DMMはネット企業からメーカーに? 自社ブランド家電発売の目算

DMMはネット企業からメーカーに? 自社ブランド家電発売の目算

2016.11.16

DMM.comが自社ブランド「DMM.make」の家電の販売に乗り出した。第一弾となるのは、4Kディスプレイ。家電ベンチャーUPQからのODM供給になる。これだけ聞くと畑違いの分野になぜ? との疑問が出てくるが、以前から同社がおこなってきた事業の発展によるもの。そこにはどんな思惑があるのか。

DMM.comが家電を出す

ウェブを通じて、様々なコンテンツの提供をおこなっているDMM.comが販売するのは、同社ブランド「DMM.make」の家電第一弾。50、65インチの4Kディスプレイ「DMM.make DISPLAY」だ。

ディスプレイだけにすることで低価格で4Kが楽しめる

すでに蔦屋家電の店頭やECサイトから先行販売しているほか、DMM.makeのECサイトなどでは、15日から購入することができるように。ほかの量販店での展開も進めていくという。

4K対応の動画コンテンツや、4K動画撮影可能なカメラ・スマートフォンが増加。さらに今後、2018年には4K実用放送(BS放送)が始まる。4Kテレビへの需要の高まりが想定されるが、現在、4Kテレビを購入しようとすると価格があまりに高い。

同社は、専用チューナーは、すでに家にあるテレビのものを使用してもらうということを想定し、ディスプレイだけの販売とすることで、より購入しやすい価格帯を実現、低価格で勝負しようとしている。

ものづくりの支援はその先の流通・販売まで

ブランド名となっている「DMM.make」はDMM.comがおこなっているものづくりのベンチャー支援事業のこと。その中の一組織であるDMM.make Distribution部門から今回の製品が出された。

このDistribution部門は今年の2月に立ち上げられたばかり。海外から日本にユニークな家電製品を仕入れ、販売する、輸入型販売代理店業。それとその逆、日本から海外へ。ユニークな家電製品の流通・販売を支援する輸出型販売代理店業を担う。

同部門ではすでに海外から仕入れた17製品の販売を開始。

ものづくり支援で培ってきた知見から、日本にはないが日本人に受けそうな製品を、プロの目で目利きして、国内に流通させるという部分に乗り出した、ということととれる。

またそれ以上に、今までおこなってきたものづくりベンチャー支援から、それを流通に乗せるところまで、一環して支援できるようにしたという意味が大きいだろう。

DMM.makeのHPより。 Distributionとは

それによって支援を受けた側はもちろんのこと、DMMも売り上げにつながる。

その第一弾として、UPQからODM供給での自社ブランド製品の発売がある。

DMM.comのブランドとしてテレビCMなども展開されることで、ベンチャー企業1社ではなかなか届かなかったターゲットにまで製品の良さを伝えられるようになる。

テレビCMは江口洋介さんを起用

今後、自社ブランドの展開予定があるかどうかはまだ未定としつつ、いろいろ考えていると同社の担当者は含みを持たせた。

というのも、今回のようなODM供給による自社ブランド製品の販売は、国内から海外へ、海外から国内へ。ユニークな製品をより多くの人に届ける手段の一つと同社はとらえている。

だから自社ブランドとせずとも、ベンチャーの製品を海外の流通に乗せ、販売することもありえる。

同社の海外の営業拠点は北米、ヨーロッパ、中国などにあり、世界のほとんどのエリアで流通させることが可能だそうだ。

どれだけ多くの人に届けられるか。今回のディスプレイの行方は、今後の展開を左右する試金石となるだろう。

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu