2017年のPCはこう変わる、ワークスタイル変革やUSB Type-Cに注目

2017年のPCはこう変わる、ワークスタイル変革やUSB Type-Cに注目

2017.01.15

PCは、スマートフォンやタブレットが普及した今でも、仕事の生産性を大きく左右するデバイスとして重要な存在だ。そして2017年には、仕事を取り巻く環境にも変化が予想される。果たしてPCはどのように変わっていくのだろうか。

「ワークスタイル変革」が本格化へ

家電量販店に並ぶPCの中でひときわ目を引くのが、マイクロソフトの「Surface」に代表される2-in-1型のデバイスだ。ノートPCとしてもタブレットとしても使えるので2-in-1と呼ばれる。その一方で、現実のオフィスでは何年も変わらないデスクトップPCを使用し、ノートPCの持ち出しは禁止、あるいは面倒な手続きが必要という職場も少なくない。

だが、政府の推進する「働き方改革」や「ワークスタイル変革」といった動きにより変化も見えてきた。日本経済の大きな課題である長時間労働を見直し、過労死の防止や生産性向上に向けた取り組みが期待される中、仕事のやり方が大きく変わる可能性がある。

仕事のやり方が変わるならば、それに応じたPCも求められるはずだ。この国を挙げての取り組みにPC業界としても貢献しつつ、低迷するPC市場の活性化につながれば、一石二鳥というわけだ。

世界のPC市場でシェアNo.1の中国レノボは、ワークスタイル変革により長時間労働は過去のものになると予想する。オフィスに限定せず、「自宅」や「ふるさと」などでのフレキシブルな働き方を実現することこそ、未来型企業への道だという。

レノボの「YOGA BOOK」。ペンタブレットにもなる平面キーボードが話題を呼んだ

米デルもまた、5年から10年先を見据えた近未来の仕事環境「Future Ready Workforce」を提唱。在宅勤務などのリモートワークを可能とすることで、個々の労働者が最大限にパフォーマンスを発揮できるようになるとのビジョンを描く。

デルが提唱する新しい働き方「Future Ready Workforce」

最新CPU「第7世代Core」登場、PCはさらに薄く軽く

スマホやタブレットの普及により低迷が続くPC市場だが、今後の変化を見込んで新規参入するメーカーも現れた。基地局などインフラ事業で定評のある中国ファーウェイは、端末事業を拡大しており、2016年には初めてのWindows PC製品を発表。スマホで培ったノウハウを生かした「MateBook」を日本でも発売した。

ファーウェイは「MateBook」でPC市場に新規参入した

PCを構成する個々の部品の進化も続いている。CPUとしてはインテルの最新「第7世代Coreプロセッサー」が登場。省電力性能が向上し、4K動画を容易に扱えるなどの性能向上を果たし、2017年1月に米ラスベガスで開催された見本市「CES 2017」には採用PCが多数並んだ。

PCの消費電力が下がることは、電気代が安くなるだけではない。PCの体積のうち大部分を占めるバッテリーや冷却用の部品を減らすことで、PCはさらに薄型軽量になる。さらに、うるさい冷却ファンを搭載しない「ファンレス」PCなら、静かなカフェや図書館でもPCを使いやすい。ワークスタイル変革にとっても不可欠な要素技術といえる。

デルの最新「XPS 13 2-in-1」はファンレス構造を採用した

USB Type-C搭載機が急増、どこでも充電可能な世界に

あらゆる場所でPCを活用する上で、問題になるのが電源だ。最近では電源付きのカフェや図書館も増えてきたが、まだ十分とはいえない。スマホやタブレットのように手軽に充電できないことは、PCの大きな弱点でもあった。

そこで注目したいインターフェイスが「USB Type-C」だ。最近のノートPCでは、この新しいUSB規格を採用する製品が増えている。

新型MacBook ProはインターフェイスをUSB Type-Cの上位規格(Thunderbolt 3)に統一

USB Type-Cでは、急速充電規格として「USB Power Delivery」(USB PD)が標準化された。これに対応した製品なら、端子形状やメーカーの違いを超えてノートPCの電源アダプターを使い回せるようになる。

カフェや図書館、列車や飛行機などに広くUSB Type-Cが導入されれば、電源アダプターを持ち歩く必要がなくなるかもしれない。そんな世界が実現するまでにはまだ少し時間がかかりそうだが、CES 2017ではレノボやデル、HPなど多くのPCメーカーがUSB PDを採用し、方向性は定まった。あらゆる場所でPCを使えるようになる時代に向けて、確実に一歩を踏み出したといえる。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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Googleがゲーム本格参入の衝撃、2019年中にゲーム基盤「STADIA」を投入

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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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