女性の取り合い勃発? 企業が急ぐ管理職の増加

女性の取り合い勃発? 企業が急ぐ管理職の増加

2016.09.14

「2020年までに女性の管理職を30%に」という目標を掲げる政府、それを追い風に高まる社会的機運から、女性の管理職候補を増やそうとする企業が増加している。しかし、管理職候補となる女性はどこにでもいるわけではない。だから今、この層をターゲットとした人材市場は活況だ。

行動計画の提出率 98%

女性の職業生活における活躍を推進することを目的に4月に施行された女性活躍推進法では、従業員数301人以上の企業に対し義務を課している。(300人以下の企業については努力義務)女性の採用数や、勤続年数の男女差などといった「女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析」。上記を踏まえた「事業主行動計画の策定と公表」などだ。対象となる大企業は、全国で1万5477社。そのうち、7月31日時点で1万5200、98.2%の企業が行動計画を提出している。施行直後には、約7割だったが、4カ月でほぼすべての企業が提出にこぎつけた。各企業の女性活躍への意識の高さがうかがえる。

まずは係長職を増やす必要性がみえてくる

これらのデータは社内に向けて公表されるほか、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データーベース」で公開される。大和総研がこのデータを分析し、公表した。

大和総研「企業における女性活躍の状況と取り巻く環境」より

それによると、採用人数に占める女性労働者の割合と、労働者に占める女性労働者の割合は、企業が大きくなるほど低下する傾向にある。つまり、大企業ほど男性中心の職場で、女性活躍が遅れているということ。一方、役職に就いている女性の割合は、いずれの項目においても、「300人以下」の企業の割合が最も高くなっており、企業規模が大きいと低くなっている。しかしながら、全体的にみて、女性の評価や登用の状況が十分とはいえない。女性管理職を増やすためには、まず係長職を増やしていく必要があると指摘している。

大企業、中小企業共に女性の管理職登用が大きな課題となっていることがわかる。

管理職に差し掛かる年齢が一番少ない

平成28年度版 男女共同参画白書。日本の女性の労働力をみると、25歳~29歳がピークで30歳~34歳でがくんと減少している

女性の労働人口は昔からM字を描くと言われている。働き盛りの30代くらいに結婚・出産で仕事を辞める人が増えるためだが、そのM字は女性の社会進出を促す社会全体の取り組みから、へこみが少なくなってきた。

一方で、へこんでいる事実は事実としてある。政府は女性の管理職30%を掲げているが、この管理職へと差し掛かる年代というのが、まさにこのへこみ部分の30代にあたるので、管理職候補に、と期待をかけられるキャリア女性の存在は貴重になってくる。

女性の管理職候補の採用が増加

「中途採用状況:年代別入社決定数の推移『女性の意識・雇用関連データとパソナキャリアの女性活躍支援関連の取組み』」

転職支援サービスを手がけるパソナキャリアカンパニー(以下、パソナキャリア)の中途の採用決定数を男女で比較すると、24歳までの入社決定数の増加率は男性が女性を上回っているものの、25歳以上の年代においては女性の増加率が男性を上回っていることが分かる。

「中途採用状況:年収別入社決定数の推移『女性の意識・雇用関連データとパソナキャリアの女性活躍支援関連の取組み』」

さらに年収別でみると、最も高額な700万円以上の増加率が他と比べて格段に増えていることがわかる。これは、女性の管理職候補を意識的に採用している結果とみていいだろう。

一方で採用しさえすればいいというものでもない。女性を採用した後の課題は尽きないのだ。パソナキャリアの調査でもそれは明らかだ。育児などと仕事の両立について課題意識を持っているとの回答が最も多い状況が続いているものの、男性女性両方の意識改革といったところが前年から大きな伸びを見せている。

意識改革。今まで会社内に女性が少なかった企業だと、職場に女性がいることがまれだったため、どうしたら最適な職場になるのか理解できていない男性も多く、一方でロールモデルがいない職場に入っていく女性にとっても分からないことは多くあるだろう。特に、管理職においてはその前例が多い企業は、より少なくなるから深刻な問題だ。

「女性管理職の実態:管理職になることへの不安『女性の意識・雇用関連データとパソナキャリアの女性活躍支援関連の取組み』」

実際、パソナキャリアが昨年管理職の女性を対象に行った調査によると、約55%が管理職になることに不安を感じていることが分かっている。

女性活躍推進法施行にあわせ「女性管理職担当チーム」結成

そんな中パソナキャリアでは、女性活躍推進法が施行される4月を前に、「女性活躍推進コンサルティングチーム」を発足させた。女性3人の専用コンサルタントが、営業に同行、企業が採用したい女性社員をヒアリング。マッチングしたのち、入社後も活躍できるようにサポートをしているのだ。

5月12日パソナ本社

5月上旬、都内にあるパソナ本社に、メーカー、ITなどさまざまな業界の18社、25人の女性が集められ、講習会が行われた。年齢も20代後半から40代までと幅広い女性たち。ここで行われているのは、パソナキャリアが提供するサポートの1つ。女性の管理職・管理職候補者を対象にチーム力を高めるためのリーダーシップや問題解決能力、長期的なキャリア形成を考える「女性リーダー育成プログラム」だ。

リーダーとして必要になる意識・考え方を学ぶ

この「女性リーダー育成プログラム」では、「リーダーシップ」「チーム力の最大化」「問題解決力」「キャリア」について計4回の講習を受ける。対象となるのは、各企業で管理職経験2年以内の女性もしくは、管理職候補とされている女性だ。

彼女たちがなぜ、同社の講習に参加しているのか。ここに、女性活躍の1つの課題、先に述べた「ロールモデルの不足」が横たわる。

社内でロールモデルとなる人がおらず、自身がロールモデルとなることを期待されている参加者。同じような境遇の仲間同士で同様の悩みを共有し不安を解消していく。そんなことが期待されている。

プログラムでは、講習の前に参加する女性の上司からアンケートをとる。内容は、参加する女性にどのようなことを学んできてほしいか、どんなリーダーになってほしいかといった期待などだ。これは女性が上司に書いてもらうようにお願いするのだが、それによって、上司も本人と一緒にキャリアを考える機会を作る、その意識付けをおこなうことができる。また、女性本人が上司との対話をした上で参加をするので、モチベーションにつながるのだ。やりっぱなしにしない……。ここでの対話自体も意識改革を促す狙いがある。

取材に行った際には、「リーダーのための問題解決力」というテーマで講義が進められていたが、特徴的なのは、ディスカッションが多いことだった。4つのチームに分かれて美容院を題材に、不満につながる項目、また来ようと思う項目をチームで討議して、「顧客にとっての価値」「顧客が負担するコスト」「顧客の利便性」「顧客との対話」の4つに分類して問題と解決策の洗い出しをおこなっていた。これによって現状がどのようなもので、あるべき姿とのギャップがどこにあるのかを把握するという。

講師によると、このようなリーダー研修では、女性の方が互いの意見を上手に聞きだし、多様な意見が速やかに出てくるという。また、コミュニケーションを重視する傾向が高く、それぞれ社内にロールモデルがいないことによる不安や戸惑いなどを相談して、解消している姿が見受けられたという。上司やメンバーなど職場を巻き込むコミュニケーション。リーダーとしての自信につながる意識の促進。これが女性活躍のカギになるかもしれない。

パソナキャリアカンパニー人材紹介事業部門 女性活躍推進コンサルティングチーム統括部長の岩下純子氏

そのほかにも、「等身大の女性管理職とは」をテーマに、女性の管理職登用が進んでいる企業で実際に管理職として働く女性の話を聞く、女性管理職向けセミナーや、企業の人事担当者などに向けた「女性管理職の育成と風土作り」セミナーなどを開催している。

さらには、パソナグループ内を横断したダイバーシティの取り組みのノウハウや、経験をパッケージ化してワンストップで提供するサービスも展開。企業の行動計画の策定や、従業員の意識調査、人事制度設計のコンサルティングといった法人向けサービスから、女性管理職育成研修、仕事と育児の両立セミナー、介護相談など、女性が企業で活躍するための課題となりえるものを網羅的にケアしていこうとしている。

中小企業にも広がるか“女性活躍”への取り組み

女性活躍推進法が定める行動計画の提出について、300人以下の中小企業については現状、努力義務だが、厚生労働省は、中小企業に対しても女性活躍の重要性を理解し、企業競争力の強化などにつなげていってもらおうと女性活躍を加速させていくための事業を開始。6月にパソナが、「中小企業のための女性活躍推進事業」を受託。中小企業に対して、女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定、女性活躍の状況について優れている企業に対し3段階で評価する「えるぼし」認定の取得に向けた支援をスタートさせた。7月26日の東京を皮切りに、全国で行動計画等策定に関する説明会を開催している。また、無料で保険労務士、中業企業診断士などといった資格を持った「女性活躍推進アドバイザー」が、電話相談や企業訪問をして、個別の支援も行うという。

“女性活躍”の取組みが加速する理由

女性活躍推進法そのものは、現時点での数字と行動計画を外に向かって示す義務しか課していない。それにもかかわらず、企業はなぜ、対応を急ぐ姿勢をみせているのか。

安倍政権が掲げる「一億総活躍社会」の実現に向けたの熱の高さから、企業もやらざるおえない状況にあることはもちろんだ。だがこの法律に関して言えば、企業のデータが同じ基準で一覧できるようになることで、数字の細かさや、取組みの具体性などから、企業ごとの温度差、進捗度合いがより見えやすくなったのだ。さらに、提出した行動計画に本当に基づいて女性活躍の取り組みが進められているのかどうか今後、見えてきてしまうことになる。就職における指標のひとつになることはもちろん、企業イメージにも関わる。「出来てすごい」から「出来て当然」になっていけば、当然遅れた企業は優秀な人員が確保できず、結果業績にも影響してくるなどなど様々な影響が出てくる可能性があるのだ。だからこそ、パソナが取り組む事業の意味は大きい。

パイが少なく、育成に時間がかかる女性管理職の候補。女性にとっては、プレッシャーであるものの、大きなチャンスのタイミングといえるだろう。一方、企業にとっては、数ある課題の中でも、急がなくてはならない項目となるだろう。

ポルシェの次に買うクルマ? 安東弘樹、ルノー「メガーヌ R.S.」に乗る!

安東弘樹のクルマ向上委員会! 第18回

ポルシェの次に買うクルマ? 安東弘樹、ルノー「メガーヌ R.S.」に乗る!

2019.03.27

ルノーの5ドアハッチバック「メガーヌ R.S.」に試乗

やっぱりMT車が好き! 高性能モデルの登場に高まる期待

もしも(好きなように)クルマが買えたなら…安東さんの人生設計

安東弘樹さんに同行した日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会も、いよいよ最後の1台となった。残すはルノーの「メガーヌ R.S.」だ。愛車のポルシェ「911 カレラ 4S」から乗り換える候補の1台として、「ある程度は本気で」購入を検討しているというこのクルマを、安東さんはどう評価するのか。

MT車の日本導入を待って購入を検討?

「メガーヌ R.S.」は5ドアハッチバック「メガーヌ」の高性能モデル。「R.S.」はルノーのモータースポーツ活動を担う「ルノー・スポール」の頭文字だ。このクルマについては以前、モータージャーナリストの塩見智さんに試乗してもらったので、詳しくはこちらの記事をご覧いただきたい。

「メガーヌ R.S.」に乗り込んだ安東さん

安東さん(以下、安):(乗り込んですぐ)ドアヒンジは多くの日本車と同じでプレスですね、開ける時に軽い感じがします()。(しばらく走って、高速道路に入りつつ)さすがはFF(前輪駆動車)、急加速すると暴れますね(笑)。

【編集部注】ドアヒンジとはドアとクルマをくっつけている部品のこと。ここの作りによってドア開閉時の重厚感、ひいてはクルマの上質感に差が出ると安東さんは語る。細かいポイントのようだが、ドアヒンジについてはマツダミニの取材でも話題になった。

編集部(以下、編):今回、メガーヌ R.S.に試乗してみたいと思ったのはなぜですか?

:すごく気になっていたクルマなのですが、まだ乗ったことがなかったので、どうしても今回、運転してみたかったんです。今回のクルマはDCT(デュアルクラッチトランスミッション)ですが、MT(マニュアルトランスミッション)車を今、待っている状態です。ただ、急加速した時の“暴れん坊感”を体験してみて、いくら電子的に制御しても、FFには限界があるなとも感じました。じゃじゃ馬を乗りこなす、というところにカタルシスを感じる人もいるとは思いますけど。

「メガーヌ R.S.」のボディサイズは全長4,410mm、全幅1,875mm、全高1,435mm。価格は440万円だ

:MTだったら欲しいクルマですか?

:はい。もうすぐ、MTが日本に導入されるらしいのですが、欲をいえば、「メガーヌ R.S. トロフィー」というグレードを待ちたいです。R.S.は279馬力ですが、トロフィーは300馬力なんで。

:「待ちたい」っていうのは、真剣に購入を検討していて、待ち構えているという感じですか?

:うーん、ある程度は本気で考えているっていう感じでしょうか(笑)。次もポルシェ「911 カレラ 4S」に乗るのが理想ではあるんですけど、それこそ、私の稼ぎ次第というか、買えない可能性もあるので……。今の911は、乗り始めてから10年になりますし、乗り換えたいタイミングではあります。

:その乗り換え候補の1つが、「メガーヌ R.S. トロフィー」だというわけですね。ただ、素人なので分からないんですけど、最近の安東さんの露出ぶりを見ている限り、次もポルシェで大丈夫なんじゃないですか?

:どうでしょうねー、想像もできません(笑)。今回の確定申告で、どのくらいの税金を払わなきゃいけないのかにもよりますし。フリーになって初めての確定申告なので、正直、怖いです。

:この間の「バラいろダンディ」(TOKYO MXで放送中のテレビ番組、安東さんは火曜レギュラー)で、「これから、税理士さんと話をする」っておっしゃってましたもんね(笑)

:いくらくらいの税金になるのか、それによっても変わってきます。ただ、フリーランスになってもうすぐ1年経ちますが、この収入では、新しい911には手が届きません(笑)

:本当ですか?

:今の911と同じように長期ローンを組めば、あるいは……。とは思いたいですが、新しい「911 カレラ 4S」を自分が乗りたい仕様で買うと、税金なども含めた乗り出し価格が2,200万円弱になってしまいます。日々忙しいのですが、薄利多売でやっているので、くどいようですが、本当に現状、購入は難しいです(苦笑)

1台はスポーツカーを所有しておきたいという安東さんだが、次に何を買うのかは将来の収入次第だそう。「メガーヌ R.S.」もMT車が気に入れば候補に入るようだ

:(メガーヌの走行モードを変更して)「レースモード」に設定すると、ESC(横滑り防止装置)がカットになるんだ……。自動ブレーキもオフになりますが、それは当然ですよね。サーキットを走っていて、前走車に近付くたびにブレーキが掛かったら、たまったものではないですから(笑)。このモードに入れても、そんなに乗り心地が硬くならないというか、不快感はないです。

法定速度で走っている限り、レースモードにする意味はあまりないでしょうけど、腕と環境が許せば、滑らせながら走ってみたいですね! MTだったら楽しいだろうなー。あと、パドルシフトは下まで伸びていて欲しいです。乗り始めてから、5~6回は空振りしてますから。

パドルシフトとは、指による操作でクルマのギアを上げ下げできる装置のこと。画像では分かりにくいかもしれないが、ステアリングの後ろに付いている
一般的にパドルシフトの操作部分は縦に長いが、「メガーヌ R.S.」のパドル(赤い十字マークが付いているところ)は上方向に長く、下方向に短い造形になっている。そのため、パドルの下の方を指で操作しようとして、何度か空振りしてしまったと安東さんは話しているのだ

:パドルシフトがステアリング連動式なので、コーナーを曲がっているときの操作も、少しやりにくいですね()。

【編集部注】パドルシフトには、ステアリングに連動して動くものと、ステアリングコラムに固定されているものがある。

:ステアリングと一緒にパドルシフトが動くのと、固定してあるのだと、どちらがいいんですか?

:メルセデスもそうですけど、ドイツ車はステアリングに連動して動く方が主流ですよね。ただ、ステアリングを切って(左右が)逆さまになっている時、パドルシフトの位置も逆になるので、どちらがプラス(ギアを上げる方)だか分からなくなることがあるんですよ。そこが難しいところで、だから「GT-R」(日産自動車)とかも固定式ですし、基本的にラリー用のクルマもコラム固定式ですね。

:ステアリングを切りまくるからですか?

:そうです。だけど、F1などのフォーミュラカーだと、ステアリングにシフトパドルが付いていて連動しますね。なぜなら、ステアリングを切っても最大で半回転ですから、左右の手を持ち替えないので、当然、その方が好都合です。

だから、このクルマ(試乗中のメガーヌ)は、ステアリングを大きく切っている時でも、シフト操作に迷わない事を優先させたんでしょうね。

:山道でヘアピンを抜ける時とかですか?

:そうですね。これ、好みは分かれると思います。

「メガーヌ R.S.」は1.8L直列4気筒16バルブ直噴ターボエンジンに電子制御6速ATのトランスミッションを組み合わせる

:このクルマ、小さいように見えて、幅が1,875mmもあるんですね。

:そう、結構あるんですよ。「Eクラス」(メルセデス・ベンツ)より幅が広い。

:メガーヌって、前のモデルまで3ドア(ハッチバック)が中心だったみたいですね。5ドアになって、見た目とかどうでしょう?

:このデザイン、僕は好きですね。先代よりも好きです。絶妙な“カタマリ感”があって、色もいい。シンプルなのに存在感があるという嬉しいデザインです。

:歴代のメガーヌ R.S.は、ニュルブルクリンクで素晴らしいタイムをたたき出してきたそうですが、そのあたりには惹かれますか?

:そこは、そんなに重視しません。ただ、メーカー同士が競い合ってくれる分にはいいんですけどね。ましてやFFですし、ちゃんと手なずけて走って、技術の革新というか、そういうところでメーカー同士が競い合ってくれているのは悪いことではないと思います。

:ただ、安東さんとしては、走りについては自分で確かめたい?

:そうですね。だから、こっちの方が数字が上だから買う、という感覚はありません。

:安東さんの頭の中にはクルマのスペックがたくさん入っていますけど、数字で比べて買おうというのではなく、ただ、好きだから頭に入っているだけなんですか?

:覚えようとしているんじゃなくて、スペック(諸元)表を見てると、自然に覚えちゃうんですよ。これ(試乗中のメガーヌ)だと、最大出力が279馬力ですよね?

:合ってます。

:それで、205kWじゃなかったでしたっけ?

:ごめんなさい、手元の資料にキロワットまでは書いてきてないです。

:206kWだと、280馬力になるんですけどね。

:……。

「メガーヌ R.S.」の最大出力は279ps(205kW)、最大トルクは390Nmだ。車両重量は1,480キロ

:数字的には見劣りしても、自分がいいと思えば買うというのが、安東さんのクルマ選びということですね。もし、次の911が何らかの理由で買えなかった場合は、メガーヌもアリだと思いましたか?

:MT車に乗ってみないと、何とも言えませんねー。急加速した時の暴れぶりを体験して、FFの限界は感じましたけど、MTなら、もう少し自分で制御できるかもしません。ただ、やっぱり楽しいクルマだなとは思いましたね!

:今回、たくさんの輸入車に乗っていただきましたけど、総評として、心に残ったのは?

:やっぱり、あの加速感も含め、テスラですね。何でも電気で動くので、後席のファルコンドアなんかが壊れたら目も当てられないとは思うんですけど、ただ、インパクトとしては「モデルX」になりますね。

もしも収入が激増したらどんなクルマに乗りたい?

購入を決めたメルセデス・ベンツ「E220d 4MATIC オールテレイン」には、何年乗る予定ですか?

:今の「F-PACE」よりも早いペースで走行距離が伸びる可能性があるので、2年で7万キロあたりが見えてくると、乗り換えを考えるかもしれません(※)。まあ、2年後に私の収入がどのくらいになっているかにもよりますけど……。

【編集部注】ジャガーのSUV「F-PACE」とポルシェ「911 カレラ 4S」の2台を所有している安東さんだが、通勤に使っているF-PACEは走行距離が伸びてきている上、大柄なサイズの問題で駐車場を見つけるのが大変なので、これをメルセデス・ベンツ「E220d 4MATIC オールテレイン」に乗り換える。サイズ的に駐車場が見つけやすい分、オールテレインの稼働率はF-PACEよりも高くなることが予想されるので、代替サイクルは早まるかもしれない。オールテレインが納車されるのは2019年5月の予定。その時点で、F-PACEには2年8カ月乗ったことになる。

:もし、収入がものすごく増えたら、所有するクルマの構成はどうしたいんですか?

:やっぱり「911」と、あとは「ヴェラール」(レンジローバー)のディーゼルエンジン車を買って、もう1台は小さいディーゼルエンジンのクルマで、それは「デミオ」(マツダ)なのか「ミニ」なのか分からないんですけど、そんな感じですかね。それか、プジョーの「308 アリュール」か……。

「308 アリュール」って、今までは税制的に中途半端な1.6リッターのディーゼルエンジンを搭載してたんですけど、それが1.5リッターになって、しかも、パワーアップしたんですよ。それに、何が嬉しいって、パドルシフトが付いたんですよ! 今までは上級グレードにしか付いてなかったんですけど。

プジョー「308 Allure」(アリュール)

:なるほど、収入が大幅に増えたら、クルマを2台にしておく必要もないですもんね。駐車場を借りて、3台持ってもいいわけで……。

:駐車場を借りるというか、3台のクルマを入れられる車庫が付いた家に建て替えるのが夢ですね。

:その可能性も、フリーになった今だと、高まってますよね。会社員でいるより、大きく稼げるチャンスがあるわけですから。

:そうですね、可能性は“ゼロ”ではないですね(笑)

:これも「バラいろダンディ」で聞いたような気がするんですけど、ある程度の金額を稼いだら、お仕事はやめるっておっしゃってましたよね? 好きなクルマに乗り続けられて、ご家族も安泰というような金額が貯まったとしたら。

:そうですね(笑)。3億円ほど貯まったら、やめると思います。家族を養えて、子供たちを学校に行かせられて、あとはクルマも、「ヴェイロン」とか「シロン」()が欲しいとは思わないので……。ポルシェのMTと、ヴェラールと、ミニか何かを所有して、スポーツ走行する時はポルシェ。長距離移動の時はヴェラール。そして、都内での仕事や移動の時は、コンパクトなディーゼルモデルか、電気自動車(EV)でもいいかもしれません。

【編集部注】どちらもブガッティのクルマ。1台で何億円もする。

:私の人生として、あと20年は責任があると思うんですよね。ただ、テレビ関係の仕事が続けられるとは思っていません。やっぱり、テレビの仕事って緊張するし、疲れますから(笑)。何より、ずっと私への需要があるとは思えません。

立て続けにクルマに乗った今回の取材も、かなりお疲れになったはずだと思っていたのだが……

他媒体が用意したクルマも含め、計11台の輸入車に立て続けに乗り、JAIA試乗会の取材を終えた安東さん。「仕事は疲れる」と言いつつも、メガーヌから降りるとすぐ、「ばらいろダンディ」の生放送に出演するため、試乗会の拠点となった大磯プリンスホテル(神奈川県)を愛車「F-PACE」で飛び出していった。

安東さんのコラムによれば、今回の取材はさすがにくたびれたものの、愛車を運転して帰ったおかげ(?)で、半蔵門(正確には東京都千代田区麹町)にあるTOKYO MXに到着する頃には、すっかり疲労感がなくなっていたというから驚きだ。

とにかく、多くのクルマに限られた時間で乗ってもらったので、時間配分がうまくいかず、弊紙では紹介しきれなかったクルマもある。具体的にはポルシェ「パナメーラ 4 E ハイブリッド」とBMW「X3 M40d」の2台なのだが、これらも安東さんが試乗を希望したクルマだったことに変わりはない。特に「X3 M40d」については、短時間の試乗ではあったものの、「もっと乗ってみたくなるいいクルマだった」とのコメントがあったことは、ここでお伝えしておきたい。

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メルセデス・ベンツの電動化戦略、「EQC」で本格化

エンジン車にも通じるクルマづくりの作法

加速はスポーツカー並み! 航続距離は450キロ

メルセデス・ベンツ初の市販電気自動車(EV)「EQC」が今年、いよいよ登場する。2019年半ば頃の日本導入が噂されているが、一体、どんなクルマに仕上がっているのか。モータージャーナリストの清水和夫さんは以下のように解説する。

メルセデス・ベンツのEV「EQC」

メルセデスの電動化を包括する「EQ」ブランド

メルセデス・ベンツは2018年9月、スウェーデンのストックホルムにおいて、バッテリーだけで走る電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)「EQC」を正式に発表した。それまでも、各国の国際的なイベントでは、同社の電動モビリティを包括する「EQ」(イーキュー)というサブ・ブランドを発信してはいたが、いよいよ、本格的なメルセデスの電動車両がEQCから始まるのだ。

ここでは混乱を避けるため、電動車両の定義とメルセデスが採用する「EQ」というサブ・ブランドについて説明しておく。

「EQ」とは「電動化」にフォーカスしたメルセデスのサブ・ブランドであり、バッテリーだけで走るBEVを「EQ」、バッテリーとエンジンを組み合わせるプラグイン・ハイブリッドを「EQ Power」、48Vのサブ電源を使うシステムを「EQ Boost」と呼ぶ。

このように、電動車両といっても、バッテリーとモーターだけで走るBEV、エンジン/バッテリー/モーターを組み合わせるプラグイン・ハイブリッド(PHVあるいはPHEVと略す)、あるいは、48Vを使う車両に見られるマイルド・ハイブリッドなど、クルマの在り方は多様化している。「〇〇社は20XX年までに全てのクルマを電動化する」というヘッドラインのニュースが世界中を駆け巡っているが、電動化の中身をきちっと理解する必要があるだろう。メルセデスの場合は「EQ」「EQ Power」「EQ Boost」の名前で整理している。

「EQ」ブランドのクルマたち

EQCは「GLC」相当のSUVをベースとするクルマだ。「Aクラス」相当のセグメントでBEVが登場すれば、「EQA」と呼ぶことになるだろう。

内燃機関はベンツの代名詞、EVはどう作る?

EQCの日本初公開となったイベントは、桜が咲く前の3月初め、メルセデス・ベンツのブランド発信拠点「Mercedes me」(東京・六本木)にて開催された。注目すべきは、メルセデス・ベンツ日本(MBJ)がEQCと家の電気をつなげる「EQハウス」という斬新なコンセプトで同車を発表したこと。EQCは自宅でも充電できるので、家との相性がよい。そこでMBJは、竹中工務店と組んで「EQハウス」という新しいアイディアを提案したのだ。クルマと家が電気でつながることを「V2H」(Vehicle to Home)と呼ぶ。日本では以前から取り組んできたシステムだ。

MBJと竹中工務店は、モビリティとリビングの未来の姿を具現化すべく、六本木の「Mercedes me」に体験施設「EQハウス」を設置した。ちなみに、「EQC」の展示はすでに終了している

ところで、EQCのカットモデルを見た時、面白いことに気がついた。EQCは「Cクラス」ベースのSUV「GLC」をベースとするが、BEVなのでエンジンとギアボックスが存在しない。そのスペースには、パイプ製のケージが設置されているのだ。パイプの内側にはフロントモーターとデフ(デファレンシャルギア)が置かれ、上部にはインバーターが配置されている。リアも同様にモーターとデフでリアアクスルが構成される。

エンジンがなくなる代わりに、「EQC」にはモーターとデフを納めたパイプ製のケージが入っている

バッテリーは床下のフロア内に格納することで重心を低く設定できる。と、ここまでは常識的なパッケージなのだが、衝突安全の剛体として、このパイプ製ケージにはエンジンと同じ強度を持たせてある。つまり、エンジン車と同じく、モジュールでデザインできるモデルベース開発(MBD)を取り入れているのだ。自動車業界で流行の手法は、EQCにも採用されていた。

EQCのボディサイズは全長4,761mm、全幅1,884mm、全高1,624mm、ホイールベース2,873mmとGLCに近いから、シミュレーションしやすい。性能を見ると、前後2つのモーターは合計で最大出力408PS、最大トルク765Nmを発生する。加速性能はV8ターボのエンジン車並みで、停止状態から時速100キロまでの加速は5.1秒と俊足だ。リチウムイオン・バッテリーの容量は80kWh。気になる航続距離は450キロとのアナウンスがあった。

「EQC」のボディサイズは「GLC」に近い。加速はV8ターボエンジン並みだ

EQCの試乗会は2019年5月に開催されるので、それまでは詳細なインプレッションをお届けできないが、スポーツカー並みの加速性能を誇るEQCは単なるBEVではなさそうだ。何か、もっとすごい仕掛けがありそうに思える。試乗会が楽しみになってきた。

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