町工場は今 東京・墨田(下)資産譲渡、区がマッチング 廃業者と譲受希望者を仲介

町工場は今 東京・墨田(下)資産譲渡、区がマッチング 廃業者と譲受希望者を仲介

2016.11.23

町工場は今 東京・墨田(下)資産譲渡、区がマッチング 廃業者と譲受希望者を仲介

 町工場は今 東京・墨田(上)では、墨田区の産業と後継者育成についてまとめました。今回は、事業承継の取り組みについてさらに詳しくみていきます。

 墨田区内の様々な産業に関わる人々が、自分の会社の今後についてどう考えているのか。2013年の、産業活力再生基礎調査(※注)によると、区内製造業約3000社のうち、「後継者がなく廃業を検討している」と回答した企業が500社以上存在することが明らかになりました。

このような状況を踏まえ、これまでの技術や人の思いを失わせないために、様々な事業承継の支援に取り組んでいます。

(※注) 産業活力再生基礎調査 2013年、墨田区内製造業対象。経営上の課題や後継者の有無、廃業・事業譲渡の意向や工場などの設備の保有状態をはじめとした実態調査

墨田区地域内事業承継のスキーム

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書http://www.city.sumida.lgjp/sangyo_matidukuri/siryou/toukei/26jigyousypukeihouko.html

より抜粋)

 中心となるのは、承継資産マッチング支援です。これは、廃業を考え、土地や工場、設備や人材などの資産の譲渡を希望する事業者と、それらの譲り受けを希望する事業者とのマッチングを支援するものです。

 2014年度では、譲渡希望企業が16社、譲受希望企業が22社ありました。そのうち、最終的にマッチング支援を希望した譲渡希望企業は8社で、年度内に成立したのが1社、継続中であったのが4社でした。

 また、譲受希望企業は22社のうち、年度内に成立したのが1社、継続中が12社でした。

支援計画書に基づいて様々な支援を展開する

(墨田区HP 平成26年度地域内事業承継支援事業実施報告書より抜粋)

 他にも、事業承継についてのコンサルティングや廃業などに伴う債務整理など、確実に引き継いでいくために、あらゆる角度からのサポートを行っています。

 また、これらは墨田区だけでなく、国や都、商工会議所や金融機関など様々な主体と連携して取り組んでいます。

 産業の衰退が深刻化する中で、墨田区では後継者をはじめとした人材の育成や、事業の継承など、様々な支援をしていることが分かりました。

 一方で、廃業を考えている企業のうち譲渡や譲受を希望する企業はまだまだ多くありません。区の取り組みがもっと多くの中小企業経営者の元へ届くよう、情報発信の強化や使い勝手の向上が課題と感じました。

 今ある大切な技術や人の思いを人から人へつないでいくため、他の地域ではどのような取り組みをしているのでしょうか。これからも調査を続けてまいります。

取材・文:M&A Online編集部

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NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○カレー沢薫の時流漂流
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放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu