ルクセンブルク) 4,665
3 新日本製鉄(日本) 3,291
4 ポスコ(韓国) 3,142
5 JFEスチール(日本) 2,957
6 宝鋼集団(中国) 2,273
7 USスチール(米国) 1,926
8 ニューコア(米国) 1,845
9 コーラス(英国) 1,818
10 唐山鋼鉄(中国) 1,608

(ロイター通信「世界の鉄鋼メーカー別の粗鋼生産量」(http://jp.reuters.com/article/idJPnTK3113401200703...),

粗鋼生産ランキング(2015年)
順位 社名 生産量
(万トン)
1 アルセロール・ミッタル(ルクセンブルク) 9809
2 新日鐵住金(日本) 4930
3 河北鋼鉄集団(河鋼集団)(中国) 4709
4 宝鋼集団(中国) 4335
5 ポスコ(韓国) 4143
6 沙鋼集団(中国) 3533
7 鞍山鋼鉄集団(中国) 3435
8 武漢鋼鉄集団(中国) 3305
9 JFEホールディングス(日本) 3141
10 首鋼集団(中国) 3078

SBクリエイティブ(株)ビジネス+IT「鉄鋼業界の世界ランキング2016:再編が加速、新日鉄やJFEは欧米や中国に勝てるのか」(http://www.sbbit.jp/article/cont1/32197)を基に作成)

【財務内容】統合による効率化は道半ば、利益率低く

 新日本製鐵と住友金属工業の業績推移を見ると、リーマンショック前までは両社共に堅調に売上、利益を計上していることが分かる。特に住友金属工業の利益率は新日本製鐵を上回っており、2008年までのROEは20%前後で推移している。両社の自己資本比率は共に30%から40%の間で推移しており低位での推移となっている。

 2009年3月期決算以後のリーマンショックや欧州債務危機の影響が出はじめると、両社共に急速に経営状況も悪化している。特に2010年3月期は両社共に最終赤字を計上しており、世界的にもこれまで右肩上がりだった鉄鋼や自動車にも成長が鈍化するといった状況となった。

(新日鐵住金HP:IRライブラリ「決算情報」を基に作成)

 リーマンショックや欧州債務危機を経て、2012年に新日本製鉄と住友金属工業は統合し、コスト削減と共に資産の圧縮を目標に掲げてきた。統合効果は予想以上に早い段階で進み、新日鐵住金が2015年秋の達成をめどに進めてきた3千億円の資産圧縮計画が、1年半前倒しの2014年3月末に完了するなど予想を上回るシナジー効果を発揮した。また、アベノミクスによる円安・株高も追い風となり、保有株の売却が順調に進み、グループ全体で徹底している資金効率の改善も寄与した。株式の売却などで得た資金で有利子負債の削減も進み、課題だった資産のリストラも早期に目途が付いた。また、合併後の業績推移を見ると、2013年こそ赤字となっているものの、2014年以降、黒字化が定着している。しかし、課題としてはライバル企業よりも利益率が低いことが上げられる。

 利益率のベンチマークとしている、韓国ポスコは四半期ベースで5%前後の営業利益率を保っている。直近2016年(7~9月期)の新日鐵住金の3.7%より効率性や安定性で一歩先を行っている。両社ともに自動車向けの高級鋼板が得意で母国市場の基盤は強い。鋼材市況の低迷を映し、両社のPBR(株価純資産倍率)は解散価値を示す1倍を割り、新日鉄も約0.8倍と低迷が続く。中期経営計画で掲げている3年で海外利益を500億円上積みするという目標は早くも難しい状況となっており、規模拡大の機会をにらみながら、高付加価値の鋼材とコスト競争力に磨きをかける必要がある。

【株価】世界景気回復期待で持ち直し

 株価は2015年6月に3500円近くまで上昇した後、長らく低迷が続いた。中国経済の減速を背景に鋼材市況が悪化したことが重荷となっている。その後、2016年末ごろから世界景気の回復期待が高まったことで株価は上昇に転じた。2017年2月に日新製鋼へのTOB(株式公開買付け)の開始、SUMCOの一部株式売却とそれに伴う持ち分法投資損益の増加による2017年3月期純利益予想の上方修正を発表。選択と集中を加速する姿勢を鮮明にしたことも株価の支援材料になっているようだ。

 今期の予想PER(株価収益率)は31倍とJFEホールディングス(約25倍)と比べて高い。JFEと比べて株価に割安感はない半面、新日鐵住金の相対的な競争優位性が反映されているとの見方もできそうだ。

【将来展望】苦境の海外勢、攻めのM&Aの好機

 鉄鋼業界は中国経済の急減速によって鋼材需給が世界的に緩み、海外メーカーは軒並み赤字の状況である。そうした中、一時は買収の脅威となった世界トップのアルセロール・ミッタルは、2015年12月期に約9千億円の最終赤字を計上した。新日鐵住金がコスト競争力でベンチマークするポスコ(韓国)も、同じく約90億円の最終赤字となった。ポスコに至っては創業来初の赤字転落であった。中国の大半のメーカーもそろって大赤字となり、米国最大のUSスチール、インドのタタ・スチールなども赤字からなかなか抜け出せていない状況である。

 これらの企業は、工場閉鎖や人員削減といった合理化に、資産の切り売りなど、立て直しに悪戦苦闘しており、特にアルセロール・ミッタルは、圧倒的な存在だったかつてが今や、トップのミッタル一族が私財を投げ打ってまで財務再建に取り組まなければならないほど、立場は逆転している。リーマンショック前の好景気だった頃に、海外メーカーは鉄鉱石や石炭などの原料権益に積極的に資金を投じた。これが昨今の資源安で仇となり、多額の減損損失を計上したためである。また、規模拡大で多くの製鉄所を買収した結果、能力が過剰となり、需給が緩んだ今になって大規模な合理化に追われている。

 新日本製鉄と住友金属工業が経営統合し、両社の高炉を1本ずつ止めることを決めたように、一足先に合理化に着手し統合効果を1千億円単位で創出していった。日本の鉄鋼メーカーは新日鐵住金をはじめ、好況に浮かれず合理化を進めた。これらの措置と従来の高付加価値商品戦略が奏功し、競争優位につながったと言える。こうした状況から、市場では新日鐵住金にとって今がM&Aの最大のチャンスではないかという声も上がった。

 それが顕在化したのが日新製鋼の子会社化の発表だった。更に、前後して同じ日の午前中、フランスの鋼管メーカー・バローレックに15%まで追加出資し、17年度中に持ち分法適用会社化すると発表した。バローレックは油井管に使うシームレス鋼管やそれをつなぐ特殊継手で高い技術を持つ。ところが、昨今の原油安で油田や天然ガス田の開発がストップ。そこに使われる油井管や継手が売れなくなり、ついには運転資金が底をついた。フランス政府が支援に入り、そこに新日鐵住金も資金の出し手として加わったのである。

 ステンレスが柱の日新製鋼は、ステンレス原料であるニッケルの市況悪化で多額の在庫評価損を計上。業績悪化の大きな要因になっている。つまり、資源安でダメージを受けているという点ではバローレックと共通する。そして出資によってグループ化し、さらに一方の高炉を休止して固定費を抑えるという手法も同じだ。それこそ、旧新日鉄と旧住金の統合に伴い、高炉2基を休止し、合理化効果を上げようという施策につながる。

 新日鐵住金は海外メーカーよりも優位な状況にある今、それを好機と捉えこれまで以上に大胆なM&Aを仕掛けようとしている。それも、資産のリストラと経営の効率化、規模の拡大ということを同時に行える状況を生み出すM&Aが期待される。為替、資源価格、輸送費、供給量等、複雑な要素が絡む鉄鋼業界の中で、次を読む力がこれまで以上に求められ、新日鐵住金がそれをリードできる存在と成り得るか今後の戦略に注目したい。


この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

文:M&A Online編集部

「クラロワリーグ」プレイオフの波乱、大会システムもeスポーツ発展の課題か

「クラロワリーグ」プレイオフの波乱、大会システムもeスポーツ発展の課題か

2018.11.20

「クラロワリーグ アジア」のプレイオフが開催

世界一決定戦への出場権を手にしたのはどのチームか?

盛り上がりを見せる一方で、大会システムには疑問も

11月11日にお台場フジテレビの湾岸スタジオにて、「クラロワリーグ世界一決定戦」への出場権をかけた「クラロワリーグ アジア」のプレイオフが開催された。

波乱の展開を見せたプレイオフ

プレイオフには、「クラロワリーグ アジア」の地域で分けた3グループ(日本、韓国、東南アジア)のなかで、もっとも成績が優秀だった各1チームと、それぞれの地域で2番目に成績の良かった3チームがワイルドカードを争い、そこで勝ち抜けた1チームの合計4チームが出場する。

今回、日本からはPONOS Sports、韓国からはKING-ZONE DragonX、東南アジアからはBren Esports Sが1位通過し、ワイルドカード争いによって韓国のSANDBOXが出場した。

プレイオフ初戦の組み合わせは、抽選によって決められた。その結果、KING-ZONE DragonXとSANDBOXによる韓国勢が対戦し、PONOS SportsとBren Esportsが対戦。韓国対決を制したKING-ZONE DragonXと、日本のPONOS Sportsを破ったBren Esportsが決勝へコマを進めた。

日本代表のPONOS Sportsは、初戦2試合目の3ゲーム目に痛恨の反則負け。まさかのストレート負けを喫してしまう。クラロワリーグ世界一決定戦2018は、日本の幕張メッセで行われるので、開催国枠として、PONOS Sportsの出場は確定していたが、「プレイオフ初戦敗退」という結果で出場することは予想していなかった。

決勝では、KING-ZONE DragonXがBren Esportsを下し、見事、世界一決定戦への切符を獲得した。

プレイオフを制したKING-ZONE DragonX
開催国枠で世界一決定戦へ出場するPONOS Sports

疑問が残ったプレイオフのシステム

下馬評では圧倒的にPONOS Sports有利であったにも関わらず、こういった結果になるのはワンデイトーナメントならでは。ただ、そもそもプレイオフの出場に関するシステムには、疑問が残る結果だったと言えるのではないだろうか。

なぜなら、クラロワリーグ アジアのリーグ戦で、PONOS Sportsは11勝3敗という文句なしの成績で1位を獲得しており、東南アジアのBren Esportsも10勝4敗という好成績を残している。韓国1位のKING-ZONE DragonXは7勝7敗と5割の勝率だった。

東南アジア1位通過のBren Esports

日本、韓国、東南アジアで順位を分けているが、クラロワリーグ アジアでは、すべてのチームと総当たりで対戦し、同じ国や地域のチームのみ2回対戦する仕組みになっている。したがって、別の国や地域との対戦により、勝ち越すことなく1位になってしまうこともあり得るわけだ。

今回のクラロワリーグ アジアにおいて、韓国チームはいずれも振るわず、2位以下はすべて負け越している。ワイルドカード枠を獲得したSANDBOXは5勝9敗。この成績は日本で最下位だったDetonatioN Gamingや、東南アジアで最下位だったKIXと同じだ。クラロワリーグ アジア全体の順位で見てみるとPONOS Sportsが1位、Bren Esports 2位、KING-ZONE DragonXが6位タイ、SANDBOXが8位タイである。

東南アジア3位のAHQ ESPORTS CLUBは8勝6敗と、KING-ZONE DragonXよりも好成績を残している

やはり勝率5割で、リーグ戦順位が6位のチームがクラロワリーグ アジア代表として、世界一決定戦へ出場することに対して、違和感を覚えてしまうのは仕方ないだろう。

プロ野球のクライマックスシリーズでも、3位のチームが日本シリーズに出場することについては賛否両論があり、長年話し合われてきた事案だ。その結果、上位チームにアドバンテージをつけることで、とりあえずの折り合いが付けられている。

今回のプレイオフでは、上位チームにアドバンテージがなく、一発勝負だったのも、それまで戦ってきた3カ月間が水泡に帰するような印象を受ける。場合によってはSANDBOXが優勝することもあり、その場合は大幅に負け越したチームがアジア代表チームとなってしまうわけだ。

また、トーナメントの組み合わせは抽選により決定したのだが、こういったトーナメントの場合、初戦は1位通過のPONOS SportsとワイルドカードのSANDBOX、2位通過のBren Esportsと6位タイ通過のKING-ZONE DragonXの組み合わせになるのが一般的ではないだろうか。今回の組み合わせだと、初戦に事実上の決勝戦と言えるカードが発生してしまい、強豪がつぶし合うという結果にもなっている。4チームのトーナメントなので、今回はシードという概念はないのだが、強豪が初戦に当たらないように、シードによるブロック分けをするのは多くのスポーツや競技で使われている常套手段だ。

クラロワリーグは、アジア以外に、北米、欧州、ラテンアメリカ、中国の4つの地域でリーグが開催されている。すでに地域分けされているなか、クラロワリーグ アジア内で、さらに3つの地域に分ける必要はあったのだろうか。今回の結果はそこにも疑問が大きく残った。

リーグ戦での結果のみで出場権を与えるだけでも十分だという考えもある。ただ、プロ野球のクライマックスシリーズがそうであるように、プレイオフを実施することは、リーグ終盤の試合が消化試合にならなくなる施策でもあり、最後に盛り上がる山場を作れるという利点もあるのだ。したがって、プレイオフ自体を廃止する必要はないのだろうが、その出場資格においては、一考の余地があると思われる。

順当に考えれば、国や地域は関係なく、クラロワリーグ アジアのトータル順位1~3位がプレイオフ出場確定で、ワイルドカードをプレイオフ出場権のあるチームを除いた国や地域の最上位3チームによる争奪戦にすれば納得いくのではないだろうか。今回に限ってはPONOS Sportsが開催国枠で出場できることが確定していたので騒動にはならなかったが、他の国で開催され、アジアリーグで1位を取った日本のチームが出場権を獲得できなかったとなれば、騒ぎになってしまう可能性もあるだろう。

クラロワリーグは今年から始まったばかりで、まだいろいろな点で整っていないというのは十分わかる。ただ、今回のプレイオフの件は、システムを見直す良い機会となったのではないだろうか。次への糧とし、ファンにも選手にも納得のいくシステムの改善を期待したい。

明朝体でもゴシック体でもない書体

1969年(昭和44)、写研から「タイポス」という書体の文字盤が発売された。ひらがな、カタカナ、記号で構成された「かな書体」。桑山弥三郎氏、伊藤勝一氏、長田克巳氏、林隆男氏の4人による「グループ・タイポ」(*1)がデザインした書体である。

グループタイポ編『typo1〈普及版〉』表紙(グループタイポ/初版は1968年7月、普及版は1970年2月)

橋本さんは振り返る。

「写植が普及し、広告やポスターなどさまざまな媒体に使われるようになった昭和30~40年代、本文用の明朝体やゴシック体とは違う、新しい書体が求められるようになりました。そんななか、初めて登場した『新書体』がタイポスでした。発売されるや、爆発的に売れました」

タイポスは、時代にいくつもの新しい風を吹きこんだ書体だった。

まず1つ目に、そのデザインの新しさだ。タイポスは、明朝体とゴシック体のどちらでもない、その中間を目指してつくられた「ニュースタイル」の書体だった。(*2)

誕生のきっかけは1959年(昭和34)、武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)の3年生だった桑山弥三郎氏と伊藤勝一氏が、卒業制作でタイプフェイスデザインをやりたいと考えたことだった。

「美しい書体は読みやすさを生み出すと考え、かな特有の毛筆の流れをできるかぎり排除して、幾何学化、モダン化を図ろうとした」と、かつて桑山氏は語っている(*3)。

文字の骨格そのものを改革し、ふところを大きくして、明るい字面をつくった。かな特有の文字の曲線はできる限り水平垂直に近づけ、視線がスムーズに移動できるようにデザインされている。卒業制作としての発表はかなわなかったものの、桑山・伊藤両氏は卒業後さらに研究を続け、長田氏、林氏を加えてグループ・タイポを結成。1962年(昭和37)、第12回日宣美展に「日本字デザインの提案」として入選を果たしたのが、「タイポス」の誕生へとつながった。

「いままでの活字にはなかった書体をつくるということが、『タイポス』のデザインの前提にあったのだと思います。当初からファミリー展開することを考えて設計されたアドリアン・フルティガー氏による欧文書体Universのように、しっかりとした設計思想のもとでつくられていました」

数字で表す書体

1969年(昭和44)に写研から発売された「タイポス」は35、37、45、411の4種類だ。

「それまでウエイトを表していたL(細)やM(中)、B(太)のような概念的な言い方ではなく、タイポスは数字で表す書体でした。感覚的に書かれた文字ではなく、もっとデジタルっぽくつくられた書体なんです」

上から、タイポス35、タイポス37、タイポス45、タイポス411

タイポスの書体名についている数字は、横線と縦線の太さを表している。文字を入れる枠を100目のマスと考えたときに、「35」であれば横線3の縦線5、「37」なら横線3で縦線7、「45」は横線4で縦線5、そして「411」は横線4で縦線11というように、線の太さを表しているのだ。

アドリアン・フルティガー氏が欧文書体Universで「ファミリー」という考え方を書体デザインに打ち出したことに影響を受けながら、タイポスはそのさらに先を行くファミリー展開を考えた。

「ゴシックのように線幅が均一ではなく、明朝体のように横線が細くて縦線が太い。けれども、明朝体のようなウロコや打ち込みはない。むしろグループ・タイポは、明朝体やゴシック体のような既存の書体の枠を打ち破り、『タイポス』という提案そのものを認識させるための書体をつくったといえるのではないでしょうか。ニュースタイルのデザインで、既存の石井明朝体の漢字などと組み合わせると、おおきく印象が変わり、モダンな表情の組版になった。『タイポス』の登場以降、ニュースタイルの書体が次々と登場していきました。時代が変わるきっかけをつくった書体といっていいと思います」

写研の発行した書籍『文字に生きる』では「タイポス」の特徴を次のようにまとめている。

〈一、    従来の漢字とかなの大きさと比較して、かなが大きく、このため字間が均等となり、上下、左右のラインがそろって、きれいに見える。
〈二、    曲線をできるだけ垂直、水平な線に近づけた。このため、視線の移動がスムーズになる。
〈三、    毛筆のなごりである不必要なハネを取り除いた。このため、すなおな書体となった
〈四、    濁点の位置を一定にし、垂直にした。このため縦、横のラインを強めるのに役立っている。〉

文字を12のエレメント(=要素/てん、よこせん、たてせん、むすび、さげ、わ、まわり、あげ、はね、かえり、かぎ、まる)に分け、そのエレメントによる文字構成を示したのも新しい手法だった。

デザイナーが書体をデザインする時代へ

タイポスが吹きこんだ新しい風の2つ目は、「デザイナーがデザインした書体」であるということだ。タイポスの登場前、日本では、書体といえば活字書体で、「職人がつくるもの」だった。それが、デザイナーが設計したタイポスが登場し、注目を集めたことで、「日本語でも、新しい書体をデザインできるのだ」という意識を、デザイナーに芽生えさせることになった。

そして3つ目に、かな書体だったということ。(*4) 日本語で新しい書体をつくる場合、漢字まで含めると、少なくとも約3000字は必要とされた。金属活字でこれをつくる場合は、使用サイズすべての母型が必要だったため、つくらなくてはならない文字数はその数倍にふくれあがった。

写植機のレンズを通して文字を拡大縮小できる写植では、金属活字に比べれば新書体がつくりやすい状況ではあったが、それでも数千字である。けれども、両がなと記号だけであれば約150字程度で済む。しかも日本語では、文章の6割前後をかなが占めるため、ひらがなとカタカナのデザインが変わるだけで、紙面の印象を大きく変えることができた。

1972年(昭和47)には、石井ゴシックと組み合わせて使うことを想定した「タイポス」44、66、88、1212が発売された。社外のデザイナーがデザインした書体を写研が文字盤化し、写植書体として販売するという流れを最初に実現したのが「タイポス」だった。(つづく)

(注)
*1:グループ・タイポ:1959年(昭和34)、武蔵野美術学校の同級生だった桑山弥三郎氏(1938-2017)、伊藤勝一氏(1937-)、林隆男氏(1937-1994)、長田克巳氏(1937-)で結成。学生時代から開発していた「タイポス」が1969年(昭和44)写植文字盤として発売され、一世を風靡。1974年(昭和49)、有限会社に改組。2007年、桑山氏・伊藤氏のディレクションによって、タイポス漢字書体の原字をタイプバンクがデジタルデータ化。2008年、タイプバンクより「漢字タイポス」OpenTypeフォントが発売された。

*2:タイポスは、明朝体でもゴシック体でもないあるカテゴリーをつくった。カテゴリー名について、小塚昌彦氏はかつてこんなエピソードを書いている。
〈「タイポス」はタテとヨコの線幅(太さ)比を変えることによって、明朝風にもゴシック風にも展開できるが、もっぱらヨコが細くタテが太いものが多く使われていた。他にも同様なコンセプトの書体もかなり発表されたこともあり、在来のタイプフェイスのどこにも属さない、あるカテゴリーを作ったといえるのである。タイポグラフィ研究科、故佐藤敬之輔氏から「コントラスト体」ではどうかと提案があったこともあるが、未だ名案がないままになっている〉
(小塚昌彦「東西活字講座4 新しい時代へ」『たて組ヨコ組』No.23(モリサワ、1989) P.20

*3:筆者による桑山氏への聞き取りから(2008年9月5日)

*4: 2008年、タイプバンクより漢字も含む「漢字タイポス」OpenTypeフォントが発売された。

話し手 プロフィール

橋本和夫(はしもと・かずお)
書体設計士。イワタ顧問。1935年2月、大阪生まれ。1954年6月、活字製造販売会社・モトヤに入社。太佐源三氏のもと、ベントン彫刻機用の原字制作にたずさわる。1959年5月、写真植字機の大手メーカー・写研に入社。創業者・石井茂吉氏監修のもと、石井宋朝体の原字を制作。1963年に石井氏が亡くなった後は同社文字部のチーフとして、1990年代まで写研で制作発売されたほとんどすべての書体の監修にあたる。1995年8月、写研を退職。フリーランス期間を経て、1998年頃よりフォントメーカー・イワタにおいてデジタルフォントの書体監修・デザインにたずさわるようになり、同社顧問に。現在に至る。

著者 プロフィール

雪 朱里(ゆき・あかり)
ライター、編集者。1971年生まれ。写植からDTPへの移行期に印刷会社に在籍後、ビジネス系専門誌の編集長を経て、2000年よりフリーランス。文字、デザイン、印刷、手仕事などの分野で取材執筆活動をおこなう。著書に『描き文字のデザイン』『もじ部 書体デザイナーに聞くデザインの背景・フォント選びと使い方のコツ』(グラフィック社)、『文字をつくる 9人の書体デザイナー』(誠文堂新光社)、『活字地金彫刻師 清水金之助』(清水金之助の本をつくる会)、編集担当書籍に『ぼくのつくった書体の話 活字と写植、そして小塚書体のデザイン』(小塚昌彦著、グラフィック社)ほか多数。『デザインのひきだし』誌(グラフィック社)レギュラー編集者もつとめる。

■本連載は隔週掲載です。