携帯キャリアの20GB大容量データサービスは何を変えるか

携帯キャリアの20GB大容量データサービスは何を変えるか

2016.10.04

iPhone 7/7 Plusの発売を機に、大手キャリア3社が相次いで、月額6,000円で20GBもの高速通信容量が利用できるデータ定額サービスを開始することを発表した。従来標準と呼ばれていた5GBの4倍もの容量が手軽に利用できるサービスの登場によって、スマートフォンの利用のされ方はどう変わると考えられるだろうか。

新iPhoneを機に月額6,000円で20GBのプランが登場

総務省や公正取引委員会など、行政が端末の大幅値引き販売に厳しい目を光らせるようになった中で迎えた、今年の新iPhone商戦。それだけに、iPhoneを取り扱う大手3キャリアは、今年の新機種「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」の価格に関しては、昨年と大きく変わらない価格設定をしており、価格の値引きや、端末の下取り合戦を繰り広げる様子は現在のところ見ることはできない。

しかしながら今年、料金とは別の部分での競争が起きているようだ。それは高速データ通信容量に関する競争である。その競争を仕掛けたのはソフトバンクで、同社はiPhone 7/7 Plus発表直後の9月8日に、新しいデータ定額サービス「ギガモンスター」を発表したのだ。

ギガモンスターは、月額6,000円で20GB、月額8,000円で30GBの高速通信容量が利用できるサービス。データ定額サービスでは従来"標準"とされてきた「データ定額 5GB」が月額5,000円で高速通信容量が5GBであったことを考えると、ギガモンスターではそれに1,000円プラスするだけで、4倍もの高速通信容量が利用できるようになるのだから、お得感は非常に高いことが分かる。

iPhone 7/7 Plusの発表に合わせてソフトバンクが打ち出したのが、高速通信容量が20GB、月額6,000円から利用できる「ギガモンスター」だった

そして、ギガモンスターに追従する形で、auは「スーパーデジラ」、NTTドコモは「ウルトラパック」と、相次いで他のキャリアも同様のデータ定額サービスを提供することを発表。これらサービスの提供によって今後、大手キャリアのデータ定額サービスにおける通信容量の標準が、5GBから20GBへと大きく変わろうとしているわけだ。

一連のキャリア施策の影響は、「格安SIM」などで知られるMVNOにも及んでいる。実際、MVNOの1つであるイオンモバイルは9月29日、20GB以上の大容量プランの値下げを発表。基本料なども含めれば元々キャリアより安価な値段設定ではあったのだが、相対的に価格差が縮まったことを受け、値下げするに至ったと考えられる。

大容量プランはiPhoneを好む若い世代向けの施策

しかしなぜ、ソフトバンクはギガモンスターによる高速通信容量増大を打ち出すに至ったのだろうか。その理由を考えると、iPhone 7/7 Plusの発売というのが、大きなポイントになるといえそうだ。

iPhoneは日本で最も人気の高いスマートフォンであるが、中でもiPhoneに強いこだわりを持ち、iPhoneを欲している人達は誰なのかと考えると、それは若年層、中でも女子を主体とした学生層ということになる。

iPhoneのブランド力と価値は、特に若い世代であるほどiPhone高いとされているのに加え、この世代は同調圧力も強いことから、皆と同じiPhoneを持つことが重要となっているようだ。最近では女子高生などの間で、iPhoneは「iPhone」、それ以外のスマートフォンは「スマートフォン」と明確に区別して呼ぶという話も耳にするほどで、そうした傾向からも若い世代におけるiPhoneの人気が絶大であることをうかがわせる。

しかもiPhoneに強いこだわりを持つ若い世代は、スマートフォンを積極的に利用する傾向が強い。中でも最近伸びているのが動画サービスの利用だ。「YouTube」などは古くから若い世代に人気を集め、YouTuberらも若い世代から大きな支持を得て人気となった経緯がある。さらに最近では「ツイキャス」「LINE LIVE」など誰でも利用できるライブストリーミング系サービスの利用が拡大しているほか、「AbemaTV」など若い世代にターゲットを合わせた動画ストリーミング系のサービスも登場している。

そうした動画サービスを若い世代が積極的に利用すると、問題となってくるのが高速データ通信量を多く消費してしまうことである。若い世代は自宅のWi-Fi利用を利用する上で制限があることも多いため、データ定額サービスの高速通信容量を消費して動画を視聴することが多いようだ。

それゆえ、毎月の高速通信容量をオーバーしてしまい、通信速度が低速になってしまうことを恐れる傾向も強くなってきているという。かつてモバイルでのデータ通信が従量制だった頃、通信のし過ぎで高額な料金が請求される「パケ死」という言葉が使われていたが、最近ではその「パケ死」が、毎月の高速通信容量上限を超えてしまうという意味に変化し、若い世代の間で頻繁に使われるようになってきている。

そうした若い世代の動向を意識し、ソフトバンクは若い世代に人気のiPhone新機種が発表されたタイミングで、従来より大容量のプランが安価に利用できるギガモンスターを発表するに至ったといえそうだ。ちなみにソフトバンクは今年1月、25歳以下の若い世代を対象に、毎月6GB分の高速通信容量を36カ月間プレゼントする「ギガ学割」を展開しているが、ギガ学割はギガモンスターの提供に向け動向を探るためのキャンペーンだったと見ることができるかもしれない。

1月12日に発表された当時の「ギガ学割」。若い世代向けに向け36カ月間、高速通信容量をプレゼントするキャンペーンであった(後にプレゼントされる容量は倍増されている)

大容量通信のカジュアル化は動画の利用拡大に

新iPhoneの発表に合わせて、ギガモンスターをはじめとした大容量のデータ定額サービスが登場したことは、iPhoneを積極利用する若い世代にとって朗報であることは確かだ。では高速通信容量の大容量化によって、何が大きく変わると考えられるかというと、やはりスマートフォン上で利用するコンテンツやサービスということになる。

特に大きく変わるのは、通信容量が大きい動画に対する意識である。例えば2時間の映画1本を視聴する場合、(画質や内容によって違いはあるが)標準的な画質であればデータ容量は約1.5~2GBとされている。これをストリーミングで視聴する場合、高速通信容量が5GBの場合は2、3本程度しか視聴できないが、20GBの場合は10本以上の視聴が可能になる。映画が10本以上視聴できるとなれば、動画の利用に対するためらいも薄くなり、スマートフォンで動画サービスを利用する人がより拡大する可能性が高まってくるだろう。

ソフトバンクのギガモンスター発表会資料より。5GBの時は高速通信容量を気にして使う人が多かったが、20GBになるとその障壁も取り払われると考えられる

動画を視聴するユーザー層の拡大だけでなく、動画の質や内容の変化にもつながってくる。直近で言えば、最近人気が高まっている360度動画のやり取りがより手軽にやり取りできるようになることでより人気が高まるだろうし、1Gbpsを超える通信速度を実現する、次の世代の通信技術「5G」の時代を見通せば、4K動画のストリーミング視聴も視野に入ってくることは確かだ。

そして大容量通信のカジュアル化は、コミュニケーションの形を大きく変える可能性も秘めている。最近ではテキスト主体のコミュニケーションから、「Instagram」に象徴されるように、写真主体のコミュニケーションへと変化しつつある。

だが高速通信容量が大幅に増えることにより、今度は写真から動画へと、さらにコミュニケーションのスタイルが変化することも、十分考えられるのだ。先に触れた通り、現在でも動画のライブ配信サービスなどが若い世代から人気を獲得しているが、今後はよりパーソナルな形での動画のやり取り、例えばテレビ電話に類するようなサービスが、より広まると考えられそうだ。

もっとも最近では、スマートフォンをそれほど積極的に利用しないユーザー向けに、1~3GB程度と高速通信容量は少ないものの、価格が非常に安いMVNOのサービスも人気が高まってきている。現在はスマートフォンとフィーチャーフォンというハードの違いによってユーザーのモバイルの利用スタイルが分裂してきているが、今後は同じスマートフォンを使いながらも、高速通信容量の違いによって利用スタイルが大きく分裂してくるようなことも起きてくるかもしれない。

LINE WORKSを削除(解約)するには?

LINE WORKSを削除(解約)するには?

2019.03.21

LINE WORKSを解約したいと思ったら

解約の前にまずは「所属メンバーの削除」を行う

ユーザーは自分のアカウントを削除できるの?

LINE WORKSを試験的に導入したけれど合わなかったという場合や、利用していたプロジェクトが終了したから削除したいという場合に備えて、LINE WORKSを削除(解約)処理する手順をまとめておく。

LINE WORKSの削除はメンバー削除から

「管理者画面」を開いた上で「基本設定」を開くと、左メニューの一番下に「LINE WORKSの解約」という項目がある。ただし、使っている最中にいきなり解約しようとしても「解約できません」と表示されるはずだ。解約のためには、先に所属メンバー全員を削除しなければならない。

「基本設定」で「LINE WOKRSの解約」を選択
メンバーが残っていると解約できない

メンバー削除は、上メニューで「メンバー」を選んだ画面から行える。最高管理者は削除できないため、解約準備ならば上部のチェックボックスを使って全員を一括選択してから、最高管理者のチェックだけを外すのが簡単だ。上にある「削除」をクリックすると確認画面が表示されるので、「メンバー削除」で完了させよう。

なお「副管理者」など役職者については先に権限を削除してからでなければメンバー削除ができないので注意して欲しい。

「メンバー」で最高管理者以外を選んで「削除」をクリック
確認画面で「メンバー削除」をクリックしよう

解約理由を添えて処理完了

再度「基本設定」で「LINE WORKSの解約」を選ぶと、メンバーの削除が完了していれば解約へ進む画面が表示されるはずだ。最高管理者のパスワードと、解約理由のアンケートを入力すれば解約が完了する。

最高管理者のパスワードを入力
解約理由のアンケートも必須項目だ

個人アカウントの削除方法は?

LINE WORKSを管理者ではなくユーザーとして利用している場合、自分のアカウントを削除することはできない。

LINE WORKSのユーザーアカウントは、会社のメールアドレスのようなイメージだ。アカウントに利用する文字列などはユーザーが決められるが、アカウントの存在自体は管理者がそれぞれに発行している。そのためユーザー側はログインしないことで「使わない」状態にはできても、削除はできない。もし退職する、プロジェクトから外れるなど事情がある場合には、管理者にメンバー削除の依頼を出そう。

同じく、最高管理者の権限を持っている人が異動等でアカウントを削除したい場合には、まずは権限の委任をして、一般ユーザーになってからメンバー削除をしてもらう必要がある。

「LINE WORKS 完全指南 設定&使い方」バックナンバーはこちら
https://biz.news.mynavi.jp/category/lineworks

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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