コロワイドのフレッシュネス買収 利用者にどんな影響?

コロワイドのフレッシュネス買収 利用者にどんな影響?

2016.10.19

コロワイドのフレッシュネス買収 利用者にどんな影響?

先週、外食業界で話題を呼んだM&Aがある。外食大手のコロワイド<7616>がハンバーガーチェーンのフレッシュネス(東京・中央)の買収を発表したのだ。フレッシュネスは「FRESHNESS BURGER」を運営する。カフェのようなアメリカンスタイルのおしゃれな店で、素材にこだわった高品質のバーガーを提供する。健康志向の女性からボリュームのあるバーガーを食べたい男性まで根強いファンを持つ。

一方のコロワイドは、「手作り居酒屋 甘太郎」を主力とする大手外食企業だ。2012年に焼肉の牛角などを運営するレックスホールディングス(現レインズインターナショナル)を子会社化、14年に回転寿司を運営するカッパ・クリエイトホールディングスを子会社化するなど、積極的なM&Aで業績を伸ばしてきた。


それでは、フレッシュネスがコロワイドの傘下に入るとどんな影響が出そうか。

まず考えられるのは店舗数の拡大だ。フレッシュネスは首都圏を中心に159店舗を運営する。これは最大手の日本マクドナルドホールディングスの約2900店舗と比べて20分の1の規模。2007年にフレッシュネスを傘下に収めた現親会社のユニマットグループは飲食だけではなく、オフィスやリゾート、介護など幅広い事業を展開していることから、出店のスピードが限定的になったようだ。

これに対し、11月から親会社になるコロワイドは外食が専業。2016年3月期の連結売上高は2341億円と前期比32%増、グループ店舗数はフランチャイズチェーン(FC)を含めて約2500店舗とマクドナルドに迫る。今後は店舗開発の豊富なノウハウを活かして、フレッシュネスの出店を加速できる可能性が高い。

【次のページ】 価格戦略の見直しと株主優待

次に考えられるのは価格戦略の見直しだ。フレッシュネスで販売しているバーガーは最も安いテリヤキバーガーでも350円。630円のアボカドバーガーや720円のクラシックベーコンエッグチーズバーガーなど、マクドナルドやモスバーガーの2倍近い値段の商品も並んでいる。それでも品質の高さから一定の人気を誇るが、日々のランチ代の節約に励んでいる消費者には少し手の届きにくい印象もあった。今後はコロワイドのグループ購買力をいかして食材を安く調達できるようになる公算が大きく、価格がもう少しお求めやすくなる可能性もありそうだ。

M&Aの隠れた論点として見逃せないのが株主優待の取り扱いだ。コロワイドは500株以上を保有している株主にグループの店舗を1万円相当利用できる株主優待券を発行している。なぜか子会社のレインズインターナショナルが運営する牛角などの店舗は優待の対象外。一方で同じ買収した会社でもカッパ・クリエイトの店舗では優待券を使える。

フレッシュネスの店舗で優待券を使えるようになるかどうかは今のところ不明だ。ただフレッシュネスはレインズインターナショナルの子会社になるため、優待券が使えなくなる可能性も少なからず残る。

ちなみにライバルのマクドナルドは100株~299株を持つ株主に優待食事券を1冊配っている。バーガー類、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券6枚ずつがセットになったもので、時価にして3000円程度。マクドナルドの株を100株買うには直近の株価で計算すると30万円ほどかかるため、優待利回りは1%になる。

これに対してコロワイド株を500株買うには約100万円かかる。同じく優待利回りを計算すると1%で互角だ。コロワイドにはまず店舗数拡大やコスト削減に取り組んでフレッシュネスを身近にしてもらう。これと並行してコロワイドの約8万人の株主にフレッシュネスを使ってもらえるよう、優待券の取り扱いを検討してほしいものだ。

文:M&A Online編集部

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打倒iQOSに挑むプルーム・テックの戦い、世界市場も見据えたJTの新製品

打倒iQOSに挑むプルーム・テックの戦い、世界市場も見据えたJTの新製品

2019.01.22

低温加熱式のJTがライバルと直接競合する高温加熱式に参入

専用リフィルも異なる3種類の製品で広範に網を張るプルーム・テック

海外市場でも兆し見えた加熱式たばこ、日本での成功がより重要に

日本たばこ産業(JT)が加熱式たばこの新製品、「プルーム・テック・プラス (Ploom TECH+)」「プルーム・エス (Ploom S)」の2製品を発表した。シェアトップのiQOSを追撃したいJTだが、ライバルに先行を許している今、どのような戦略を描いているのか。

JTが発表した加熱式たばこの新製品、プルーム・テック・プラス(左)とプルーム・エス

新たに高温加熱式に参入、ライバルと直接競合へ

新製品は、従来のプルーム・テックを改良したプルーム・テック・プラスと、シェアを争う「iQOS」(フィリップ・モリス)や「glo」(BAT)と同様の加熱方式を採用したプルーム・エスの2つ。iQOSとgloが高温加熱式であるのに対し、もともとプルーム・テックは低温加熱式と呼ばれる方式をとっていた。30度という低温で発生させた蒸気をたばこカプセルを通して吸うため、においが少ない一方、吸いごたえに乏しいともいわれていた。

低温加熱式で吸いごたえを追加したプルーム・テック・プラスと、高温加熱式のシェア奪取を狙ったプルーム・エスを投入

そこで、たばこ葉を増やすなどして吸いごたえを高めたのがプルーム・テック・プラスだ。その結果、本体が太く大きくなり、加熱温度も40度と少しだけ高くなったが、においの少なさはそのままに、吸いごたえをアップさせたことをアピールする。

プルーム・エスは高温加熱式を採用し、iQOSやgloと同様の吸いごたえを目指した。こうした高温加熱式は、たばこ葉を高温で蒸すことで蒸気を発生させるため、従来のたばことも異なる独特のにおいを発生させる。

JT副社長・たばこ事業本部長の岩井睦雄氏は、この独特の「におい」のせいでたばこの味わいに違和感を覚える喫煙者が多かったと話す。そのため、「満足度を高めるのは味わい」として、このにおいの低減に取り組んだという。

プルーム・エスでは、たばこ葉を熱する温度を200度に抑えた。これはiQOSの300度、gloの240度に比べて低く、これによって特有のにおいを抑えたという。

吸いごたえや加熱方式が異なる3製品をそろえる意味

JTは新製品投入後も既存製品の取り扱いを継続する。つまり、プルーム・テックのラインアップは3種類となる。iQOSも複数の製品があるが、こちらは機能の違いによって3種類に分けられており、プルーム・テックはそれに対して、吸いごたえや加熱方式によって異なる製品を用意したかっこうだ。

3つの製品を投入することで、選択肢を提供する

岩井副社長は「温度で選ぶ時代」と表現し、低温のプルーム・テック/プルーム・テック・プラスと、高温のプルーム・エスという選択肢によって「好みや生活環境、ライフステージの変化に合わせて、いつでも最適な選択ができる」ことを狙ったとしている。

たばこ事業本部長の岩井睦雄副社長

たばこ部分に互換性がないという問題はありそうだが、現在でも、においの少なさを重視して自宅ではプルーム・テックを吸いつつ、味わいを求めて喫煙所では高温加熱式の加熱式たばこ、と双方を使い分けている人が少なくない。そうしたユーザーに対して、「それぞれで求められるニーズを高いレベルで満たし、両方を提供するのが顧客満足度の最大化に繋がる」(岩井副社長)と判断し、製品開発に取り組んだ。

加熱式たばこ最大市場の日本から、海外市場を見据える

岩井副社長は新製品でiQOSからシェアを奪取し、「中長期的にはRRPカテゴリでもシェアナンバーワンを目指す」と意気込みを語る。

「RRP」とは「リスク低減製品」のこと。「喫煙にともなう健康へのリスクを低減させる可能性がある」と位置づけられる製品だ。

日本では法律上、液体にニコチンを含ませて販売することはできない。電子たばこは、このニコチンを含む液体を蒸気化させるため日本で販売できず、結果、加熱式たばこが普及したという背景もある。加熱式たばこの市場規模では日本が世界最大だが、iQOSが韓国や欧州の一部で販売を強化しており、グローバルでの市場拡大を狙っている。

JTは海外ではlogicブランドで電子たばこを販売している。海外での電子たばこ事業はありつつも、まずは製品の国内ラインナップを拡大して加熱式たばこのシェア拡大を図るとともに、紙巻きたばこを含むすべての製品の価値を向上させることで、市場の拡大に繋げたい考えだ。「日本での成功がグローバルでの成功につながる」と岩井副社長は強調する。

紙巻きたばことRRP製品の双方を拡充する
日本では加熱式、海外では電子たばこを提供中

紙巻きからの移行、数年以内に大きな山場

2018年は加熱式たばこが踊り場を迎えたと言われた。日本ではここ数年で急激に加熱式たばこの普及が進んだが、市場シェアが20%を越えたところでユーザー需要は一巡したとみられる。

ただ、プルーム・テックの全国販売の開始や、他社では直近のiQOSの新モデル投入などを経て、その動向から、需要の伸びは「足踏みしていたが、止まったわけではない」(岩井副社長)との認識にあるという。加えて、紙巻きたばこによる健康懸念の高まりや、オリンピックによる喫煙場所の規制といった外的要因もあり、「必ずシガレット(紙巻きたばこ)からRRPに移ってくる」(同)という見通しだ。

課題は、紙巻きたばことは異なり、デバイスを購入しなければならないというハードルの高さだ。一度購入した後、他社のデバイスへ移行しづらいという難題につながる。

他社の後追いとなった高温加熱式では、「差別化のポイントをしっかりと伝えていく」ことで買い替えを促進する。JTが主導する低温加熱式では、「若干下方修正したが、手応えも感じている」と岩井副社長は説明する。今後は製品の良さをアピールするために、喫煙者に直接説明をする営業スタイルを重視していく方針をとるそうだ。

JTは日本市場で紙巻き、加熱式のいずれでもシェアトップを目指す

JTは1社で複数の選択肢の製品を用意することで、消費者のニーズの受け皿を最大化しようと目論んでいる。この先にグローバルで展開する上で、ユーザーからどのような示唆が得られるのかを検証していき、海外での加熱式たばこの市場拡大にも乗り出していきたいと考えているようだ。

加熱式たばこは間もなく、国内市場シェアだけでなく、海外市場の争奪戦の行方も左右する正念場を迎える。

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

大手コンビニ3社、成人誌の販売中止を相次ぎ決定

2019.01.22

セブン、ローソンに続きファミマも成人誌を販売中止

インバウンドの増加、オリンピックの開催も影響か

コンビニ最大手のセブン-イレブンと業界3位のローソンが成人向け雑誌の販売中止を発表したのに続き、業界2位のファミリーマートも同様の方針を打ち出した。大手3社の足並みがそろい、日本国内のほとんどのコンビニ店頭から成人誌が消える。

国内のセブン-イレブン店舗数は2万店を超え、ローソンとファミマが1万5,000店前後でこれに続く。それぞれ今年の8月末までに取り扱いを原則中止するという。これまで一部店舗で成人誌の販売を中止していた例はあったが、今回は各社全店舗で取り扱いを中止する。業界では昨年1月から、ミニストップが他社に先駆けて全店で取り扱いを中止していた。

もともと諸外国にくらべ、女性や子どもの目につきやすいコンビニ店頭などに成人誌が置かれている日本のゾーニングの現状は特殊であるとの批判があった。また、インバウンドで訪日外国人が増え、この論調に拍車がかかっていたほか、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、イメージ低下を防ぐ要請が強まっていたという背景がある。

コンビニでの成人誌の購買層は近年、高齢男性に偏るとともに売り上げの減少も顕著であったといい、ゾーニングの問題が取り扱い中止の大義名分になったという見方もある。ある出版関係者は、「一部では電子版などネット展開を強化している流れはあるが、今でもコンビニは重要な販路なので、相当な混乱があるだろう」と話す。どちらにせよ、日本の成人誌は岐路に立たされることになる。