米国では盛況、日本では? 大学スポーツはビジネスとして成り立つか

米国では盛況、日本では? 大学スポーツはビジネスとして成り立つか

2016.03.18

大学スポーツを産業化する動きが日本でも出始めた。先行するのは早稲田大学との組織的連携を決めたアシックスだ。米国では莫大なマネーを生み出すという大学スポーツだが、日本でビジネスとして成り立つ可能性はあるのだろうか。

米国ではプロに匹敵する人気の大学スポーツ

「大学スポーツが一大産業となるよう、まずは2者でやっていく」。アシックス代表取締役社長CEOの尾山基氏は、早稲田大学との協定締結に際して決意を表明した。ビジネスモデルに関する具体的な方向性は今後の検討課題となっているようだが、尾山氏はNCAA(全米大学体育協会)が主催するカレッジスポーツの盛況ぶりを引き合いに出しつつ、日本の大学スポーツにビジネスとしての大きな可能性を感じると語った。「米国のカレッジスポーツは、地域住民が観戦に訪れるなどプロスポーツに匹敵する人気と収入がある。スポーツが人々の身近にある環境を生み出すことに一役買っており、スポーツ大国の土台となっている」というのが尾山氏の認識だ。

協定締結を発表するアシックス代表取締役社長CEOの尾山基氏(写真左)と早稲田大学総長の鎌田薫氏

NCAAは1,000を超える加盟校を抱える大規模な組織。管轄する競技はメジャーからマイナーまで幅広い。バスケットボールやアメリカンフットボールといった種目はプロへの登竜門となっており、未来のスーパースターを探すファンの熱量も高いという。

NCAAは大会の運営などを担い、収益の大部分をバスケットボールのテレビ放映権などで稼ぎ出す。稼いだ資金は自身の運営費に充てるほか、加盟大学のスポーツ振興や奨学金などに振り分ける。NCAAは大学スポーツが生み出す巨額の収益を一元的に管理し、加盟大学に分配する役割を果たしているわけだ。

大学スポーツで稼ぐという発想は日本で浸透するか

では、日本における大学スポーツはどうだろうか。箱根駅伝や六大学野球など、一部には人気を集めている競技も見受けられるが、米国と比べると、どうしても盛り上がりに欠けているように感じてしまう。大学スポーツ全体を一元的に管理する組織はなく、競技ごとに存在している連盟や協会などは、そもそも大学スポーツで稼ぐという目的で活動していないのが現状だ。

日本では大学スポーツを教育の一環と捉えていたため、そこで稼ぐという考え方は浸透しなかった。早稲田大学のスポーツ科学学術院でスポーツ政策論などを教える間野義之教授は、「日本では、選手(学生)が一生懸命やっているところで稼いだり儲けたりするのは『悪』だとする風潮が強い」と指摘する。しかし、その風潮に変化の兆しが見られるというのが間野教授の見立てだ。

「スポーツで稼ぐという風土を作る」。スポーツ庁長官に就任した鈴木大地氏の言葉から分かる通り、日本政府は「スポーツに費やす」から「スポーツで稼ぐ」への意識改革を図っている。スポーツ庁の発足は2015年10月だが、同庁では2016年2月に「スポーツ未来開拓会議」を立ち上げ、民間の有識者などを交えてスポーツ産業の活性化に向けた議論を始めた。この会議でまとめる提言は、2016年前半にも政府が策定する「一億総活躍プラン」の一部に反映される可能性がある。

早稲田大学スポーツビジネス研究所所長でスポーツ科学学術院教授の間野義之氏。スポーツ未来開拓会議の座長を務める

日本のスポーツ産業を取り巻く雰囲気に変化?

現政権が目標に掲げるGDP600兆円の達成に向けては、成長産業を探し出し、あと約100兆円のGDPを積み増す必要があるわけだが、政権側はスポーツ分野にも伸び代があると見込んでいるようだ。スポーツ庁は現状5兆円程度のスポーツ産業の規模を15兆円に引き上げるという目標を掲げている。

一億総活躍プランにスポーツ産業の成長戦略を盛り込みたい政府は、有望な分野の1つとして大学スポーツの産業化にも目をつけている。スポーツ立国を標榜する日本政府の姿勢が、大学スポーツを取り巻く反ビジネスの雰囲気を変えようとしているわけだ。このタイミングでアシックスが大学スポーツの産業化に名乗りを上げたのも偶然ではないだろう。

それでは実際に、日本の大学スポーツにビジネスとして発展の可能性はあるのか。間野教授に話を聞くと、いくつかの課題が浮かび上がってきた。なかでも問題となりそうなのは、大学スポーツの興行的な発展を阻む大型施設の不足だ。

観るスポーツとしての成立が必須条件

大学スポーツを産業化する場合、まずは人気競技を育て、競技場を満員にするところから始める必要がある。集客力が高まればチケット収入が見込めるうえ、テレビなどでの中継が実現すれば放送権料で大きな収益を生み出すことも可能となる。人気スポーツが育てば、用具、ウェア、グッズなどの販売でアシックスのような企業にも商機が出てくる。つまり、「観るスポーツ」として一般社会の認知を得ることが最優先課題なのだ。

アシックスは早稲田大学に対するウェア・用具の供給、早稲田の校章・マーク入り製品の販売、早稲田と共同での製品開発などを進めるが、その先の目標として大学スポーツの産業化を掲げる

米国では大学が数万人規模の収容能力を持つスタジアムやアリーナを自前で保有し、スポーツのビッグイベントで多くの観客を集めているが、日本の大学で自前の大規模施設を保有している例は少ない。興行として発展していく前提条件として、日本の大学スポーツは「観る場所」を整備していく必要がある。間野教授によると、大学スポーツの施設不足を解消する1つの方法は、大学と企業による「ダブルフランチャイズ化」の推進だという。

ダブルフランチャイズとは、1つの競技施設を2つのスポーツチームが本拠地として使用すること。スポーツチームを保有する企業が、資金を投入して大学の体育館などを改修し、その施設を大学の運動部と分け合って使えば、企業と大学の両者が大型施設を本拠地に設定できる。例えばバスケットボールの「Bリーグ」のように、大型施設の保有が加盟条件となっているリーグも存在するため、大学の既存施設を使えるダブルフランチャイズにメリットを見出す企業も出てきそうだ。

「観るスポーツ化」に向けた課題は場所の不足だけではない。大学スポーツに携わる組織は、集客についても知恵を絞る必要がある。

集客戦略を立案する組織が不可欠

大学スポーツの観客層として思い浮かぶのは、出場校の在校生、卒業生、その親類縁者といった人々だが、興行としての成功を狙う場合、一般客をいかに呼び込むかが重要となる。知名度が高く、ブランド化している六大学野球、早慶戦、ラグビーの早明戦といったイベントでも、一般客を集めるための仕掛けが十分ではなかったという日本の大学スポーツ界だが、間野教授は「逆に(集客の)余地があるということ」との見方を示した。

「強くなければ(競技水準が高くなければ)人は観に来ない」と強調したアシックスの尾山氏。自社で保有するスポーツ工学研究所のノウハウや、選手の自主トレーニングに活用可能なアプリなど、早稲田大学の競技水準向上に活用可能なアシックスのリソースは多そうだ

スポーツイベントの集客は1大学(1チーム)単位で進めても効果が薄いので、「リーグ全体で集客していくという改革に取り組めるかどうかが重要になってくる」(間野教授)。複数の大学を巻き込んで集客戦略を練るためにも、大学スポーツを一元的に管理・統括する組織が日本でも必要となってきそうだ。

日本版NCAA設立の早道は

日本版NCAAのような組織については、間野教授も「あったらいいと思う」と必要性を認める。大学スポーツに関する既存の組織は、種目ごとに個別で活動してきた歴史があるため、合従連衡には困難が予想される。スポーツ庁が音頭をとるなど、明確な方針の下で新たな組織を作る流れに期待したいところだ。先行するアシックスと早稲田大学が中心となり、企業、大学、政府などを巻き込んでいくような方向性も考えられる。

大学スポーツが商業的な色彩を帯びることに対する社会の反応も気になるところだが、収益については「学生の奨学金に回したり、財政的に厳しいマイナースポーツの強化に使ったり」(間野教授)と様々な使途が考えられる。NCAAのような組織が日本にできた場合は、資金の流れを明確にし、大学スポーツに参加する人と観る人の双方が納得できる事業モデルを構築することが必要になるだろう。

大学スポーツの産業化に向けて種をまくなら、東京オリンピックの開催を控えた今は時期としても悪くなさそうに思える。先行するアシックスと早稲田大学の取り組みが、日本の大学スポーツ界を取り巻く環境をどのように変えていくかに注目したい。

バズりを狙いスベって炎上、「リアルガチでやばい」年金ツイート問題

カレー沢薫の時流漂流 第33回

バズりを狙いスベって炎上、「リアルガチでやばい」年金ツイート問題

2019.03.25

漫画家・コラムニスト カレー沢薫さんの社会派連載!

第33回は、リアルガチでやばい「日本年金機構のツイート炎上」について

日本年金機構のツイッター広告が炎上し、即ツイ消しおよび謝罪する事態になったという。その炎上したツイートというのがこちらの文言だ。

「ガチヤバイ!? リアルガチでやばいかも!? 新社会人のみなさまへ 受け取る年金少なくなってない!? ねんきんネットで確認だ!」

これは非常によくある「ウケると思ってスベッた上に大炎上」パターンであり、「炎上ガチャ」でこれが出て来たら確実に低レアなので「即売却」といった感じだ。

問題のツイートでは何かを差別、あるいは蔑視しているワケでもなく、火力としてはチャッカマン程度であり、そんなに怒らなくてもとさえ思えるが、やはり怒る方にも理由はある。

日本年金機構はこれまでに大きな不祥事を起こしてきている。2007年にはオンライン化した年金データに不備や誤りが多いことが発覚した「消えた年金問題」というのがあった。

ちゃんと年金を納めていてもそれが記録されていないため、将来の年金額が減ってしまうかもしれない、という非常に重大な事件である。国民から取るだけ取っておいて、その管理がずさん、という、メロスでなくても激怒して走り出す案件であった。また、2015年には215万人の個人情報を流出させるという情報漏えい事件も起こしている。

こんな信用残機ゼロの状態では「ちょっとしたおふざけ」でも「ガチでやばいのはお前らのせいだろ」「何故こっちを煽る? まずそっちがちゃんとしろ」「こんなことに俺たちの年金を使いやがって」という鬼のマジレスが来てしまうのは当然である。

広告にユーモアは大事だが、「年金」クラスの笑いごとじゃないテーマになると「真面目かよ!」と言われるぐらい真面目にしておいたほうが良い、という好例だ。

炎上広告が出ると必ず「おかしいと思う奴はいなかったのか」「誰か止めろよ」という声が出るが、「SNSでバズること」を目的にすると、人間の視野は2度ぐらいになってしまう。そのため、過度な悪ふざけになっているとか、弩級の差別表現が入っているということにマジで気づかなかったりするのだ。

また、社内に「これはおかしい」と思う人間が5億人いたとしても、トップが「これはウケる」と思ってしまっていたら、下っ端にそれを止めることはできない。個人がやるとどうしても考えが偏るので、企業はさまざまな性別年代の人間に意見を聞いた上で、広告を打った方が良いと思う。

だが意見を幅広く聞いた上で、一番上がそれを「考えすぎだって」と一蹴して断行したりするので、組織の炎上というのは根深い問題である。

今回の炎上を「明日は我が身」と思う理由

だが今回の年金機構の炎上は、個人的感情として「一概に責められぬ」感がある。

今回の広告はその表現を「他人事かよ」と大いに責められたわけだが、年金機構的にはそんなつもりはなく、どうやったら若者に年金に関心を持ってもらえるか、真面目に考えた結果「ああなってしまった」のではないだろうか。

二十代前半ばかりの職場でただ1人アラフォーの自分が、無理して若者言葉を使い盛大にスベッた挙句、給湯室でメチャクチャ悪口言われてた、みたいな図を想像すると、「身に覚えがある」もしくは「明日は我が身」なので、あまり責められないのだ。

実際、年金機構は年金に対し捨て鉢になっているわけではなく、何とか国民に年金に関心を持ってもらい、適切に払ってもらいたいと思っていることだけは確かなのである。

ところで、私は去年無職になったことにより、厚生年金から国民年金になってしまった。当然国民年金だと厚生年金より将来もらえる額は少ない。将来の不安を感じた私は、「国民年金基金」の資料を取り寄せた。

国民年金基金とは、自営業や私のような無職が国民年金とは別途で年金料を収め、将来もらえる年金額を増やせるという制度である。支払った金額は確定申告の控除対象にもなるので節税にもなるのだ。

年金は当てにならないから他で老後資金を作ろうという声も大きいが、それでも年金ほど確実でリスクが少ないものは今のところない、という意見も多く見られる。

だが、資料を申し込んだ時は熱かった気持ちが、届いた時冷めているというのはよくあることで、取り寄せるだけ取り寄せてしばらく放置していた。

すると国民年金基金から電話がかかってきたのである。私は電話が苦手で、取ると青紫色の粉瘤が出来るので取らなかったのだが、こんなテーマで書くことになるなら粉瘤の一つや二つ覚悟で取れば良かった。おそらくだが「国民年金基金どうでしょう?」という内容だったのではないだろうか。端的に言えば「営業電話」である。

その後、電話は数回かかってきて、驚くべきことに、日曜日でもかかってきた。国の機関が日曜に動くとは思っていなかったので驚愕である。

「必死かよ」と思ったが、事実必死なのだろう。それぐらい年金はひっ迫しているのだ。もしかしたらノルマ的なものすらあるのかもしれない。

年金をもらうのは我々である。企業の炎上なら「不買運動」ができるが、年金の場合「不払運動」になり、後々受取額が減って困るのは国民の方である。

今回の炎上で国民が年金に対しますます拒否感を持ってしまったのは、年金機構というより我々にとっての悲劇なのだ。広告自体には反感を持ったかもしれないが、年金に関心を持ち、自身の年金状態を確認するのは大事なことである。

私も次に電話がかかってきたら、粉瘤上等で取ってみようと思う。

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LINEをやめるには? アカウント削除の方法

LINEをやめるには? アカウント削除の方法

2019.03.25

LINEの利用をやめる時はアカウントの削除が必要

機種変更などで使う「引き継ぎ」とは違うので注意

LINEアカウントの削除には、注意が必要だ。機種変更やスマートフォンの故障、アプリの不調といった理由で削除を考えているとしたら、それは間違っている。その場合に必要なのは「引き継ぎ」という処理だ。

アカウント削除はLINE利用そのものをやめる時に行う作業だ。新しく別のアカウントを作り直してもいいが、これまで繋がりのあった人々との縁は切れてしまう。もし連絡を取り続けたいのならば、あらためて友だち登録をしてもらわなければならない。

最近はLINEの連絡先しか知らないという関係も珍しくないから、中には交流が途切れてしまう相手もいるだろう。そういったことを理解した上で、削除作業を進めてほしい。

LINEアカウントを削除する

メイン画面で右上にある歯車マークをタップし、設定画面を開いたら「アカウント」を選択しよう。次に一番下にある「アカウント削除」をタップすると、警告画面が表示されるはずだ。アカウントにログインできなくなるというのは、もう同じアカウントが利用できないことを意味する。問題なければ「次へ」をタップしよう。

設定で「アカウント」を選択
一番下にある「アカウント削除」をタップ
警告画面の中身を読んだ上で「次へ」をタップ

次の画面では、アカウントを本当に削除するのかが確認される。これまで獲得したポイントやアイテム、購入したコイン等も全てなくなるということが「保有アイテム」のところで示されているはずだ。

今回説明に利用しているアカウントは、LINEをほとんど利用していない状態なので、多くの項目が「0」になっているが、ある程度利用していればスタンプをたくさん購入してきていたり、購入のためにコインを保有していたりといったこともあるだろう。それらは新しく作ったアカウントに引き渡すようなことはできない。全て失って問題ないということであれば、下にある「すべてのアイテムが削除されることを理解しました。」という欄にチェックを入れよう。

コイン、ポイント、スタンプ、着せかえの全てが削除されることを理解したらチェックを入れる

下へスクロールすると、連携アプリについても確認される。LINEアカウントを利用してログインしていたアプリや、LINEコインで何かが購入できていた連携アプリがあれば、その連携も解除される。問題がなければ、確認項目にチェックを入れてさらに下へ進もう。

連携アプリがある場合はそちらの利用についても確認したい

最後に友だちリストやトーク履歴を含む全てが利用できなくなることが再確認される。ここにもチェックを入れると「アカウント削除」ボタンが有効になるはずだ。本当に問題がなければ「アカウント削除」ボタンを押して完了させよう。

全ての確認用チェックボタンにチェックを入れれば削除処理が有効になる。「アカウント削除」ボタンが有効になったらタップして完了だ

「LINE(ライン)基本の使い方ガイド」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/line

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