KDDIがIoTに本腰! パートナーはドコモ色あるちょっぴり複雑な関係

KDDIがIoTに本腰! パートナーはドコモ色あるちょっぴり複雑な関係

2016.10.20

KDDIがIoTビジネスを加速するために動き出した。IoTプラットフォームを提供するソラコムと手を組み、企業がIoTビジネスを容易にスタートさせるための枠組みや料金体系を整える。サービス開始は12月以降の予定で、今回の取り組みにより、KDDIはIoTビジネスに本腰を入れる構えだが、パートナーはドコモ色を持つ、ちょっぴり複雑な関係なのだ。

KDDIがIoTで新たな展開

KDDIはソラコムと共同開発したIoT向け回線サービス「KDDI IoT コネクト Air」でIoT分やでの新たな展開を図る。

KDDIはIoT向け回線サービスを新たに提供する

21世紀初頭からM2M/IoT分野でサービス提供を行ってきたKDDIだが、ここにきて次のようなニーズが寄せられているという。通信サービスの申し込みの簡便さ、少数回線からでも行えるスモールスタートに適した利用、顧客側で通信料や利用状況を把握できるシステム、IoTビジネスに適した料金体系などだ。

KDDIではこれまで、営業経由で申し込みを受け、相対契約での料金相談に乗り、運用サポートも行うなど、ある意味、手厚い支援を行ってきた。その反面、スモールスタートでIoTを始めたいという企業が多数おり、そうした会社にとってはハードルになる側面もあった。

「KDDI IoT コネクト Air」であればこうした課題を解決する。ウェブから容易に申し込み、SIMの発行も行える。ほかにも、SIMの発行や管理、通信の速度変更や監視も容易にでき、通信の中断や再開といった状態変更、速度の制限などがウェブからでき、今回のサービスによって、利便性が大きく高まるという。

料金体系もシンプルだ。初期費用は1SIM当たり、基本料は1日10円(利用中断中は1日5円)という把握しやすいもので、32kbps、128kbps、512kbps、2Mbpsの4つの回線速度ごとに定められたデータ通信料を支払うことになる。

「KDDI IoTコネクト Air」の料金体系

ソラコムはドコモのMVNO

注目したいのは、KDDIの新サービスがソラコム提供のIoT向け回線サービス「SORACOM Air」と同様の特徴を備え、ほぼ同一の料金体系であることだ。「SORACOM Air」は2015年9月のサービス開始以降、4000を超えるパートナーに利用され、IoTの分野では注目を浴びているサービスでもある。今後も「SORACOM Air」は提供していくという。そこが気になるのは、ソラコムがNTTドコモの回線を利用したMVNOでもあり、ドコモの代理と考えると、KDDIにとってはちょっぴり複雑な関係といえるからだ。

「SORACOM Air」と「KDDI IoT コネクト Air」は同様のサービスだ

もちろん、ソラコムのサービス(ドコモ回線)ではなくKDDI回線を利用したい、もしくは両方の回線を利用したいという企業もあるだろうが、KDDIがIoT分野で成功を収めるには、何とも心許ない。そもそも、KDDI単独でサービス展開を図るべきだったのでは? と思えてしまう。

KDDIはどうするか

その点に関して、KDDIは急激なIoTのニーズの高まりに対して、いち早く商用サービスを提供するためにソラコムと共同開発したと説明する。一から仕組みを構築するよりも、ソラコムと共同開発を行い、KDDIの強みを生かしたほうが得なのだろう。

その強みのひとつが営業力だ。企業のIoTの利用意向について「企業内でのコンセンサスが取れたような状況」「経営陣からのIoT利用の指示が出始めたような段階にある」というのがステージだ。そうした状況において、サービスを用意して、待ちの姿勢を貫くのではなく、全国のKDDI営業ネットワークを活用して積極的に攻めることが有効と見ているようだ。

営業力だけではない。アプリケーションやクラウドサービスといった上位レイヤー部分でも差別化を図れるのもKDDIの強みだ。IoTにはネットワークを経由してデータを集め、それをアプリケーションで表示、状況を人間に認知させる必要がある。通信部分だけではなく、上位レイヤーで勝負をしていこうというのがKDDIの戦略だ。IoTを巡るビジネスはまだ始まったばかりであり、こうした戦略がKDDIの想定どおりに進むのか。評価をするには少し時間がかかりそうだ。

総務省施策が追い風に? 携帯分離の「歴史的チャンス」狙うファーウェイ

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2019.03.20

モバイル業界を変える「携帯値下げ議論」が過熱

ファーウェイは日本を取り巻く環境を「歴史的チャンス」と発言

コスパ高いミッドレンジ端末でシェア拡大を目指す

20日、NTTドコモが特定の端末の購入を条件に通信料金を割り引く「docomo with」、購入する端末に応じて通信料金を割り引く「月々サポート」を終了する方針を固めたという報道が話題となっている。

国内のモバイル業界では携帯電話料金見直しが進んでおり、3月5日には総務省が中心に進めてきた端末代金と通信料金の分離が閣議決定された。NTTドコモは分離プランを軸とした新料金プランを4月に発表する見込みだ。

日本のモバイル市場を大きく変えるこの動きを「歴史的チャンス」と見ているのがファーウェイだ。2018年末から米中対立が加速する中、ファーウェイが打ち出すメッセージも語気を強めている。果たして日本市場でシェアを拡大できるのだろうか。

逆風吹けども、依然として業績は好調

今年に入り、ファーウェイの周辺が騒がしい。3月7日には、ファーウェイは米国政府を相手取って訴訟を起こした

さらにその内容をFacebookでライブ配信するなど、米国以外の世界市場に向けたメッセージにもしており、そのメッセージをまとめたウェブサイト「Huawei Facts」は、わざわざ日本語版も用意している。

2018年末から続く米中対立を巡る報道は、ファーウェイの業績にどのような影響を与えたのか。MWC19でインタビューに応じたファーウェイ・ジャパンの呉波氏は、「一部の消費者は影響を受けたが、2019年に入ってから売上は大幅に伸びている」と語った。

ファーウェイ デバイス 日本・韓国リージョン プレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏

話題の「折りたたみスマホ」でもファーウェイは先行する。

ファーウェイに先立って折り畳みスマホを発表したサムスンだが、こちらはMWCではガラスケース内での「展示」のみにとどまったのに対し、ファーウェイは「Mate X」の実機を用いて報道関係者に折り曲げを試させるなど、製品化で一歩先を行っていることをアピールした。

ファーウェイの折りたたみスマホ「Mate X」。報道陣には手に取って折り曲げてみる機会も用意された

Mate Xは次世代移動通信の「5G」にも対応しており、日本では5Gサービスの開始を待って投入時期を見極める方針だという。

ちなみに3月26日に発表予定のフラグシップ機「HUAWEI P30」シリーズは、例年通りのタイミングで日本市場に投入するようだ。SIMフリーでの発売だけでなく、ドコモが採用した「HUAWEI P20 Pro」のように大手キャリアによる採用があるかどうかも注目したい。

分離プランを「歴史的チャンス」と捉えるワケ

一方、2019年の国内モバイル市場で話題となっているのが携帯料金における「分離プラン」の導入だ。KDDIとソフトバンクはすでに導入済みだが、NTTドコモは4月に発表する新料金プランから本格導入するとみられている。

分離プランの特徴は、NTTドコモの「月々サポート」のように回線契約と紐付けた端末の割引が禁止される点だ。端末の割引自体が禁止されるわけではないというものの、大幅な割引は難しくなる。その結果、10万円を超えるようなハイエンド機ではなく、3〜4万円で一括購入しやすいミッドレンジ機の需要が高まるとの見方が有力だ。

この動きをファーウェイはどう見ているのか。

呉氏は「非常に重要視している。スマホが登場したときや、SIMフリー市場が始まったときのインパクトに引けを取らない、歴史的な瞬間になる」と興奮気味に語る。

日本のSIMフリー市場でベストセラーとなった「HUAWEI P20 lite」を始め、ファーウェイのミッドレンジ機のラインアップは厚い。モデルによってはフラグシップと同じCPUでミッドハイの価格を実現するなど、コスパの高さも特徴だ。大手キャリア向けにさまざまな提案ができる体制といえる。

フラグシップと同じ「Kirin 980」搭載でミッドハイ価格の「HONOR View 20」

また、5G対応も順調だ。

モバイルWi-Fiルーターに強みを持つファーウェイは、MWC19でも5G対応ルーターを多く出展していた。日本ではまだ周波数の割り当てが終わっていないものの、国内大手キャリアは2019年内にもプレサービスを始める動きがある。5Gスマホが普及するまでの間、5Gルーターの需要は高まる可能性がある。

5G対応のモバイルWi-Fiルーターも出展していた

ミッドレンジ市場の拡大を狙って、今年はシャープやサムスン以外にも、ソニーモバイルの参入も予想されている。

この価格帯が激戦区になることは間違いないが、ファーウェイはその中で高コスパの製品ラインアップや、国内での地道な販促活動やブランドメッセージの打ち出しによって対抗していく構えだ。

ヨドバシカメラ梅田店での販促イベントの様子
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2019.03.20

Googleが新しいゲームプラットフォームを発表

配信方式でゲーム機不要、「ゲーム機」の時代の終焉?

2019年内にローンチ、性能はプレステやXbox以上か

3月19日、米国で開催中のゲーム開発者会議「GDC 2019」の会場で、Googleがクラウドベースのゲーミングプラットフォーム「STADIA」を発表した。特定のゲーム機に縛られず、ネットに接続したスマホやパソコン、テレビを通してストリーミング(配信)形式でゲームをプレイできる。

この事業を担当するバイスプレジデントとして、STADIAを発表するフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏。そもそも彼からして、元はソニーのプレイステーション立ち上げの主要メンバーで、その後Microsoftに移りXboxを担当したという経歴の持ち主

かねてより、MicrosoftのXbox事業のトップマネージャーを引き抜いた、ソニーでPlayStationのハード開発にかかわったエンジニアが転職したといった噂が頻繁に流れており、「Googleがゲーム市場に本格参入する」という憶測は強まっていた。実際に2018年には、Googleは「Project Stream」と呼ばれるストリーミング形式のゲーム基盤の計画を発表し、米国内でベータテスターを募って技術テストを行っていた。

STADIAは、Project Streamの延長線上にあるサービスと見られる。ユーザーは特定のゲーム機を持っている必要がなく、従来のゲーム機の役割をするのはGoogleの設置するデータセンターだ。簡単に言えばクラウドサービスのように、実際にゲームタイトルが動作しているのはデータセンター側で、ユーザーはインターネットを介してゲームを遠隔でプレイする。

STADIAのデータセンターから配信されたゲームをパソコンでプレイしている様子
パソコンで遊んでいたのと同じゲームを、タブレットやテレビでも同じように遊ぶことができる

このプラットフォームの特徴によって、例えばYouTubeで新作ゲームのトレーラー動画を見ていて気に入ったときには、そのページ内の「プレイする」ボタンを押すだけで、インストールすら不要で、動画を再生するかのようにそのゲームをプレイできるようになる。

そして、STADIAのデータセンターが持つゲーム機としてスペックは、サービス開始時のものとして、GPUの演算性能は10.7テラFlopsに達するといい、これはPlayStation 4 Proの4.2テラFlopsや、Xbox One Xの6.0テラFlopsを大きく上回る。映像品質も4K/60fpsのストリーミングに対応し、将来は8K/120fps対応も予定しているという。

STADIA用の「STADIAコントローラー」も販売する。SNSアップ用のボタンや、Googleアシスタントボタンが備わっている

Googleは2019年中にSTADIAをローンチする予定で、まずは米国、カナダ、欧州でサービスを開始すると説明している。発表を受けた翌20日の東京株式市場では、任天堂とソニーの株価が揃って大きく下落した。投資家たちが、GoogleのSTADIAによって、Nintendo SwitchやPlayStationのビジネスが脅かされると考えたからだ。

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