【中小企業のM&A】企業評価の手法

【中小企業のM&A】企業評価の手法

2016.10.08

【中小企業のM&A】企業評価の手法
企業評価の手法

意外に思われる方が多いかもしれませんが、企業評価 (バリュエーション) に絶対的な方法はありません。企業評価の目的に応じて、ふさわしい企業評価方法を選択することになります。

たとえば、相続をするときの企業評価と、M&Aで第三者に会社を譲渡する評価では考え方が全く異なります。

相続税を払うときには国税庁が定めている「財産評価基本通達」という評価方法に従って評価することになりますが、M&Aで第三者に売却するときには会社の「のれん」が加味された評価額でなければ売却には応じられないでしょう。

また評価方法の選択は、M&Aの手法 (スキーム) によって決めるのでもなく、事業の特性や成長ステージ、その他企業の取り巻く環境などを鑑み、総合的に判断します。

さらに評価方法は、1種類のみ採用するとは限りません。1つだけ適用する「単独法」、複数の評価方法を組み合わせる「併用法」や「折衷法」などがあります。

さて概要はこのくらいにして、ここからが理論の話になります。

企業評価 (バリュエーション) をする際に着目するポイントは、大きく分けて次の3つです。

1.会社の保有している資産に着目する方法 (純資産価額法)
2.会社の収益またはキャッシュフローに着目する方法 (DCF法)
3.市場価値 (相場) に着目する方法 (類似会社比準法)

専門的な言葉で言えば、1をアセット(またはコスト)・アプローチ (AssetまたはCost Approach)、2をインカム・アプローチ (Income Approach)、3をマーケット・アプローチ (Market Approach) と呼んでいます。

企業評価の分類

着目するポイント 代表的な手法 手法を用いる上での注意点 アセット(またはコスト)・アプローチ 純資産価額法 成熟企業や衰退基調にある企業を評価する際などによく使われる。M&Aの際に重要なポイントになる「のれん」が加味されない。グループ内で株主変更を行う場合や、現物出資をする際には純資産法が優れている。 インカム・アプローチ DCF法 成長企業を評価する際などによく使われる。企業が生み出す将来の予想利益を見積もり、その総和を企業価値とする企業評価方法は将来の収益を企業価値に織り込む評価方法は極めて合理的なため、M&Aの現場では最もよく活用されている。
マーケット・アプローチ 類似会社比準法 株式公開 (IPO) を目指している企業や上場している比較しやすい同業が存在する企業を評価する際によく使われる。
自社に事業内容や規模が似ている会社を選択することがポイント。類似会社に比べて規模が小さい会社は、企業規模ディスカウントと称して、M&Aの現場では通常、この算定結果から1~3割程度ディスカウントされる。

それぞれの企業評価方法の中でもさらにいくつかの評価方法に分類されますが、複雑になりますので、興味のある方はご自分で専門書にあたってください。
M&Aを検討される方は、ここまで大枠を理解できれば十分です。

本記事は、株式会社ストライクコーポレートサイトより転載しております。

関連リンク
・【中小企業のM&A】企業評価と実際の売買価額はどう違う?
・「のれん」を考える

NewsInsight 更新終了のお知らせ

NewsInsight 更新終了のお知らせ

2019.06.17

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○カレー沢薫の時流漂流
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最後になりますが、改めて皆様に感謝いたしますとともに、引き続き、マイナビニュースにてご愛顧いただけましたら幸いです。

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

カレー沢薫の時流漂流 第47回

放置されていた不寛容? 国会まで届いた「パンプス強要」騒動

2019.06.17

最近女性の間で「#MeToo」ならぬ「#KuToo」運動がにわかに盛り上がっている。

「#KuToo」とは「靴」と「苦痛」をかけており、職場や就職活動で、足を痛めるパンプスやヒール靴の強要をやめようという運動である。

そもそもそんなの誰も強要してねえよ、と思われるかもしれない。確かに規定として靴の形状やかかとの高さまで定めている会社はレアだろう。しかし、私の元いた会社でも、規則があるわけでも、誰に言われたでもなく、みな一様に黒のパンプスを履いていた。それが「暗黙のルール」であり、それ以外は「非常識」と見られる風潮は確かにあるのである。

これが就職活動になると、パンプスを履いていないだけで「こいつは常識がない」と見なされ不採用になってしまうかもしれない、ということだ。そうなると女子学生は足を負傷してでもパンプスを履かざるを得なくなってしまう。

正直、パンプスは苦痛

パンプスがそんなに苦痛か、というと、靴の中では殺傷能力が高い方である。これは他人への、という意味ではなく自分へのだ。他人を殺傷したいならカウボーイが履いている、かかとにピザカッターがついている奴を履いた方が良い。

狭いつま先に足の指が密集されるため、私もよく爪で隣の指を切って足を血だらけにしていたし、伸縮性にかける素材のため、あわないパンプスだと試着の時点で靴擦れが出来るレベルなのだ。

世の中には素肌に荒縄で亀甲縛りを施し、その上に上等なスーツを羽織って出社している人も多いと思う。とても痛いだろうが、それは強制されたわけではなく、その人が好きで楽しいからやっているのだ。

つまり、好きでもない上にとても痛いパンプスを強制で履かなければいけないというのは、上等なスーツの下が亀甲縛りなことよりも「異常」なことというわけだ。

この運動はすぐに広まり、いきなり国会でも議論されたという。これにより「厚労相がハイヒール強要を容認」という見出しのニュースまで踊り出ることになった。

完全に自由と言われても困るのでは?

「厚生省に、女がハイヒールを履かないと死ぬ病の人が!?」と驚いたが、記事をよく見ると見出しほどのことはなく、厚労相の発言は「これは社会通念に照らして業務上、必要かつ相等な範囲かと、この辺なんだろうと思います」というかなりボンヤリしたものであり、どっちでも良い事を聞かれた私のリアクションに似ている。

しかし「ハイヒールが履けない女は何やってもダメ」などと強い事を言っているわけではないが、「業務上必要ならパンプス履くべきだろ」という「容認」に聞こえなくもない。すぐさま「業務上ハイヒールが必要な仕事って何だよ」という疑問が挙がり、「SMの女王様」「(ハイヒールでキレッキレに踊る)perfume以外ありえない」などの声が相次いだ。

この社会問題がすぐ大喜利になってしまうのは良くも悪くも「ザ・ツイッター」という感じだ。

確かに「業務上必要」となると、まだかかとにピザカッターがついている靴の方が「ピザを食う時」必要な気がする。

ただ、靴や服装を完全に自由化し、何でもOKにすれば良いかというと、それはそれで問題が起きると思う。ファッションに疎くコーディネートが苦手な人間からすれば、職場に何を着ていいのか全く「指針」がないというのは迷子になるし、接する側としても、車を買いにいってディーラーが、イモ―タンジョ―の完コスで出てきたら「キャデラックしか買うことを許されないのか」と委縮してしまう。就活マナー本に「俺の考えた最強の就活ファッションで挑みましょう」とだけ書かれていても逆に困るだろう

着る側としても、それに接する側としても、社会において服装にある程度規定や模範があるというのはメリットでもあるのだ。

そもそも規定や常識というのは、秩序を作ることにより問題を減らすためにあるものなのだ。しかしそれが元で「足を負傷する」という「問題」が起こっているなら本末転倒なので、やはり解消はすべきなのだろう。

極論に流れない寛容さが足りない

おそらく「#KuToo」を提唱している人も「ドラゴン柄のコンバースで就活したい」と言っているわけではないのだ。最近は「パンプスに見えるスニーカー」なども存在するし、パンプスでなくても地味な靴はいくらでもある。そのような靴を履いていても「パンプスじゃないから非常識」と見るのをやめてほしいという話だろう。

ちなみに私が会社員時代履いていたパンプスだが、黒の革靴ではあったが、つま先は限りなく丸く、ヒールはなきに等しい、今思えばあれはパンプスだったのか、70過ぎのババアが旅行に行くときに履くヤツなんじゃないか、という代物であったが、特に何も言われなかった。

「#KuToo」が求めるのも、そのぐらいの「寛容さ」なのではないだろうか。

【お知らせ】
連載「カレー沢薫の時流漂流」の掲載場所を変更します。
→ 新しい掲載場所はこちら https://news.mynavi.jp/series/jiryu_hyoryu