新世代製品を続々投入、年間3万台に挑戦するアウディジャパンの戦略

新世代製品を続々投入、年間3万台に挑戦するアウディジャパンの戦略

2017.01.27

2014年以来となる新車販売台数3万台の達成を目指すアウディジャパン。このたび明らかになった2017年の商品戦略からは、同社の本気度が伝わってくる。

世界販売は好調、日本で巻き返しなるか

独アウディの世界販売台数は2009年以来、7年連続で前年を上回る好調ぶり。2016年の実績は、過去最高だった前年を約4%上回る約187万台だった。ところが、日本市場では2014年に3万1413台を記録して以来、ここ2年は3万台弱という数字が続いていた。

2016年の日本における販売台数は約2万8,500台。これでも10年前に比べると2倍近い規模なのだが、アウディジャパンは今年、販売台数を再び3万台のレベルに乗せるという目標を掲げる。そこで重要になってくるのは、アウディジャパンが今年、どんなクルマを日本市場に投入するかだ。

まずはコンパクトカー「A3」を改良

「今年は新世代の製品群の投入が更に加速する」。2017年新春会見に登場したアウディジャパン社長の斎藤徹氏は、同社の商品戦略をこのように表現した。

会見を行った斎藤社長

アウディジャパンが2017年に発売する新製品群の皮切りとなるのは、1999年の登場以来、日本で7万7000台以上が売れたというコンパクトカー「A3」の改良モデルだ。ブレーキやアクセルを自動制御し、車間距離と速度を一定に保つ「アダプティブクルーズコントロール」をはじめとする運転支援システムを充実させたほか、「A4」などで採用して好評を博したというフルデジタルの多機能ディスプレイ「ヴァーチャルコックピット」を選択できるようにするなど、改良点は多々あるようだ。

新型A3。左が「セダン」タイプ。右が「スポーツバック」タイプだ
アウディジャパンのマーケティング本部長を務めるミクシェ・シルケ氏が新型A3の商品説明を実施。価格は293万円からとなる

人気のセグメントを押さえた商品戦略

新型A3以降にアウディジャパンが発売するのは、中型車の新型「A5」、ミッドサイズSUVの新型「Q5」、新規投入となるコンパクトSUVの「Q2」といった製品だ。新規投入1種とフルモデルチェンジ3種の計4種が今年、日本市場にデビューする。注目したいのは登場するクルマの種類。日本で人気のコンパクトカーとコンパクトSUVをしっかり押さえた商品戦略となっている。新規投入となるQ2について斎藤社長は、「新しいユーザー層の掘り起こしに期待したい」と語った。

さらにアウディジャパンは、電気自動車(EV)の市場投入も見据えているという。アウディ本社は今年、欧州で同社初となるEV「e-tron quattro」を発売する予定。これを2018年に日本にも導入するというのだ。いまいち普及が進んでいない印象のEVだが、遅かれ早かれクルマの電動化は確実に進んでいきそうな現在の情勢を考えると、輸入車勢としても、日本市場にEVを早めに投入しておくことは重要なのだろう。

EVに先立って普及するといわれるプラグインハイブリッド車(PHV)についてはどうか。アウディジャパンは2016年、A3のPHVバージョンを日本に導入したが、このクルマについては、「(製品の出来栄えという意味で)高い評価を頂いたが、値段が高すぎた」(斎藤社長)ため、そこまで販売台数は伸びていないという。

ちなみに、現在でも買えるA3のPHVバージョン「A3 Sportback e-tron」は消費税込みで車両本体価格が564万円だ。今回の新型A3についても、そのうちPHVバージョンを用意するそうだが、現行モデルの教訓をいかし、アウディジャパンがどのような価格設定を行うかにも注目したいところだ。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu