大躍進のファーウェイ、SIMフリースマホ市場で人気となった理由

大躍進のファーウェイ、SIMフリースマホ市場で人気となった理由

2016.12.16

MVNOの急速な伸びによってSIMフリースマートフォン市場が拡大する中、カメラ機能に力を入れた「HUAWEI P9」「HUAWEI P9 lite」のヒットで人気を高めているのがファーウェイだ。12月には新しいフラッグシップ「HUAWEI Mate 9」を投入するファーウェイだが、同社が今年大きく躍進したのにはどのような理由があるのだろうか。

SIMフリー市場の先駆者でもあるファーウェイ

今年は、大手キャリアから回線を借りてモバイル通信サービスを提供するMVNOが、一層の躍進を遂げた1年といえるだろう。MVNOは昨年から注目されてきたが、中でもMVNOの利用者を大きく伸ばす要因となったのが、総務省の影響だ。

総務省は4月に「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を打ち出し、携帯電話大手3社のスマートフォンに対するによる行政指導を実施したことで、スマートフォンの実質0円販売が事実上禁止された。大手キャリアの端末価格が上昇したことが、より安価な料金を求めてMVNOへと流れるユーザーを増やしたといえる。

そのMVNOの躍進に伴って、人気を高めているのがSIMフリーのスマートフォンを提供するメーカーだ。中でも今年、大きな伸びを示しているのがファーウェイである。ファーウェイは日本におけるSIMフリースマートフォンメーカーの先駆的存在であり、2014年には「Ascend G6」を発売してSIMフリー市場に参入している。

だが参入当初のファーウェイ製スマートフォンは、日本の主要周波数帯に一部対応していないなど、日本向けに対応の弱さが目立ち、それがASUSなど後発のライバルメーカーにシェアを奪われることへとつながってしまっていた。しかしながら昨年発売した「HUAWEI P8lite」で、弱点の日本向け対応をしっかり進めたことで、ヒットを獲得して息を吹き返し、今年に入ってからは「HUAWEI GR5」「HUAWEI Y6」などミドル・ローエンドクラスの端末を相次いで投入して市場での存在感を高めてきた。

日本向け対応が弱かったファーウェイのSIMフリースマートフォンだが、「HUAWEI P8lite」でその問題を解消したことで、ヒットモデルを生み出す土壌が出来上がった

そして6月には、HUAWEI P8liteの後継モデル「HUAWEI P9 lite」と、その上位モデルである「HUAWEI P9」を投入。P9はライカと共同開発したレンズを用い、一方がカラー、一方がモノクロという独自のダブルレンズ機構を採用。美しいモノクロ写真やボケ味のある美しい写真などが簡単に撮影できることから、大きな注目を集めた。

ファーウェイが今年発売した「HUAWEI P9」。カラーとモノクロのセンサーを採用したカメラを1つずつ用意するダブルレンズ機構を備えていることが注目された

P9、P9 liteは共に発売直後から、SIMフリー市場で他社のモデルを抑えヒットを記録。MVNO市場拡大の勢いに乗って販売台数も大幅に伸ばしており、スマートフォン市場全体でもファーウェイのシェアを大きく押し上げているようだ。ちなみにファーウェイ側の発表によると、家電量販店や併売店を主体とした一部の調査では、日本のスマートフォン市場全体でファーウェイの販売台数シェアが4位に上るとのことだ。

厳しい競争を勝ち抜いた武器は「ダブルレンズ機構」

だが今年は、他のSIMフリースマートフォンメーカーも日本市場に向けて多くの特徴ある新製品を投入しており、競争が非常に激しくなっている。そうした中にあって、なぜファーウェイは躍進を遂げることができたのだろうか。

最大の要因は、やはりヒットモデルとなった端末自体の魅力にあるといえよう。特にP9は、アップルの「iPhone 7 Plus」に先駆けていち早くダブルレンズ機構を採用。スペック競争が続いていたカメラ機能に新たな提案を持ち込み、撮影する楽しさをもたらした点を評価する声が多く聞かれた。

そしてもう1つ、忘れてはならないのは、楽天モバイルから独占販売されている「honor 8」だ。こちらはオンライン販売限定のモデルながら、P9に近い性能を備え、なおかつライカレンズではないもののダブルレンズ機構もしっかり採用。それでいて、楽天モバイルのSIMとのセット販売により、35,800円で購入できるなどコストパフォーマンスが非常に高いことから、発売以降高い人気を獲得している。

楽天モバイルが独占販売している「honor 8」(写真は海外版)。ダブルレンズ機構を備えながら、コストパフォーマンスが非常に高いことから人気となっている

差異化が難しくなりつつあるスマートフォンの中にあって、十分な基本性能を備えながらも、ダブルレンズ機構というインパクトのある機能を備え、それでいてお得感のある価格設定がなされていた。そうしたトータルバランスの良さが、これらの端末の人気に火を点けたといえるだろう。昨年P8liteがヒットがあったことから、P9 liteがヒットすることはある程度予想できたものの、P9がここまでヒットしたことは、ファーウェイ関係者の間でも予想外だったとのことだ。

そしてこれらモデルの人気には、口コミも大きく貢献したと見られる。特に日本ではここ1、2年のうちに、Instagramなど写真を重視したSNSの人気が急速に高まっている。そうしたサービスを通じてカメラ機能が高く評価されたことが、ユーザー同士の口コミ効果を呼び、さらにユーザーを増やす好循環を生み出したようだ。

ただし、ファーウェイが今年躍進を遂げたのは、端末の魅力だけが要因ではないことは覚えておく必要がある。同社は今年、国内でのサポート強化にも乗り出しており、4月に東京・銀座にカスタマーサービスセンターをオープンしているのだ。

SIMフリースマートフォンは、大手キャリアと比べ自社でサポートする必要があるため、サポート面での弱さが以前より指摘されていた。だがファーウェイは、電話などでのサポートだけでなく、あえて専用のサポートセンターを設け、直接ユーザーが訪れる形でのサポートも実現している。サポート体制の有無は購入後の安心感に大きくつながってくるだけに、サポートに注力する姿勢が、ファーウェイの評価を高めたことは確かだろう。

「Mate 9」の投入で勢いに乗ることができるか

SIMフリースマートフォン市場で高い人気を獲得し、勢いに乗るファーウェイは、12月13日にもう1つのフラッグシップモデル「Mate」シリーズの新機種、「HUAWEI Mate 9」を発表。さらなる攻めの姿勢を見せている。

こちらは5.9インチディスプレイを採用した大画面・高性能モデルで、4000mAhものバッテリーを搭載するほか、ダブルレンズ機構も1200万画素のカラーセンサー搭載カメラと、2000万画素のモノクロセンサー搭載カメラを用いたものへとパワーアップ。ビジネスパーソンをターゲットにした、一層高い性能を求める人に向けた内容となっている。

それでいて、Mate 9は、市場想定価格が60,800円と、P9の当初の価格に近く、昨年同社が発売したフラッグシップモデル「HUAWEI Mate S」(7万9,800円)と比べると2万円近い設定がなされている。P9がヒットした勢いを受け、高価格帯のモデルをよりリーズナブルな価格で提供し、販売拡大を進めようとしていることが分かる。

新しいフラッグシップモデル「HUAWEI Mate 9」。バッテリーやカメラなどでP9より一層高い性能を備えながら、6万円程度とこのクラスでは入手しやすい価格を実現

ファーウェイはグローバルではハイエンドからミドル、ローエンドまで幅広いラインアップを揃えており、市場に適したモデルを投入できることを強みとしている。P9でハイエンド市場の開拓に成功しただけに、今後はミドルハイ~ハイエンドクラスの比較的高価格なモデルを、日本市場に積極投入してくる可能性が高いといえそうだ。

だが一方で、日本市場に向けた対応に関しては弱い部分がまだ存在する。その直近の課題となるのがVoLTE対応、ひいてはau回線に向けた対応だ。

今年後半からいくつかのメーカーがVoLTE対応を進め、これまでほとんど対応機種が存在しなかった、「UQ mobile」などau回線を用いたMVNO向けの対応を積極化するようになってきている。だがファーウェイは、先行するASUSやTCLコミュニケーションなどと比べると、au回線向けの対応には遅れがあるようだ。

確かにファーウェイも、UQ mobile向けにP9 liteをカスタマイズし、VoLTEに対応させた「HUAWEI P9 lite PREMIUM」を投入してはいる。だが同社は独自のチップセットを採用しているため、チップセットの変更が必要になるなど独自性が不利に働いているのも事実だ。ファーウェイ関係者によると、今後は独自のチップセットでもVoLTEへの対応は可能だと説明しているが、KDDIはビッグローブを買収するなどしてMVNOの拡大を急速に進めようとしているだけに、販路拡大のためにもau回線向けの対応は急がれるところだ。

ファーウェイはUQ mobile向けとして「HUAWEI P9 lite PREMIUM」を投入しているが、au VoLTE対応のためチップセットを変更するなどのカスタマイズを加えている
新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

新AQUOSは“片手ポケット族”狙う iPhone不在の「小型スマホ」市場に勝機

2018.11.16

シャープが新スマホ「AQUOS R2 compact」を発表

大画面化の波に逆らい、「片手ポケット族」が増加傾向に

iPhone不在の「小型スマホ」市場を狙う

11月15日、シャープがAndroidスマートフォンの新製品「AQUOS R2 compact」を発表した。名前に「compact」と付いている通り、最近のスマホ市場では選択肢が減っている小型モデルであることが特徴だ。

小型スマホの需要を取り込む「AQUOS R2 compact」

コンパクトな見た目とは裏腹に、中身にはハイエンドである「AQUOS R」シリーズのスペックを詰め込んでいる。世界的にスマホの大画面化がトレンドとなっている中で、あえて時代に逆行するシャープの狙いはどこにあるのだろうか。

スマホを片手で持ち、ポケットに入れて使う人が増加

世界のスマホ市場では、6.5インチの「iPhone XS Max」に代表される大画面モデルが人気を博している。だが、日本では通勤電車などの利用シーンにおいて、片手で使う人が多いといわれている。シャープによれば、スマホを片手で持つ人は64% 、服のポケットに入れて持ち運ぶ人は49% に達しており、その割合は上昇傾向にあるという。

片手で持ち、ポケットに入れて持ち歩く「片手ポケット族」が多いという

その背景として、シャープはスマホの「インフラ化」を指摘する。SNSやコンテンツを楽しむだけでなく、サービスの利用やモバイル決済にスマホは欠かせない存在になっており、日常生活でスマホを取り出す場面が増えている。

AQUOS R2 compactは、日本人の手のサイズを念頭に置いた「横幅64mm」のボディに、できるだけ高性能な部品を詰め込んだハイエンドコンパクト機になっている。プロセッサは最新のSnapdragon 845、メモリは4GBを搭載しているが、これは大画面モデルのAQUOS R2と同等だ。

ポケットに入れやすいサイズに高性能を詰め込んだ

スマホ本体を小型化する一方、画面は前モデルの「AQUOS R compact」より大型化した。このためにシャープは画面の上下に切り欠き(ノッチ)を持つIGZOディスプレイを開発。インカメラと指紋センサを搭載しつつ、表示領域を上下に広げてきた。

前モデル(左)と比べて新モデル(右)は表示領域が広がった

「iPhone不在」の小型スマホ市場を直撃

シャープによれば、小型スマホを求める人は全体の3割程度という。スマホ市場では残りの7割に向けた大画面モデルが幅を利かせており、最新のiPhoneでは6.5インチのXS Maxに加え、一般向けモデルの「iPhone XR」も6.1インチとなっている。

一方、小型モデルとして根強い人気のあった「iPhone SE」は、後継モデルが出ないまま販売が終了。中古市場では価格が上昇する騒ぎもあった。

日本で最大シェアを誇るiPhoneだが、小型スマホ市場では存在感が薄れつつある。ソニーモバイルはXperiaシリーズのコンパクト機を投入しているが、2018年夏モデルの「Xperia XZ2 Compact」と比較して、シャープ機は画面の大きさ、薄さ、軽さの面で圧倒している。

中国メーカーとして日本でも勢いを伸ばすファーウェイ、OPPOも世界市場において大画面化競争を繰り広げており、小型モデルに積極的な動きは見せていない。この点もシャープにとって有利に働いている状況だ。

また、AQUOS R2 compactは顔認証と指紋認証の両方に対応しているのも特徴。これは、iPhoneにもXperiaにもない機能だ。スマホをポケットから取り出し、顔の前に持ち上げるだけでロックを解除できる顔認証だが、卓上に置いている場合は使いにくい。だが指紋センサがあれば、指を置くだけで済む。

顔認証に加えて指紋認証にも対応

スマホの端末メーカーの多くはグローバル市場に目を向け、大画面化のトレンドを追いがちだ。だが、シャープは国内の需要をしっかりとらえた上で、日本のユーザーに刺さる製品作りを続けている。

依然としてiPhone人気が続いている中で、限られた市場であっても「不在」のチャンスをタイムリーに活かし、ユーザーを奪還する。国内に目配りできるシャープならではの戦い方に注目したい。

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第23回

大画面化するスマートフォン 使いやすさの試行錯誤は縦長から折り畳みへ

2018.11.16

海外メーカーの台頭で日本にも大画面化の波が到来

大画面化と使いやすさの両立、各社の工夫の歴史

縦長スマホにとって代わるのは「折り畳み」スマホか

スマートフォンのディスプレイは年々大型化が進んでおり、かつては「大きすぎる」と言われた5インチディスプレイが、今や小さい部類に入ってしまうほどだ。一方で使いやすさを維持しながらディスプレイの大画面化を実現するため、メーカー各社はさまざまな工夫を重ねている。スマートフォンのディスプレイサイズはなぜ大きくなり、今後はどのように変化していくのだろうか。

海外メーカーの台頭で日本でも大画面化に拍車

スマートフォンにとってディスプレイは、単に情報を表示するだけでなく、タッチして操作するインタフェースも兼ねている非常に重要な存在だ。そのスマートフォンのディスプレイが、ここ10年ほどで最も大きく変化した要素が「サイズ」である。

どれくらい大きくなったのかというのは、新旧のスマートフォンのディスプレイサイズを比べてみれば一目瞭然だ。日本で最初に発売されたiPhoneである「iPhone 3G」のディスプレイサイズは3.5インチだった。一方、「iPhone X」や「iPhone XS」、「iPhone XR」といった最近のiPhoneのディスプレイサイズは6インチ級があたりまえ。1.7倍に以上に拡大しているのだ。

今やスマートフォンのディスプレイサイズは5インチ以上が一般的で、6インチも珍しくなくなった。画像の「iPhone X」のディスプレイサイズは5.85インチだ

さらに「iPhone XS Max」は6.5インチもあるし、他の大手メーカーでもサムスン電子の「Galaxy S9+」やファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のように、6インチを超えるディスプレイを採用した機種は増えている。なぜ、これほどまでにディスプレイサイズが大きくなったのかというと、それは大画面が欲しいというユーザーが多いため。スマートフォンの性能向上によって動画やコミック、ゲームなどのコンテンツを楽しむ人が増えていることから、ユーザーのニーズに応えるかたちで、大画面が求められるようになったといえよう。

だが日本国内の事情に目を向けてみると、公共交通機関での通勤・通学が多いのに加え、片手で文字入力ができる「フリック入力」が広く普及したこともあり、片手でスマートフォンを操作する傾向が強く、実は大画面に対するニーズはそこまで大きい訳ではない。実際日本では、4インチディスプレイの「iPhone SE」が人気を保っていたし、シャープの「AQUOS R Compact」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia XZ2 Compact」などのように、4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトなスマートフォンも投入されている。

2018年の夏モデルとして販売されている「Xperia XZ2 Compact」は4.9インチと、最近では珍しくなった4インチ台のディスプレイを採用したコンパクトモデルだ

にもかかわらず、日本でも大画面のスマートフォンが増えているのはなぜか。まずは国内のスマートフォンメーカーが減少したことで、市場に海外メーカー製のスマートフォンが増えているためだ。海外では移動手段の違いに加え、文字入力システムの違いからスマートフォンを両手で持って操作する機会も多く、片手操作に対するこだわりが弱いのだ。

新興国などでも、ディスプレイサイズが大きいほど人気が出る傾向が目立ち、大画面に対するニーズが強いのである。海外製スマートフォンが日本市場に入り込みやすくなったことが、日本国内においてもスマートフォンの大画面化を進めたといえる。

縦長スマホの元祖はアップルだった?

とはいえ、スマートフォンが大画面化するに従って、本体の横幅がひろがり、さすがに海外のユーザーからも「持ちづらい」という声が増えてきたようだ。そこで近年急速に増えているのが、従来の16:9比率ではなく、18:9や19:9といった縦長比率のディスプレイの採用である。

持ちづらさに影響する横幅をこれ以上広げることなく、ディスプレイを縦に伸ばすことで大画面化しようとしたのだ。この流れをけん引したのは韓国メーカーで、2017年にはLGエレクトロニクスが「LG G6」(日本未発売)、サムスン電子が「Galaxy S8/S8+」といったように、縦長比率のディスプレイを採用した機種を積極的に投入した。

2017年発売の「Galaxy S8」「Galaxy S8+」は、18.9:9と縦長比率の有機ELディスプレイ「インフィニティディスプレイ」を採用したことで大きな話題となった

この韓国の両メーカーとも、グループ内にディスプレイデバイスを開発する企業を持っている。それゆえ縦長比率のディスプレイが生み出されたのには、実は大画面化だけが目的ではない。自社のスマートフォンに新しいディスプレイをいち早く搭載し、トレンドを作り上げることで、グループ企業のディスプレイデバイス販売拡大につなげる狙いもあったといえる。

だが、縦長ディスプレイで大画面化するというアイデアを真っ先に実践したのは、実はアップルである。アップルはかつてディスプレイの大画面化に消極的で、2011年発売の「iPhone 4s」までは3.5インチのサイズにこだわっていた。だが大画面化を求めるユーザーの声を受け、2012年発売の「iPhone 5」でディスプレイサイズを4インチに拡大した際に、ディスプレイの横幅はそのままに、縦に長くするという手法をとったのである。ある意味、アップルは5年前に現在のトレンドを先取りしていた、といえるかもしれない。

スマートフォンのディスプレイを縦に伸ばして大画面化するというアイデアをいち早く実践したのは、アップルの「iPhone 5」だった

しかしながら、ディスプレイを縦に伸ばして画面サイズを大きくする工夫にも、いずれ物理的な限界が来ることは目に見えている。そこで、さらなる大画面化の追求で、いま注目されているのが折り畳み式ディスプレイだ。このアイデア自体は、NTTドコモが2013年の「MEDIAS W」(NECカシオ モバイルコミュニケーションズ製)、2018年の「M」(ZTE製)で既に実現しているものだが、いずれも2枚のディスプレイを用いていたため、どうしても画面の折り目に継ぎ目が発生してしまう弱みを抱えている。

折り畳みスマートフォンとして注目されたNTTドコモの「M」は、2枚のディスプレイを用いるスタイルであるため折り畳み部分に継ぎ目が発生してしまう

だが有機ELを用いれば、ディスプレイを折り曲げられる“真の”折り畳みスマートフォンが開発できると言われており、大手スマートフォンメーカーがその開発を進めているとの観測報道も幾度となくなされている。

これは折り畳みできるという意味の「フォルダブル」スマホなどと呼ばれ、先ごろはサムスン電子が、来年発表するというフォルダブルスマホ「Galaxy F」のプロトタイプを開発者向けに見せはじめたりしている。2019年は各社から製品が登場するのではないか? との声もあるようだが、いま確実に言えることは、真の折り畳みスマートフォンがいつ、どのメーカーが、どのような形で投入するのかが、大いに注目されているということだけである。