その「炎上」の定義とは?

企業に刻々と忍び寄る「炎上」ダメージ 第1回

その「炎上」の定義とは?

2017.01.30

誰しも一度は、「炎上」という言葉を見聞きしたことがあるだろう。 ここ数年、たった1一つの投稿または口コミやブログ、ソーシャルメディア上の書き込みが起因となり、企業や、飲食店舗の存続危機に追い込まれたケースが多発している。

「炎上」って何?そもそも「炎上」の定義とは?

まずは、「炎上」という言葉の意味を正確に理解しなければならない。ここで言う「炎上」とは、「問題」や「課題」など特定の事象に対して「SNS」などの「ソーシャルメディア」上で、多くの「批判」「誹謗中傷」などの口コミが発生し、被害が拡大していく状態のことである。

火のないところに煙が立つ?「炎上」の火付け役とは?

誰がどのような形で「炎上」を起こすのか。これまでは、炎上させることを目的とした第三者、いわゆる仕掛人のような人物が存在していた。問題となりうる情報や写真を見つけ出し、意図的に拡散させ炎上させていたのだ。マスメディアが取り上げ、さらに拡散していく流れが一般的であった。

近年、特に2016年度は、「SNS」などのいわゆる「ソーシャルメディア」が広く世間に普及したことに伴い、一般の人も口コミを気軽に発生しやすい状況になった。SNSが発信源でないものまで、ユーザー間で議論が起きることもある。CMなどの広告やイベントは、口コミが発生しやすい事案の1つといえる。ユーザー間で多くの議論が生まれるのは、顔の見えないネット社会の特徴でもあると言える。マスメディアも、今まで以上に「炎上」に関心を示し、情報拡散に加担するような傾向も見られた。

そして今や、「炎上」は単純な「批判」や「誹謗中傷」だけに留まらない。ユーザー間で議論が交わされると「ネガティブ」と「ポジティブ」の両面の意見も同時に出始め、それが、バイラル的に拡散していくこともあるのだ。

また、稀に発信源の投稿そのものがデマである事もある。真実を把握しないまま情報に惑わされ、メディアや企業が対応に追われる。つまり、発信源の情報が、真実か否かの事実確認も求められるようになってきた。

「炎上」の扱いは、BCP策定の一環?企業の動向はいかに?

炎上によって、株価が暴落、破綻の危機に追い込まれたケースも数多くある。多くの企業が、「炎上」に対して危機感を募らせ、対策に乗り出している。企業側でも「炎上」が、コンプライアンス リスクとなり得ると認識し、ソーシャルメディア上の口コミをチェックするようになってきた。

要はこれまで、企業側の問い合わせ窓口に入っていたクレームがソーシャルメディア上に場所を移しただけのことなのである。つまり、お客様窓口や社内で処理されていたものが、「ソーシャルメディア」上に「広がる場所」が変わったのだ。

その分、企業側のマイナス要素・改善すべき問題が表面化されやすくなったことになる。「ソーシャルメディアだから」と言って、これまで企業側が持つリスク対策と分ける必要はない。世の中に表面化されなかったことが、「悪い部分」「良い部分」のいずれかで広がりやすくなったと考えなければならないのだ。

「良い部分」であれば、もちろん、企業には大きなメリットにもなり得る。「ソーシャルメディア」を営業ツールの一環として利用している企業も多く存在するのもご存知だろう。しかし、「悪い部分」であれば、企業に大きなダメージを受けることになりかねない。企業経営に与えるダメージは計りしれないものとなっている。

それが、ソーシャルメディアが世の中に浸透した、「炎上時代」の怖いところでもある。

企業が見落としがちな「炎上」の盲点とは?

企業は今、「どんな情報であれ、世の中に広がる可能性がある」ということを理解し危機感を持たなければならない。ソーシャルメディアにおいて、情報は、社内・外部に関わらず全ての人が気軽に広げることができるのだ。

一部では、自社や取引先の内部情報・業務・信用に関わる情報の漏洩を防ぐため、業務時間外・内に関わらずソーシャルメディアの利用を禁止している企業もある。しかしながら、退職者や従業員の家族、友人までソーシャルメディアの利用を禁止することはできない。リスク回避策の一環としての試みではあるが、残念ながら効果はないに等しい。ソーシャルメディアが浸透していること、その特徴を理解する必要がある。

ソーシャルメディアの利用者が年々増加している今こそ、企業のリスク体制を見直す必要がある。企業が、従業員や顧客に対して、何らかの被害を与えていないか。自社のマイナス要素を見逃してはいないか。「炎上」となりうる事象が社内にあるのか否かをしっかりと見直し、把握しなければならない。

その上で、ソーシャルリスクがあるということを理解し、「ソーシャルメディア」のパトロールを徹底する必要がある。拡散される情報のほとんどは未然に防ぐことは難しいということも念頭に入れなければならない。

ソーシャルメディア時代の中で、「炎上」は、経営ダメージを与える要因の一つであることを再認識し、重要視しなければならないのだ。いざ、炎上が起きた際は、「炎上」という言葉に惑わされてはいけない。冷静にもともとの起因となった原因要素を探り出し、スピード解決することが最も重要になってくる。

企業は、「ソーシャルメディア」上で、経営ダメージを受けかねない事案が発生したことを前提としたリスクヘッジを行っておく必要がある。それが今後の大きな課題になってくるのだ。

次回以降は、まずは現状の理解を深めるために、2016年の「炎上傾向」を振り返り、そして、企業の対策案など課題の解決方法について触れていきたい。

連載協力:イー・ガーディアン株式会社

投稿監視、風評調査、ソーシャルリスニングのリーディングカンパニーとして、導入実績700社以上の基盤を誇る総合ネットセキュリティ企業

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第17回

いつかは買いたい? 安東弘樹、アストンマーティン「DB11」に乗る!

2019.03.20

アストンマーティンのV8エンジン搭載車「DB11」に試乗

懐古趣味とは無縁、「DB」のデザインは現代の方がカッコいい

車中で「なぜ運転は楽しいか」を自問自答

日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会を訪れている安東弘樹さん。次に乗るのはアストンマーティンの「DB11」だ。憧れる人も多いであろう歴史ある英国製スポーツカーに、安東さんは何を思うのか。

※文と写真はNewsInsight編集部の藤田が担当しました

安東さんと「DB11」

エンジン信者ではなくとも感じる音のよさ

DB11はアストンマーティンのグランドツアラーで、安東さんが乗ったのは4リッターV型8気筒DOHCツインターボエンジン搭載モデル。最大出力は503hp、最大トルクは675Nmで、停止状態から時速100キロへの加速はわずか4秒という速いクルマだ。トランスミッションは8速オートマチック(AT)。オプションを含まないメーカー希望小売価格は2,278万1,177円となっている。

試乗した「DB11」のボディサイズは全長4,705mm、全幅2,060mm、全高1,290mm。車両重量は1,705キロだ

編集部(以下、編):なぜDB11に乗ってみたいと思ったんですか?

安東さん(以下、安):新しいアストンマーティンに乗っておかないと、という気持ちがありました。他のブランドのように試乗会というものが開催されないので、なかなか機会がありませんし。

先ほど、テスラの「モデルX」に乗りましたけど、その後にDB11に乗ると、電気自動車(EV)とは違う加速を味わうことができますね。どちらが好ましいというのはないですけど。

:EVとは違って、エンジン音に迫力がありますね!

:確かに、いい音だとは思います。ただ、エンジン音の信者ではないので、そんなにうるさくなくってもいいというタイプです。大きさより質、という感じでしょうか。

:クルマのキャラクターに合った音がしてほしい?

:そうですね。

室内の作りは、ドイツ車と比べると違いを感じます。ドイツ車だと、例えば革張りのダッシュボードなどは“パンッ!”て張っている感じですけど、こちらは、良くも悪くも作りが緩いというか、革の表面にうねりのようなものが見てとれますね。

:生命感を表現している、とかですかね?

:どうなんでしょうねー。

:乗り心地はいかがですか?

:ダイレクト感が伝わってくるような作りになっているのは分かります。ただ、ダイレクト感を作り手の側で、どのくらい味付けするのがいいのか……クルマって、難しいですね! メーカーが味付けの部分で競い合うのはいいことだと思います。

:2,278万円という価格については?

:……なぜか今、一瞬、安いって思いました(笑)。

多分、これが理由だと思います。先日、ポルシェジャパンのサイトでコンフイギュレーターを使って、最新のポルシェ「911 カレラ 4S」に、必要だと思うオプションを選んでトータルの価格を見積もったら、2,000万円を軽く超えました……。

DB11もオプションを加えたら、金額は跳ね上がるとは思いますが、ポルシェは3Lターボで最大出力450ps、最大トルク530Nmだったのに対して、DB11は4Lターボで503ps、675Nmだったので、それらを比較して、そう思えたのかもしれません。

「DB11」の価格を聞いて、一瞬だけ「安い」と思ったという安東さん

昔のクルマと今のクルマ、カッコいいのはどっち?

:アストンマーティンといえば、ボンドカー(映画「007」シリーズに登場するジェームズ・ボンドが乗るクルマ)のイメージはありますか?

:ありますねー! 一時はBMWになったりしてましたけど、アストンマーティンを復活させましたもんね。最近は、物語にとって必然性がないのに、ボンドカーを無理やり出している感じがあったんですけど、新しい作品ではアストンマーティンが大活躍してました。まあ、本来は目立ってはいけないスパイが乗るクルマではないですけどね(笑)

:「007 ゴールドフィンガー」に登場した初代ボンドカー「DB5」もカッコよかったですもんね!

:「ゴールドフィンガー」も見たんですけど、私に懐古趣味がないので、今のDB11の方がカッコいいと思います。DB5って、今のクルマに比べると、少し“ずんぐりむっくり”しているというか。

:純粋に、カッコよさで比べた場合、現行モデルの方に軍配が上がると?

:そうですね。ただ、日本車は残念ながら昔のクルマ、特に60年代~70年代の方が圧倒的にカッコいいですけどね。

純粋にカッコよさで比べた場合、初代ボンドカー「DB5」よりも試乗中の「DB11」に軍配が上がるというのが安東さんの感想

:アストンマーティンのイメージは?

:好きでした。歴代のクルマには、必ずマニュアルトランスミッション(MT)の設定があったので、乗りこなせたら格好いいだろうなとは思ってました。

:いつかはアストンマーティンを買いたいと思いますか?

:以前は思ってました。でも今は、乗って満足してしまったというか、「これが欲しい!」という感じではないです。スポーツカーの場合、どうしても、MT車にしか食指が動かないんです。DB11って確か、本国にもMTの設定はないですもんね。

:そうすると、現在の愛車であるポルシェ「911 カレラ 4S」を乗り換えるとしたら、どんな選択肢がありますか?

:“992型”の「911 カレラ 4S」()で、右ハンドルのMTって感じですかねー。

【編集部注】次に発売となる新しい「911 カレラ 4S」。つまり、同じクルマの新型をリピート購入したいということ。

:他のメーカーに候補はないですか?

「メガーヌ R.S.」(ルノー)のMTなんかいいですね!

もし、DB11がMTだったとしても、うまくスポーツ走行をする自信はないんですけど、日常でスポーツカーを楽しむという意味では、MTしか選択肢に入らないんです。

なぜステアリングを切っているだけで楽しいのか

:(箱根ターンパイクを走行しつつ)加速って、どうしても慣れてしまいますね。

:結局のところ、速いか遅いかということですしね。

:だとすると、もうテスラなどの電気自動車にはかなわないですもんね。そうすると、操作を楽しむとか、気持ちはそっちにシフトするわけで。

DB11は、トルコン8速ATもよくできていて、十分にいいクルマなんですけど、なんでしょう、どうしてかは分からないんですけど、ひょっとすると、そのうち飽きがくるかもしれないと思ってしまうんです。MTの運転だけは飽きないですからね(笑)

それにしても、こうやって右に左にステアリングを切っているだけなのに、「何が楽しいのかなー?」って、たまに思うこともあるんですけど、なぜだか楽しいんですよね。クルマに興味のない人には、「何が楽しいの? 危ないだけでしょ?」と思われるかもしれないんですけど。

クルマの運転って、興味のない人からすれば、場合によっては悪意がなくても法律的に罰せられるし、命の危険すらあるのに、何が楽しいのか理解できないでしょうね。ただ、なんなんでしょう、とにかく楽しいんですよねー! こういうワインディングロードを走らなくても、普通に、高速道路で制限速度内で走っていても、車窓の景色が変わっていく様子とか、大きな物体を自分で操る感覚が、たまらないです。

ステアリングを右に左に切っているだけで楽しいという安東さん

DB11に乗りながら、なぜクルマの運転は楽しいのかと自問自答を始めた安東さん。助手席から見ていると、その問答自体がすでに、楽しげに見えた。次に乗るクルマは、ポルシェを買い替える場合の選択肢として名前の挙がった「メガーヌ R.S.」だ。

関連記事
アウディが新型「A6」を発売、大攻勢の2019年は注目モデルが続々

アウディが新型「A6」を発売、大攻勢の2019年は注目モデルが続々

2019.03.20

8世代目に突入したアッパーミドルセダン「A6」

「アウディ クワトロ」のDNAを受け継ぐエクステリア

最新テクノロジーよりも大切なユーザー目線

アウディ ジャパンは新型「A6セダン」およびワゴンタイプの新型「A6アバント」を3月20日より発売する。車両本体価格は「A6セダン」が920万円~1,006万円、「A6アバント」が955万円~1,041万円。フルモデルチェンジを経たアウディ伝統のアッパーミドルセダン(おおよそ全長4,800mm以上のクラスの高級セダンで、いわゆるEセグメント)は、同社3シリーズ目となる電動車として登場した。

新型「A6」の発表会に登壇したアウディ ジャパン代表取締役社長のフィリップ・ノアック氏。A6は2019年3月20日から全国のアウディ正規ディーラーで販売する

アウディにとって3作目となる電動車

「A6」は1968年にデビューしたアウディのアッパーミドル(中大型クラス)セダンの流れをくむモデル。今作は初代モデル「アウディ100」から数えて8世代目にあたる。「アウディ100」と「A6」の両シリーズを合わせた累計販売台数は820万台。新型のグレードは、「A6セダン」「A6アバント」ともに「55 TFSI quarto S line」と「55 TFSI quarto debut package」の2種類だ。

「A6セダン」は「55 TFSI quarto S line」が1,006万円、「55 TFSI quarto debut package」が920万円
画像3:「A6アバント」は「55 TFSI quarto S line」が1,041万円、「55 TFSI quarto debut package」が955万円

アウディは「A8」「A7」に続き、新型「A6」に電動化技術を組み込んだ。同社は2019年に6車種のプラグインハイブリッド車(PHV)を導入し、2020年末までに合計12車種の電動パワートレイン車をラインアップする電動化戦略を掲げているが、A6の電化はその一環だ。

A6のパワーユニットは、いずれも3.0リッターV6ターボエンジンにマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)を組み合わせる。この3.0リッターTFSIユニットは、最高出力340ps/5,200-6,400rpm、最大トルク500Nm/1,370-4,500rpmを発揮する。「A6セダン」が停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間は5.1秒(欧州仕様参考値)だ。

「アウディ クワトロ」の遺伝子を受け継ぐエクステリア

発表会でノアック社長が「アウディ車にとって重要なメッセージ」と語ったのがデザインだ。2018年にフルモデルチェンジして登場した「A8」「A7」と同じく、新型「A6」も新たなアウディのデザイン言語を体現しており、「ピンと張った面、キリッと尖ったエッジ、目を引くラインなどが特徴」(ノアック社長)だという。

「A6セダン」のフロントマスク
ボディサイズは全長4,950mm、全幅1,885mm、全高1450mm、ホイールベース2,925mm。長いボンネット、ロングホイールベースなど、造形美が光るプロポーションとなっている

従来モデルよりワイドかつ低く配されたシングルフレームグリルに、フラットなヘッドライト。フロントマスクではエアスポイラーを備えた大型のサイドエアインテークも目を引く。サイドビューは先代モデルと比べて引き締まった印象。力強く張り出したホイールアーチ上の輪郭、長く伸びたルーフラインなど、「アウディ クワトロ」のDNAを受け継いでいることを確認できるポイントは随所で発見できる。

この新たなデザイン言語を読み解くのであれば、バランスのとれたエクステリアプロポーションでエレガンスさを、フロントマスクの造形でスポーティーさを演出している、といったところだろうか。

アウディが考えるユーザー中心の開発とは

「A6を日本市場に導入できることをとても嬉しく思うとともに、誇りに思います」と述べたノアック社長は、日本におけるアウディの戦略にも言及した。

アウディ ジャパンの戦略を語るノアック社長

最初に言及したのが商品攻勢だ。今回の新型「A6」に加えて、新型「RS4アバント」、アウディ ジャパン初のクリーンディーゼルエンジン搭載車となった新型「Q5 40 TDI クワトロ」を発表するなど、積極的な姿勢が目立つアウディ。2019年は今後も、ほぼ毎月、新モデルを投入する予定だという。アウディ初の電気自動車(EV)「e-tron」や新たなセグメントへの参入となる「Q8」など、注目度の高い車種も発表の時を待っている。

そして、ノアック氏が強調したのが、ユーザーを中心に据える「カスタマー・セントリシティ」という考え方だ。

「A6セダン」のコックピット。ドライバー正面とセンターコンソール上部、さらにセンターコンソール下部の3カ所に大型ディスプレイが設置してある

この言葉、ノアック社長は単なる顧客満足度の向上という意味では使っていない。その真意として同氏は、「アウディブランドは新しい技術を駆使し、新たな価値あるものを作り出していきます。ただ、アウディにとってテクノロジーは重要ですが、それ以上に大事なのは、お客様の視点です」と説明した。

どれだけ優れた技術であっても、ユーザーに必要とされなければ、それは不要な技術といえる。新型「A6」は最新のテクノロジーを搭載するが、快適性の向上やドライバーサポートアシスタントシステムの充実、安全性の高さなどは、いずれもユーザーに望まれる技術である。新型車が登場すると新たな機能に注目が集まりがちだが、重要なのは、その機能がユーザーの求めるものであるかどうかだ。

最後にノアック氏は、「今年は本当にエキサイティングな年になると思います。この1年をぜひ、アウディとともにお楽しみください」と語り、記者発表を締めくくった。

関連記事