【クオール】調剤薬局業界のM&Aの波を生き抜く

【クオール】調剤薬局業界のM&Aの波を生き抜く

2016.09.09

【クオール】調剤薬局業界のM&Aの波を生き抜く

 2013年3月22日、茨城を中心に栃木、群馬の3県に23店舗を展開している地場大手チェーン調剤薬局が子会社化された。売上高48億、営業利益1.5億、純資産4.9億円という対象会社に対し、全株式で40億円という大きなプレミアムを付けた価額での取引が行われた。

 調剤薬局業界は、一般的に業界再編・集約化が行われやすいといわれる小売業の中でも今まさに業界再編の最中、という業界である。そのため、他業種よりプレミアムは付きやすい傾向にあるのは事実である。とはいえ、これほど大きなプレミアムを付けた取り引きは過去になく、業界内でも大きな話題となった。これが、メディパル傘下で関東圏に特に強く展開している、クオール<3034>によるアルファーム買収劇だ。

 非常にドラスティックなM&Aを行ったクオールの沿革と、その戦略をひもとく。

■クオールの行った主なM&A 年月 内容 1992.10 調剤薬局の運営ならびに医薬品の販売を目的としてクオール設立 2006.4 大阪証券取引所「ヘラクレス」(現JASDAQ)市場に株式を上場 2006.10 福聚(東京都、9店舗運営)の全株式取得、子会社化(価額非開示) 2006.11 第一メディカル(東京都)の全株式取得、子会社化(価額非開示) 2007.3 ビー・エム・エル(東京都)から調剤薬局事業(6店舗)を10億1800万円で事業譲渡 2007.10 エーベルと合併 2008.12 ローソンと業務提携 2009.2 特例子会社 クオールアシスト設立 年月 内容 2010.2 メディカル一光と業務・資本提携 2010.2 テイオーファーマシー(香川県、21店舗)およびテイオードラッグ(香川県、4店舗)の全株式取得(価額非開示) 2010.6 本社を東京都新宿区四谷より東京都港区虎ノ門に移転 2011.12 東京証券取引所市場第二部に株式を上場 2012.8 ジェイアール西日本デイリーサービスネットと業務提携 2012.8 ローソンと資本提携 2012.10 人材派遣のアポプラスステーション(東京都)の全株式を取得(0%→100%、約32億円)、子会社化 2012.12 東京証券取引所市場第一部に株式を上場 2013.4 会社分割(新設分割)による中間持株会社、クオールSDホールディングス設立 2013.4 アルファーム(茨城県、23店舗)の全株式を取得(0%→100%、約40億円)、子会社化 2013.8 連結子会社のレークメディカル(滋賀県)を株式交換により完全子会社化(出資比率55.56%→100%) 2014.3 セントフォローカンパニー(茨城県、33店舗)の株式取得(52.14%)、連結子会社化(価額非開示) 2014.7 ココカラファインと業務提携 2014.10 連結子会社のセントフォローカンパニー(茨城県)を株式交換により完全子会社化(52.14%→100%)

 クオールの初めてのM&Aは、都内を中心に薬局9店舗を運営している福聚の案件であった。

 福聚は、直前期の06年3月期決算において、売上高17億円、営業利益1億円と良好な体質を持つ会社であり、クオールが強く展開している首都圏内において、都内6店舗、神奈川県・千葉県・宮城県にそれぞれ1店舗ずつ展開しており、ドミナント形成上よい戦略が取れると判断した。

 同時に、同社の100%子会社である医療総合研究所は、医療モールの運営を行っており、自社が運営するモール内に医療機関を誘致し、医療機関のサポートを行うとともに、同モール内にて自社の薬局を展開する事業を行っており、このノウハウ獲得も副次的な目的となっていた。

 クオールは続いて第一メディカルを買収する。第一メディカルが行っているのは、いわゆるメディカル関連の学術・販促資材の製作や、編集および出版といった事業であった。このノウハウと、クオールが培った患者・処方元の視線に立った薬の知見、この2つの融合を行うことが目的であった。

 これにより、製薬会社が現在内製しているこういった印刷物の領域に進出することができるようになった。

 続いては事業譲渡で、東京都で臨床検査などを行うビー・エム・エルの薬局事業(6店舗)を譲り受ける。取得した店舗は千葉県1店舗、富山県2店舗、石川県2店舗、新潟県1店舗と、飛び地ではあるがこれにより、北陸地域に進出することができるようになった。なお、譲り受けた部門の売上高は11億円、営業利益が1億3000万円、譲り受け資産が3億円に対し、譲り受け対価は10億円。営業利益の約5年分ののれんを付けている。地域進出は続き、周辺地区にて計25店舗を運営する香川県の調剤薬局、テイオーファーマシーおよび、テイオードラッグの全株式を取得、子会社化を発表した。

 また、2012年8月にはかねてより業務提携関係にあったローソンからの資本を5%程度受け入れた。ローソンとの関係性は、08年12月の業務提携から始まり、具体的な協業例としては、調剤薬局併設型コンビニエンスストア15店舗や、病院内におけるコンビニエンスストア6店舗などが挙げられる。

 現状、コンビニエンスストアと調剤薬局の併設店舗運営をしている他社の例としては、ファミリーマートとファーマライズがあるが、新業態であり顧客の利便性を満たすよいサービスではある。しかし、在庫管理の難しさ、薬剤師の人数の不足・単価などの都合による対応力の欠如など、法的緩和の措置がなければ営業ラインに乗せることは難しい模様である。

 続いて12年10月、薬剤師・看護師・保健師など医療関連人材派遣紹介事業を行うアポプラスステーション(東京都)の全株式を取得した。同社は、MRの派遣などを中心とした医薬品の営業およびマーケティングの受託事業であるCSO事業に、国内で初めて取り組み始めた企業である。

 これは、クオールの主力である調剤事業に加え周辺事業への進出、非調剤事業の再構築および増強を目的としていた。アポプラスステーションは、投資ファンドであるJ-STARが株式の59.5%を保有しており、経営成績としては、売上高52億円、営業利益1.5億円、総資産額は23億円。対してクオールの譲渡対価は32億円である。

 そして冒頭に書いた、アルファームの買収劇がある。財務状況は上記の通り、売上高48億、営業利益1.5億、純資産4.9億円。13年当時の類似した上場企業におけるEV/EBITDA倍率平均はおおよそ5.5倍程度であったことを鑑みると、かなりのオーバーバリューに思える。

 しかしながらクオールの戦略上、対象会社の出店地域、出店数を考えると絶対に獲得しなければならず、競合会社に取られてしまった場合、非常に取り返しづらいディスアドバンテージを持つことになっていた。

 当時のクオールは、関東圏に強く店舗網を広げており、関東圏内で店舗数首位を目指すため新規出店を重ねていた。アルファームは関東圏内に23店舗を運営しており、本件を取り逃がすと自社出店では賄うには出店計画も併せると多大な時間・人員を要することとなり、目標が大幅に遠のいてしまう。

 結果からすると他社を退け、子会社化に成功したわけだが、業界内で伝え聞いた話では、他社の入札額と2倍近い差をつけていたとのこと。このM&Aの結果、既存の出店計画と合わせると関東圏において調剤薬局業界トップの店舗数を築く流れとなった。

「M&Aは時間を買う」というのは月並みな表現であるが、殊に小売業においては、出店に当たっての立地調査および計画、人員の差配、金銭の準備など、1出店1出店ごとに時間とリスクが付きまとうことになる。クオールの行ったアルファームの買収劇は、数字のみで判断するとオーバーバリューであるが、諸般の事情を鑑みると必要な資金投下だったと思われる。

■業績と残務状況の推移

 クオールの自己資本比率は一見すると比較的低い水準で推移しているが、類似業種を見てみるとアインファーマシーズの自己資本比率(2015/4期)は42%、日本調剤の自己資本比率(2016/3期)は20.6%と低めの数字を出している。これは業種上の特性のようなもので、両企業ともクオールと頻繁にM&Aでの入札争いを繰り広げることが多く、借入にて賄うことがままある。

 案件によりけりだが、調剤薬局は店舗の土地建物を対象会社で抱えていることも少なくなく、そうすると対象会社にレバレッジをかけて買収するLBOというスキームも取りやすい。また、ドミナント形成をなしたのちは、株価も高騰しエクイティによるファイナンスも行いやすくなる。借入を起こし買収することは、成長の加速要因につながるのだ。例のごとく、アルファ―ム買収劇による対価の40億円は、全て金融機関からの借り入れで賄った。その資金は、13年5月、エクイティファイナンスにより34億円を調達し、全額返済へと充てた。

 クオールのM&A手法は、調剤薬局業界に訪れているM&Aの波を象徴するようなものが多いと言える。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部

クルマ新時代の駐車場は何を目指す? 「CASE」で見えてきた未来像

クルマ新時代の駐車場は何を目指す? 「CASE」で見えてきた未来像

2018.11.14

日本自動車研究所が「自動バレーパーキング」の実証実験

駐車をシステム任せにできる仕組みとは?

未来の駐車場はクルマの“ハブ”になる

自動運転、電動化、カーシェアリングなど、新たな技術・サービスの登場により変革期を迎える自動車業界。クルマの乗り方、使い方を根本的に変えるかもしれないこれらの要素をまとめて「CASE」というが、この文字を目にする機会も増えてきた。クルマが変わればクルマに関連するモノや場所も変わりそうだが、例えば駐車場は、どのような姿になっていくのだろうか。日本自動車研究所(JARI)の実証実験で、その一端を垣間見た。

「CASE」の進展で駐車場の姿も一変する?

「バレーパーキング」を自動化

「CASE」とは「Connected」(コネクティッドカー)、「Autonomous」(自動運転)、「Shared & Service」(カーシェアリングなど)、「Electric Drive」(クルマの電動化)という4つの言葉の頭文字をとってダイムラーが使い始めた概念のこと。そのうち、コネクトと自動化の2つを使って、JARIが実用化の道を探っているのが「自動バレーパーキング」というシステムだ。

JARIは経済産業省および国土交通省の委託を受け、2016年度から「一般車両による自動バレーパーキングシステムの社会実装に向けた実証」というプロジェクトを進めている。「バレーパーキング」とは、例えばホテルやショッピングセンターなどにクルマで乗りつけたとき、キーを従業員に預けて、代わりにクルマを駐車しておいてもらうサービスのこと。その自動化に向けて、JARIはシステム、制度、事業性などを検証してきた。

JARIは今回、自動バレーパーキングシステムの機能的な確認を行うためとして、東京都港区にある「デックス東京ビーチ」の駐車場で実証実験を実施。その模様を報道陣に公開した。そこではクルマが勝手に動き、定められた駐車スペースに止まり、再び動き出す様子を見ることができたし、自動バレーパーキングを含めた駐車場の未来像に関する話も聞くことができた。

JARIはデックス東京ビーチ駐車場の2階で実証実験を実施した

自動バレーパーキングとはどんなシステムなのか

自動バレーパーキングをドライバー目線で説明するのは簡単だ。例えばショッピングセンターのエントランスにクルマで乗りつけたならば、降車してスマートフォンのアプリで「入庫」を指示し、そのまま買い物にでも食事にでも向かえばいい。用事が済んだ頃に「出庫」ボタンを押して出口に向かえば、クルマ寄せには愛車が迎えに来ている。

自動バレーパーキングの指示はスマホで行う

では、そのシステムはどのようなものなのか。自動バレーパーキングは「クルマ」「管制センター」「駐車場」の3者による協調で機能する。駐車場の構造を把握している「管制センター」は、ドライバーから入庫の要請を受けると、安全性や効率を考慮して駐車場所とそこへ向かう経路を決め、「クルマ」に無線で指示する。「クルマ」は「駐車場」にあるランドマーク(目印)をカメラやセンサーなどで読み取り、「管制センター」が持つ駐車場の構造情報(地図)と擦りあわせて自らの位置と経路を確認し、指示された駐車スペースに向かう。そんな流れだ。

自動バレーパーキングの様子。運転席に人は乗っているが、ハンドルからは手を離している

同システムが実用化となれば、駐車場の「利用者」は手間を省けるし、「事業者」は駐車効率の向上を図れる。無人で自動運転を行うクルマであれば、ドアの開閉スペースは不要だし、ぶつけたりこすったりする心配もないはずなので、クルマをギュウギュウに詰め込めるからだ。JARIによれば、駐車効率は従来比で20%向上する可能性があるという。また、自動車事故の3割は駐車場で発生しているので、自動化は事故削減にもつながる。

ただ、実用化には当然ながら、いろんなハードルがある。自動バレーパーキングの実用化に向けて動いているのは日本だけではないが、JARIとしてはまず、同システムの国際標準化に向けた手続きを進めたい考え。2021年のISO国際標準化に向け、各国と協議を重ねているところだ。

また、システムが実用化となったとしても、最初から全てのクルマが自動バレーパーキングを利用できるわけではない。まず、通信機能が備わっていないクルマはアウトだし、通信できたとしても、管制センターの指示通りに自動運転をこなせるクルマでなければ、やはり同システムの恩恵は受けられない。

JARIの考えでは、まずは同システムが求める要件を満たすクルマだけが使える専用の駐車場を実用化し、段階的に「混在型」を目指すのが現実的だそう。ただし、混在型を実現するためには、人が運転するクルマと自動運転のクルマを駐車場内でうまく交通整理する工夫が必要になるだろう。

未来の駐車場はクルマの「ハブ」になる?

自動バレーパーキングの実用化には時間が掛かりそうな雰囲気だが、その先の駐車場の在り方についてもJARIは考えをめぐらせている。JARIのITS研究部に所属する深澤竜三さんによると、未来の駐車場が目指すのはクルマのハブ、つまり、クルマにまつわるさまざまなサービスの結節点だ。

JARIが描く未来の駐車場の姿

ハブ駐車場とはどのような施設なのか。深沢さんの描写はこんな具合だ。

「自動バレーパーキングで、勝手に駐車しておいてくれるのはもちろんですが、そこが自動車整備の拠点としての役目を果たしたり、電気自動車(EV)であれば、勝手に充電しておいてくれるとか。買い物が終わる頃には充電が済んでいるというのが理想ですね。あとは、観光地であれば情報配信拠点としての機能も想定できます」

「ほかのアイデアとしては、クルマを駐車しておいたら、宅配便がトランクに届いている、といったような使い方も考えられます。その場合は、トランクを開けられるような仕組みが必要にはなりますが、届け先を1件ずつ回る必要がなくなるので、配送業者の方も楽ですよね」

未来の駐車場は、クルマにまつわるいろんな機能を提供する拠点になるかもしれない

深澤さんの話を聞いていると、おそらくハブ駐車場はホテルに1つ、ショッピングセンターに1つという具合にではなく、地域に1つ、しかも大型の施設として存在するもののように想像できた。用事で近くまで来た人も使えば近隣の住人も使うし、カーシェアやレンタカーなどのクルマも混在している大きな駐車場。そんなイメージだ。

こういう駐車場が必要かどうかについては、地域によって状況が違うだろう。コンビニエンスストアですら広大な駐車場を備える地域がある一方で、例えば銀座のように、数台しか止められないけれど、短時間で驚くべき値段になるコインパーキングが稼動している場所もある。おそらく、ハブ駐車場が必要になるのは後者の方だ。

銀座に大きなハブ駐車場を作る余地があるかどうかは別としても、クルマの駐車以外には使いみちがないという点で「デッドスペース」化している駐車場に、さまざまな機能を持たせるというJARIの構想には可能性を感じた。一般道の自動運転も実用化となれば、例えば東京オリンピックの後、有明かどこかに残された広いスペース(会場の跡地)に大きなハブ駐車場を作り、そこと銀座などの繁華街を結ぶということも、夢のようではあるが不可能ではないはずだ。

AIを活用したVTuberアプリ「GooMe」デビュー! スマホ1台で配信可能に

AIを活用したVTuberアプリ「GooMe」デビュー! スマホ1台で配信可能に

2018.11.14

バーチャルタレントのライブ配信アプリ「GooMe」

先行体験版の募集を11月13日に開始した

独自のAIによって、スマホ1台でモーションキャプチャーが可能に

最近、バーチャルYouTuber(VTuber)の動画を目にする機会が増えた。毎日とまではいかないにしても、かなりの高頻度で更新している人もいる。現実的に考えると、モーションキャプチャーセンサーやVRデバイスなどで動きをつける必要があるので、1本の動画を制作するにしても、そこそこの作業負担が発生しそうだ。

え、VTuberはあくまでVTuberであって、“中の人”なんて存在しない?

もちろんそうだ。

だが、その話はいったん置いておいて、今や一般ユーザーがバーチャルタレントとして動画を投稿できる時代。センサーなどが必要だと、個人はなかなか手を出せなくなってしまう。

そんななか、スマートフォンアプリなどの開発を手掛けるトライフォートは、11月13日、バーチャルタレントライブ配信アプリ「GooMe」の先行体験版募集を開始すると発表した。本稿では、GooMeの概要を説明するとともに、記者発表会の様子をお伝えする。

センサーなしでバーチャルアバターを思いのままに操作

GooMeは、バーチャルキャラクターの動画配信と視聴を1つのアプリで楽しめるというサービス。モーションキャプチャーのセンサーやVRデバイスといった大がかりな設備がなくても、「スマホのインカメラで撮った映像をAIがリアルタイムに解析する技術」によって、バーチャルキャラクターの表情や体の動きをiPhone1台で操作することができる。

具体的には、アプリを起動させたスマホの前でポーズを取れば、AIが画像解析を行い、自動でそのポーズのモーションデータを作成してくれるというわけだ。

視聴者は、配信動画を観て楽しむだけでなく、配信者に対してギフティングやコメントをすることができる。サービスのローンチ初期は、スタンプを送るといった簡単なギフトを想定しているが、将来的にはアバターが触れられるようにギフトを3D化する予定。例えば「ボールをバーチャルの空間内で投げ合う」といった新しい体験を提供できるようにするという。なお、ギフティング収益の一部は配信者に還元される。 

GooMeのサービスイメージ

アバターのカスタマイズでは、顔、髪型、コスチュームそれぞれ5種類のなかから選ぶことができるが、今回の先行体験版ではランダムにアバターが生成される。

トライフォート 取締役 スマートフォンアプリ事業本部 本部長の安川昌平氏は「VRMという、ドワンゴさんが提唱している統一フォーマットに対応することで、他社サービスのアバターも使えるようにするつもりです。さらに、我々は凸機能と呼んでいるのですが、同じバーチャル空間にほかの配信者が参加できるような機能も検討しています」と、今後実装予定の機能を紹介した。

トライフォート 取締役 スマートフォンアプリ事業本部 本部長の安川昌平氏

先行体験版アプリは、同社のHPで申し込み可能。配信はまだできないが、AIを活用したリアルタイムのモーションキャプチャーを体感することができる。先行体験版アプリを利用できるのは、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR(iOS 11.2以上)だ。

11月下旬にリリース予定のβ版では、iOS 11.2以上のiPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRで配信機能を利用でき、iOS11以上のiPhone6、iPhone6plus、iPhone6S、iPhone6S plus、iPhone7、iPhone7plus、iPhone8、iPhone8plus、iPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XR、iPad Air2、iPad mini3、iPad mini4、iPad pro、iPad(5th)で視聴機能を利用できる。

安川氏は「現状はiPhoneのフェイストラッキング機能で表情をとらえているため、配信機能の対応端末はiPhone X以降です。ただし、できるだけ早くそれ以外の端末にも対応できるようにしたいと考えています」と、配信機能がiPhone X以降のみに対応している理由を説明した。

先行体験版でモーションキャプチャーを体験

発表会では、先行体験版に触れられるデモ機が用意されていた。実際にカメラの前に立ってポーズを取ったり、ウィンクしてみたりすると、スマホのなかのキャラクターはその通りに動いてくれた。しかも、目の開き具合までしっかりと再現。幅広い表現ができそうだ。

若干動きがカクカクしているように感じたが、安川氏は「現状、キャラクターの動作は30FPS(フレームレート。1秒あたりの表示静止画枚数のこと)ほどですね。ただ、正式版のリリースまでにさらなる性能向上を目指します。また、ネットワークを介さず、スマホのGPUで解析しているので、端末の性能にも大きく依存します」と、説明した。

公式バーチャルタレント「慧桜ココロ」もVTuberデビュー

今回の発表会では、GooMe公式バーチャルタレントに慧桜ココロ(あすかココロ)さんが就任することも発表された。

発表会であいさつしてくれた慧桜ココロさん

「GooMeでは、皆さんと仲良くなれるように、歌ったり踊ったりする、ライブ配信をしていきたいと考えています。また、YouTubeでは自分のことを知ってもらえるような動画を投稿していきたいですね。実はちょうどいま、YouTubeに1回目の動画をアップするところなんです。自己紹介や大好きなゲームをプレイしているのでぜひ観てください」(ココロさん)

慧桜ココロさんのデビュー動画。「よいしょー」が定番のあいさつなのだろうか

「動画をアップしてみたいものの、自分の顔を公開することに抵抗感がある……」という人も、まだまだ多いのではないだろうか。そんな人こそ、スマホだけでバーチャルキャラクターを操作して動画を配信できるGooMeで、一度バーチャルタレント体験をしてみてはいかがだろうか。