花粉症はなくなるのか - スギ伐採の現状から

花粉症はなくなるのか - スギ伐採の現状から

2016.03.22

いまや4人に1人がかかっているといわれる花粉症。その原因としてもっともメジャーなのがスギ花粉だ。それもそのはず、日本の森林面積2,508万haのうち、448万haとぶっちぎりの約18%をスギ人工林が占めている。

花粉症の人から忌み嫌われるスギだが、生長が早く、また加工しやすいことなどから、木材資源として重宝されてきた。戦後の拡大造林政策でスギの植林が推奨されたことも手伝って、現在の"国民病"が生み出されたとされる。スギ花粉症の人からしてみれば、「とにかく花粉をばらまくスギをすべて伐採してくれ!」という思いだろうが、そう簡単にはいかない事情があるようだ。

花粉症患者にはツライ時期が到来(写真:PIXTA)

木材自給率の低さ

人工林でもっとも多い樹種はスギ(出典:林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」)

さて、日本の森林率は約66%と、世界でもトップクラスだというのをご存知だろうか。森林率が高いにもかかわらず、木材の自給率は2014年で31.2%(2014年から追加した木材チップを除くと29.6%)。残りの約7割は輸入木材ということになるが、これでも自給率は上がったほうで、30%台を回復したのは実に26年ぶりとのこと(データは林野庁「木材需給表」を参照)。

森林率が高いわりに自給率が低い背景には、1960年代の木材輸入全面自由化とそれ以降の円高進行がある。きわめて簡潔にいえば、自由化の後、外国産の木材が主流となり、さらにこれらが円高によって安くなってしまったことで、国産材まで価格が下落。こうして林業は打撃を受けた。伐採しても再び植林する資金を回収できず、放置するしかない……という人工林が多いのが現状だ。

左は国土面積と森林面積の内訳。日本の森林率は世界でもトップクラス。右は木材の供給率の推移。2002年に自給率最低を記録したが、徐々に持ち直してきている(出典:林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」)

冒頭でも触れたが、スギは育てやすくて生長も早い。木材としての利用価値が高いのだ。花粉が一部のヒトにとってはアレルゲンとなる、という点さえ除けば、ほとんどパーフェクトな木に思える。

花粉をほぼ出さないスギは存在する

林野庁も、花粉症患者が苦しみ続けるこの現状に、ただ手をこまねいているわけではない。以下の「3本の矢」ならぬ「3本の斧」を掲げて、文字通りこの現状を"伐り開こう"としている。

  • 国産木材の使用を推奨(木づかい運動など)
  • 花粉対策苗木(少花粉スギなど)への植え替えを推奨
  • 花粉飛散を抑える方法の研究を支援

「まずは発生源であるスギを伐らないことには、花粉はなくなりません。現在の木材自給率は約3割。これが仮に6割になれば、伐採のスピードも倍になる」と説明するのは林野庁の担当者。林業の成長産業化を掲げてさまざまな対策に取り組んでいるが、次の対策は再び花粉の発生源とならないよう、花粉の出ないスギ(花粉対策苗木と呼ぶ)に植え替えることだ。2014年度のスギ苗木供給量が1,700万本だったのに対し、花粉対策苗木の数は258万本とおよそ15%。2017年度にはこの割合を50%以上に引き上げ、1,000万本を供給できるようにするのが目標だ。

左が少花粉品種「神埼15号」、右が一般的なスギ。少花粉品種は、普通のスギに比べて雄花がきわめて少ない(写真提供:国立研究開発法人 森林総合研究所)

しかし、花粉対策苗木は馴染みがなく、敬遠しがちな山主が多いという現実もある。

花粉対策苗木(少花粉スギ)の価格は通常の苗木とほとんど変わりなく、親木となる少花粉品種はもともと精英樹(生長や通直性、病虫害に対する抵抗性などの形質に優れた木として選ばれたもの)なので、「木材としての質が劣るとは考えにくく、むしろ優れている場合も多いのでは」(前出の担当者)。実際に、品種開発と原種苗木の育成を行う森林総合研究所の林木育種センターには、現在多くの都府県から少花粉スギの原種苗木(少花粉品種からさし木もしくはつぎ木によって育成した"コピー苗木")を配布してくれという要望が寄せられているそうだ。

上段は無花粉スギ「爽春(そうしゅん)」(左)と一般的なスギ(右)の雄花。下段はそれぞれを顕微鏡で拡大した写真となる。丸い粒が花粉だ(写真提供:国立研究開発法人 森林総合研究所)

花粉対策苗木への植え替えは、たしかに花粉症の根本的な解決につながる。しかし、448万haものスギ人工林をすべて植え替えるにはかなりの時間がかかる。時間がかかるのは仕方ないといえるが、どうにかならないのだろうか……そんな切実な願いを叶える可能性がまだ残っている。

東北育種場のスギ推奨品種ミニチュア採種園。写真は花粉対策苗木ではないが、このようにして種子を生産する(写真提供:国立研究開発法人 森林総合研究所)

「カビ」が花粉症患者を救う

前ページで紹介した林野庁の「3本の斧」。最後は「花粉飛散を抑える方法の研究を支援」するというものであった。花粉対策苗木への植え替えがなかなか進まない、植え替えしても効果が出るまで時間がかかる……こんな現実だけでは絶望しかないが、スギの花粉飛散そのものを抑えようとする研究も進められている。

そのひとつが、「スギ黒点病菌」(Sydowia japonica)というカビを利用した手法だ。森林総合研究所が農林水産技術会議から委託されて研究を始めた。このカビは雄花の花粉嚢(かふんのう)に入り込んで感染し、スギの花粉を栄養源として繁殖。雄花の細胞を破壊するため、雄花が開花できずに死んでしまい、花粉が飛散しなくなるという仕組みだ。

このカビを含んだ液体(以下、防止液と呼ぶ)をスギに対してまくと、枝単位で80%以上の雄花を枯死させることが明らかになっている。森林総合研究所の担当者によれば、「枝単位の実験では、防止液を散布しなかった場合に比べて花粉飛散量を90%以上抑制できた」とのこと。ちなみに、枝単位の実験では、「防止液を散布した枝(雄花が枯死した枝)」と「防止液を散布していない枝(生きた雄花が着いた枝)」の「伸長量と肥大量」に差がないことを確認したことから、木の生長には影響ないと考えられている。

防止液を散布した雄花はすべて枯死(写真提供:国立研究開発法人森林総合研究所)

現在は枝単位からもう少し範囲を広げて、1本の木全体で防止液の効果を発揮させる散布方法を研究している。ただ、樹木単位で実験が成功しても実用化にはまだ遠い。「林単位で雄花を枯死させることができるか、一度散布した後にどの程度の期間にわたって防止効果が持続するのか、といったことを引き続き検証する必要がある」と前出の担当者は説明。林単位での実験結果などを踏まえて、どういった森林から導入していくのが効果的か検討していく。

そのほかにも実用化に向けた課題がある。防止液をスギ林に散布するにあたって、微生物農薬として登録するための試験も必要となる。こういった点も考慮すると、「実用化には数年は必要」(前出の担当者)だという。

撲滅までの道は長い

最後になるが、花粉症を引き起こすのはスギ花粉だけではない。ヒノキやブタクサ、イネ、ヨモギなどの花粉もアレルゲンとして知られる。花粉に加えて、いまだに解明されつくしてはいないが、大気汚染や食生活の変化、ストレスなど、さまざまな要因が絡みあってアレルギー症状が発現すると指摘する研究者もいる。

そもそも、スギは子孫を増やすために花粉を風に乗せて運んでもらう風媒花だ。種の繁栄のために花粉を飛散させるだけであり、スギ自体は何も悪いことをしていない。日本人とスギの付き合いは長いというが、スギ花粉症は初例の報告から50年ちょっと(1964年に齋藤洋三による論文「栃木県日光地方におけるスギ花粉症 Japanese Cedar Pollinosis の発見」が発表された)。それなのに、こうして悪者扱いされるなんてちょっと不憫な役回りだといえる。

とはいえ、もはや見過ごせないほどの患者数がいるスギ花粉症。先述のとおり、林野庁はじめ各機関が花粉飛散量を少なくするための対策を進めてはいるが、効果が顕著に出るにはまだまだ時間がかかるだろう。

自衛手段としては、マスクを着ける、薬を服用する、食生活を改善するといった方法が思い浮かぶ。そのほかにもうひとつ、消費者として少花粉スギへの植え替えに寄与できるのが、国産木材を積極的に使うという方法だ。「売れれば伐れる、売れなければ伐れない。国産木材の需要復活とスギ花粉症対策は表裏一体の関係」だと林野庁の担当者は語る。

八方塞がりにも思える花粉症対策の現状。しかし、「花粉発生源対策」の予算は2016年度に約4億円へ拡大し、植え替えおよび花粉対策苗木の供給拡大が期待できそうだ。即効の対策があるわけではないが、かといってお先真っ暗でもない。画期的な特効薬や治療法の登場を待ち望みつつ、今できることを着実に積み重ね、将来に希望をつないでいくしかないのが現状だ。

「選択と集中」が進みすぎた、日本の科学技術への投資

藤田朋宏の必殺仕分け人 第1回

「選択と集中」が進みすぎた、日本の科学技術への投資

2018.11.15

ちとせグループCEOの藤田朋宏氏による新連載

巷を賑わす”ヘンな出来事”の問題点を、独自の解釈で洗い出す!

第1回は、「日本の科学技術投資」について

バイオベンチャー企業群「ちとせグループ」のCEOを務める藤田朋宏氏による新連載。“手段と目的の違い”によって生じた「ヘンな出来事」の問題点を、独自の視点で語ります。第1回は、「日本の科学技術投資」について。日本の科学技術への投資の問題点とはいったい何なのでしょう?

才能と“伸びしろ”に投資する、日本サッカー協会

先日、クアラルンプールに出張したときのこと。宿泊先のホテルが偶然にもサッカーの日本代表と同じだった。「日本代表」と言っても、同じホテルに泊まっていたのは本田や長友ではなく、U-16アジア選手権に参加している若い選手たち。

そこで彼らを見ていて、ふと考えた。日本サッカー協会の「選手への投資」は、実は凄く効率がいいのではないか。どうしてそう思ったのか、順を追って説明したい。

ホテルに置いてあったU-16アジア選手権のバナー

チェックインを済ませ、「部屋の準備があるから、ちょっとだけそこで待っていて」と指示するホテルマンに従い、ひとりロビーに放置されている間、何となしに選手の情報を調べてみた。それから一時間半。23名の選手一人ひとりの顔だけでなく、利き足まで覚えるくらいの時間が経っても、僕はまだロビーで放っておかれたままだった。まぁ、東南アジアではよくあることなので、腹は立たなかった。

ところで、「過去のU-16日本代表がその後、何度も日本代表に選ばれる割合はどれほどだろうか」と疑問に感じ、調べてみたところ、各年20数名の代表選手のうち、現役で活躍している選手は約1人であることが分かった。確かに16歳の段階では身体の発達に差があるし、試合で活躍できるかは運の要素も絡む。コーチとの相性やケガの問題もあるだろう。

そうは言っても、16歳の時点で日本代表に選ばれるだけのポテンシャルを持つ選手のうち、その数%しか将来も活躍できる選手がいない、という事実には驚いた。実際、長谷部、本田、岡崎、長友……など、この10年で活躍している選手たちの多くは、16歳時点ではそこまで期待されていなかった選手ばかりだ。

ではなぜ、そういった選手が後に日の目を浴びられたかというと、それは彼らにも「チャンス」を与えられていたからだろう。日本サッカー協会は、16歳時点で選抜したトップ選手だけに集中投資するだけではなく、同年代の他の有望選手にもしっかりとチャンスを与え続けられるような仕組みをつくれたのだと思う。

際立って目立つ選手だけではなく、将来の伸びしろがありえる選手にも、最低限のチャンスは回ってくることで、未来のトップ選手の育成が図れる。そうやって日本サッカー協会はこれまで、世界に通用するような選手を輩出してきた。

「科学技術に投資せよ」ではなく、予算配分の再考を

前置きが長くなってしまったが、ここから本題に入りたい。

先日、京都大学特別教授の本庶佑先生がノーベル賞を受賞したというニュースが流れた。「自分がバイオテクノロジー業界で働く人間だから」というのは関係なく、本庶先生と周りのチームの方々の長年にわたる科学に対する貢献が認められたこと、その事実に接した関係者の気持ちを想像すると、とても嬉しい気持ちになった。

ノーベル賞メダル(レプリカ)

 

近年、日本人のノーベル賞受賞が続いている。彼らのような日本の科学業界の仕組みをよくわかった方々は、これまで数多くのご苦労をされてきたことだろう。しかし、1つ残念なこともある。能力はもちろん、人格的にも優れたそういった先生方が、ノーベル賞受賞のタイミングでマスコミに発表する一世一代のコメントが「日本国の科学技術投資、科学技術教育のあり方についての憂い」であることだ。

僭越ながら、先生たちのコメントを解釈すると、よくニュースで取り上げられるような「科学技術にもっとお金を使え」ということではなく、その先にある「国家予算の配分」についての指摘をしていると認識している。

誰がなんと言おうと、日本の科学技術投資の選択と集中は年々進んでしまっているのが現状だ。しかし、先生方のいうような「選択と集中が進みすぎている」という指摘に対して、「日本にはもうお金がないのだから科学技術にばかり投資できない」と答えがずれてしまっている。

これこそが、日本の科学技術投資における問題ではないだろうか。

日本にはびこる「選択と集中こそが正解だよ病」

随分前からずっと不思議なのだが、そもそも「選択と集中こそが正解である」なんて、誰がいい出したのだろう。「選択と集中」の戦略で物事をうまく切り抜けられるようなことは、本当に生きるか死ぬか、背水の陣を敷いている時くらいだと思うのだ。

今の日本の「選択と集中こそが正解だよ病」はなかなか根深く、そもそもの目的を実現することよりも「選択と集中」を行うことそのものが目的になっているんじゃないかと感じることが多い。

今の日本で行われている多くの意思決定の場面で、サッカーの例で例えると、U-16日本代表を選んだ人のメンツを潰さないということが、強い日本代表をつくることよりも優先されてしまっているように思う。

そのため、16歳の時点で選んだ選手だけに集中投資し、16歳の段階で選ばれなかった他の選手のポテンシャルに賭けることもしないというような「選択と集中が正解である」という間違えた進め方で意思決定が行われているようなことが多いように感じる。

サッカー選手の育成でも、科学技術の投資でも初期の段階で選抜してそこだけに集中投資するという戦略を繰り返せば繰り返すほど、全体としての力は落ちる一方になるのではないか。歴代のノーベル賞受賞者の先生方も、そういうことを言いたかったのではないかと思う。

手段であるはずの「選択と集中」が、目的となっている?

私は、「16歳の段階で、将来素晴らしいサッカー選手になる人物を見分けられる」なんて言葉は、伸びしろのある選手に対しておこがましいと感じる。これは科学技術の研究にも同じことが言える。「その研究が将来素晴らしい成果を残すかどうか見分けられる」なんて言葉は、科学者に対しておこがましい。

もっと言ってしまえば、どの研究が将来化けるかの判断は、16歳のサッカー選手の成長を言い当てることより遥かに難しいだろう。なぜならば、サッカーという競技のルール自体は変わらないが、科学と言う競技はルール自体を決めているので、科学研究の将来性をあらかじめ予測するのは16歳のサッカー選手の将来性を予測するより難しいためだ。

そんな中、日本サッカー協会が幅広い底上げに力を入れ、紆余曲折も有りながらも右肩上がりの成長を維持できているにも関わらず、日本の科学技術投資は過剰な「選択と集中」を強めるが故に、科学技術力の相対的な低下を招いているように感じる。

その差はいったい何か? これは1つの仮説でしかないが、日本サッカー協会の強さの秘訣は、会長の独断で物事を決められる側面が強い組織であるために「目的」がハッキリしている点にあるのではないだろうか。

その一方で、日本の科学技術投資のような“数多くの人の善意の組み合わせの上になり立っている意思決定機構”では「選択と集中を進めることが正解である」という、本来手段の一つである価値観が「目的」となってしまっているように感じる。

本来考えるべきは、「日本の科学技術をどうするべきか」ということであるにも関わらず、その手段と目的が逆転しまっているのではないだろうか、と思うのだ。

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

音楽特化の「YouTube」が日本上陸! AIでレコメンド

2018.11.14

音楽に特化した「YouTube Music」が日本でスタート

有料会員になれば、広告なし再生やオフライン再生が可能

YouTube Premiumでは、オリジナルコンテンツの配信も開始

仕事や作業をする際、周りのノイズをカットして集中するために、音楽を聴くという人は多いだろう。わかる。よくわかる。フロアが騒がしいと作業に全く集中できない。周りで仕事している人がいるということがわからないのだろうか、と疑問に思うが、まぁそれは置いておいて、パソコンで作業する場合、手軽に好きな音楽を聴けることから、YouTubeで音楽を聴くという人も多いのではないだろうか。

そんなYouTubeユーザーに朗報である。11月14日、Googleは音楽に特化したストリーミング再生サービス「YouTube Music」を日本でローンチすると発表したのだ。

好みやシーンに応じて楽曲をレコメンド

YouTube Musicは、音楽再生に特化したアプリ。YouTubeにある公式の曲やプレイリスト、歌ってみた、弾いてみたなど、さまざまな音楽動画を視聴することができる。

また、機械学習が活用されているのも特徴の1つだ。視聴履歴などからユーザーの好みを把握するだけでなく、「いつどこで何をしているのか」を類推して、シーンに合わせた楽曲をレコメンド。家でリラックスしているときにお勧めの曲や、仕事中にお勧めの曲などを、自動でピックアップしてくれるという。

さらに、あいまいなカタカナ発音で洋楽を検索したり、CMタイアップ曲などから検索したりすることも可能で、聴きたい曲をスムーズに探すことができそうだ。

サービスの発表会において、YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏は「オーディエンスに着目した結果、今出ているアプリでは満足できていない層があることがわかり、そのユーザーに音楽サービスを届けようとこのサービスをスタートしました。YouTube Musicは、ユーザーの利用シーンや好みに合わせた曲を、YouTubeにある膨大なミュージックカタログからレコメンドするユニークさを持っています」と、サービスの魅力を強調した。

YouTube 音楽部門 プロダクトマネージメント責任者のT.ジェイ ファウラ氏

無料でも利用できるが、有料のYouTube Music Premiumに登録すると、「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」などが可能になる。料金はWeb/Androidが月額980円で、iOSが月額1280円(ともに税込み)だ。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏は「日本ユーザーの方は通勤通学などで音楽を聴くことが多いと思います。オフライン再生機能では、前日の夜に自宅のWi-Fiで翌日聴くべき曲を自動で更新し、通信なしで聴けるようになります。データの通信量などを気にする必要もないので、非常に便利な機能だと思います」と、オフライン再生のメリットを訴求した。

なお、同サービスには著作権管理システムが働いており、YouTubeと同様に適切な権利コントロールが可能だという。

YouTube 日本音楽ビジネス開発統括担当の鬼頭武也氏

「YouTube Originals」が日本でも始動

また今回、「YouTube Premium」という新しい有料プランもスタートする。料金はWeb/Androidだと月額1180円で、iOSだと月額1550円(ともに税込み)だ。YouTube Music Premiumの機能に加えて、YouTubeでも「広告なし再生」「バックグラウンド再生」「オフライン再生」機能が使えるようになる。

さらに、YouTube Premiumの会員は、12月から日本でも配信される予定のYouTubeオリジナルコンテンツ「YouTube Originals」を視聴することも可能だ。すでに世界30カ国でコンテンツを展開しているが、このたび、日本でも制作がスタート。SEKAI NO OWARIとMARVLEがコラボしたミュージックビデオ制作の裏側に迫るドキュメンタリー「Re:IMAGINE」、YouTuberのはじめしゃちょーが主演する連続ドラマ「The Fake Show」、YouTubeで人気のクリエイターが手がけた「隙間男:Stalking Vampire」の3つだ。

「YouTube Music Premium」と「YouTube Premium」で利用可能な機能
日本で制作される「YouTube Originals」のコンテンツ

発表会には「The Fake Show」に主演する、YouTuberのはじめしゃちょーが駆けつけた。

はじめしゃちょー

「今回僕が出演するのは、今までなかったYouTuberをテーマにしたドラマ。アカウント乗っ取りや炎上など、問題に直面しながらも夢に向かって進んでいく姿が描かれているので、僕の動画を見たことない人にも見てほしいですね」と動画の紹介をするとともに、YouTube Musicについて「普段、広く浅く、さまざまな音楽を聴くので、非常に楽しみなサービスです。ぜひ使ってみたいと思います」と期待を述べた。

なお、YouTube Musicは「Google Home」「Google Home Mini」にも対応予定。そのほか、現在「Google Play Music」を利用しているユーザーは、追加料金なしで移行することができるという。